マギアレコード鎧伝 機械仕掛けの黄金騎士   作:navaho

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主人公 環いろはちゃんと彼女の元に届けられた魔号機人 獅子王が登場です。

なんだかんだ言って、環いろはちゃんに設定が少し改変されています。





第一話「人間がやさしいなんて、それはただの理想論です」

 

 

その日もいつものように帰宅する時間でした・・・

 

私の名前は、環 いろは。魔法少女をやって居ます。

 

だけど、何故魔法少女になったのか分かりません。

 

自分が何を願ったのか分からないのです。

 

キュウベえに聞いてみたんですけど、キュウベえも良く分からないって・・・

 

じゃあ、何故私は魔法少女をやっているんでしょうか?

 

何を願い、奇跡を起こしたのか、それが全く分からないのです・・・・・・

 

 

 

 

 

学校から帰宅途中の朱”あか”に染まる時間が私はあまり好きではありません。

 

朱に染まる時間は私にとって、唯一の姉さんを拒絶し、傷つけてしまった時間ですから・・・

 

あの日、私は産みの母親・・・に殴られていました・・・

 

そうわたしのお母さんは他のこのお母さんたちと違い、私達に愛情を与えることはなかった・・・

 

お父さんと言い争い、お前たちのせいだといって容赦なく殴りつけてきました。

 

その時の傷が瞼の上に薄っすらと残っています。

 

いつも泣いて辛い思いだけを感じていたのですが・・・その時だけは違っていました。

 

”その子たちを傷つけるな!!!”

 

そう言って私の前に居るお母さんを押しのけて助けてくれたのです。

 

本来なら、喜ぶべきことなんですが、あの人・・・しきみ姉さんは・・・

 

容赦なくお母さんを傷つけたのです。助けてくれたのですが、そこまでは私達は望んでいませんでした。

 

鈍い音と共に血を流しながら逃げ出していくお母さんの後に、お母さんによく似たしきみ姉さんが笑いながら話しかけてきたのです。

 

”やだああああああああああああああああ!!!!

 

”????????????????????”

 

わたし達を傷つけたあのお母さんと同じ顔をした女の子がそこに居たのです。

 

また傷つけられることと平然と相手を傷つける様子に私達は助けてくれた、たった一人の姉を拒絶してしまったのです。

 

怯えた姉さんはそのまま私達の前から逃げ出してしまいました・・・・

 

その後、お母さんは戻ってきませんでした。

 

お父さんは、虐待を理由にお母さんと離婚し、今のお母さんと再婚しました。

 

元々のお母さんは独身と噓をついてお父さんと一緒になっていたのです。

 

お父さん違いの姉さんについて聞いてみたのですが、何処に行ったのかまるで分らないとお父さんは言いました。

 

お父さんもしきみ姉さんのことは気にかけるけど一緒には暮らしたくないという意思は幼いながらも私は理解しました。

 

だからわたしは、お父さんと今のお母さんに迷惑をかけないよう”いい子”になりました。

 

だけど、本当のわたしは”わるい子”です。

 

ほんとうに”いい子”なら、助けようとしてくれたしきみ姉さんに酷い言葉を投げつけることはありません。

 

心配と思いながら、本心では二度と会いたくないと思っている、

 

たった一人の姉の死すらも願っているわたしは、嘘つきのわるい子なんです!!!!

 

 

 

 

 

 

 

朱に染まるこの時間だけは、一番大嫌いな時間です。

 

だけど、わたしが唯一しきみ姉さんと会えた時間です。

 

もしも、しきみ姉さんが居たら、私の悩みを聞いてくれたのでしょうか?

