マックイーンの髪色を藤色にした人、天才だと思わない?
芦毛からこの髪色にするのはハイセンス◎
またとんでもない子に出会ったものですね。
そうマックイーンは一人ごちた。
トレセン学園の友人達はそれぞれ個性に満ちた___満ち過ぎた___性格をしているものだが。また今回の出会いは異例であると言えるだろう。
スピード恐怖症。または高速走行恐怖症。
少々大変な目にはあったが、幸いなことにパニック発作が出なかったことが良かったと言えた。トレセン学園に急ごうと走った時に、彼女、ヴァーカンシーさんが目を回してしまった時は冷や汗を浮かべたものだ。
そう、マックイーンは結論づけた。
しかし_____彼女の心理的外傷、つまりトラウマは、大変珍しいものだなと思った。
勿論ウマ娘に恐怖はあり、それが過ぎれば心理的外傷に繋がる。
だが、スピードだ。それにあの様子だと長年解消されないままのようで.....ウマ娘が走れない? 冗談ではないのはわかっている、しかし、
ウマ娘としての根本。それが走ることだ。
どれ程インドア派と呼ばれる気質の子でも、
どれ程年を召そうとも、
どれ程、走ったことで事故を経験したとしても。
私達は走る。
例え怖くても、自然と走り出してしまう。
それが私達、走る者としてのウマ娘だ。
だが、あれは________
怯えた声に、震えだした体に驚いて振り返った時に、見えた瞳。
そこには、
恐怖に隠れているはずの喜びも。
絶望に覆われた中でも欠けることのない反骨心も。
前を見る強さも、自然と力んでしまう脚も、
何も、無かったのだ。
私は、メジロ家だ。
別に読心術だのという大層な代物ではない、
ちょっとだけ感じとるといったものだ。
ヴァーカンシーの心は、あの時、真っ黒とした恐怖に染まっていた。
次の瞬間、白色____何も感じていない、多分意識が落ちたのだろう___に切り替わっていった。
一点たりとも他の色は無かった。その人独特の、強き色が。
あそこまで、酷いのか?
なぜ病院に行かないのか?
原因は、ウマ娘という根本すら崩したその理由は、なんなのか?
ブルーさんは、答えなかった。
タイプさんは、わからないようだった。
サブトレーナーさんは、わからない、私も早く知りたいよ。とだけ。
話したく無い? いや、そのような雰囲気ではない。
戸惑い。どう答えたら良いのかわからない。
これが正確だろうか。
「ああ"~あっ、もうムシャクシャしますわね!」
落ち着くのです私、メジロ家たるもの優雅で在らねば。
それでも、強い疑問というものは苛立ちへと変わっていく。
今日は寝よう。さっさと寝よう。
何せ私はメイクデビュー前のウマ娘。
トレーナーさんと、メジロ家の名誉を掴む為。
今は兎に角休養である。
初めて出会った、パフェの楽しみを潰してくれたような子が、
こんなにも気になることを不思議に思いながら、
メジロマックイーンは寮へと走る。
少々夏の気が増した、そんな夜の帰り道であった。
「あ。」
「っ、ごきげんよう、ヴァーカンシーさん。」
「ご、ごきげんよう? メジロマックイーンさん。あっあ、メイクデビュー戦一着、おめでとうございます。ビデオで観させて頂きました。その.....凄かったです!」
「ふふ、ありがとうございます。メジロ家として、更なる栄誉を約束しますわ。それと.....友人なのですからマックイーン呼びで構いませんわ。」
「え、でも。」
「構いませんわ。過去のことに貴女の過失はありませんでしたわ。しかも、トレーナーを支援してくださるサブトレーナーの娘さんを邪険にするなど、一生徒としてどうかと思いませんか?」
「父さんの立場から許されるのもなんか、罪悪感が...」
「建前ですわよ。許すも何も過失はないと言ってるでしょうに、気にし過ぎですわ。」
「....ありがとうございます、マックイーンさん。」
「それでいいですわ。.....少々汗を掻いてるようですが、またここまで走りに?」
「あ、いえ、ジョギングですねほぼ。買い物をしに行ってたんです。マックイーンさんは?」
「パフェのリベンジ、もとい自分へのご褒美ですわね。」
「あー.....」
「なんですの、その顔は。」
「例のメロンパフェの販売期間、終了してます。」
「なっ、こ、このチラシによると期間はまだ....」
「完売のほうですね。予想以上の盛況ぶりだったらしく、目玉のメロンを使いきってしまったらしんです。個人経営のお店ですから、再入荷も厳しいと。」
「..........(凄まじく悲しそうな顔)」
「あの!その、家に、あの時のお詫びをかねたサプライズがありまして、家に来ませんか?」
「...............いやに突然ですわね。」
