仮面ライダーユナイト in my hero academia 作:夢野飛羽真
じっくり読んでいってください。
追記
なんか前話とタイトル被ってたので変更しました。
「それではこれより個性把握テストを行う。このテストでは君達が中学時代に受けてた合理性のない個性使用禁止の体力テストとは違い個性を使っての体力テストを行ってもらう。」
今年度より合同クラスでカリキュラムを進めていくこととなったヒーロー科A組とB組の生徒達は体操服に着替えてグラウンドに集合していた。
「文科省の指導要領によれば中学までお前たちは個性無しで身体能力を計測していたが…」
「その方法では合理性に欠く。ということで個性有りでの身体能力検査をさせてもらう。」
(日本でもそういう事はしてるんだな…)
アメリカの学校でも個性無しでの身体能力テストが行われており、翔はそのことを思い出していた。
その時は飛び級を繰り返していた頃だったので相手はほとんど年上だった。
なのであまり成績こそ良くなかったが、今回は同級生が相手だ。
根津校長のお陰で仮面ライダーユナイトの力も個性として扱われているので使うことができる。
なのでこの個性把握テストも好成績を残せるだろうと既に考えていた。
「では早速デモンストレーションだ!B組主席の猪狩瑞希!手本を見せてやれ!」
「はい!」
(彼女がB組の主席か…)
生徒達はブラドに指名されて前に出る肩にかかる程度の長さの茶色の髪の少女に注目する。
「あの子可愛くね?」
「スタイルもスゲエよな…」
上鳴と峰田を始めとする下世話な男子達がザワザワし始めるのも仕方ない。
美しい容姿に抜群のスタイル、胸は無駄のない大きさで巨乳というわけではないが中々魅力的である。
「じゃあ早速その円の中に入れ。」
同じB組の拳藤やA組の八百万を筆頭とするヒーロー科女子の顔面偏差値の高さに浮かれる者もいる中、彼女がグラウンドに描かれた円の中に足を踏み入れる。
「中学の時の『個性禁止』ハンドボール投げの記録、幾つだった?」
「49m」
相澤の問いかけに彼女が答えるが女子の中でもかなりの強肩だ。
「その円の中なら何してもいい。全力で飛ばせ。」
「了解ッ」
"何をしてもいい"という一言を聞くと彼女は二ッと口角を上げるとベルトの様な物を腰に巻く。
「リクスドライバー!」
(あれはまさか…仮面ライダーかッ……!?)
そのベルトはまさしく仮面ライダーが使うものと言っても過言ではない姿形をしていた。
「行くわよ!」
猪狩瑞希の腰に巻かれたリクスドライバーの横にあるポーチ上のケースからコインの様な物が取り出され、ベルトに装填される。
『ホッパー!』
「変身!」
『上昇せよ!サイバーバッタ!ホッパークロッサー!』
コインが入ったリクスドライバーのレバーを下すとベルト中央の扉が開き、バッタの姿をした化身が解き放たれて鎧となって彼女の身体に装備される。
「仮面ライダーリクス!ただいま参上!」
「なるほど…仮面ライダーか。」
世間ではSPIRITSに所属する者を始めとする仮面ライダーが複数人おり、猪狩瑞希が変身したリクスもその中の1人である。
翔以外に仮面ライダーがいても何もおかしくはなく、同世代のライダーの存在に寧ろ興味を惹かれている。
「リクス!レディーゴー!」
仮面ライダーリクス・ホッパークロッサーへと変身を遂げた彼女は、バッタの跳躍力を活かして高く飛び上がると空中に向けてボールを蹴り飛ばす。
「なるほど、ボールの発射位置を高くすることで地面に落下するまでの時間を稼いだか。確かにそれだと地面に落下するまでにボールが進む距離も稼げるし好記録間違いなしだ。」
『記録2138m』
相澤の持つ携帯端末から、翔の分析通りの良い記録が出たことが告げられると生徒達が歓声を上げる。
「すげえ!」
「いきなりいい記録だ!」
「流石B組の主席だね。」
「まずは己の限界を知る。全てはそこからだ。」
個性把握テストの全容が見えてきたことで生徒達のボルテージが一気にが上がる。
「さっすがヒーロー科!全力で個性使えるなんて!」
「何コレ面白そう!」
「『面白そう』ねぇ…」
その時葉隠が言った一言に相澤が反応する。
「3年間、そんな気持ちでヒーロー科やっていけると思ってんのか?よし、このテストで記録最下位になった奴は除籍処分だ。」
相澤からの一言に一気に生徒達が静まり返る。
(いきなりの試練か…けど俺がやるべきことは……)
多くの生徒が最下位脱出を胸に個性把握テストに挑もうとする中、翔を始めとする実力ある生徒達は既にデモンストレーションを行った瑞希を超えることに焦点を置いていた。
(勝つのは俺だ…!)