 

何故、魔法少女になった理由を・・・・・・

 

同じ魔法少女として一緒に戦ってくれたかも・・・

 

いえ、都合の良いときだけ姉を求めるなんて、わたしの前のお母さんと同じです。

 

今、家には私以外に誰も居ません。

 

お父さんとお母さんは海外出張で家を離れているからです。

 

私の下宿先を探すとお父さんは言ってくれましたが、今のお母さんのように留学という提案をしてくれませんでした・・・・・・

 

そうお父さんは、お母さんの血を引く私を傍に置いておきたくなかったのです。

 

だってずっと後になって変死体で見つかった産みの母親の死を知っても、わたしはなんとも思わなかったからです。

 

そんなわたしにお父さんは怯えと戸惑いの目を向けていました・・・

 

今のお母さんは、子供が産めない故か私達を実の子のように接してくれて、お父さんの前では言えないしきみ姉さんのことを相談できました。

 

お母さん曰く、人の生まれ持っての性質はどうしようもないかもしれないけど、人は択ぶことができる生き物と教えてくれました。

 

しきみ姉さんは、前のお母さんのように無暗に人を傷つける人ではないと教えてくれました。

 

だって、幼馴染の男の子と仲が良いことを教えてくれて、わたしが絶対に見ることの叶わない笑顔を浮かべていたのですから・・・

 

しきみ姉さんにあんな酷いことを言ったわたしの事なんて結局、前のお母さんと同じでどうでもよくなったの・・・いえ、わたしがそう思いたいだけです。

 

助けてくれたのに感謝すらもしない妹なんて、しきみ姉さんも嫌に違いありません。

 

しきみ姉さんを悪者にして、自分は悪くないと思いたいだけ・・・

 

この朱の夕日に手を翳すと特に手を怪我したわけでもないのに血に塗れているようにも見えます。

 

赤い血は、わたしが前のお母さんの血を引いた娘であり、しきみ姉さんとの繋がり・・・

 

わたしも前のお母さんと同じで誰かを戸惑うことなく傷つけることのできる子なんです・・・

 

憂鬱な気持ちを持て余しながら、何故か一人分欠けたかのような自室で私を彼らは待っていました・・・

 

『勝手に居座ってすまなんだ。環 いろは。我らはお前の力になりに来た』

 

これから色々と助けてくれた魔導輪 シンバさんと魔号機人 獅子王・・・

 

との出会いでした・・・・・・

 

『いろは。早速ではあるが、何故、お前の妹 ういの存在が消えているのだ?』

 

それは、わたしが感じている違和感の答えを告げてくれた瞬間でした・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうした?いろは・・・また同じ夢か?彼女の顔・・・ういの顔は見えたか』

 

「うん・・・シンバ。あなた達の言うようにほんとうにわたしに妹が居たの?」

 

不自然に一人分のスペースが空いている向かい側に視線を向けた後に机の上にある髑髏の魔導輪へと移す。

 

昨日自分の元へ”力になりにきた”と語った髑髏の魔導輪の名は”シンバ”。

 

主に助言や時折、いろはを気遣うよう語り掛けてくる。

 

『それだけは間違いない、我は嘘はつかぬ』

 

「そう・・・でも、確かにわたしの傍に親しい誰かが居たと思う、なんかこう・・・足りていないんだ」

 

キッチンから、香ばしい匂いが漂ってきた。誰かが朝食の準備をしているようだった。

 

今は両親もおらず、居るのは自分と魔導輪 シンバ・・・そして・・・

 

『そろそろ身支度をしておけ。獅子王が朝食の準備をしているぞ』

 

「獅子王さん、そういうこともしてくれるの?」

 

『そういってやるな。獅子王のような魔号機人は、主に尽くすことが存在意義だからな』

 

いろはは知らないが、他の魔号機人達は、一部を除いてほとんどが金属製の骸骨人形であるが・・・

 

 

 

 

 

 

”魔号機人 獅子王。お前の主が見えたぞ。その姿を現すがよい”

 

”承知している”

 

エフェクトのかかった声と共にトランクが変形し自分と向かい合うように立つ黄金の狼の影の後に青年の姿を見た・・・

 

 

 

 

 

 

「見た目もそうだけど完全に人間だよね、獅子王さんって・・・」

 

