忍びが転生したら〝異世界珍道中〟になった件 作:にゃんころ缶
〝襲撃が起る一時間前〟
マリアベルとユウキは、
そしてマリアベルは、己のユニークスキルで混沌竜の感情を黒く染め上げ、満足そうに薄く不気味な笑みを浮かべる。
「ふふ。これで準備は全て整ったわ。後は、私のユニークスキルで魔王リムルを従えるか、殺すのみなの」
「しかし、アレは本当に僕達を襲わないのかい?」
「大丈夫よ、心配はしないでユウキ。アレは真っすぐに魔王ミリムに向かうから。それに、あの魔王ミリムが見逃すハズがないもの」
「そうかい。そうあれば本当にいいんだけど」
ユウキはそう言いながら、こっそりと後ろ手に持った〝黒い呪符〟をピッと空中に弾く。
弾かれた黒い呪符は直ぐに霧散して、
この現象にマリアベルは気付かなかった。
「では、遺跡に向かいましょう――」
そうマリアベルがユウキに促すと、いきなり背後に凄まじい殺気を纏った者の気配が現れた。
「なっ!?」
「何者!?」
ユウキが素早く背後を向き、マリアベルも後ろを見ると――
そこには、番外魔王コハクがいたのだ。
「邪魔するでぇ、少年と小娘」
殺気を放ちながらも、妖しい笑みを浮かべゆっくりと二人の前に近付き歩を止める。
「番外魔王コハク、どうして、私達の居場所がわかったのかしら?」
動揺を隠し静かに問うマリアベル。
「どうしてやて? しょうもない事を聞きはりますなぁ。敵に手の内をバラすアホがどこにいてますねん。アホちゃいますか?」
右頬に手を当て首を
既に開国祭の時に、マリアベルの魔力波長と魂の波長は、コハクの権能『
「そうなのね。ユウキの行動をずっと監視していたと、いう事かしら?」
その挑発には乗らず、何とか情報を引き出そうと返すマリアベル。
「何でそないな事せなアカンのや。めんどくさいだけやで、ほんまに」
「では、今ここにいる私達をピンポイントで探し当てるなんて、それこそ不可能じゃないかしら、番外魔王コハク」
「うちを誰やと思てますねん。神出鬼没の〝忍び〟なんやで。うちはな、どこにでもいるし、どこにもいてへん、でもな、ここにいるんやでぇ。ふふ」
「まるでお伽話のチェシャ猫みたいね。馬鹿にするのもいい加減にして欲しいかしら、番外魔王コハク」
のらりくらりと話すコハクに、少し苛立ちを覚えて言葉を返すマリアベル。
そして、いつ攻撃がされるのか警戒するマリアベルだったが、殺気は放つも、一向に襲う気配を見せないコハクに
「別に馬鹿になどしてへんで? うちが用があるのは少年のほうや」
「えっ!? 僕?」
ユウキは、いきなり自分に用があると言われ、疑問の表情で言葉を返す。
「なあ、ちょこっとだけこの少年と、話してもええやろか?」
「ユウキと? 何の話があるのかしら? 私も当然聞いてもいいのよね?」
「はあ? 何でアンタにうちの用を聞かせなアカンのや? アンタに用はあらへん。しょうもない事を言うんなら、今ここでいてまうで?」
「そう。
コハクの目がスーッと鋭利に細くなり、
「ちょ、ちょーーっと待ったあ!!」
緊迫した空間に、ユウキが叫んで割って入った。
そして、マリアベルの前で真剣な顔をして話し出す。
「いいかい、番外魔王コハクの行ってる事は本当だ。僕に用事があるみたいだし、襲う気もないみたいだ」
「そんな事を言っても、それが嘘だったらどうするの?」
「いや嘘じゃない。本当に僕達を殺す気なら、後ろに気配を感じた時に殺されてる。今は本当に僕に用があるみたいなんだ」
「番外魔王コハク。そんなに危険な魔物なの、魔王リムルよりも?」
「わからない。番外魔王の二人は、本当の強さがわからないんだ」
「わからない? 何故なのかしらね」
「わからないからこそ不気味なんだよ。アレは、触れては駄目な魔物なんだ。今はここで戦ったら、僕はきっと番外魔王コハクに殺される、間違いなくね。そして、君も」
「そうなのね……」
