錬鉄の英雄の居る店   作:三和

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仮に前日飲んでようが基本休みの無いこの店は今夜も営業中である。……食材の確保などの時間を考えると昼間の営業は今の所断念せざるを得ない……私たち二人は酒が残りにくいのと飲み過ぎない上に同年代と比べても体力があるのが救いか。……そしてその営業スタイルが今私たちの首を絞める要因になっている

 

「……大丈夫かね?」

 

「捌ききれねぇ…。半分趣味でやってるような店だからあんま大きく取り上げ無いでくれと伝えたはずなのによ……!」

 

閉店後の店内……私たちは息も絶え絶えだった。

取材が来て初めは断るつもりだったのだがあまりに熱心だったため渋々受けた所現在この店は普段の倍以上の客の入りとなっていた。

 

「……さっき慎二が持って来た雑誌に出てるぞ。表紙を飾ってそこをめくると三ページのカラー特集。」

 

「マジで抗議してやろうか……!」

 

「止めたまえ。下手に刺激すると我々が不利になる。……客が増えるのは本来は喜ばしい事なのだろうがな。……まあ一週間も前に発売していたのに約束していたサンプルは届かず身内が持って来るまで当事者に内容も知らされないのは問題だと思うが。」

 

とにかくこれはさすがに不味い。現在この店にシェフは一人ならウエイターも一人……これではこちらがもたない……

 

「人を雇おう。もう我々だけでこの店を回すのは無理だ。」

 

「しゃあねぇか……来るかねぇ……」

 

「即戦力になるような者は望めまい……数を雇うのも良いが全員が使えないとかえって邪魔になる……」

 

「分かってるじゃねぇか。」

 

「君の言い分もよく分かるつもりだ。人を増やせば私も厨房に入れるが肝心のバイトが役に立たなければ意味が無い。……そう言う意味では今研修をさせるのは問題と言える。」

 

多数の注文と客の案内を捌ききれなければすぐにこの店はパンクする。今の若者にそこまでの能力を望めるか……ふむ。私も歳を取ったかな。

 

「アテはあんのか、衛宮?」

 

「……私のコネには頼れんよ。知り合いは同年代ばかりだ。……さすがに我々と同レベルの仕事量をこなせる人材はいない。」

 

「取り敢えず若い連中を中心に募集かけてみるか……衛宮、募集要項は任せるぞ。」

 

「承った。君は営業マニュアルの作成をしたまえ。」

 

「その辺が妥当だな。やれやれ忙しくなるな……」

 

「……贅沢な悩みだな。」

 

「うるせぇ。他人事みたいに言ってんじゃねぇ。客が増えてんのに運営危機なんざ笑えねぇ話なんだからな。」

 

「危機か…それほどじゃないだろう?ただ従業員が足りないと言うだけの話だ…体力があってやる気のある若者が来てくれれば持ち直せる。」

 

「来ればの話だろうが…」

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