絶望的世界にアーチャーの力を持った男がいたら 作:九九八十七
「せいっ!」
すれ違いざまに切りつける。
力で負けているのであれば速さで翻弄する。
「Gyuu...Gyu」
キャンサーの外殻を削り切りダウン状態に入った。
あとは、とどめだけだ。
...そういえば、試しておきたいことがある。
ぐっ―――
魔力を込め思い切り干将と莫耶を投げつける。
グサッ
この状態のキャンサーなら簡単に突き刺さるらしい。
双剣を自壊させ込められた魔力を爆発させる。
『壊れた幻想』
ブロークン・ファンタズム
内部からの爆発、相手は死ぬ。
”ドガ――ン”
へっ、汚い花火だ。
だが...魔力を込めすぎたらしい。
周りの人も巻き込みかねん。練習しなきゃな――っ!
(#^ω^)ピキピキ
すっげえ顔で司令官睨んでくる...!
そうか、一応セラフだもんなこれも。
でも..やってみたかったんだもん...
「”...次はクーパー級と戦ってもらうわ。”」
ズシィィン
いや、でかすぎだろ!
何本あるんだあの足!
怪獣映画で見たレギオンってやつに近いな。
ドシドシドシ
「うおっと」
勢いよくキャンサーが突っ込んでくる。
あの巨体で意外と俊敏に動くんだな。
「とりあえず、距離をとるか...あのビルがいいな。」
足に魔力を込め高く飛び上がる。
20mほどあるビルの屋上に着地する。
「さて、いろいろやってみますか。」
幸い魔力は十分すぎるほどあるんだ。
「――――投影、開始」
投影するのは、西洋剣。宝具ではなくただの剣。
射出するだけならこちらのほうが早い。
ロールアウト バレット クリア
「――――工程完了。全投影、待機」
空中に10,20と剣が浮かぶ。
かの英雄王と比べるとみすぼらしいのは比べるまでもないが
あちらが弾幕(クソエイム)だとしたら、こちらは...!
「一点集中だ!」
ソードバレルフルオープン
「―――全投影連続層写!!!」
目標は敵の頭部
ドドドドドドドドドッ
「Gyuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!」
掃射を受けてなおこちらへ向かおうとするキャンサー
だが、圧倒的な力で来るなら、圧倒的物量で押し返すのみ。
射っては投影し、射っては投影するを繰り返す。
「Guu...」
勢いに押され次第に後退していく
「ここまでの大きさとなるとさすがに硬いか。」
ダメージは与えられているものの、いまいち決めて手に欠ける。
剣の射出の手は緩めず、次の投影に移る。
体は 剣で 出来ている
「――――I am the bone of my sword.」
イメージするのは、ギリシャの狩人の弓、そしてつがえる矢。
麗しのアタランテの「"天穹の弓(タウロポロス)”」、そして偽・偽・螺旋剣である。
「ぐっ―――」
魔力回路が悲鳴を上げる。
流石に宝具を連続投影するのはリスクがあるようだ。
いくら魔力があろうと自身の回路が追い付かない。
...少しずつ慣らしていくしかないな。
しかも矢に関しては劣化の劣化とは。
だが、威力はこれで十分。あいつがいくら硬かろうと関係ない。
グググッ
矢をつがえ、思いっきり引き絞る。
魔力を込め矢を放つ
パシュッ
勢いよく放たれた矢は
ドシュッ
空間をキャンサーごと削り取り、地面に突き刺さる。
体の核を失ったキャンサーはボロボロと崩壊していく。
「連射は難しそうだな。」
自壊していくタウロポロスをみて口にする。
「追加の敵はなさそうだし司令官のもとへ行こう。」
トンッと飛び降り、ビルを後にする。
◇
アリーナに入った瞬間目にしたのは爆散するキャンサーだった。
どうやら、突き刺さったセラフを、彼が自ら爆散させた。
「なんてことを...」と思ったのもつかの間、すぐさま次のキャンサーが出現する。
先ほどに比べてはるかに巨大なキャンサーだ。
分が悪いと見たのか、ビルの屋上まで距離をとったみたいだ。
「え...」
思わず絶句してしまう。
彼の周りに浮かぶ無数のセラフ。
それが勢いよく放たれキャンサーに向かっていく。
圧倒的とはまさにこのことを言うのだろう。
そのあと放たれた矢によりキャンサーは倒された。
「凄い...!」
私は暫く見惚れてしまうのだった。
◇
「お疲れ様。言いたいことはいろいろあるけど、素晴らしい動きだったわ。」
...目が笑ってないよ。この人。
「今日はここまでとします。しっかり休んで頂戴。」
「明日は施設の案内をさせていただきます。09:00に自室前で待機していてください。」
明日からも忙しそうだ。
セラフを解除し、「そういえば自室ってどこですか」と質問しようとした瞬間――
喉の奥から鉄の味があふれ出す。
「ごふっ――」
思わず吐き出してしまう。
手元にはべったりと付いた血。
「大丈夫ですか?!」
すると駆け寄ってくる少女。
この子は確か...あの時の
「ちょうどよかったわ、蒼井さん!彼を医務室に。おそらくはセラフ使用の影響だと思われます。」
「了解です!さあ、蒼井の肩につかまってください。」
調子に乗りすぎたか...
この子には世話になってばかりだな。
申し訳ない。
「ありがとう。でも自分で歩けるから。」
「フラフラじゃないですか!蒼井は大丈夫ですからしっかり掴まっていてください。」
抵抗する力もなく、そのままずるずると医務室へ運ばれていくのであった。
戦闘描写が難しい!
勉強しなおします