ユウキに
「わかったわ、ユウキ。番外魔王コハク、本当に私の邪魔はしないのね?」
「しまへん。うちは邪魔しに来たんやあらへんし、リムル達でどうにかするやろ。それに、ツキハもいてるしな」
「そう、わかったわ。好きになさい、番外魔王コハク」
「へえ、おおきに」
マリアベルがそう言って退くと、コハクは印を三つ切り、自分とユウキを幻想領域で覆い隠す。
薄い膜のような空間に包まれた二人が消え失せ、そこには波打つ空間だけが取り残された。
(空間結界? いや、空間事覆ったこれは……見た事のない結界だわ。ユウキとの繋がりも、消えている……)
波打つ空間を指で突くと、ポワンと波打つが指は押し返されその空間に指は入らなかった。
コハクが展開した幻想領域には、ユニークスキルしか持たないマリアベルでは、中に入るのも中の状況を知るのも出来なかった。
「で、何だい僕に用って」
「少年、アンタあの小娘に操られているんやろ?」
「さあ。僕には何の事だか」
「さよか、まあ、ええやろ。でや、アンタがさっき使った呪符な、東の帝国の〝忍び〟からもろたんやろ? あの小娘のユニークスキルは、対象の『欲望』を喰らうか増幅するんやろ?
このコハクの言葉に、ユウキの眉がピクリと跳ねる。
三巨頭の事を言い当てられた事もだが、何よりも、情報の売買をやり始めてから今まで、ただの一度でさえ名前を呼ばれた事がなかったからだ。
そしてユウキは、額に右手を当て
「ククッ、ククククク、アハハハハハッ! 見事、見事だよ、番外魔王コハク。そこまで探り当てるなんて、本当にお前達の情報力は、僕にとって脅威だよ」
俯き加減のままにユウキは、上目遣いでコハクを睨み言い放つ。
「さよかぁ。ユウキ、アンタええ目をしはりますなぁ。ほんまにええ悪党やで、アンタ」
「番外魔王コハク、一体何しに来たんだ、僕達の邪魔をしに来たのか?」
「さっきも
「答え合わせ?」
そう言われてユウキは、何を? という表情を見せる。
「そうやで。もう、済んだけどな」
「まさか、
「せやで。まあ、ようもこう巧妙に隠して来はったな。骨が折れたでぇ、ここに辿り着くまで。アンタ、ほんまに油断のならん悪党やったんやな、気に入りましたで。ふふ」
「気に入っただと?」
コハクの言葉にユウキは、更に訳が分からないといった顔をする。
「言葉通りの意味やで、ユウキ」
「そうかい。だから、僕の名を呼んだと」
「せやで。まあ、アンタと取引を始めた頃は、ここまで悪党をやれるとは思うてなかったんよ。で、これやろ? ほんま、ええ根性してはると感心したねん」
「何だよそれ、本当に意味がわからない。ククッ」
一気に警戒心の解けたユウキは、乾いた笑いを出す。
「なあ、アンタ。自分の意志で動いてるやろ。見事どすな、周りの者を騙すその意志の強さ。称賛に価しますで」
「……」
この言葉にユウキは、無言で返した。
「大丈夫や。うちが張った幻想領域には、魔法通信に『思念伝達』、あらゆる支配の力ですら妨害出来るんやで」
「……」
「だから今は、アンタの魂を砕く事も出来しまへん」
「本当にか?」
「嘘やおまへん。完全隔離結界の中や」
「お前のその力は、一体どれほどのモノなんだい?」
「それは、ヒ・ミ・ツ、やねん。女の秘密を
「本当にいつも、のらりくらりとして腹が立つよ、お前は」
「へえ、おおきに」
「褒めてはいないんだけど、どうにも調子が狂うな。それよりも、何で僕が自分の意志で動いてるとわかったんだい?」
「簡単な事や。うちとツキハ、それに眷属達は感情の色が視えるねん。でな、アンタの色は、操らているそれとは色が違いますねん」
「感情の色か……」
コハクがいう事に、どこか考えを巡らせるユウキ。
そして、幻想領域の外では数分が経過しており、未だ出て来ない二人にイライラを募らせるマリアベル。
(遅いわね。話というのは、まだかかるのかしら?)