「友達が『マックイーンさんは許してくれるでしょうけど、お詫びはしっかりしておきなよー?』って言われて、そうだなって思って、返せるもの、料理ぐらいだったから、マックイーンさんにスイーツでもって...「スイーツ!?」ひゃあっ。」
「スイーツ作れますの!?」
「元々は一般洋食和食ぐらいだったけど、友達に甘いもの頂戴って無理難題吹っ掛けられることもあって....迷惑かけてるから断りずらくて、見よう見まねだっり、動画みたりして、誤魔化し誤魔化し作ってたんだけど、途中から面白くなってきまして.....。」
「す」
「す?」
「素晴らしいですわ!!! 勿論お邪魔させていただきますわ。ここまで歩いて来らしたのでしたわね? お疲れでしょう、すぐ車を手配しますわ。」
「え"」
「おいしいですわ!おいしいですわ!」
「それは、良かったです。(結構大急ぎの解析作業だったし、上手く仕上がってくれて良かったー。)」
「貴女、凄いのですね。凄いのですわ!」
「あははー、照れますねー。(あ、あ、あ、顔近)」
「美味しかったですわ! 本当にありがとうございます!(おててギュッ)」
「......ご馳走様でしたぁ。(ぶぴっ)」
「は、鼻血!? 大丈夫ですか、どうしたのですか。 じいや、じいや!少々手伝ってくださいまし!ヴァーカンシーさんが___________
わかってた。わかってたさ。
あの店の期間限定商品の早期販売終了のチラシで嫌な予感がして、
友達のひらめきに流される形で、あの味を再現しようと腕を酷使して。
オリジナルが無いと再現できないじゃん!と根本的問題にぶち当たって投げ出そうとして。
あの店に通っていた友達の舌を不安ながら頼って。
友達からのお墨付きを貰って。
マックイーンのメイクデビューが終わるのに合わせて招待しようと、
材料を買った帰りにあってしまって。
うん、流石にね。ただの中身中年が作ったスイーツを、
あの店のものに到ってないであろう、メロンパフェを、
あんな笑顔で、幸せそうに食べてくれるなんてね。
_________うん、色々
・ヴァーカンシーのひみつ01
料理は得意な方。今現在スイーツ作りに凝っている。
味はアマチュアレベル。旨い。
友達が食べた感想を他の友達に自慢するせいで、
彼女の預かり知らぬ所で評判が広がっている。
・ヴァーカンシーのひみつ02
とある理由により、
通常のウマ娘に比べ、感覚器の殆どが突出して優れている。
情報収集の精度はピカ一。
しかしこれがスピード恐怖症の発生条件を簡単にせしめている。
・メジロマックイーン
芦毛のウマ娘。光の加減で紫色に見える。
瞳の色も紫色。
名門メジロ家に生まれたお嬢様。
優雅ながら思い上がらない性格と品格は、他のウマ娘の羨望の的。
困ってる人は放っては置けない気質で、意外ながら世話焼き上手でもあるため、
関わったウマ娘たちにとても尊敬されている。
ゴールドシップすら抑え込む(両方の意味で)器が大きい人として有名。
メイクデビュー前ながらファンも多い。
スイーツ好きという真偽不明の噂も流れているが、『ギャップ萌え、ありです。』とトレセンのウマ娘間では好評である。
大変ソフトテイストに仕上がったメジロマックイーンさんです。
兎に角器が大きい人として仕上げました。
ゴールドシップの奇襲にすら驚きながらも冷静に対象するレベルで"大人な"マックイーンです。その分ストレスが溜まりやすくなっているので、トレーナーへの依存率とスイーツパクパク度数が増加しています。
・現在のステータス(ジュニア級6月前半)
体力 90/100(微レース疲れ)
スピード 300/1200
スタミナ 250/1200
パワー 100/1200
根性 150/1200
賢さ 200/1200
バ場適性: 芝A ダートE
距離適性: 短距離G マイルF 中距離A 長距離A
脚質適性: 逃げB 先行A 差しD 追込F
・トレーナー(未登場)
メジロマックイーンと契約した新人有能トレーナー。
プレイアブルキャラクター。ひらめきの怪物。
サブトレーナーによる総合的なサポートを受けながら、
マックイーンと一心同体で彼女の夢を目指している。
ぶっちゃけ、ウマ娘って各馬のデミサーヴァントみたいなものだと思ってるんだよね。馬本体の魂というよりは、信仰、つまり"願い"を軸に構成されたウマソウルを憑依された元人間みたいな。逆に女性だからこそ巫女のようなものとしてウマソウルを憑依させられているんじゃないかとも考えてみたり。
伝説に残る名馬であれば、そこに託された信仰は膨大なものになると思うし、それは願いに過ぎないので、オリジナルとの齟齬も発生する。だからこそ悲劇を越えるイベントを起こせる、みたいな。ウマソウルが願いの集合体だと仮定すれば、そこには必ずしもあの運命を変えたいと願うものはあるだろうし。
プラス方向の『無辜の怪物』背負ってると思ってる。