現パロシリーズ、何とか書けました……
ダクネス、アクア、めぐみんの三人とゲームしていた俺は、父からの電話を受けて、ダクネスの家からめぐみんと二人帰ることになった。
栄養不足で倒れためぐみんをおぶって帰っている俺はふと思った。
このまま帰ると高確率でダル絡みされるという事に。
動けなくなって眠ってるめぐみんをおんぶして帰るリスクを真剣に考え始めていた。
咲希家の門前に着いてから。
そして、今、咲希のお母さんに気付かれ、考えるのを俺は辞めた。
「あら、和真くん。久しぶりねえ。大きくなったわね。あれ?カズちゃん?それに、おんぶしてるのはめぐちゃん?二人とも知り合いだったの?」
「ネットで知り合ってて、友達で」
「あ!もしかしてめぐちゃんが言ってたゲームで結婚してるカズマって人カズちゃん?」
なんでその話してんだよ!
俺の見てる作品やらゲーム軒並み知ってて、同じく視聴者プレイヤーの弟にすら結婚の話はしてないってのに、コイツは隣人に話してるって!?
「・・・はい」
「いつもめぐちゃんが私の男がカッコイイって咲希に話してたのよ。それで、いつから付き合ってるの?」
「・・・いや、そう言う関係じゃ」
予期していた最悪の事態に巻き込まれてしまった。
と言うかめぐみんはめぐみんで、何言ってんだよ。
もういいや。
後はなるようになるだろう・・・
「おい、何やってんだ?冷蔵庫の酒が無くなったから買いに、って、おお、カズマくんか、久しぶりだなあ。あれあれどうして、寝ているめぐみんちゃんをおんぶして登場と。あっ、もしかしてめぐみんちゃんの結婚した相手って」
めぐみんのやつ咲希の親父さんにも話してたのか。
なるようになるだろうな。
うん。
主に、俺とめぐみんの関係をいじる方向で。
「はい、俺です。でもって、このまま俺達が付き合ってておめでとう会になるんだろうなって諦めてます。和真です」
「なんだ?違うのか?」
そんなつまらなそうな反応されても困る。
久々に会って早々にいじられるとか俺が何したってんだよ。
「今日初対面なんで」
「・・・初対面でおんぶされて寝ると言うのはどう思う母さん」
「少なくとも私は安心できる人の背中じゃないと眠れないわね」
「俺もそう思う。でカズマくん何か言いたいことは?」
そう言われると言い返せない。
確かに、今日あったばかりの男におぶわれてそのまま寝るのは無防備すぎると思う。
とは言え、めぐみんからすればいつも相談に乗ってくれてた相手だもんな。多少信頼しちゃうのはあるかもしれない。
「何も、いや、起きろ!めぐみん!」
「えっ、なっ、何ですか!?あの、あなた誰ですか?」
「俺もう泣きたい」
誰って、そりゃあ今日会ったばかりだもんな。
一眠りして忘れても・・・
いや、忘れるようなやつにおんぶされて安心して寝るなよ!
「・・・?あっ、カズマ。いや、その、寝ぼけてたのでつい。大丈夫ですよ。ちゃんとカズマだって分かってますから、なんならお詫びのチューしてあげますよ。私たち夫婦ですからね」
「要らんわ!てか周り見ろバカ」
なるほど、コイツ完全にゲームの中と同じ感じで俺と接してるのな。
ふむふむ。
もうこのバカのせいで誤解を解くのは難しくなったんだが、冷静になるとなんてことの無いゲームの中での日常だった。
咲希の両親からの誤解を解くのを俺はもう諦めた。
もう知らん。
どうせこのクエみたいに勝手にカップル認定されるんだ。
そうに違いない。
「バカとは何ですか。バカとは!バカっていう方がバカなんで、す?……あっ」
「あっ、じゃねえよ!気付くのおせえんだよ!」
「何で先に教えてくれないんですか!」
「ここにきて逆ギレか!こちとらお前が寝てる間にあらぬ誤解を解こうとしてたんだからな」
周りに見られてて恥ずかしい程度にしかコイツは気付いてないし、今何が起こってるのかもわかってないよな。
ゲーム部の様子見なんてするじゃなかった。
でもどの道、家が隣なら出会ってるか。咲希も仲良くしてるし、咲希の家に出入りしている以上確実に会うことにはなるか。
スマホ版でちょっと触ろうとしたタイミングとかで画面見られたらバレるし、逆も然り。
遅かれ早かれこんな感じにはなってたのかもしれないが、その場合めぐみんは起きてるから今の方が面倒な気がする。
