忍びが転生したら〝異世界珍道中〟になった件   作:にゃんころ缶

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 お待たせしました。150話です

 ツキハ

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 コハク

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 傭兵商会ルヴナン・真の紋章


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 ※〝打刀〟
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150話 (わろ)たらアカン

 

 

 ミョルマイル。

 

 幹部達はもとより、魔国連邦(テンペスト)の住人にあっさりと受け入れられた。

 リムルも驚くスムーズさである。

 

 何よりもミョルマイルの仕事ぶりが凄まじかった。

 

 海千山千のリアナ・アルクセールと、ノルベルト・フォン・リッケンバッカ公爵。

 この二人を相手取り一歩も退かずに、魔国連邦(テンペスト)に対してかなり好条件になる契約を取り付けたのだ。魔国側もそれなりの対価を支払ったが、お互いに満足のいく交渉であった。

 

 魔国連邦(テンペスト)において一番の収穫は、ガットエランテが長年に渡り築いてきた販路を利用させてもらう事が出来たという事であろう。

 

 そう、他国や村などに、魔国連邦(テンペスト)製の商品を宣伝売買をしてくれる事になったのだ。

 ゆくゆくは、ミョルマイルが鍛えた魔国の商人がガットエランテと共に行商するという構想をミョルマイルが語ったが、これに関してはリアナが流石にそこまでの決定権は自分にはないから、〝オーナー〟に確認を取りたいので、この件は一旦保留にして欲しいと言い、ミョルマイルもそれを了承した。

 

 それからも、ミョルマイルは自分に与えられた部下を掌握して見せた。

 魔物も人間も関係なく、ミョルマイルは適切に仕事を割り振っていく。

 

 元からミョルマイルの家人だった者達を加え、あっという間に新組織が出来上がった。

 

 こんなミョルマイルの働きぶりをみれば、誰からも文句が出ないのは当然である。

 

 

 そして、開国祭の企画の方も着々と進んでいた。

 

 歌劇場で行われる演目等。

 武闘大会の進行に司会の選出に、大会ルールの策定。

 地下迷宮(ダンジョン)の入場料の設定と、各種アイテムの販売価格の算出。

 露店で出す商品の仕入れと販売方法の確認等。

 

 これだけのモノを扱うのは初めてとは思えないほどに、凄まじく手慣れた感じで仕事は(はかど)っていた。

 

 ヴェルドラとツキハにも紹介したので、鉄板焼きの店についても相談を受けているようだ。

 

 後、ルヴナンとの交渉もミョルマイルが担当する事になり、リムルはコハクにも紹介した。

 

 これに関しては、ミョルマイルもかなり苦戦した模様。

 今までの傭兵契約とは別に、新たな契約を幾つか結ぶ事になりミョルマイルは奮闘した、あのコハク相手に……。

 

『それで、コハク様。このくらいの契約金でいかがでしょうか?』

『せやねぇ、こんくらいはもろときましょか』

『な!? いやいやこれはお高い。我が国も出来たばかり、将来を見据えて、これでいかがですかな? 一年(ごと)に依頼料交渉が出来るという事で』

『アカンアカン。そんなん安すぎるやおまへんか。こんくらいもらわな、うちは大赤字やねん』

『うーむ、困りましたなあ……。それでは、この金額の他に、我が国の特産品をそちらに納めるという事ではいかがでしょう?』

『なあ、ミョルマイルはん。その特産品はうちが指定した品でも、よろしいんどすか?』

『ええ、勿論ですとも。その権限はリムル様から頂いております故』

『さよか。ほな、林檎(リンゴ)葡萄(ブドウ)のブランデーと、地獄蛾(ヘルモス)(まゆ)糸で作った絹の反物(たんもの)を、差し引いた金額分ルヴナンに納めてもらえますやろか?』

『はい、構いません。しかしですな、ブランデーは自国消費分、他国に輸出する分等、数に限りがあるのが実情。しかし、大量生産が出来る酒工房も計画しております。故に、今回は何回かに分けて納めるということになりますが、ご了承頂けますでしょうか? それと、反物に関してはすぐにでも発注をかけて作り、出来次第お納めいたします』