機械人間であることを本人から聞かされているが、未だに信じられないのだ。

 

魔号機人である獅子王は、ほぼ人間と同じように振舞い、柔らかい皮膚を持ち、また人の雰囲気を強く出していたのだから・・・

 

イベントで人間そっくりな人形を見かけるが、それらの雰囲気に生きている雰囲気はなく無機質なものである。

 

『そうだな・・・人間の技術に驚かされる』

 

魔導輪 シンバもまた、自身の相棒である 魔号機人に強い関心を覚えるのだった。

 

かつては、黄金騎士の家系の騎士達と契約を結んでいたが、外道 魔戒法師 香蘭と彼女に付き従う魔号機人らにより、その家系の一族は手にかけられ、その戦利品として彼女の手に渡ったのが自分である。

 

シンバもまた、魔号機人 獅子王には驚かされていた。

 

かつての黄金騎士の記憶をベースとして作られながら、金属製の骨格に香蘭が開発した特殊な生きた細胞組織で覆い、髪の感触、匂い、汗すらもかくことができる為、魔戒法師、騎士であっても人型魔導具であることを見破るのは容易ではない。

 

ただの人型魔導具ではなく、人そのもののように動く。

 

それは他の魔号機人にはない、獅子王の”可能性”故である・・・

 

 

 

 

 

 

 

「二人とも早く席に着くと良い、冷めないうちに召し上がってくれ」

 

一階のリビングに降りると昨日見た人型魔導具 魔号機人 獅子王が朝食を用意していた。

 

知られている骸骨人形ではなく、完全な生きた人間そのものの姿であった。

 

『我は食べられんぞ』

 

「まぁいいじゃないか、食事はみんなで一緒の方が良いだろ?」

 

赤い髪の青年こと獅子王が微笑みながら二人分を用意し、いろはを席に着くよう促す。

 

「シンバさんは食べられないけど、それは誰の分ですか?」

 

「これは俺の分かな。一応は食物からエネルギーを摂取できるからな」

 

『おい、お前は食べられて、我が食べられないのはどういうことだ?』

 

「そういう風にできているんだ。そこは、割り切ってくれシンバ。長い年月を過ごしてきたんだろ」

 

事実、魔号機人 獅子王は製造されてからそこまで時間は経たないらしい・・・

 

機械人間でありながら、食物を食べることができる獅子王に驚きつつ、昨日よりも心地の良い騒がしさを感じつつ、用意された朝食を口に運んだ。

 

「うん。美味しい、獅子王さんって料理がすごく上手なんですね」

 

「ありがとう。そういってくれると俺も作った甲斐があったよ」

 

『我は、口にできないがな』

 

自身が食べることができないことに恨みの声を上げる魔導輪 シンバ。

 

「え~と、まぁ、シンバさんもみんなで一緒に囲んでくれて、わたしは・・・うれしいですよ」

 

いろはは、シンバにフォローを入れた。彼女自身がこうやって食卓を囲むことが嬉しいのは本心である。

 

少し前までは、一人で淡々と食べ物を口に運んでいただけだった。

 

「俺もだ。お前はずっといろんなものを見てきたから話題には事欠かないんだろ?」

 

『フン!!まぁいいだろ、朝の食卓を我の戯言で悪くするわけにはいかぬからな』

 

指輪の状態で専用の台座に嵌っている。

 

動けたらそっぽを向くだろうといろははおかしく思ったのか少しだけ声を立てて笑った。

 

(この二人の”力”と協力すれば、わたしは”うい”との思い出を思い出せるのかな)

 

彼らの言葉を証明するようにアルバムの中の写真には不自然な空間が存在するものがほとんどであり、妹の存在を何かが消しているのだ。

 

そして、その目的を達成すると宣言するに値する”力”を持つ彼らの”戦闘能力”

 

魔号機人 獅子王の戦いを思い返すのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

昨日の夕方・・・

 