「誤解?・・・あっ」
「心当たりがあるみたいだな。お前、普段から俺の話してたみたいだけど何喋ってたんだ?」
「黙秘します」
「・・・おっ咲希か。丁度いいところに!聞きたいことが」
タイミング良く咲希が部屋から降りてきた。
こちらを見てぽけ〜っとしてるし、この状況を全く飲み込めてないのがよく分かる。
そして、恐らく咲希にも色々俺の話してるだろうめぐみんにとっては咲希の登場は非常に困るだろう。
「待っ、待ってください!謝ります!謝りますからそれだけはやめてください!」
「はいはい。分かったらとりあえず降りてくれ」
とりあえず、おんぶしてる状態から解放された。
とは言え、咲希を除くこの場にいる人からの追求は続くだろう。
早く帰りたい。
「コホン、それで二人はいつからお付き合いを?」
「だから違うって!」
「ええ、私達リアルではただの友人ですよ」
「本当かなあ〜?」
咲希家からの誤解はもう諦めた方がいいかもしれない。
お父さんさえちゃんと説得出来ればもうそれでいい気がしてきた。
うん。
もうここで労力使うのはやめよう。
「嘘ついてどうするんですか?」
「どうするもこうするも、隠したいって事だろう?」
「仮にカズマと私が付き合っていたら堂々と宣言しますよ。ね?カズマ」
このクエでこやつは女性アバターで、俺に擦り寄ってくるプレイヤー全員に私の男に手を出すとはいい度胸ですね!とか言って、決闘挑んでるもんな。しかも魔法使い職のはずなのに、物理で圧倒して勝ってたな。
・・・アレは本当に意味が分からないし、理解したくない。
「・・・なあ、アレ、ゲームの中だからやってるロールプレイじゃなくてリアルでもやるつもりなのか?」
「当たり前じゃないですか。好きな人を取られないように自分の男だって知らしめなきゃですし」
好きな人とか言い出したよこの子。
今の発言で誤解は確定した気がする。
気がするけど、ここは援護射撃しとこう。
「だそうなんで、仮に俺たちが付き合ってたら開口一番にめぐみんは俺の事を私の男呼びしてたはずだからないです」
「ということは咲希にも可能性はあるのねえ。ね、咲希?」
「な、なんで私に言うのよお母さん!」
「そりゃあねえ?ってアレ?カズマくんは?」
何か面倒なことに巻き込まれそうな気がした俺は、おじさんに手洗い場を聞き、トイレへ逃げる俺だった。
めぐみんにはペースを崩されるし、大人達は俺たちで恋愛話するつもりだから全力で逃げるしかない。
そりゃあ、おばさんは俺と咲希の約束なんて当然のように知ってるよな。
俺にもう安息の地はないのかもしない。こうなったら愚弟を巻き込んでやろうかとも思えてくる。
案外トイレに座ってみると、そのつもりがなくても出るものは出るらしい。
いい感じに時間稼ぎもできたことだろうと思い、部屋に戻るとそう言えば父さんもいることに気付いた。俺は戻ってきた事を悔やむべきか、逃げたことを悔やむべきかを悩みつつ後悔するのであった。
後者は主に今繰り広げられている話を止める所かさせずに済んだだろうから。
「カズマはカッコイイですよ!私が困っていたらすぐ助けてくれますからね!」
「そ、それは、そうだけど。デリカシーないし」
「カズマにそんなこと期待してません」
「・・・そっか!期待しなきゃいいんだ!」
最初は俺の事褒めてる所を聞けていいなとか思って聞いてたのに、どんどん悪い方に話弾んでるなこれ。
と言うか俺がカッコイイと言うのは咲希も共通認識なのか、なんか嬉しいな。理由はこれまで何度も助けた事があるからだろうし、外見の話じゃないのはよく分かってる。
「おいこら、人の事デリカシーないとかいう不名誉な共通認識を作るのはやめろ」
「なんですか?私がイライラしてる時に生理か?とかコメント打ってくるカズマに文句を言われる筋合いはないです」
「あん時はお前が男の子だと思ってたんだよ!女の子だってわかってたら言わねえよそんなこと。だからみんなしてドン引きするのはやめてください!」
今日めぐみんに会うまで男の子だと思ってたんだからしょうがない。
まさか、女の子相手にそういうこと平気で言う人だとめぐみんに思われてた訳だよな。だって、結構な下ネタ話してたよな。年頃の男なら興味あるだろうと思って……