「うちらはな、相手の感情を視覚的に捉える事が出来るし、魂も同じく色や波長で判別も出来ますのや。
「お前達は、
「ちゃいます。あんなんと同じにせんでくれますかぁ、しばくで?」
「ああ、いや、失言だったね。スマナイ」
「へえ」
「それで、本当の目的は何だ? 番外魔王コハク」
そう言うとユウキは、殺気を込めた表情で返す。
「アンタの動向は、ここ数日うちが単独で探っていたんや。でな、さっき使った〝黒呪符〟を持ってるのに気付いてなぁ。そこで全ての辻褄が合ってしもうたねん。だから、忠告に来ただけや」
「忠告とは?」
「東の帝国に取り入るつもりなら、
「クッククク。そこまで読んでるとは、末恐ろしいバケモノだよ、お前も……」
完全に自分の思惑を言い当てられたユウキは、腹を立てる事もなく苦笑いを浮かべるだけだった。
しかし、コハクが今からやろうとする事に手出しはしないと確信が出来て、どこかホッとする。
そして、コハクの顔を見て口を開く。
「一つ質問してもいいかい?」
「ええで」
「何故、ここまで僕を排除しようとしないのかな。僕は、世界征服をするつもりなんだが」
「別に誰が世界を征服しようとかましまへん。うちらの自由を
「ああ、お前らと全面戦争はリスクが高過ぎるし、利用した方が賢いだろ?」
「ようわかってるやおまへんか」
「でも、お前達はリムルさんの理想にも乗っかってる。もしかして、僕とリムルさんを天秤に掛けてるんじゃないだろうね」
「リムルのやる事は利害の一致があるだけやねん。
「それ、それなんだ! お前のその思考は魔物にはない思考なんだよ。そう、そうなんだ、ある意味リムルさんの考えに似ているんだ、凄くね。お前の正体は、元人間の〝転生者〟じゃないのか?」
「前にも
「ああ、ゴメンゴメン。でも、この推測は当たってると思うんだけどなぁ」
どうにもコハクの言葉を信じ切れないユウキは、しつこく問い返す。
「番外魔王コハク、本当にお前は――」
「しつこいどすなぁ。あんましつこいと、いわしますで?」
「はあ、わかったよ。もうこの詮索はしない」
「そうしなはれ。アンタも目的を果たす前に死にたくはありまへんやろ?」
「ああ、全くその通りだよ。僕は今ここで死ぬ訳にはいかないからね。しかし、番外魔王コハク、お前は僕より悪党だね。全てを騙して生きている訳だ」
「それはちょっとちゃいますで。うちとツキハは自由にやってるだけやねん。だから、リムルと契約しようが協力しようが、アンタと今ここで話そうがうちの勝手やねん。それを誰も邪魔する事は、許しまへん」
「〝猫は自由で気紛れ〟、前に聞いた言葉だけど、本当に猫みたいだな、お前と番外魔王ツキハは」
「当たり前や。うちとツキハ、眷属は魔物の猫なんやから」
「魔物の猫、ね。そういう事にしておこう今は」
少し納得は出来ないが、納得をしたユウキであった。
そんなユウキを見てコハクが、ふと思い付いたように言葉を投げかけた。
「せや、ユウキ。アンタな、次に合う事があるんやったら、アンタの疑問に答えてあげますさかい、それまで気張って生きなはれ」
「えっ!? それは本当なのかな?」
「嘘やおまへん、本当に答えたる」
「何でそこまでしてくれるのかな?」
「ただ気に入ったと
「悪党が悪党を気に入る、ねぇ。どうにも意味不明だけど、長く生きているとそれも余興の一つでもあるのかな」
「せやね。そう思ってくれてもかましまへん」
「リムルさんは、僕の事にもう気付いているのかな?」
「気付いてはるで。うちは何も