いろはは、困惑の中あの後、家をどのようにして出たのか分からなかった。

 

最近近隣の魔女が少なくなっており、久々に魔女の反応を感知し、魔女狩りへと出ていた。

 

普段なら一人で探索を行うのだが、この日は一人の黒いロングコートを着た赤毛の青年と一緒であった。

 

魔女の気配はまるで移動するかのような反応を示していた。

 

獅子王青年の指に嵌っている魔導輪 シンバは、魔戒騎士と共に本来狩るべき”ホラー”とは違う存在の気配を追う。

 

『いろは、ソウルジェムの反応は・・・やはり魔女の結界は移動しているのか?』

 

「うん、魔女の結界は魔女本体が移動しなければ動かないけど・・・」

 

シンバの疑問とこれまでに経験したことのない反応に戸惑っていたが・・・

 

「いろは・・・魔女の結界が公の交通機関に現れる可能性は考えられるか?」

 

獅子王は頭上を移動するモノレールの姿をとらえていた。

 

黒いロングコートを靡かせる獅子王が向ける視線の先にあるモノレールの車両にいろはのソウルジェムが反応を強くした。

 

 

 

 

 

 

 

足元からくる振動を感じつつ、モノレール車両の中を二人は”魔女の結界”の入り口を探していた。

 

車両の窓からは、朱に染まった高層マンションビル群の景色が流れていく。

 

乗客は周りに関心がないのか思い思いに過ごしていた。

 

車両を移動すると小さな女の子が泣いていた。

 

思わずいろはは、駆け寄り少女に視線を合わせるようにかがみ、何故泣いているのかと尋ねる。

 

「どうして泣いているの?何かあったの?」

 

「うぇええん。みぃちゃんが居なくなったの・・・・・・さっきまで一緒に居たのに・・・」

 

獅子王は二人の様子を見つつ少女の傍にペット用のケージを確認する。

 

カギはしっかりと掛けられており、少女が外したとは思えなかった。不可思議な現象の原因・・・・・・

 

正面に視線を向け、そこに存在する”瘴気”の気配を捉えた。

 

それを証明するように猫の鈴の付いた首輪が落ちていた。

 

同時にいろはのソウルジェムもまた魔女の気配を完全に捉える。

 

少女も車両を出た瞬間に彼女のペットである猫が居なくなったと涙声で話した。

 

直ぐ近くに魔女が居る。いろはは、魔女が居るであろう最後尾の車両に向かうべく進む。

 

不安で涙ぐんでいる少女に対し、獅子王がいろはと同じようにかがみ、視線を合わせる。

 

「大丈夫だ。君の友達は俺たちが必ず見つけてくる。だから信じて待っていてくれ。友達を待っているんだからいつまでも泣いていたら、みぃちゃんも心配してしまうよ」

 

「うん。わかった・・・もう泣かない」

 

「良い子だ。俺たちも約束するよ」

 

「絶対だよ。お兄ちゃん、お姉ちゃん!!」

 

いろはの後に続くように獅子王も動く。獅子王の様子にいろはは、温かいモノを見た。

 

人間にはない”やさしさ”を持った存在に・・・・・・

 

「いろは、待たせてしまったか?」

 

「うん、全然だよ。獅子王さんってやさしいんですね。なんだか、とても安心できます」

 

いろはの声に獅子王は少し困惑したかのような表情を浮かべた。

 

「どうしたんですか?わたし、困らせるようなことをいっちゃいましたか?」

 

「いや、そうではなくて・・・人間なら当たり前のことではないのか?泣いている子供を気遣うのは」

 

人間ならば当たり前・・・いろはは、内心人間にそんな当たり前はないと言いたかった。

 

だが、このやさしさに水を差すようなことはしたくなかった。

 

「そうですね。わたし何言っているんでしょうね!!」

 

誤魔化すようにこの話を打ち切らせる。何か思うところがあるのかと獅子王は察するが、それを口の出すのは無粋であると考え、特に何も言わなかった。

 

