僕の幻想アカデミア   作:ダナオ

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2話

優【side】

 

 

 

 

 

さてさて、ミカにも説明終わったし装備とか消耗品の準備でもしますかねーと考えつつ倉庫を漁る。いつも自分は準備する際、考えうる最悪を予想し準備をする。突然連絡が取れなくなるかもしれないとか増援が期待できなくなってしまったりとかこれはないと思うけど武器が使用できなくなってしまうとか・・・

流石に考えすぎかと思いつつタバコに火を着け紫煙を吐き出す。キャンプシップ内に

吐き出した紫煙が溶けていく。

 

 

「おとーさ、くさーい!」

 

「お父様!常々言ってますわよね!禁煙してくださいと!喫煙は健康に悪いんですわ

 よ!」

 

「あ、ごめんよ。お父さんの趣味というか楽しみこれしかないんだよ・・・許しておく

 れよ・・・」

 

「「だめ!」」

 

以前生徒が言っていた「世の中世知辛いでござる・・・」という言葉を思い出す。

確かに世知辛いなーと思う。しかし禁煙か・・・これといって好きなものはホントに無いしできることと言ったら戦うことと指導することだけだしなー・・・酒も特に好きじゃないし、まあ娘達の成長を見守るっていう楽しみはあるが恥ずかしいから今は言わないでおく・・・はあ、と息を吐きつつアークス御用達のポケット灰皿に2吸いくらいしかしていないタバコを捨てる。あ、娘達の装備も確認しておかなければ。

 

「二人とも準備はどうだい?」

 

「こちらは大丈夫ですわ。いつも通りの殲滅用装備でございます!」

 

「お、おう・・流石だな」

 

「ミカも大丈夫!ばんぜんだよ!ばんぜん!」

 

「そうかそうか、いいぞー(ナデナデ)」

 

「むっふー(´ω`*)」

 

 

相変わらずうちの娘たちは最高だな!と思いつつミカの頭を撫でる。本当はユリの頭も撫でてあげたいんだけど、撫でると顏を真っ赤にして暴走し始めるから滅多にできないんだよなーとっても残念だ・・・ユリもそれをわかっているのでニコニコしながらこちらを見ている。

装備、消耗品、使えそうなアイテムをアイテムパックに詰め込み自分の準備も完了した。準備もできたことだしシャオに連絡しますか。キャンプシップに備え付けられたコンソールを叩くとコンソールにシャオが現れる。

 

「シャオー、3人とも準備おk-だ」

 

「了解、じゃあ発進しても大丈夫だよ。もうキャンプシップには平行世界の地球の座

 標は打ち込んであるから自動操縦で地球の近くまで行ってくれるよ。あとは優が操 

 縦してダーカーの反応するところまで行ってね。」

 

「おー、了解。じゃあ守護騎士(ガーディアン)としての務め果たしてくるわ」

 

「頼んだよ、守護騎士(ガーディアン)」

 

「おう!じゃあ発進する!」

 

 

アークスシップから一つのキャンプシップが無限の宇宙に飛び立ち数多の星々の海を切り裂き飛んでいく。『個性』のある世界に向けて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AFO【side】

 

 

対『個性』最高警備特殊拘置所、通称「タルタロス」の最奥に顏の上半分がない大柄な男が拘束服を着せられ無骨な椅子に腰かけている。その体には多くの点滴や管が付いており人の手によって生かされているのがわかる。

 

「あーここは本当につまらないねぇ・・・オールマイトは元気かなぁ・・・オールマ

 イトにOFAはもう無い、あの時見た少年『緑谷 出久』が譲渡先だろうねぇ・・・

 弔も成長してきているし『僕』が外に出るまでにどうなっているかなぁ・・・

 ああ、楽しみだ・・・」

 

明らかに重症患者である男から深淵から溢れ出るような暗い覇気を発する。常人が受けたら膝をついてしまうような『魔王』の覇気だった。しかし、その覇気に導かれ悪しき者を呼び寄せてしまった。それは影を人の形にしたような真っ黒ののっぺらぼうだった。その黒い者は椅子に腰かけている後ろに現れ、その体を大きく体を伸ばし『AFO』に襲い掛かる。

 

「ん?これは『ドクター』の仕業かな?随分早かったね、弔に何かあったのかな?

