転生したOLは女悪魔(超化け物級の)になりました 作:アイリエッタ・ゼロス
『着いたよ』
ルルに案内されて着いた場所は綺麗な湖がある花畑のような場所だった。
「綺麗....」
『そうだろう? 私のお気に入りの場所さ』
そう言いながら、ルルは地面に降りた。
『サキちゃん。サキちゃんにとって、戦争はどんなものだい?』
「えっ?」
ルルは突然そんなことを聞いてきた。
『サキちゃんの世界でも戦争は起こってるんだろう? それに、見たところサキちゃんは
その戦争の最前線にいるって感じだね』
「っ、どうしてわかったの....」
『あのロボットに身体のけが、あとはそうだね....人ならざる者、だから』
「っ!?」
『これでも数千年生きてるからね。何となくわかるんだよ。安心しなよ、別にそれで差別
しようってわけじゃないから。というか、私もサキちゃんと同類だからね』
「....どういう意味?」
私がそう聞くと、ルルは私の膝の上に乗ってきた。
『私はね、これでも昔は人間だったのさ。だけど、人外に攫われてね。身体中いじくられて
こんな姿になっちゃったのさ。それに人殺しもたくさんさせられた』
「....」
『そんなことが続いてたある日の事さ。もう色々と疲れちゃってね。死のうと思った時、
お嬢に拾われたのさ。こんな人殺しをだよ? お嬢の甘さときたら、正直最初はお嬢の事を
信じることができなかった。だけど、一緒にいるうちにわかったのさ。お嬢も、私と一緒で
ずっとひとりぼっちなのさ。周りの大人はお嬢を利用したいだけ。だからお嬢は大人を
信用しない。信用した大人は片手で数えられくらいさ』
「....そう、だったのね」
「(大人を信用しない、か....それってまるで....)」
「私と一緒....」
自分でも気づかない間に私はそう呟いていた。
『おや、そうなのかい?』
「っ! ....ごめん、今のは忘れて」
『....わかったよ。すまないね、年寄りの昔話に付き合わせて。年を取るとどうにも話が
長くなる....よくない癖だよ全く』
そう言いながら、ルルは私の眼を見た。
『随分と話が逸れてしまったね....それでサキちゃん、もう一度聞くがサキちゃんにとって
戦争はどんなものだい?』
「....私にとって、戦争は大事なものを守るためのものよ」
『....そうかい。なら、その志を折っちゃダメだよ。折れると、私のようになっちゃう
からね....』
「ルル....」
『付き合わせて悪かったね。一度館の方に戻ろう....』
そう言ってルルが空中に飛んだ時、突然何かが割れる大きな音がした。
「っ! 何今の音....」
『結界が破られた音だね....今度はどこの連中だ....』
「結界って....」
『この森を包んでいる結界さ。他人を寄せ付けないようにしてるけどこうやって破壊して
侵入してくる馬鹿がいるんだよ。ひとまず急いで館に戻るよ。ちょいと身体を失礼』
そう言うと、ルルは自分の身体を私に巻き付けて来た。
「ちょ....!」
『舌嚙まないようにね』
ルルはそう言って飛び上がり、館の方に向かっていった。
~~~~
『お嬢!』
館の方に着くと、入り口にはセラがいた。そのセラの表情は先程までの優しい表情から
一変して無の表情に変わっていた。
「....わかってる。私が処理するから手を出さないで」
『っ....! 了解』
そう言ったルルの身体はどこか震えていた。
「(今のセラ、さっきとはまるで別人....)」
私も私でセラから放たれるオーラに寒気を感じていた。そう感じていたその時、突然目の前の
森が燃えた。そして、そこからセラとは違う翼を生やした悪魔が20人ほど現れた。
「随分と大所帯ね....何の用、堕天使の格下ども」
「(あれ堕天使なんだ....)」
「テメェがセラールとかいう悪魔か! はんっ、その辺にいる女悪魔と変わんねぇじゃねぇか」
「上はあんな格下にビビってんのか! 程度が知れるぜ!」
「おいおい! しかも良い人間の女連れてるじゃねぇか! ありゃ丁度いい....!」
「それ以上口を開くな....」
「っ!?」
セラのドスが効いた声と同時に、空に飛んでいた堕天使は地面に落ちた。
「な、何が起こって....!?」
「人の庭に土足で入ってきたんだ....それ相応の報いを受ける覚悟はあるよね?」
そう言いながら、セラは堕天使達に手を向けた。
「自分の愚かさもわからず、ここで死になさい....」
そう呟いて手を握った瞬間、堕天使達は糸が切れたように動かなくなった。
「はぁ....何でこうバカは多いんだか....」
セラはさっきまでとは別人のような声色であきれながらそう言った。
「サキちゃんごめんね。こっちの問題に巻き込んじゃって」
「だ、大丈夫だけど....あの堕天使は....」
「死んだよ。心臓消滅させて今のあれはただの肉塊だよ」
「っ....!?」
「さ、いつまでもここにいても仕方ないしそろそろ戻ろっか。晩ご飯出来たらまた呼ぶから
それまではのんびりしてて」
そう言ってセラは館の中に入っていた。
「....セラって二重人格なの?」
『そんなことはないさ。お嬢が怒るとあんな感じさ。あぁなると下手に止めたらこっちも
被害を被るよ。....私らも館の方に戻ろうか』
「あれほっといて良いの?」
『良いよ良いよ。そのうちこの森に棲んでる魔獣が処理するからね』
そう言うと、ルルは館の方に飛んで行った。私は少し気になったがこれ以上ここにいるのは
嫌な予感がしたのでルルについて行った。