第1種目 50m走
「走るのは…得意だ!」
A組B組の出席番号が早い者から交互に競技を行うことになっており、A組の出席番号1,2番の青山と芦戸が走り終えると、次はB組1,2番の泡瀬と猪狩の出番だ。
デモンストレーションで好記録を出した彼女には既に注目が集まっている。
『スタート!』
開始の合図と共にリクスはバッタの脚力で地面を蹴り、一気に端から端まで水平に飛んで駆け抜ける。
『1秒21!』
「速すぎるだろ!」
「1秒代だぜ…」
その速度に一緒に走っていた合わせらは愕然とする。
『3秒12!』
「クソッ!追い抜けなかったか…」
個性エンジンによってA組内でもトップクラスのスピードを出せる飯田ですら彼女の記録には届かない。
そんな中翔の出番が近付いてきている。
「ハッハッハ!この身体測定、いきなり僕らB組の圧勝だね!」
まだ初日だというのに物間はA組のことを見下して高笑いしている。
「物間、お前そういう事は全部終わってから言え。」
「おっと、これは失礼しました。相澤先生」
流石に相澤もその慢心ぶりには注意をしておく。
「そういえばさっきブラドは猪狩のことを"B組主席"って言ったよな?」
「それが何か?」
「こっちにもいるんだよ、A組の主席であり学年主席がな…真谷!お前の出番だ。」
「お任せください。」
『ユナイトドライバー!』
相澤の言葉に周囲の生徒達は一気に翔の方を向く。
だがその視線も言葉によるプレッシャーも一切関係無いとばかりにユナイトフォンからユナイトドライバーを召喚し、腰に装着する。
「まさかあなたも…」
「ああ、俺も仮面ライダーだ。」
『クウガ!ギャレン!ガタック!』
「変身!」
『ユナイトアップ!スタッグユニット!』
他の生徒達の前で翔は3本のライドカプセルを使って仮面ライダーユナイト・スタッグユニットに変身してみせる。
「翔君も変身した…?」
今年のヒーロー科には2人の仮面ライダーがいる。
その事実が分かり生徒達はぐっと息を吞む。
『スタート!』
『クロックアップ!』
そんな状況下で淡々と始まった50m走
『0秒02』
「速すぎるだろ!」
「瞬間移動かよ!?」
タキオン粒子による加速、クロックアップが生み出した記録は生徒達に衝撃を与えた。
「これが噂の仮面ライダーか…」
相澤も想定以上の好記録に内心驚きつつも次々と競技を進めていく。
第2種目 握力測定
「あ、壊れた。」
ベーシックユニットにフォームチェンジして握力測定を迎えたユナイトだったが、うっかり握力計を握りつぶしてしまう。
「こっちもよ」
仮面ライダー自体握力がかなり強化されてしまうため、リクスも握力計を破壊してしまう。
「握力計を壊してしまうほどの威力か…記録無限だな。」
「無限!?」
「私達の記録を軽々とッ…」
個性で肉体を強化できる砂糖と宍田ですら超えられない2人の無限という記録に驚きを隠せない。
第3種目 立ち幅跳び
『ドラゴン!』
「リクスチェンジ!」
『剣を抜け!勇気の龍!ドラゴンクロッサー!』
競技前に瑞希はリクスドライバーに赤いコインを入れてレバーを引き、赤い龍の騎士の姿をしたドラゴンクロッサーにフォームチェンジする。
「ハッ!」
背中から龍の翼を生やして宙を舞い始める。
「猪狩、いつまで飛び続けられる?」
「ずっとです。」
「だったら記録は無限だな。」
飛び続ける体力に限界はない、彼女が再び地面に足を付ける時は彼女の意思で降りる時だ。
飛び続ける限り記録は伸びるので、ブラドキングは彼女の記録を無限にすると判断した。
「だったら俺も、これを試すか。」
『ユナイトアームズ!クウガ!』
それに対抗しようと、ユナイトは自身のベルトにクウガのカプセルを挿入してグリップを引く。
するとドライバーからクワガタムシの姿をした金属生命体が召喚される。
これは仮面ライダークウガがディケイドのファイナルフォームライドによって変形した姿のクウガゴウラムと言われるものである。
「さて、どれだけ飛べるか実験だ。」
クウガゴウラムはユナイトを背に載せるとすぐに離陸、そのまま空中を進み翼で飛ぶリクスの隣に並ぶ。
「真谷も記録無限だな。」
ポツリと相澤が呟く。
「アンタ、中々やるわね。」
「まあな、だがまだこんなもんじゃないぞ。」
「こっちこそ、負けるつもりはないわ。」