「そうか。なら僕は僕はで、このまま動くよ。それでいいのかな」
「かましまへん。精々、ツキハに殺されんようにな」
「そうだね。君よりも別の意味で怖い存在だからね、番外魔王ツキハは」
「あ、せやせや。もう一個あったねん。チヨメ・モチヅキに会う事があるんやったら、絶対にあの女の言葉に耳を傾けたらあきまへんで。小娘とは比べようもない
「わかったよ。肝に銘じておくよ、番外魔王コハク」
ここで二人の会話は終わり、コハクが幻想領域を解除した。
既に十数分もの時間が過ぎており、マリアベルがユウキを叱り飛ばすが、ユウキは必死にマリアベルに謝る。
(なーんも知らん〝転生者〟の子は、健気どすなぁ。もう少し成長してはったら、まだどうにかなったものなんやけど。そこは惜しいどすな。せやけど、また悪党が一人減ってまう。正義ばかりになるのは
心の内で、不穏な内情をぶちまけるコハクである。
そして――
「なあなあ、そこの小娘」
「何かしら? 番外魔王コハク」
ずっと小娘呼ばわりされて気分を害しているマリアベルは、ぶっきらぼうに言葉を返す。
「策士策に溺れる、という言葉を知ってはるか?」
「フンッ。私の策は完璧なのよ」
「さよか。精々、その小さい足元を
「邪魔をする気がないのなら、もう帰ってくれるかしら」
「へえ。ほな、さいなら」
含み笑いを口元に浮かべ、コハクは『空間転移』でその場を後にした。
ふわっと巻き散らされた蒼白い魔素粒子が、キラキラと光りながら霧散する。
それを見届けたマリアベルは、リムル達を襲撃する為に遺跡内部に潜り込んでいった。
〝これがリムル襲撃前の出来事である〟
襲撃が起り、一気に切迫した事態に陥ったリムル達に、カガリ女史と隊員達。
(ミリムなら問題なく勝てるだろうし、それにツキハもいる。再びカオスドラゴンを眠りに就かせる事も出来るハズ。それなら、俺もやるべき事をやろう)
リムルは完全に思考を切り替え、戦闘態勢へと移行する。
「ゴブタ、シオン、お客さんがお出でだぞ」
「了解っす!」
「お任せを。あのような人形共など、私の敵ではありません!!」
統制の取れたゴーレム達は、扉の前で固まるリムル達目掛け殺到した。
シオンが前に出て、大太刀を振るうも、天井が低くて引っ掛かってしまった。
「チッ、仕方ないですね。素手でお相手しましょう!」
大太刀を振り上げることも出来ず、すかさず戦闘方法を切り替えるシオン。
先頭に立ち、ゴーレムを殴り飛ばしていく。
ゴーレムの槍に貫かれるシオンだが、そんな事はお構いなしに闘気を纏わせたパンチや蹴りを繰り出し、ゴーレムを破壊する。
『超速回復』を持つシオンには、ただの槍の攻撃など意に介さないのだ。
ゴブタも銃を構えたまま、撃つタイミングを計る。
リムルもこの場所では不味いと考え、取り急ぎ戦う場所を変えようと考えた。
「このままじゃあ狭すぎて戦い
「それでは、扉の封印解除を急がせて――」
「いや、情況は切迫している。俺がやるよ」
「わかりました。お任せします」
「ランガ、あの二人を手伝ってやってくれ」
リムルの
この三名が時間稼ぎをしてる間に、リムルは扉の封印解除を終えた。
「さあ、中へ!」
リムルの言葉に従い、隊員達とカガリ女史が階段を駆け下りて行った。
その後に、リムルがカガリ女史と隊員達の背中を守るように階段へと向かう。
最下層、死者が眠る
そこは死者が眠る場所には似つかわしくなく、明るい光に溢れていた。
そして大地には、草原が広がっていた。