『お前達、魔女の結界は目の前だぞ。気を引き締めておけ』

 

シンバが目の前のことに集中しろと声を上げる。

 

「そうですね。気を引き締めます」

 

車両の扉に手をかけ、勢いよく引く。

 

 

 

 

 

 

 

そこには窓から見えてきた街の光景はなく、異様な空間が広がっていた。

 

渦の流れに沿うように様々な漂着物が広がる光景。そこに飛び込むようにいろはと獅子王の二人が空間、魔女の結界へと飛翔する。

 

漂着物同士が干渉する雑音をバックミュージックにいろはは飛び込むと同時に自身のソウルジェムを輝かせて魔法少女の姿へと変わっていく。

 

白いフードをかぶりマントを靡かせながら漂着物を足場にして降り立つ。

 

彼女の気配を察したのか結界の主である魔女が漂着物の流れの隙間を縫うように移動しながらその姿を現した。

 

サイケデリックな色が水面を思わせる漂着物の中から躍り出ると同時に黒い姿を見せた。

 

呼応するようにいろはも左腕に自身の武器である”クロスボウ”を出現させ、桃色の矢を放つ。

 

それらを弾きながら、魔女 筆で描かれたようなベタに描かれたサンショウウオの姿によく似ていた。

 

”石中魚の魔女”は周りの漂着物の流れを変えて同じ姿をした”使い魔”達を一斉にいろはへと嗾けた。

 

多方面の攻撃を避けるべくかがむが、彼女を守るように黒いコートが視界に過る。

 

「はあああああっ!!!」

 

一振りの剣を構えた獅子王が使い魔たちを剣撃ですべて消し飛ばしてしまった。

 

獅子王は彼女・・・環 いろはの力になると語っていた。宣言するだけの力を持っている。

 

(すごい・・・使い魔を一瞬で・・・それに攻撃の太刀筋が全く見えない)

 

魔号機人 獅子王の戦闘能力に驚きつつも守られていることに心が満たされるものを感じていた。

 

「いろは、すまないが移動するぞ」

 

「えっ!?!ちょっと、待ってください!!!きゃあああ!!!」

 

石中魚の魔女がのしかかるように突撃してきたため、獅子王はいろはを腕に抱えてそれを避ける。

 

魔女は漂着物の流れに潜り込み二人を追跡する。

 

漂着物を足場にしながら獅子王、飛び出してくる使い魔達から回避行動を取った。

 

時折、使い魔を足蹴りにして・・・

 

(えっと・・・わたし、今抱えられているんですけど・・・)

 

このような場面、”お姫様抱っこ”・・・現実にはおそらくないであろう状況に困惑しつつも彼女は、頭上の漂着物に紛れる白猫の姿を見た。

 

「獅子王さん!!あれ!!!みぃちゃんが居ます!!!」

 

いろはの向ける視線の先には、驚きの表情を浮かべる白猫の姿があった。

 

「よし。さっそく約束をはたさなくちゃな。なら、一気に決着を付けさせてもらう」

 

背後から大口を開けて迫る魔女から距離を話すべく、魔号機人 獅子王はより高く飛翔する。

 

その飛翔は白猫のところまで届き、いろはは漂う白猫を手繰り寄せるように胸に抱いた。

 

「よくやったいろは。あとは俺に任せてくれ」

 

近くの漂着物を足場にし、いろはを降ろすと同時に魔号機人 獅子王は頭上に剣を掲げると同時に意思を持つ上位型 魔号機人の技能である 鎧装展開を行う。

 

頭上のゲートより一瞬にして鎧が召喚され、それを身にまとう。

 

まばゆい光と同時に黄金の鎧が炎を纏うと同時に黄金の鎧に炎の赤がさす・・・

 

炎の勢いは止まらず、黄金の狼の後頭部に赤く長い鬣を思わせる長髪が靡く・・・

 

