絶望的世界にアーチャーの力を持った男がいたら   作:九九八十七

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1日目 午前② 「やっていける気がしない」

 「佐藤...佐藤拓海です。」

 

 「出身地は?」

 

 「山口です。」

 

 「年齢は?」

 

 「17です」

 

 

 とは言え戸籍とか調べられたらどうしよう。

 

 身分もくそもないし、どうやって生きていこうか...

 

 

 「よろしい。こちらの報告書と一致しているわ。いろいろと質問して悪かったわね。」

 

 

 ん?報告書?

 

 

 「え?それって俺の戸籍があったてことですか?」

 

 「?...ええ、そうよ。何か不都合でもあったかしら。」

 

 

 いやいや、おかしいだろが。

 

 いくら何でも都合がよすぎる。いったい誰が...

 

 

 ”わしがやっときました(*^^)v”

                 by神

 

 

 ...何か幻聴聞こえた気がした。

 

 まあ、心配事がなくなったから良しとしよう。

 

 

 「いえ、大丈夫です。」

 

 「そう、では本題に移るわ。」

 

 「先日のキャンサー襲撃において、貴方の行動により多くのドームの人たちが救われた。改めて感謝するわ。」

 

 「俺はただ、自分が正しいと思ったことをしただけです。」

 

 

 それにボコボコにされていただけだしね。

 

 

 「ただ..一つ気になることがあるわ。」

 

 「気になること?」

 

 

 何だか流れが変わったな。

 

 ちょっとまずい展開かこれ...

 

 

 「救援に向かった部隊からの報告で、貴方が”セラフ”のような武器でキャンサー相手に応戦していたという報告があるのだけれど。」

 

 「これは一体どういうことか説明してもらえるかしら。」

 

 

 やべえ。

 

 どうする?なんて説明したらいいんだ...

 

 正直にいう?「実は俺魔法使いなんですよww」って。

 

 信じてもらえるわけないよなあ、とは言えこのままごまかしても疑われるだけだし。

 

 一か八かや!(ヤケクソ)

 

 

 「手塚司令は魔法を信じますか?」

 

 「...」

 

 「実は、その、俺は魔法みたいなことができるというか...」

 

 「...」

 

 「その魔法で、剣を出して戦えたというか..」

 

 

 手塚司令はずっと黙ったままだ。

 

 駄目かあ...

 

 だって説明のしようがないもん

 

 もう少し、誤魔化すべきd

 

 

 「そう、納得がいったわ。」

 

 

 

 だよなあ、納得がいくわけ...って

 

 

 「えええええええええええええええええええ!」

 

 

 うそでしょ!なんで納得しちゃうんだよ!

 

 

 「信じていただけるんですか?!」

 

 「ええ、超能力者なんて人もいるくらいですし、魔法使いがいてもおかしくはないわ」

 

 ならよし!(諦め)

 

 さすが軍の司令官、話が早い。

 

 

 「そこで、貴方にお願いがあるの。」

 

 「何ですか?」

 

 

 何だかいい予感がするな

 

 

 「貴方にはセラフ部隊に所属して私たちに力を貸してもらいたいの。」

 

 「それは構わないですけど、俺の力じゃあ...」

 

 

 あの怪物...キャンサー相手に全く通じなかった。

 

 今のままじゃ足手纏いにしかならない。

 

 

 「それについては心配しなくて大丈夫よ。」

 

 「セラフ隊員が使用していた武器を覚えているかしら?」

 

 「はい、あのSF的な武器ですよね。」

 

 

 助けてくれたあの子の武器を思い浮かべる。

 

 そういえば名前を聞いていなかったな。部隊に所属すれば、いつか機会があるのだろうか。

 

 

 「キャンサーにはこれまで生み出してきた兵器による攻撃が一切通じなかった。」

 

 「数年前、アメリカを中心とした連合艦隊によるオホーツク海での戦いでも、日本の虎徹丸以外全滅したという報告もあるわ。」

 

 

 戦艦の攻撃ですら大したダメージを与えられなかったのか。

 

 どんだけ固いんだあいつら。

 

 

 「結果、人類は敗退を繰り返し地球上の陸地の大半が奴らに支配された。」

 

 「日本も例外ではなく、九州、北海道が落ち、この国も壊滅まで追い込まれたわ。」

 

 「けどその寸前に、人類は新たな兵器を開発した。」

 

 「それが、”セラフ”ということですか。」

 

 「その通りよ。キャンサーのサンプルを採取したが、どのようなレーザー、爆弾をもってしても傷つけることはできない。いえ、傷つけてもすぐに再生してしまう。」

 

 「それに関しては、我々が感知できない高次元からエネルギーの供給を行ってるという説が有力視されているわ。」

 

 

 さすが宇宙生物。よくわからん存在であることしかわからん。

 

 そんなバケモン倒せるセラフって何なんだ?