だから、お父さんには年下の女の子にセクハラしてたのかって感じの怒りの眼差しをこちらに向けないで欲しい。
「・・・あの、自分で言うのもなんですけど、女性プレイヤーだから優しくしてくれてた訳では無いのですか?」
「ネトゲの女アバターなんて殆ど男って相場だし、物凄い漢気溢れる子だったからな。弟くらいに思ってた。それで境遇を聞いて、弟被るからいたたまれなくなったと言うか」
そう、弟が同じような状況にいるとなると、何とかしてあげたいなと思った。年齢も近いしネット上でも、知り合って親しくなった人の窮状を聞いたら優しく接すると思う。
「そうですか。カズマ、話があります」
「なんだ?」
「私達こっちでもけっ「あ!和真!そろそろ和真の好きなアニメ始まるよ!」・・・」
「おおっと、そうだった。咲希ありがとう。で、めぐみんなんだ?」
「・・・やっぱり、なんでもないです」
何でもないらしい。
けど、明らかに何か伝えようとしてたよな。
それと、聞こえないけど、遮った咲希に何か文句言ってるようだし。
気にしても仕方ないから、ポイもんの映画を見るための準備を始めた。
カズマのこれまでの言動が私を男だと思っての言動だとすると、数々の下ネタによるセクハラも単なる年上の同性からの教えでしかなかったと分かる。
デリカシーがないと言うのは少し改めなければならないかもしれないが、今ここで私の一世一代の覚悟を潰してくれた幼馴染のサキが肯定していたからどうなのだろう?
「サキ!やってくれましたね!」
「え?なんのこと?」
「・・・意図してやったのでは無いのですね」
「えっと、めぐみん、私何かしちゃった?」
そう言えばサキはタイミング悪い事がこれまでにも多々ある。
サキが引っ越す前、最後に和真へ話をしようと思い立った日がまさかの出発の日で、出発が午前四時で会うことも叶わず。しかも、会う口実の一つだったスマホを紛失したから連絡先の交換をしたいと言うもの。紛失したことは事実で、連絡先が全て消えてしまった。
更に運の悪いことに、恥を忍んで両親に引越しから半年後に連絡先を聞いたら、両親共にキャリア変更のキャンペーンで機種変更した時にデータ全部消えたから分からないと言う状況。一週間早ければ分かったらしい……
サキの想い人の幼馴染がカズマだったことだけは予想外。
カズマと和真が同一人物なんて考えすらしていなかった。
サキからの妨害かとも思ったけれども、ここに来てタイミングの悪さがいい方に働くとは……
「私の一大決心を遮ってくれました」
「え!?それは、ごめん」
「はぁ、まあいいです。少し早すぎる気もするので」
「?めぐみん、何しようとしてたの?」
ふむ。
本当に何しようとしていたか知らない様子。
こうなると、確実に私が何言おうとしてたか理解してニヤけてる大人達を黙らせねばならない。
「それは内緒です。あっ!私が何しようとしてたか分かってる人に言っておきますが、サキとカズマに言ったら試作品をここで使いますからね!」
「な、なんの事だい?俺達は何も聞いてないぞ。なあ、母さん」
「ええ、めぐちゃんが何か言おうとしてたことくらいしか知らないわ。そうですよね佐藤さん。佐藤さん?」
私の実験を知っている二人には伝わったようだ。
ただ、カズマのお父さんには伝わって居ないようで、神妙な面持ちでカズマの方へと向かう。
「・・・和真。話がある。帰るぞ」
「えっ、父さん?今ポイもんの映画観る準備が整った所なんだけど」
「いいから帰るぞ。それは録画しといたから休みの日でもいいからサキちゃんとめぐみんちゃんも呼んで見ればいい」
どうしよう。
これが私との関係を聞くための帰宅だったら、私が何を言おうとしてたかカズマに知られてしまう……
「ああ、うん。母さんから帰ってこいって言われたとか?」
「まあ、そんな所だ」
「二人ともまた明日!料理ありがとうございました。お邪魔しました」
「またね!いつでも来ていいからね!」
とカズマはお父さんに連れられて帰って行った。
とりあえず、誤魔化してくれたのなら黙っていてくれるのかなと希望的観測をする私であった。
次回、カズマさんがお父さんとお母さんに苦しめられます!
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