丸藤翔のやり直し   作:交響魔人

16 / 20
今回はオリジナルのサイバー流の生徒が登場します。


翔とサイバー流所属のテニス部部員。

 この日、テニスの授業があり、くたくたになった翔はスポーツドリンクを飲んでいた。

 

 

「小原君、神楽坂君。スポーツドリンク、いるッスか?」

「あ、ああ。貰う」

「ありがとう」

 

 

 ラーイエローでも編入組の彼らは、ラーイエロー寮について不慣れな僕に親切にしてくれたッス。

 だから僕もお礼をするッス。

 

 

 スポーツドリンクを飲む小原君と神楽坂君。

 本番になるとあがり症になるという小原君には、深呼吸して落ち着いてデュエルするようアドバイスしたら、オベリスクブルー相手に勝てるようになったッス。

 

 

 神楽坂君は、記憶力が良すぎてデッキが似てしまう、と言っていたッス。

 僕の【レスキューキャット】デッキを見て組みたいと頼んできたッス。だからレスキューキャットと獣族のカードを分けてあげたッス。

 

 

 …今なら。猫崎さんと分かり合えると思うッス。でも…僕は。レスキューキャットを使うのは少し抵抗があるッス。

 

 

 代わりに、僕のロイドデッキに合うカードをもらったッス。

 ただ、神楽坂君は『到底釣り合わないから、卒業までにパックから出て来た、ビークロイド関連のカードは僕にプレゼントする』と宣言したッス。

 

 

 

 

 そんな翔に、女子生徒が近づいてくる。

 

 

「秋津さん?」

「丸藤、ちょっといい?実は…蛭川が退学したみたいなの」

「えっ?!」

 

 

 奮起するのかと思ったら…。退学っスか。

 

「ラーイエローに配属というだけでも恥なのに、オシリスレッドに降格させられたことでご両親が連れ戻しに来たらしいの。本人はかなり反対していたみたいだけれど…。」

「そうッスか。」

 

 

 その話を聞きながら、小原と神楽坂はやめてくれて済々したという顔を浮かべる。

 ベランダで飲酒や煙草を吸う彼らを内心嫌っていたし、洗濯物が煙草の匂いで台無しにされた事もある。

 おまけに、ふざけてラーイエロー寮の備品を壊した彼らを、神楽坂達は快く思っていなかった。

 

 

「離れたまえ!オベリスクブルーの妖精が、ラーイエローみたいな半端者に声をかけるべきじゃあない!」

「えっ?」

 

 困惑する顔になる秋津さん。

 綾小路先輩ッス。オベリスクブルーの生徒だったはずッス。たしか、モーターデッキを使っていた…。

 

 

「私が誰と話そうと、綾小路先輩には関係ないかと。」

「いいや!そんな事は無い!」

「…綾小路先輩こそ、後輩とは言え女子生徒である私に声をかけていいんですか?」

「何?」

「フィアンセの耳に入ったら、大変なことになるのでは?」

 

 

 

 直後、綾小路先輩が小刻みに震え始めたッス。血の気が蒼白になり、膝ががくがく震え始めたッス。

 思わず僕は声をかけたッス。

 

 

「あ、綾小路先輩?」

「あ、アバババババババ…。」

 

 ばたん、と倒れてしまったッス。

 

 

「まずいッス!保健室に運ぶッス!」

「お、おう!」

「秋津さんは鮎川先生に連絡してくれ!担架は確か…」

 

 

 だけど、綾小路先輩は復活したッス。

 

 

「だったら、こうしよう!ラーイエロー!僕とデュエルだ!僕が勝ったら彼女に近づくのはやめたまえ!オベリスクブルーの女子生徒とラーイエローが交際するなどあってはならないんだ!」

 

 

 なんか無茶苦茶な事を言い出したッス。

 

「どうして、そんな事を決められないといけないのですか?」

「あ、秋津さん?」

「何の関係も無いのに、口出ししないでください。迷惑です」

 

 

 きっぱりと言い切り、論破する秋津さん。すごくしっかりしているッス。

 まっすぐに告げられたことで、綾小路先輩も沈黙したッス。

 

 

 

 

 

 

「だったら、俺とデュエルだ!チビメガネ!」

 

 他のテニス部部員がやってきたッス。でも僕は無視するッス。

 僕は丸藤翔であって、チビメガネでは無いッス。

 

 

「無視すんなこらぁ!」

 

 スッとかがむッス。僕の頭があったところを拳が通り過ぎ…

 軸足を払うと、無様に転倒したッス。

 

 

「いてぇえええっ!てめぇ!俺はサイバー流だぞ!」

「そうっスか」

「俺とデュエルしろ!俺が勝ったら秋津さんと別れろ!」

「…それに何の意味があるんスか?」

「はぁ?」

「僕と別れさせたとしても、秋津さんが君と付き合うかどうかは、秋津さんが決める事っスよ。」

「知るか!とりあえず、お前のような雑魚メガネが女子と交際しているという事自体が気に入らないんだ!」

 

 

 

 言葉が通じないッス。断ったら何をするかわからない事もあって、仕方なくデュエルする事になったッス。

 30分後、話を聞きつけたのか…知り合いが結構集まっていたッス。

 

 

 

 

 

「俺は西藤(さいとう)。チビメガネェ!本家、表サイバー流の強さをたっぷり思い知らせてやる!」

「…始めるッス」

 

 僕は、お兄さんの名前は持ち出さなかったッス。だって、それは僕のデュエルに関係ないッス。

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

翔 ライフ4000

手5 場 

西藤 ライフ4000

手5 場 

 

 

「先攻は譲ってやる」

「僕のターン。僕はモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドッス!」

 

 