『へえ、かましまへん。それでいきましょうかぁ』

 

 と、こんな具合に奮闘するミョルマイルであった。

 

 無事契約が終わった時のミョルマイルは、疲労困憊、額には汗が(にじ)み、フラフラな

状態に見えるも、その顏にはどこか満足し切った表情を浮かべていた。

 

 あのコハク相手に、お互いが満足にいく形で契約を終えたからである。

 

 ミョルマイルは、幾つもの仕事を抱えながらも活き活きとしていた。

 

 リムルの思い付きの中でもっとも功を成したのは、ミョルマイルの採用だろう。

 彼の力なくば、開国祭は失敗に終わった可能性が高い。

 

 リムル達だけでは、ここまで見事な手際で準備を進める事は出来なかったかもしれない。

 

 特に、ルヴナン率いるコハクとの対等な交渉が出来るのは大きかった。

 基本、ツキハは交渉事にはあまり関わらない。

 こういった事は、大体コハクが担当していたのだ。

 

 

 そして、月日は流れる。

 

 

 ***

 

 

 待望の暖かい春がやって来た。

 

 街は祭り気分一色となり、熱気と活気に包まれている。

 

 円形闘技場の建設も順調に計画通りに進んでいた。 

 

 祭りに出す屋台も、働く住人達を練習台として、ミョルマイルの部下達が屋台を開いていた。

 こちらも大盛況で、かなり繁盛していた。 

 これなら問題ないと安堵する、リムルとミョルマイル。

 

 地下迷宮(ダンジョン)については、ラミリスとヴェルドラ、ツキハに任せていた。

 ミリムはツキハに一度帰ると言い残して、自国領へと帰って行った。

 ツキハがリムルに、誰かさんの怒りがヤバくなるから帰ったんだろうと笑い言い。リムルも苦笑いしながらそれに(うなづ)いた。

 

 まあ、今のリムルは地下迷宮の事に関われない程、多忙だったのだ

 

 

 

 そして――

 

 リムルの魔王就任を祝う、あるいはその力を見極める為に、ジュラの大森林に住まう各種族の代表達が、続々とこの街に集合し始めていた。

 

 彼等は〝魔王〟へと忠誠を誓い、加護を得る事を目的としている。

 

 だがしかし、魔王にその実力がないと見れば、即座に敵対勢力に回るだろう。

 何故ならば、力きなき魔王のもとでは、自分達が繁栄するどころか、滅亡への道へと突き進む事になるからだ。

 

 これは、弱肉強食である魔物の世界では、至極当たり前の考えである。

 

 今までのジュラの大森林は、ヴェルドラの絶大な加護で守られて来た。 

 ヴェルドラが封印されている三百年間は、ツキハとコハクが陰で大森林を守って来た。

 

 そんな不可侵領域を、新たな魔王が支配下に治めたのである。

 

 しかもその魔王は成り立ての新参者で、どんな思想信条を持つのか不明とくる。

 

 各種族の代表達が不安に思うのも、無理のない話なのだ。

 

 

 そんな訳で――

 

 今日も今日とて正装して、壇上に祭られるリムル。

 そう、スライムの姿で。

 

 その姿はもはや置物のようであり、神棚に飾られた鏡餅のようである。

 

 実際その姿を見たツキハが――

 

『はう!……ぷっ、くっ、ぅぅぅ、も、餅やん、リムル。ぷぅくくっ』

『ツ、ツキハ、(わろ)たらアカン。が、が、我慢し、なはれ……くっ、ぷうぅ、うっく』

 

 必死に笑いを堪える二人がいた。

 

 それを見たリムルが、『なあ、分身を置いたらいいんじゃね?』と言うも――

 

 『『『『『駄目です』』』』』

 

 と、笑顔で却下された。

 こういう時の幹部達の連携は見事なモノである。

 

 リムルが内心で、(俺を()け者にして、みんな『思念伝達』で繋がってるんじゃねえか?)と、心の叫びを上げるほどに見事な連携だったのだ。

 