 まあいい・・・いや!これは『個性』では無・・・」

 

 

言葉を続けようとしたが黒い影によって頭を落とされ次の言葉を発することはなくなった。頭が無くなった体を黒い影が飲み込み断続的に肉をかみ切るような、骨を嚙み砕くようなゴリッ・・・ブチッ・・・という音が続く。

やがて音が鳴り止むと影がブクブクと泡立ち5つの塊に別れ人型を形成していく。

 

1つは大柄で無骨な男に

 

1つは細身で尖った耳が特徴的な男に

 

1つは美しい若い女性に

 

1つは幼く無邪気そうな男の子に

 

1つは幼く無邪気そうな女の子に

 

その男女はお互いに自分たちの体の調子を確かめると再誕したことに喜びを隠せないようで高笑いをする。ひとしきり笑い合うと黒い光を身に纏うと虚空に消えていった。静寂を取り戻した部屋に監視カメラで異常を察知した職員が雪崩れ込んできた。

しかし、そこに残されたのはOFAの頭部と血溜まりだけだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

優【side】

 

 

 

お、自動操縦は終わったようだな。さてさて何処に降りるかなー、前に行ったことのある日本に降りるかなそれともラスベガスか・・・しかし文化レベル的に宇宙船が下りて来たら大騒ぎだしなぁ・・・とりあえずダーカーの反応が出るまで地球に近づきつつ漂ってるかなーと思いながら娘たちに声をかける。

 

「二人ともーとりあえずダーカーの反応があるまで待機なー」

 

「わかりました、お父様」

 

「はーい!おとーさ!でもなんで下りないの?かんこーしたかったー!」

 

「だめよミカ、地球の人たちが見たこともないような宇宙船が下りて来たら驚いてし  

 まうわよ。」

 

「なるほど!わかったよ!おねーちゃ!」

 

 

二人のやり取りを苦笑しながら眺める。しっかり理解してくれてるのなら大丈夫だ。

しかし、四六時中反応ある世紀末な地球を想像していたがそうでもなさそうだな・・・まだ表舞台にほとんど出ていないのか?だとしたら厄介だなと思考を巡らせていく。

 

あ、そうだ。今のうちに地球のネット回線を拾って地名と言語の収集しておかないと

迷子になったり言語が通じないなんてことになりかねないからな。

しかし、『個性』か・・・調べてみた感じかなり多様性に溢れてるな。そして職業として確立された『ヒーロー』か・・・アークスのクラスの『ヒーロー』と同じ名前なんてなんという偶然と苦笑する。

 

この地球の『ヒーロー』か・・・ヒーローグッズもあったりしてなんか

アークスのアイドル『クーナ』みたいだな。

ん?No1ヒーロー『オールマイト』引退か・・・画像はっと、おーなんか画風が違うな。滅茶苦茶マッスルだな、今はoh・・・めっちゃがりがりじゃないか・・・

なるほどケガの影響でこんなになってしまったんだな。しかし、こんな状態なのを

ユリに見つかったら一大事だな。看護欲が刺激されて暴走しちまうな・・・

具体的にはドロドッロに甘やかして癒すんだろうな・・・と画面を見ながら考えていると後ろから近づく二人に気が付かず画面を見られてしまう。

 

「おとーさ、何見てるのー?なにこれがいこつ?」

 

「んにゃ、元No1ヒーローのオールマイトだってよ。ケガで引退してがりがりなんだ

 とさ。あ・・・」

 

「これは!なんということでしょう!元はこんなに健康的な姿をしてましてたのに今

 ではこんなボロボロな姿に・・・これは癒してあげなければ!ええ!そうしましょ

 う!健康になってもらわなければ!!お父様!!こちらの方はどちらにいらっしゃ

 るのでしょうか!?」

 

