絶望的世界にアーチャーの力を持った男がいたら 作:九九八十七
蒼井はその後、「訓練がありますので!蒼井はこれで失礼します。」
そう言って去っていった。
「ふぅ...間違っている...か。」
”自分より他人のほうが大切、そんな生き方は間違ってます!”
「でも決めたんだから。あの時に...」
コンコン
ドアが叩かれる。
「どーぞ。」
「失礼します。お体の調子はいかがでしょうか?」
「七瀬さん。ええ、少し休んだら楽になりました。」
「それはよかったです。」
今朝もこんな会話したような気がする。
「それで何か?」
「宿舎へ案内もかねて施設の案内を行おうかと。」
そういえば、聞こうと思っていたんだ。
「分かりました。準備します。」
「それでは外で待っています。」
早く風呂でも入りたいなあ。
◇
「あれは何です?」
一通りの施設の案内が終わった後、奇妙な生き物に気づいた。
まるで、スライムのようなそれは、ポヨンポヨンと跳ねている。
「あれはナービィです。温厚で特に危険はありません。」
「星のナービィかあ。」
「星の、はついていません。」
うーん、冷静な突っ込み。
「最後に時計塔に向かいます」
...
こう見ると、やっぱでかいな。
「あの、008065500って数字は?」
「人類残存メーターです。日本に今どれだけの人が生き残っているのか示しています。」
こうして数字として突きつけられると恐ろしいな。
「キャンサーをすべて排除し、この数字を1億2000万まで戻すことが私たちの最終目標となります。」
頑張らなきゃな...!
◇
「ここが宿舎となります。」
すげえ、ホテルみたいだな。
エントランスまでしっかりある...!
「佐藤さんの部屋は3階の突き当りの1人部屋です。」
「了解です。1人部屋なんて貰っちゃっていいんですか?」
「逆に一人以外あるとでも?」
...そりゃそうだ。
七瀬さんそんな目で見ないで。
「夕食は19:00からです。時間になり次第向かってください。」
「了解です。ありがとうございました。」
さて、部屋を見てみるか。
ガチャ
「おお、なんというか...簡素だな。」
シングルベッド、勉強机、小型冷蔵庫、トイレに風呂。
うん、ホテルだこれ。
「まあ、私物はないし、必要なものは後で買いに行こうかな。」
現在の時刻は17時、まだ2時間ほどある。
そういえば、図書館あるとか言ってたな。暇つぶしに行ってみるか。
~少年移動中~
思ったより広いな。滅茶苦茶本がある!
おっ、ラノベもあるのか。題名は...「異世界に転生したのにワイちゃん鬱で引きこもってる件」か。
ペラペラ
題名に反して意外と冒険ものだった。何冊か借りてみるか。
...
ここは、機械系のコーナーか。
「おお!乗り物設計図大百科か、これは参考になりそうだ!」
思わず、声のトーンを上げてしまった。
ジロッと周りの視線そそくさと
「ご、ごめんなさい...」
そそくさと自室へ戻るのだった。
...
やはり最新型の機械系は複雑すぎるな。
飛行機でも作れるかと思ったがさすがに難しい。
そもそも飛ぶなら箒でも使えばいいかな
「ふぅ...そろそろ飯でも行くか。」
...
人がいっぱいだな。
座るところはっと、二人席が空いてるな。
ふむ、どうやら今日はカレーらしい。
「お待たせしましたー」
インドカレーか、本格的だな。
う~ん、程よい辛さ。美味い!
コショコショ
ん?見られているような。
『あれが、噂の男のセラフ隊員。』
『え~初めて見た』
『そうそう、しかも聞いた?自分のセラフ爆発させたらしいよ、何本も!』
『え~こわーい!』
何だか、酷い言われようだ。
これは早いとこ名誉挽回しなくては!
「佐藤さん、少しよろしいでしょうか?」
「七瀬さん、何ですか?」
「明日、司令官からお話があるみたいです。明日の朝食後に学舎の29Aクラスに集合してください。」
「分かりました。わざわざありがとうございます。」
「いえ、では。」
何の話だろう、そういえば29Aって蒼井のいる部隊だったな。
もしかしたら、会えるかも。
「ふぅ、ご馳走様でした。」
...
さて、部屋に戻ってきたが、どうするか。
まだ20時過ぎだし、寝るには早すぎる。
...せっかくだし、新しい投影でも試すか。
「――――同調、開始」
イメージするのは―――火縄銃なんてどうだろうか。