 仕方なくリムルはされるがままになっていると、飾り付けられて身動きが取れなくなっていた。

 

 今日この日の為だけに、謁見式用のスライム形態用の服をシュナ達が用意していたのだ。

 

 この謁見式に参加している者は皆、儀仗(ぎじょう)兵として着飾っていた。

 常になく完全装備を身に纏っているので、周囲への威圧感は相当なものだった。

 

 この重々しい空気の中、礼服を着たリムルとリグルドの二人が、使者達への対応を行う。

 

 リムルは無後のまま、配下達に言われた通りに使者達を睥睨(へいげい)するだけである。

 

 リムルの両脇には、ベニマルとシュナが控える。

 背後にはシオンとソウエイ、そしてガビルが並び立つ。

 ランガはリムルの影の中に潜んでいた。

 

 そして、右側にはゴブタ率いる狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)百名が並び、左側にはゴブア率いる〝紅炎衆(クレナイ)〟の上位百名がいた。

 

 残りの下位二百名は、番外魔王眷属達二百名と合同で街道警備に回している。

 今回は謁見式という事で、万全を期してこの警備態勢になったのだ。

 

 更に街中には、人間に変幻(ヘンゲ)した番外魔王眷属と、私腹を着た〝紫克衆(ヨミガエリ)〟が潜伏していた。

 

 (ちな)みに、ディアブロとハクロウは、まだファルムス王国から戻っていない。

 先に帰って来たゴブタ達が言うには、開国祭までには全てを終わらすと言っていたとの事。

 

 リムルの晴れ姿を見れずかなり悔しがっていた二人だが――

 向こうは向こうで、同じ日にヨウムの戴冠式が行われる事となっていた。

 

 それを(もっ)て、ファルムスという国名が消え、新たな国家が誕生する手筈となっていたのだ。

 

 そこで、ツキハとコハクはというと。 

 

 壇上を挟むように、右側にツキハ、左側にコハクが立っていた。

 今日は、リムルの謁見式という事もあり、嫌がるツキハをシュナが説き伏せ、いつもの半丈小袖(はんたけこそで)ではなく、礼装用の丈が足首までの小袖を着ていた。

 

 ツキハは紺色の生地(きじ)に白い牡丹が入っている着物。コハクは薄い桃色に桜の花が入ったものを着て謁見式会場の警護に当たっていた。

 動きにくそうではあるが、二人にとってこの服装は人間の頃に着ていたものであり、このまま戦えたりもする。いざという時には、魔王御用達である()や着替えの魔法もあるので問題はないのだ。

 

 とまあ、こんな感じで仰々(ぎょうぎょう)しくも、謁見式は執り行われていったのである。

 

 次々と訪れる各種族の代表者達。

 

 リムルを前に口上を述べる種族の代表である魔物。

 面白い事に、代表者である魔物達の反応は、三つに分かれていた。

 

 崇拝、観察、畏怖である。

 

 リムルを観察する者達の中には、リムルを見下す者もいた。

 特に、アメルド大河方面から来た新参者達に、その傾向は強く見られた、が。

 

 傭兵商会ルヴナンがこの国と契約をし、番外魔王の二人と眷属達が住み着いている事実を知った途端に手の平を返す者がいたのも事実。

 

 これに関しては、実力を示せば、簡単に恭順してくれるだろうと、気にもしなかったリムルであった。

 

 しかし、やたら怯える者達もいた。

 

 リムルの目の前にいる、弱小部族の一つ兎人族(ラビットマン)である。

 見た目は可愛らしい外見の亜人種。

 人の外見をしていて、耳部だけが兎耳の形状に長く伸びていた。

 

 獣人族と違い、劣化獣人である彼等彼女等は『変身』したりは出来ない。

 強さも普通の人間と変わらず、装備の面から考えると弱いと考えられていたが。

 

「ほ、本日は、お、お、お招きにあず、与りまして――」

 

 緊張のせいか、部族代表者は言葉を上手く話せない様子だった。

 