「お、おう・・・ちょっと落ち着こうな・・・えっと、今は『雄英高校』ってところ

 で教師やってるみたいだぞ。」

 

「あの体で教員!?なんと!是非とも会いに行きましょう!癒して差し上げるので

 す!」

 

「任務が落ち着いたらなー」

 

「約束ですわよ!お父様!」

 

「おねーちゃ、あらぶってるなー」

 

 

ユリに見られたのは失敗だったな、まだ見ぬオールマイト・・・大人しく癒されてくれと心の中で祈っているとコンソールに通知が入った。ダーカーの反応を察知したみたいだ。場所は、日本か・・・ん?ここは・・・

 

「二人とも、ダーカーの反応だ。」

 

「わかりました!救済を開始いたしましょう!」

 

「よーし!ミカもがんばるぞー!」

 

「お父様、場所はどこでしょう?」

 

「日本の『雄英高校』だ」

 

 

キャンプシップを操縦して『雄英高校』に向かう。高校ということは子供たちがいる可能性がある。犠牲者を出さないために速度を最大まで出し向かう。

 

 

 

キャンプシップ移動中

 

 

もうすぐで『雄英高校』の直上に到着する。戦闘準備は・・・よし万全だ。

二人の様子は、うん・・・大丈夫なようだ。遠くから見る限り『雄英高校』はめちゃくちゃ敷地広いな。まあ自分たちは空から出しダーカーの反応を察知しているので迷うことは無いからいいんだが。

 

よし、直上付近まで来れた。ここからなら出現ポイントを観測することができるな。

まずいな・・・子供たちと教員だろうか、合わせて40人以上いるな。キャンプシップを悠長に着陸してから向かうと間に合わないかもしれない。よし・・・あの手で行くか。

 

「今、ダーカーを観測した、その場に人は40人以上いる。現在人々を囲むようにダー

 カーが行動している。なので、キャンプシップを着陸させてから向かうと間に合わ   

 ない可能性がある。なので直上に到達した時にキャンプシップから飛び降りて戦闘 

 を開始しよう。」

 

「わかりましたわ」

 

「りょーかい」

 

 

そして、直上へ到着しキャンプシップを自動操縦状態にしてハッチを開ける。

下には多くのダーカー、虫型ダーカーしかいないようだがだいぶ数が多い。生徒たちは大きなモニターを背にしている。ならば3方向から殲滅していけば問題ないだろう。降りる前に簡単な打ち合わせをしておこう。

 

「見る限りダーカーが攻めているのは3方向に絞られているみたいだ。俺は正面を殲

 滅する、ユリは左ミカは右だ。各自生徒たちを守るように生徒たちを背にして戦

 え。殲滅が終了したら各自自由に」

 

「了解しましたわ!」

 

「りょーかい!」

 

「よし、降下!」

 

 

自分たち3人は降下する。俺は人型からキャスト形態へ換装し生徒たちを背に着地する。ユリもミカも着地できたようだ。生徒たちと教員たちが突然の乱入者に驚いているみたいだが説明は後だ。今はこの背にいる人々を守るのみ。俺はナックル(青いパワフルブロウ)ジェットブーツ(青いディノスティル)を装備しナックルを打ち合わせながらダーカーを威圧するように言葉を紡いでゆく。

 

 

「ダーカーよ!なにゆえもがき生きるのか?滅びこそわが喜び。

 死にゆくものこそ美しい。

 さあ、わが腕の中で息絶えるがよい!」

 

 

 

ユリはロッド(グランヌフォイサラー)を装備し宿敵であるダーカーに向け言葉を紡ぐ。

 

 

「生者の為に施しを 死者の為に花束を 正義の為に剣を持ち 悪漢共には死の制裁

 を しかして我等 聖者の列に加わらん サンタ・マリアの名に誓い、全ての不義に 

 鉄槌を!」

 

ミカはデュアルブレード(ワールドオブガーディアン)を装着し元気に言葉を発する

 

 

「最初から最後までクライマックスだぜ!!」

 

 

各々ダーカーに向かって駆け出す。殲滅するために人を守るために。

 

 

「「「ショウタイムだ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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