「・・・金色の・・・金色だけじゃない。炎の色を持った黄金の狼の鎧」

 

いろはの前には、完全戦闘形態へと移行した魔号機人 獅子王の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「な、なにあれ?一体何なの?」

 

いろはと同じく年頃の・・・同じ魔法少女が黄金の狼の騎士に困惑の色を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石中魚の魔女は目の前の存在に脅威を感じたのか漂着物の流れを変え、それを攻撃としてぶつけるが・・・

 

『はぁああああ!!!!』

 

頭上に剣を掲げ、振り下ろす同時にその魔女の攻撃は消し飛ばされ、衝撃は石中魚の魔女に届きその体を両断した。

 

両断するが、それぞれの断面より魔女が増殖するかのように再生する。

 

『ほ~お。半裂けに似ていると思ったが、やはりそのままだったか、獅子王よ。どうするつもりだ』

 

『承知の上だ。ならば、完全に消滅させるだけだ』

 

赤い瞳を二体の石中魚の魔女に向け、自身の剣をさらにもう一振り召喚させる。

 

それらに炎を纏わせると同時に一気に魔女の元へ飛び、炎を纏った二振りの剣を振るうことで反撃の隙を与えることなく膨大な力をもって魔女を完全に消滅させた。

 

結界の主が倒されたことで魔女の結界が消失すると同時に二人は元の車両へと戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

車両へ戻ると同時に結界内で保護した猫の飼い主である少女が二人の姿を・・・いろはの抱えた白猫を見た瞬間駆け出し、喜びながら白猫の名前を呼ぶ。

 

その様子にいろはは、笑みを浮かべ、視線を隣にいる魔号機人 獅子王に移す。既に鎧は解除している。

 

獅子王もいろはと同じ気持ちだったのか、柔らかい笑みを浮かべていた。

 

「ありがとう!!!約束を守ってくれて!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その後で少女の保護者らしい大人が来て、見送った後に獅子王はいろはに

 

「いろは、よく頑張ってくれた。おかげで約束を果たせた」

 

「獅子王さん・・・ありがとうございます」

 

「礼を言われるまでもないさ。俺たちは君の力になる為に存在するんだから」

 

「あたりまえのように言わないでくださいよ。本当にありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

いろはは、この日人に非ざる”機械人形” 魔号機人 獅子王のその”強さ”と”優しさ”を見た・・・

 

機械仕掛けの・・・作られしモノでありながら、黄金騎士の魂を持つ”守りしモノ”を・・・

 

 

 

 

 

 

「ねえ、貴方達は一体なんなの?」

 

入れ替わるように黒い髪の少女が話しかけてきた。少女の名前は、黒江・・・

 

 

 

 

そして二人は、運命の地”神浜”へと向かう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがき

最初の一歩が肝心ですので、現在進行している暗黒騎士異聞とは逆のコンセプトで描いています。

環 いろはちゃんですが、いい子で通していますが、本心では割と人間不信というか少し自己嫌悪な部分があります。

アニメ版のマギアレコード見直してみると、まどマギとは真逆に描いています。

まどかだと両親の描写がしっかりしているのですが、いろはの両親は顔すら描かれていないことと、最初からダークファンタジー色を強くしています。

親しい友人の描写もなく、馴染みの友達もいないのですね。

もう一人の主人公 魔号機人 獅子王。

暗黒騎士異聞に出ている他の魔号機人は骸骨人形なんですが、獅子王は柔らかい皮膚を持つ為に人間そのものの外見を持ち、それでいて人間と同じように振舞えます。

見た目は”炎の刻印”のレオン・ルイスです。

性格も穏やかであり、いろはを気遣ったり、また他者に対し優しく接します。

いろは曰く人間にはありえない”やさしさ”です・・・

二人の共通点は産みの母親、製作者がロクでもない外道であることです。

リハビリ作として、不定期に上げていきたいと思います。

魔導輪 シンバは、スワヒリ語で”獅子”を意味します。




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