火山の火口。薄い光の膜の上に、ダークネスと浦塞は立っていた。
「分派の伝承者だな?」
「いきなり私から……」
「お前さえ倒してしまえば、残りは一年生のみ。ん?」
浦塞が自分では無く、一点を見つめていることに気づくダークネス。
「どこを見ている。」
「あれは、何のつもり?」
「分派の門下生だ。知り合いのはずだが?」
「人質のつもり?」
「いかにも。分派の伝承者よ。光の膜に守られてはいるが、長引けばマグマの底だ。20ターン以内に我を倒さねば…」
眼前の浦塞が、すさまじい殺気を迸らせた事で、ダークネスは思わず気圧される。
「さっさと構えてくれないかな?」
「…その覚悟はよし。行くぞ!」
「「デュエルッ!!」」
ダークネス ライフ4000
手5 場
浦塞 ライフ4000
手5 場
「先攻は貰う。我のターン!我は永続魔法、未来融合フューチャーフュージョンを発動!モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ」
ダークネス ライフ4000
手2 場 セットモンスター 未来融合(0) 伏せ1
浦塞 ライフ4000
手5 場
「私のターン、ドロー!手札から、サイバー・ダーク・クローの効果発動!デッキから「サイバーダーク」魔法・罠カードを一枚、手札に加える!フィールド魔法、サイバー・ダーク・インフェルノを手札に加え、発動!」
「むっ」
「さらに手札から、サイバー・ダーク・カノンの効果発動!このカードを墓地に送り、デッキから機械族の「サイバー・ダーク」モンスター1体を手札に加える!サイバー・ダーク・ホーンを手札に加え、召喚!効果発動!墓地のレベル3以下のドラゴン族を装備する!サイバー・ダーク・クローを装備!」
「攻撃力2400だと!」
「バトル!サイバー・ダーク・ホーンで、セットモンスターを攻撃!」
「仮面竜だ。戦闘で破壊されるが、効果発動…?!」ライフ4000から2700
ホーンが放つ紫電が、仮面竜を貫き、プレイヤーにダメージを与える!
「サイバー・ダーク・ホーンには、貫通効果がある。そして装備カードとなっているサイバー・ダーク・クローの効果発動。融合デッキからモンスターを墓地に送る。F・G・Dを墓地に」
「何?!何故そのようなおろかな行為を…だが、仮面竜の効果により、デッキから黒竜の雛を特殊召喚!」
「【真紅眼】デッキ…か。バトル終了!メインフェイズ2でサイバーダーク・インフェルノの効果発動!場のサイバー・ダーク・キールを手札に戻し、サイバー・ダークを召喚できる。再びサイバー・ダーク・キールを召喚!今度は、サイバー・ダーク・カノンを装備!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
ダークネス ライフ2700
手2 場 黒竜の雛 未来融合(0) 伏せ1
浦塞 ライフ4000
手3 場 サイバー・ダーク・ホーン サイバーダーク・インフェルノ サイバー・ダーク・カノン 伏せ1
「我のターン、ドロー!未来融合、1ターン目!我はデッキから真紅眼の黒竜2枚と真紅眼の飛竜3枚を墓地に送る!次のターン、F・G・Dを特殊召喚する!」
「次のターンが来れば、ね」
「その通りだな。我は場の黒竜の雛を墓地に送り、現れろ!真紅眼の黒竜!」
「真紅眼の黒竜…!」
「魔法カード、黒炎弾!2400ポイントのダメージを受けるがいい!」
「っつううううううううっ!」ライフ4000から1600
「耐えきったか。分派の伝承者を名乗るだけのことはある…。我は場の真紅眼の黒竜をリリース!見るがいい、ダークネスの力を!現れろ、真紅眼の闇竜!」
「真紅眼の黒竜の、進化形態?!メタル化や融合、儀式では無くて?!」
驚く浦塞。真紅眼がもたらすのは可能性と知ってはいたが、これは想定していなかった。
「このカードの攻撃力は、我の墓地のドラゴンの数の300倍となる!我の墓地には、真紅眼の黒竜が3枚、真紅眼の飛竜が3枚、真紅眼の雛、そして仮面竜。併せて8枚!よって攻撃力は2400ポイントアップして、4800!」
「バトルだ!焼き尽くせ、真紅眼の闇竜!」
「永続罠、サイバーダーク・インヴェイジョンを発動!機械族モンスターに装備されている、私の場の装備カード1枚を墓地へ送って発動!相手フィールドのカード1枚を選んで破壊!サイバー・ダーク・カノンを墓地に送り、真紅眼の闇竜を破壊!」
「ぐっ!」
「装備状態のカノンが墓地に送られた事で、カードを一枚ドロー!」
「おのれっ、ターンエンド!だがこのエンドフェイズ、墓地に送った三枚の真紅眼の飛竜の効果発動!墓地から除外し、蘇れ!3体の真紅眼の黒竜!ターンエンドだ!」
ダークネス ライフ2700
手1 場 真紅眼の黒竜 真紅眼の黒竜 真紅眼の黒竜 未来融合(0) 伏せ1
浦塞 ライフ1600
手4 場 サイバー・ダーク・ホーン サイバーダーク・インフェルノ サイバーダーク・インヴェイジョン
全身に火傷を負ったものの、人質となっている分派の門下生を助けるために戦意を滾らせる浦塞。
「私のターン、ドロー!魔法カード、サイバー・ダーク・インパクト!を発動!場のホーン、手札のエッジとキールをデッキに戻し、鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンを融合召喚!」
「攻撃力1000か。大方、墓地のドラゴンを装備するのだろうが…お前の墓地にいるのは、攻撃力1600のドラゴンだけ。」
「今度は、レベル制限はない!墓地のF・G・Dを装備!」
「攻撃力6000?!」
「さらに、墓地のモンスターの数×100ポイント、攻撃力がアップする!サイバー・ダーク・クローとカノンがいるため、攻撃力は6200!」
「何ぃ!」
「永続罠、サイバーダーク・インヴェイジョンの効果発動、私と相手の墓地からドラゴン族・機械族モンスター1体を選び、攻撃力1000アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する!真紅眼の闇竜を装備する!」
「ぐ、ぐあああああああああっ?!」
ダークネスが苦しみ始め、同時に鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンが変貌を始める。
「いったい何が…いや。そんな事より!これで攻撃力は7200!バトル、真紅眼の黒竜を攻撃!」
「ぐわああああああああっ!」ライフ0
ダークネスが倒れると同時に、周囲が光に包まれる。
気づいたら、火山のふもとにいた浦塞は、人質にされた門下生の保護に向かう。
「…脈はあるわ。それにしても…?!」
浦塞は、目を疑った。自分のデュエルディスクに置かれているカードが変わっている。
鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴンに。
「分派に伝わるカードが…。ダークネスの力を吸収したとでもいうのかしら?」
オカルトがらみの経験はあるが、まさかカードが書き換わるとは想定外である。
もしもデュエル中にカードが書き換わったのであれば、浦塞はそのデュエルを勝利数には絶対にカウントしない。
「とりあえず、連絡を…ダメ、意識が…。」
知らせを聞き、近くにいたため駆け付けた丸藤亮の眼に映ったのは、行方不明になっていた天上院吹雪と、火傷で傷だらけになった浦塞。
そして分派の門下生だった。