空でお互い宣戦布告すると地面に降り立ち、次の競技に移る。
第4種目 反復横跳び
『ホッパークロッサー!』
『スタッグユニット!』
リクスはホッパークロッサーに、ユナイトはスタッグユニットに再度フォームチェンジし、反復横跳びに挑む。
『クロックアップ!』
バッタの脚力を活かしたリクスに対して、ユナイトはクロックアップで対抗
『記録!2432!』
『測定不能!』
「測定不能ってことは…記録無限だな。」
クロックアップによる速度は計測機器をもってしても測ることはできなかった。
それ故この記録を無限とするという判断を相澤が下す。
「オ、オイラの記録が…」
そんな彼らの成績に自身の個性もぎもぎを活かして今日一番の記録を出した峰田は畏敬の念を抱き、体を震わせていた。
第5種目 ボール投げ
「無限!?」
デモンストレーションでも行われたボール投げでは個性無重力の麗日が無限という記録を叩き出すなど多くの生徒が個性を活かして好記録を連発していた。
「ライダーパンチ!」
『記録1029m』
「あまり伸びなかったか…」
フィストユニットに変身したユナイトはボールを殴り飛ばすという手段で好記録を狙ったが、想定よりは記録が伸びなかった。
「死ねぇ!」
『記録705m』
「クソが!」
翔と同じくA組の爆豪も自身の個性、爆破でボールを飛ばしたが、記録は3桁止まりであった。
「緑谷君はこのままだとマズイぞ。」
「ったりめぇだ!無個性のザコだぞ」
「無個性!?彼が入試時に何を成したのか知らんのか?」
そしてここで出番を迎えた緑谷出久を飯田が心配している。
爆豪からすれば無個性であるはずの出久がここまで良い記録を出せていないのは当然のことだが、飯田を始めとする数名は爆豪の言葉を信じられなかった。
飯田達は入試で出久が超パワーで翔も倒していたあの巨大敵を倒す所を見ていたからだ。
『記録48m』
ここで挽回してくれる。
そう期待した飯田や翔を裏切るように出久は平凡な記録を出してしまう。
「な…今確かに使おうって…」
本人は個性を使おうとしたが発動できなかったようだ…
「"個性"を消した。つくづくあの入試は『合理性』に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう。」
「消した…!?あのゴーグル…そうか…!」
「見ただけで人の個性を"抹消"する個性!抹消ヒーローイレイザーヘッド!」
出久が個性を使えなかったのは担任の相澤の個性によるものだ。
今の出久は個性を上手く制御できていない。使えば体に負荷がかかり怪我を負ってしまう。
それ故に出久はここまで個性を使うことができなかった。そして個性を使うラストチャンスであるボール投げ腕を犠牲にしてボールを投げようとしていた。
「ん?緑谷君が何か指導されているみたいだな。」
「どうせ除籍宣告だろ。」
その様な無茶な使い方を相澤は許さなかった。
制御できないままヒーローを目指すということを許すつもりはなかった。
このままではいけない。そう出久に指導する。
「SMAAAAAAAAAAAAASH!!!」
そこで出久が出した答えは指にだけ個性を使って被害を最小限に抑えてボールを飛ばすというものだった。
『記録705m』
「先生、まだ行けます!」
腕をぶっ壊してそれで解決、若しくは萎縮して個性を使えずに最下位に落ちる。
そのどちらでもない出久の答えに相澤は…
「コイツ…」
出久のヒーローとしての見込みを見出していた。
その後納得いかない様子の爆豪が大暴れし、相澤に止められるという一幕があったが個性把握テストはまだ続く。
上体起こしと長座体前屈を終えた後、最後の競技である持久走を行う。
「この競技こそ!」
「悪いけど俺も負けるつもりはねえ!」
エンジンの飯田は加速しながら走り、それに対し骨抜が地面を個性で軟化させて泳ぐようにして追っている。
「行かすか!」
「テメエには負けないぜ。」
それを掌からの爆破で加速する爆豪と足を旋回させて加速しながら進んでいく回原、個性で想像したバイクに跨る八百万、氷で道を作ってその上を滑って進む轟らが追う。
『ユナイトアームズ!クウガ!』
『剣を抜け!勇気の龍!ドラゴンクロッサー!』