 

 

 「セラフだけはその次元にまで到達し、供給源ごと絶つことができる唯一の兵器なの。」

 

 「そんな武器どうやって見つけたんですか?」

 

 「科学者の研究によって解明された。」

 

 科学の力ってスゲーー!

 

 いやでも...

 

 

 「どうやって、別次元のことなんてわかったんですか?」

 

 「私たちが思っているより、科学者たちは有能ってことよ。」

 

 

 なんかはぐらかされた気がするけど、いわゆる概念武装みたいなやつって感じか。

 

 

 「キャンサーは高次元からエネルギーを受け取っているとしても、知能は地球上で言えば下等生物並み。」

 

 「本能に従い、我々知的生物を捕食するのみ。」

 

 「ただ、繰り出される攻撃に関しては、やはり高次元から得られるエネルギーをつかっているとされるわ。」

 

 

 だから、あんなに吹っ飛ばされたのか。

 

 魔力放出って感じかな。

 

 

 「その時役立つのが、セラフの防衛機能。我々はデフレクタと呼んでいます。」

 

 「デフレクタはキャンサーの攻撃を無効、または軽減してくれます。」

 

 「ん?それならただ突撃すれば勝てるのでは。」

 

 「そうともいかないの。デフレクタは一定以上のダメージを受けると消失する。その状態で攻撃を受ければひとたまりもないわ。」

 

 

 あの光景を思い出す。

 

 確かにひとたまりもない、少しでも助けが遅ければ死んでいたかもしれない。

 

 

 「なので、消失したら即撤退。これは厳命よ。」

 

 「セラフの召喚によって召喚者の身体能力は飛躍的に向上するわ。訓練を受けていないものでも戦えるのはその恩恵あってこそ。」

 

 「人類の未来はセラフを操れる隊員たちにかかっているの。」

 

 

 かなり責任重大なことだな。

 

 でも...

 

 

 「さて、一通りの説明も済んだことだし、改めて聞くわ。佐藤君、貴方の力を貸してもらえないかしら。」

 

 

 答えはもう決まってる。

 

 

 「もちろんです。自分の力が多くの人を救えるのならば。」

 

 「ありがとう...七瀬さんお願い。」

 

 「はい。斉藤さんここれをどうぞ

 

 「これは...」

 

 

 制服と手帳?を渡された。

 

 

 「貴方の隊服と電子軍人手帳よ」

 

 「早速だけど貴方にはアリーナに向かってもらうわ。案内は七瀬さんがしてくれるので大丈夫よ。」

 

 「それでは斉藤さん付いてきてください。」

 

 

 そうして司令官室を後にした。

 

 

 ◇

 

 

 アリーナに向かう途中、何やら視線を感じる。

 

 すれ違う女の子たちに何やら奇異の目で見られているような...

 

 とゆうかこの基地内で男性を一切見かけてないような気がする。

 

 

 「七瀬さん、この基地に男性の隊員はいるんですか?」

 

 「いえ、性別ごとに基地が分かれています。」

 

 「てことは俺はその男性のほうの基地に配属ってことですね。」

 

 「...」

 

 ...え、なんで何も言ってくれないんだ?

 

 そこは普通に肯定してくれよ?!

 

 

 「実は、男性側の基地はここから離れた場所にあって、中々行き来が難しいのです。」

 

 「つまり...?」

 

 「佐藤さんは暫くこの基地で行動してもらうことになります。」

 

 「うそでしょ...」

 

 「いえ、本当です。」

 

 

 ...やっていける気がしないよ。

 

 

 




次回こそ主人公のセラフ軌道まで行きたいな。

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