リムル達がそこに着くと同時に、ゴブタも転がり落ちて来て、それを追うゴーレム達との戦闘が再開される。
状況はこの場にて一転する。
大太刀、〝剛力丸・改〟を存分に振るう事が出来るシオンが、一気にゴーレムを破壊し始めていた。
一振りするごとに数体のゴーレムが砕け散り、集団で槍を突き出したゴーレム達を横薙ぎで、一閃。
ガゴーンと重々しい轟音が響き、ゴーレムの破片が辺りに飛び散った。
こうなると
次々と現れるゴーレム。
だがしかし、戦闘は明らかにリムル側が有利である。
〝剛力丸・改〟を存分に振るえるシオンに死角はなかったのだ。
そんなシオンの横を疾風のように駆け抜け、
ゴーレムの集団に突撃し、並み居るゴーレムを破壊せしめるシオンを援護するゴブタも余裕があるのか、撃ち尽くした銃の弾を焦ることなく装填していた。
ゴーレムの破壊音とランガの雷、ゴブタの撃つ銃の音が周辺に
リムルはカガリ女史と隊員達の前に立ち、時折、討ち漏らしたゴーレムがこちらに来た時に銃を撃ち破壊していた。
そんなリムルに、後ろからカガリ女史が――
「リムル様には敵が多いのですね。やはり、魔王だからでしょうか?」
ポツリと、そう呟いた。
シオンとランガにゴブタだけでゴーレムを破壊するものだから、リムルはほとんどやる事がなく、何の気なしに答えを返す。
「そうだな。〝
「何故でしょう?」
「ファルムス王国は俺の逆鱗に触れた。魔王クレイマンの時は、相手がチョッカイ出して来たから仕方なく。聖人ヒナタの時は、相手の誤解が発端で。いずれも相手から仕掛けて来たんだから、俺は相手をしただけ。これは言ってみれば、正当防衛だよ」
「そうですか。では、武に頼らない解決策は?」
「可能だったかもな。ただし、相手がこちらが飲み込む形でしか決着つかなかっただろうから、それが嫌なら相手の出方は正しいのかもね。どっちにしろ、双方の思惑が相容れぬ場合は、無理だよ」
ドワルゴンとサリオン、この二つの大国を引き込み、更に傭兵商会ルヴナンとも契約を結んだ
「えっ? それでは、相手の正義を認めると?」
出されたカガリ女史の言葉にリムルは――
(うーん、それはどうだろう? 相手が正義なら、こちらも正義なんだよな。どんなに主義主張を唱えても、勝った方が正義であり、負けた方が悪だ。これが道理なんだよなぁ)
自問自答するように内心で考えるリムル。
「立場の違いによって、正義なんて無数にあるからなあ。俺が絶対に正しいと思わないけど、ここで退いたら俺達の立場が悪くなる。だったら、全力で
(俺が折れたら、俺の仲間達が道連れになる。だから、ツキハとコハクは、何があっても折れないんだろうな)
ふと、二人の事を考えるリムルである。
「それでも、相手の立場を尊重して、もっと意見を交わしてより良い関係を模索すれば、敵対せずとも済んだのではないでしょうか?」
カガリ女史のもっともな言葉に、返答に困るリムル。
(その問い掛けは難しいな……)
リムルがどう答えようと悩む中、その答えに少女の声が答える。
「無理ね、無理なの。人の欲望は激しく、自分が我慢すればいい、というものではないのよ。相手が折れれば、より要求が大きくなるのが人間なのよ」
肩より長い金髪に赤い瞳の可愛らしい少女が、リムルの前にいた
(来たか、黒幕自らお出ましとはね)
リムルも、突如として現れた少女に向き直った。
この作品を読んで頂きありがとうございます!
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