絶望的世界にアーチャーの力を持った男がいたら 作:九九八十七
「佐藤...佐藤拓海です。」
「出身地は?」
「山口です。」
「年齢は?」
「17です」
とは言え戸籍とか調べられたらどうしよう。
身分もくそもないし、どうやって生きていこうか...
「よろしい。こちらの報告書と一致しているわ。いろいろと質問して悪かったわね。」
ん?報告書?
「え?それって俺の戸籍があったてことですか?」
「?...ええ、そうよ。何か不都合でもあったかしら。」
いやいや、おかしいだろが。
いくら何でも都合がよすぎる。いったい誰が...
”わしがやっときました(*^^)v”
by神
...何か幻聴聞こえた気がした。
まあ、心配事がなくなったから良しとしよう。
「いえ、大丈夫です。」
「そう、では本題に移るわ。」
「先日のキャンサー襲撃において、貴方の行動により多くのドームの人たちが救われた。改めて感謝するわ。」
「俺はただ、自分が正しいと思ったことをしただけです。」
それにボコボコにされていただけだしね。
「ただ..一つ気になることがあるわ。」
「気になること?」
何だか流れが変わったな。
ちょっとまずい展開かこれ...
「救援に向かった部隊からの報告で、貴方が”セラフ”のような武器でキャンサー相手に応戦していたという報告があるのだけれど。」
「これは一体どういうことか説明してもらえるかしら。」
やべえ。
どうする?なんて説明したらいいんだ...
正直にいう?「実は俺魔法使いなんですよww」って。
信じてもらえるわけないよなあ、とは言えこのままごまかしても疑われるだけだし。
一か八かや!(ヤケクソ)
「手塚司令は魔法を信じますか?」
「...」
「実は、その、俺は魔法みたいなことができるというか...」
「...」
「その魔法で、剣を出して戦えたというか..」
手塚司令はずっと黙ったままだ。
駄目かあ...
だって説明のしようがないもん
もう少し、誤魔化すべきd
「そう、納得がいったわ。」
だよなあ、納得がいくわけ...って
「えええええええええええええええええええ!」
うそでしょ!なんで納得しちゃうんだよ!
「信じていただけるんですか?!」
「ええ、超能力者なんて人もいるくらいですし、魔法使いがいてもおかしくはないわ」
ならよし!(諦め)
さすが軍の司令官、話が早い。
「そこで、貴方にお願いがあるの。」
「何ですか?」
何だかいい予感がするな
「貴方にはセラフ部隊に所属して私たちに力を貸してもらいたいの。」
「それは構わないですけど、俺の力じゃあ...」
あの怪物...キャンサー相手に全く通じなかった。
今のままじゃ足手纏いにしかならない。
「それについては心配しなくて大丈夫よ。」
「セラフ隊員が使用していた武器を覚えているかしら?」
「はい、あのSF的な武器ですよね。」
助けてくれたあの子の武器を思い浮かべる。
そういえば名前を聞いていなかったな。部隊に所属すれば、いつか機会があるのだろうか。
「キャンサーにはこれまで生み出してきた兵器による攻撃が一切通じなかった。」
「数年前、アメリカを中心とした連合艦隊によるオホーツク海での戦いでも、日本の虎徹丸以外全滅したという報告もあるわ。」
戦艦の攻撃ですら大したダメージを与えられなかったのか。
どんだけ固いんだあいつら。
「結果、人類は敗退を繰り返し地球上の陸地の大半が奴らに支配された。」
「日本も例外ではなく、九州、北海道が落ち、この国も壊滅まで追い込まれたわ。」
「けどその寸前に、人類は新たな兵器を開発した。」
「それが、”セラフ”ということですか。」
「その通りよ。キャンサーのサンプルを採取したが、どのようなレーザー、爆弾をもってしても傷つけることはできない。いえ、傷つけてもすぐに再生してしまう。」
「それに関しては、我々が感知できない高次元からエネルギーの供給を行ってるという説が有力視されているわ。」
さすが宇宙生物。よくわからん存在であることしかわからん。
そんなバケモン倒せるセラフって何なんだ?
「セラフだけはその次元にまで到達し、供給源ごと絶つことができる唯一の兵器なの。」
「そんな武器どうやって見つけたんですか?」
「科学者の研究によって解明された。」
科学の力ってスゲーー!
いやでも...
「どうやって、別次元のことなんてわかったんですか?」
「私たちが思っているより、科学者たちは有能ってことよ。」
なんかはぐらかされた気がするけど、いわゆる概念武装みたいなやつって感じか。
「キャンサーは高次元からエネルギーを受け取っているとしても、知能は地球上で言えば下等生物並み。」
「本能に従い、我々知的生物を捕食するのみ。」
「ただ、繰り出される攻撃に関しては、やはり高次元から得られるエネルギーをつかっているとされるわ。」
だから、あんなに吹っ飛ばされたのか。
魔力放出って感じかな。
「その時役立つのが、セラフの防衛機能。我々はデフレクタと呼んでいます。」
「デフレクタはキャンサーの攻撃を無効、または軽減してくれます。」
「ん?それならただ突撃すれば勝てるのでは。」
「そうともいかないの。デフレクタは一定以上のダメージを受けると消失する。その状態で攻撃を受ければひとたまりもないわ。」
あの光景を思い出す。
確かにひとたまりもない、少しでも助けが遅ければ死んでいたかもしれない。
「なので、消失したら即撤退。これは厳命よ。」
「セラフの召喚によって召喚者の身体能力は飛躍的に向上するわ。訓練を受けていないものでも戦えるのはその恩恵あってこそ。」
「人類の未来はセラフを操れる隊員たちにかかっているの。」
かなり責任重大なことだな。
でも...
「さて、一通りの説明も済んだことだし、改めて聞くわ。佐藤君、貴方の力を貸してもらえないかしら。」
答えはもう決まってる。
「もちろんです。自分の力が多くの人を救えるのならば。」
「ありがとう...七瀬さんお願い。」
「はい。斉藤さんここれをどうぞ
「これは...」
制服と手帳?を渡された。
「貴方の隊服と電子軍人手帳よ」
「早速だけど貴方にはアリーナに向かってもらうわ。案内は七瀬さんがしてくれるので大丈夫よ。」
「それでは斉藤さん付いてきてください。」
そうして司令官室を後にした。
◇
アリーナに向かう途中、何やら視線を感じる。
すれ違う女の子たちに何やら奇異の目で見られているような...
とゆうかこの基地内で男性を一切見かけてないような気がする。
「七瀬さん、この基地に男性の隊員はいるんですか?」
「いえ、性別ごとに基地が分かれています。」
「てことは俺はその男性のほうの基地に配属ってことですね。」
「...」
...え、なんで何も言ってくれないんだ?
そこは普通に肯定してくれよ?!
「実は、男性側の基地はここから離れた場所にあって、中々行き来が難しいのです。」
「つまり...?」
「佐藤さんは暫くこの基地で行動してもらうことになります。」
「うそでしょ...」
「いえ、本当です。」
...やっていける気がしないよ。
次回こそ主人公のセラフ軌道まで行きたいな。