錬鉄の英雄の居る店   作:三和

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「何とか引き返して来れたのは良かったが、分かった事はたった一つ…それは、私たちにはマキリ・ゾォルケンに勝つ方法が無いと言う絶望的な事実だけだった…」

 

場に沈黙が落ちる…まぁ、今考えれば分かりきった話では有るし…今となっては対処の手段はいくつか浮かぶ事も有り特に私に感じるものは無いが…何より、もう終わった話だ…

 

「そこで凛が一つの提案を出した。」

 

 

 

 

 

 

『同盟相手を増やすわ…』

 

『誰を味方に付けるって言うんだ?』

 

『キャスターよ、対抗するなら…他に無いと思う…』

 

 

 

 

 

 

 

「それは…さすがに無理が有りませんか?」

 

「まぁ、キャスターとはここまで敵としてすら面識が無かったからな…普通に考えれば無理だ。そもそも召喚されていたとしても、何処に居るのかすら分からなかったからな…だが、他に手は無い…それが例え楽観的に過ぎるとしても、限り無く不可能なのだとしても…何かしらの手を考えなければ、私たちは納得する事が出来無かった…あの時私はろくに意見すら出せなかったが、それでも…ここまで成り行き任せだった私ですら、そうとでも考えなければ落ち着かなかった…」

 

そしてこの後に起きた出来事…話すべきか一瞬迷ったが、やはり必要だろう…私は口に出した。

 

「その後、それぞれ分かれて一旦部屋で眠りに付く事にしたが私は眠れなかった…部屋の前で見張りをしていたセイバーを何とか説得して私は屋敷から出た「すみません、一つ良いですか?」何かね?」

 

「屋敷と言いましたが、衛宮さんの家はそんなに広いんですか?」

 

そうか、彼だけはまだ私の家に来た事は無かったな…

 

「まぁ、色々訳有りでね…その内君も招待しよう…最近はあまり掃除も出来てないからもう少し先の話になるがね…」

 

「そうだね、本当に広いから驚くと思うよ…ま、そこは今は良いとして…仮にも聖杯戦争の最中に夜中に一人で外に出るとか…本当に無防備だよね、シロウ…」

 

「…本当に耳が痛いな「あ、ごめん…つい…」…いや、良いさ…実際、その通りだしな…ま、外にと言ってもあくまで屋敷の庭に出ただけだ…アーチャーが見張りをしてるわけだから問題無い……当時敵が来ても、奴が私の事を守るかどうかは微妙では有ったがね…とは言え、私としても意外な展開が待っていたのだが…」

 

 

 

 

 

 

『…何をしている?』

 

『ッ…誰…いや、アーチャーか…脅かすなよ…何の用だ?』

 

 

 

 

 

「霊体化し、見張りをしていた筈の奴が姿を現し…私に声を掛けて来たんだ…」

 

 

 

 

 

『脅かすも何も、私が居るのは知っていた筈だろう…しかし…貴様が何をしようと勝手だが、サーヴァントも連れずに外に出るとはな…』

 

『……』

 

『もう一度聞く…何をして…いや、質問を変えるか。何を考えている?』

 

 

 

 

 

「あの時の奴は…相変わらず出会った時から変わらないキツイ口調だったが、それでも…何処か、私を心配している様な…まぁ、正直上手く説明出来無いんだがな…」

 

 

 

 

 

 

『…お前に言っても仕方無『何を悩んでるか知らんが、口に出さなければ何も解決はしない』…ハァ…分からないんだ、さっき俺は…何も出来無かった…ただ狼狽えるだけで『当然だな』…何?』

 

『貴様にはマスターとしての自覚は愚か、戦う覚悟も無い…ただ状況に流されているだけだ。』

 

『…何だよ、それ…自覚とか覚悟なんて言われたって…一体どうすりゃ良いってんだ…』

 

『…やはり…やはりお前は私とは…しかし…もう私にはこの道以外…』

 

『?…何か言ったか?』

 

『…いや…そうだな、ならば一つ…貴様にヒントをやろう。』

 

『ヒント?』

 

『そもそも…お前は戦う、と言う事に致命的に向いていない。』

 

『…そんなの、言われなくたって『いや、分かってないな』何がだよ…』

 

『お前が思う以上に、私はお前の事を知っている…お前は、元々戦うと言う行為自体が出来無い人間だ…それはさっき言った心構えとかそう言う事とはまた別の問題だ…』

 

『回りくどくて分からない…結論から言え。』

 

『つまり…お前は戦う事に対しての才能と言うものが全く無い。ハッキリ言ってしまえば…出来損ない、と言う事だ。』

 

『ッ…何でお前にそこまで言われなくちゃ『言う権利なら、有る』…何でだよ?』

 

『さてな…良いか?繰り返しになるが、本来お前は…その手に武器を持ち、戦う事には全く向いていない。』

 

『…向き不向きの話じゃないだろ?俺は、お前みたいに英雄でも何でもな『そうじゃない』え?』

 

『お前に出来るのは模倣と創る事、ただそれだけだ…仮にスタートが違ったのだとしても、そこは変わらない筈だ…』

 

『?…一体何の話をしてるんだ?模倣?創る事?スタート?』

 

『……話は終わりだ、早く部屋に戻れ。』

 

『!…だから!何の話をしてるんだ!?俺が何だって『二度は言わん、さっさと行け』…クソッ!』

 

 

 

 

 

 

「奴が背を向け、消える直前…違和感を感じた…頭の冷えた私は奴に問い掛けたんだ…」

 

 

 

 

 

 

『なぁ?結局お前誰なんだ?…名前くらい聞いたって良いだろ?』

 

『フン…凛から聞いただろう…私には記憶が無いのだと…』

 

『…本当か?実はもう、記憶は戻ってるんじゃないのか?』

 

『…だとしても、貴様に答える理由は無い。』

 

『何でだよ?』

 

『…知りたければ、私に勝つ事だ…万に一つも有り得んが、仮にそれが出来たなら教えてやろう。』

 

『……無理だろ、そんなの…あー…もう!分かったよ、部屋に戻るさ…じゃあな、アーチャー。』

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