(これはまた、凄いビクビクしているな。弱小部族とはいえ、俺を恐れ過ぎじゃねえ? まあ、小人族(ハーフリング)犬頭族(コボルド)もそうだったけど、この部族は極まっているな。でも、ツキハとコハクから聞いた話では、コイツ等と同じ兎人族の者がルヴナンで傭兵をしているんだよなぁ。ちょっと信じられないんだけど……)

 

 ビクビクして顔を上げれない兎人族の代表である族長を見ながらリムルは、何とはなしに思う。

 

 兎人族の実態。

 

 最弱種族と言われても、この大森林の中で生き延びられるだけあって、『危険察知』能力に特化した力を持っていた。 そう、大森林で生き延びる為には、敵から逃げ(おお)せるだけの逃走力がいる。

 

 そしてもう一つ、敵から逃げる為の瞬発力の異常な高さである。

 

 ルヴナンの傭兵にも兎人族がいる。その者達は潜伏能力に優れ、弓を巧みに操る。

 ルヴナンで鍛えに来た抜かれた兎人族は、ルヴナン斥候部隊の(かなめ)であった。

 

 これは、ツキハが兎人族の生存本能の強さを逆手に取ってに鍛えてみた結果――

 元々の高い『危険察知』能力に加えて、脚力の高さを活かした瞬発力。

 これらの要素が上手く噛み合わさり、これによって素早い動きでの対応、敵地の探索や監視といった、斥候に特化した力を手に入れたのである。

 

 戦いを好まず温厚な種族故、劣化獣人と(さげす)まれて来た種族だが、鍛えてみたらビックリ兎人傭兵が出来上がっていたのだ。

 

 しかし、この事はほとんどの魔物が知らない。

 

 何故なら、ツキハとコハクが極秘にしているからだ。

 

 元々戦いに向かない種族。

 鍛えてみたら強いとわかれば、他の魔物に脅威とみなされ潰されるか、奴隷戦士として捕獲されるかもしれない可能性が出て来る。もっとも、リムルの加護を得ればその心配もなくなるので、事前にツキハとコハクは、この事をリムルに伝えていたのである。

 

 あくまでも鍛えなければ、ただの弱小種族の一つ。

 まあ、ルヴナンでの訓練が常軌を(いっ)しているのは言うまでもないが、例外中の例外ではあるのも事実なのだ。

 

 平伏する兎人族を眺めながらリムルは思う。

 

 他の魔王達みたいに戦闘能力だけに価値を見出すことはないと、兎人族も他の弱小種族達も、自分の名のもとに平等であると、根気よく説明をしていかなければと考えた。

 

「兎人族の部族長よ、そう怯える事はない。リムル様は寛大な御方なので、配下に加わる者は平等に扱うと仰っている。安心して挨拶するがいい」

 

 リグルドが穏やかな声でそう言うと、ようやく代表の族長が顔を上げた。

 

 まだ若く、なかなかイケメンの男だった。

 しかし、極度の緊張の為か、その顏はどこかやつれて見えた。

 

「い、い、偉大なる魔王リムル様、我等兎人族(ラビットマン)の忠誠をお受け取り下さい」

 

 そう言われたリムルは、「うむ」と静かに(うなづ)いた。

 

 その一言で緊張が解けたのか、へちゃりとその場に崩れ落ちる兎人族の族長。

 

 少しの間だけリムルと雑談をして、娘を連れて来たが気が付いたら行方不明になっていたと話す族長。

 リムルはそれに、街の中は安全だし、街道に出たとしても警備は万全だから心配はないと、優しく族長に言う。

 

 リムルの言葉に安心したのか、まだ少しビクビクしながらも族長はその場を後にした。

 

 

 謁見式は続く……。

 

 様々な種族がリムルの前に出て(ひざまず)き、忠誠を誓って行った。

 

 

 そして、次に来たのは、蜥蜴人(リザードマン)族の首領であり、ガビルの父親でもあるアビルだった。

 

(懐かしいな、というよりも、アレはもう別人だわ)  

 

 アビルを見たリムルは、そう思わざる得ないほどに変わっていたのだ。

 

 精悍な顔付をした、壮年の戦士風の外見に変貌していた。

 アビルもまた、豚頭魔王(オーク・ディザスター)との戦いの後にリムルから名付けられた一人であり、それから進化したのである。

 