翔 ライフ4000

手3 場 セットモンスター 伏せ1

西藤 ライフ4000

手5 場 

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札から永続魔法、未来融合-フューチャー・フュージョンを発動!次の俺のスタンバイフェイズに、融合デッキから融合モンスターを一体選択し、その融合素材を墓地に送る。そして相手の場にのみモンスターが存在することで、手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」

「やはり、引き込んでいたッスか」

「さらに、サイバー・ドラゴン・ツヴァイを召喚!手札のオーバーロード・フュージョンを公開することで、カード名をサイバー・ドラゴンとして扱う!バトルだ、サイバー・ドラゴン・ツヴァイでセットモンスターを攻撃!」

「ジャイロイドは1ターンに1度、戦闘では破壊されないッス!」

「だったら、サイバー・ドラゴンで攻撃!」

「くっ、ジャイロイドは破壊されるッス。」

 

 

 僕のモンスターが破壊されると、西藤は口元を歪めて笑うッス。

 

 

「ふん、攻撃が通ったか。となればその伏せカードは召喚反応型や攻撃反応型の罠では無いな!ターンエンドだ!」

 

 

 その発言に、翔は一瞬『何を言っているんスか?』と思わず突っ込みを入れたくなった。

 

 

翔 ライフ4000

手3 場 伏せ1

西藤 ライフ4000

手3 場 サイバー・ドラゴン サイバー・ドラゴン・ツヴァイ 未来融合(0) 

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 西藤君の手札には、オーバーロード・フュージョンがあるッス。次のターンにはキメラテック・オーバー・ドラゴンが出てくるッス。

 そうなれば、相手の場のカードは全部墓地に送られるッス…。でも。

 

 

「僕は、スチームロイドを召喚!このカードは攻撃する時、攻撃力が500ポイントアップするッス!バトル、スチームロイドでサイバー・ドラゴンを攻撃!」

「はぁ?サイバー・ドラゴン・ツヴァイを攻撃すればダメージが多いのに…これだからオシリスレッドは」ライフ4000から3800

 

 よし、油断しているッス。

 西藤君は、僕の伏せカードへの警戒心が薄れているッス。ここは…敢えて何も伏せないッス。

 

 

「ターンエンドっス」

 

 

 

翔 ライフ4000

手3 場 スチームロイド 伏せ1

西藤 ライフ3800

手3 場 サイバー・ドラゴン・ツヴァイ 未来融合(0) 

 

 

「俺のターン、ドロー!未来融合、1ターン目!俺はデッキからサイバー・ドラゴンを2枚、プロト・サイバー・ドラゴンを3枚、サイバー・フェニックスを2枚、サイバー・ドラゴン・ツヴァイを2枚、サイバー・ラーバァを2枚、サイバー・ヴァリーを3枚を墓地に送る!」

 

 サイバーと名の付く機械族モンスターばかり墓地に送る西藤。

 

「超電磁タートルや、マシンナーズ・フォートレスは無いッスね。」

「当たり前だ!俺はいろんな機械族を節操無く投入する東雲とは違うんだ!魔法カード、オーバーロード・フュージョン!墓地のサイバー・ドラゴンを3枚、プロト・サイバー・ドラゴンを3枚、サイバー・フェニックスを2枚、場と墓地のサイバー・ドラゴン・ツヴァイを合わせて3枚、サイバー・ラーバァを2枚、サイバー・ヴァリーを3枚。合わせて16枚を除外!現れろ、キメラテック・オーバー・ドラゴン!」

「来てしまったッス…」

 

 

 でも、キメラテック・オーバー・ドラゴンが出た事で、未来融合は墓地へ送られるッス。

 

 

「このカードの攻撃力は、融合素材とした機械族モンスターの800倍だぁ!よって攻撃力はなんと12800!」

 

 

 それを見ていた、ブルー男子が盛り上がるッス。

 

 

「流石、西藤さん!」

「ワンターンキルの申し子!」

「西藤さんにかかれば、あのマリク・イシュタールでも形無しだぜ!」

 

 

 気分を良くしたのか、さらに手札を使ってきたッス。

 

 

「まだ終わりじゃあない!速攻魔法、リミッター解除!これで攻撃力は二倍、にばぁい!」

「攻撃力、25600?!」

「バトルだぁ!キメラテック・オーバー・ドラゴンで、スチームロイドを攻撃ぃ!思い知れ、チビメガネェ!」

 

 

 向かってくるキメラテック・オーバー・ドラゴン!でも!

 

「罠発動!魔法の筒!」

「何ぃ?!うぼああああー!!!」ライフ0

 

 

 

 ひ、引っかかってくれて助かったッス。

 オベリスクブルーの男子に勝ったことと、高い効果ダメージで勝利した事でDP(デュエルポイント)を大幅にゲット出来たッス。

 …でも、ラーイエローだから貰えるポイントは2倍だったッス…。

 

 

 

「ば、馬鹿な!西藤さんがワンキルされた?!」

「に、逃げるぞ!」

 

 

 オベリスクブルーの生徒が逃げていくッス。

 

 

 

「東雲に続いて、西藤を倒すかッ!流石だな!」

「黒庭君。でも、東雲さんの方が手ごわく感じたッス。」

「まぁ、西藤は相手を煽ったり、攻撃が一度通ればその時に伏せられているカードはブラフと判断するなど詰めが甘い所があるが、それでもワンキル野郎として有名だ。」

 

 確かに、防御手段が無ければあのまま押し切られていたッス。

 

 

「ただ何も考えずに攻撃するというのでは、愚かとしか言いようがないが」

「その通りっスね。」

 




綾小路モーターズの御曹司という事なので、普通にフィアンセがいるんじゃないかなーと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。