そして彼らをクウガゴウラムに乗るユナイトと低空飛行をするリクス・ドラゴンクロッサーが追い越していく。
「この戦いは俺がもらう!」
「いいや、私よ!」
2人はあっという間に先頭に躍り出てデットヒートを繰り広げるが…
『ユナイトアームズ!マッハ!』
『ズーっとマッハ!』
最後の直線でユナイトドライバーにマッハのライドカプセルを挿入し、その効果でゴウラムを加速させたユナイトが誰よりも早くゴールに辿り着いた。
「俺の勝ちだ…」
「アンタ、凄いんだね。」
続いてゴールしたリクスが賛辞の言葉を贈る。
「まあな、けどまだまだだ。」
「それはこっちのセリフよ。次は私が勝つ。」
「ああ、望むところだ。」
初日から自身を高めてくれる良い競争相手と出会えたのと身体測定の手応えに案俗そうな笑みを浮かべる翔だったが、未だ走っている者達を見ているとその表情に曇りが生じ始めてしまう。
(出久…大丈夫だよな……)
ボール投げでの負傷の影響か、本調子で走れていない様子の出久を心配している。
折角出来た友達が、初日から除籍など考えたくもないことだが、そうなってしまう可能性は非常に大きかった。
「んじゃあ、パパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。」
そして相澤による結果発表の時が来てしまった。
「口頭で説明するのは時間の無駄なんで、一括開示する。」
相澤の持つ携帯端末から画面が表示され、42人分の順位が発表される。
(1位は俺か…)
(今回は2位止まりか…まだまだね……)
仮面ライダーの2人がワンツーフィニッシュ。
(けど出久が……)
だが、最下位の場所には緑谷出久の名前があった。
再開は除籍、そのルールに則れば彼の除籍はほぼ確実だろう。
「ちなみに除籍は嘘な。」
だが相澤の口から放たれた一言は、それを否定するものだった。
「君らの個性を最大限引き出すための合理的虚偽」
「「「はあああぁぁぁぁ!?」」」
唖然としていた生徒達は合理的虚偽と言う言葉に驚き、中には叫び声をあげる者もいる。
「ハッハッハッハ!!けど最下位はA組の生徒!まずはB組が一歩リードだね!」
だがそんな状況でも煽りモードに突入する物間。
他の人の個性を借りつつ11位に入っている何とも言えない男だ。
「誰が1位かもう一度しっかり確認しろ。」
「それは私も同感ね。」
そんな物間の理論にライダーコンビはツッコまざるを得ない。
「兎に角だ!今日はこれで解散!教室にあるカリキュラムにしっかり目を通しておくように!」
「じゃあ、また明日。遅刻するなよ。」
他のA組生徒が言い返そうとしたタイミングでブラドが大声で遮ってこの場を解散させる。
この時、面倒くさそうなことになりそうだったのを止めてくれたブラドに相澤が内心感謝していたのは内緒である。
「指、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。」
各々更衣室に行くなどして帰る準備をしている中、翔は保健室に行こうとする出久に付いて来ていた。
「まだ個性の制御ができてないのか。」
「うん、そうなんだ。」
「超パワーの個性か…確かに使いこなすには肉体をもっと作り上げていく必要もあるし、出すパワーの出力を抑える必要もある。」
「うん、そうだよね。」
その道中で、翔は出久の相談に乗る。
困っている人がいるとついつい見過ごせなくなる。それが彼の性分だ。
「俺なりに考えてみよう。手伝えることがあったら言ってくれ。」
「ありがとう!助かるよ。」
「ああ、じゃあ俺はそろそろ行く。また明日」
「うん、また明日。」
出久を保健室まで送り届けると制服に着替えて翔は研究室に戻る。
(さて、詳しく聞かないとな、仮面ライダーリクスのことを……)
To be continued
A組、B組合同に続いて、オリジナルライバルキャラをぶっこんでみました。
猪狩さんのモデルは苗字からもわかるかもしれませんが、パワプロシリーズのライバルキャラである猪狩守です。
猪狩守の女性バージョンって感じで考えてみました。
彼女と仮面ライダーリクスの詳細はまた後日!
次回はオリジナルのお話でも入れようかなと思ってます。
この作品が良いと思った方はお気に入り登録と高評価、感想よろしくお願いします。