 人の姿に近い、龍人族(ドラゴニュート)へと。

 

 ガビルの外見はそこまで変化してはいない。

 妹のソーカは人型に進化したので、これは本人の意志によるものだろうと、リムルは推測した。

 

「お久しぶりで御座います、リムル様。この度は魔王となられたそうで、実に御目出度(おめでた)く、(わし)、いや、ワタクシ共も喜びに満ち……」

 

 ガチガチに緊張しているアビル。

 言葉がところどころ、つっかえていたのは無理もなかった。

 

 魔王とは、それほどまでに畏怖すべき存在なのだ。

 

 そんなアビルの緊張を(ほぐ)そうと、リムルは少し砕けた感じで話しかける。

 

「あ、お久しぶりです、首領。堅苦しく言わなくても大丈夫ですよ。連邦に参加してくれている仲間じゃないですか。今後ともよろしくお願いします」

 

 と、にこやかに言うリムル。

 

 それに苦笑いするベニマル。

 シュナは、リムル様それはいけませんというように、溜息を付く。

 

 が、リムルはそれを気にしない。

 

 それからは、今のガビルの頑張りをアビルに伝え、そこでガビルに振ると、ずっと硬直していたように黙っていたガビルが、「え!? あ、はいぃいいい!!」と裏返った声を出し、顔を真っ赤にして慌てふためいていた。

 

 リムルは少しだけ『魔王覇気』を解放してその場を静め、空気を引き締めた。

 

蜥蜴人(リザードマン)族の首領、アビルよ。これからも連邦の一員として、魔王となった俺を支えてくれ」

「御意! この〝名〟に誓って、リムル様への忠誠、我等は片時も忘れませぬ!」

 

 アビルは平伏し、力強く頷く。

 

 そこでリムルは、ガビルに目配せをするのだが、いまだ動揺しているガビルはそれに気が付かなかった。

 

 見かねたリグルがサッと動きガビルに耳打ちをする。

 

「リムル様は、親子水入らずで話し合えと言ってるんです。ここで勘当を解いてもらわないと、その機会は当分先になっちまいますよ、いいんですか? それに、幹部の一人を勘当したままじゃあ、アビル殿の立場も不味いものになるでしょうから」

 

 と言い、ガビルの肩をポンと押すリグル。

 

 そう、ガビルは豚頭魔王(オーク・ディザスター)との戦いにおいて、自分の立場もわきまえずに勝手に暴走し、アビル達に迷惑をかけ危険に晒したのであった。

 

 で、戦いが集結した後に、アビルから勘当を言い渡され、リムルのところに押しかけて来て今に至るのだ。

 

 ようやくガビルも状況を飲み込めたようで、照れくさそうにリムルに一礼して、アビルと共にその場を後にしたのであった。

 

 こうして一息をつくリムル。

 

 内心早く終わらねえかなと、壇上の置物と化したリムルは、さり気なく動き回るツキハとコハクを見て、周囲の魔物が番外魔王としての二人を認識出来ていない事に気付く。

 

(あれってどうやって周囲を誤魔化しているんだろう?)

 

 素朴な疑問を思い浮かべるリムル。

 

 この現象については、智慧之王(ラファエル)ですら解析が不可能な能力(スキル)であった。

 智慧之王(ラファエル)の推測では、何らかの干渉能力により、他者の認識を誤認させているのではないかとの事だった。

 

(アレ、どんな能力(スキル)か教えてくんねえかな。でもなぁ、もし教えてくれたとしても、物凄い金額を要求されるんだろう……いや、金額の問題じゃないか。俺が先生(ラファエル)を隠しているように、あの二人にとって明かす事は出来ない能力(スキル)だろうな。でも、アレって、めっちゃ便利な気がするというか、ある意味最強の一つじゃないか?)

 

 と、あれこれ考えるリムル。

 

 そうしてる内に、今日の謁見式に来る種族は、残り二組となった。

 

 

 リムルは気分を切り替えて、次なる種族に目を向ける。

 

 





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