「…で、何だかんだこの店の事を把握してる君に一日彼の教育を担当してもらった訳だが……どうだったかね?」
「……いや、あれ私が教える事って何かあるの?あんたの言う通り接客のやり方については文句無しよ?……機転も利くタイプみたいだし言うなら百点満点のテストで百以上を付けざるを得ない……みたいなタイプなんだけど……」
「君もやはりそう思うか?」
「教える方が泣くタイプね。たまに不備があっても自分である程度対応出来るし二度目は同じミスしないし、教えれば一回で覚えてコツも掴む。……居そうでなかなか居ないわね……こういう人材……何でこんな店に来たのかしら…?」
「近くの喫茶店で働いていたんだが店主が年配の方で最近限界が来て店を閉めてしまったそうだ。……残念ながら私は顔を出した事は無いがかなり評判の店だったらしい。……ちなみにそこはバーも兼ねていたようでな……今回君は確認してないだろうが彼は酒の銘柄にも詳しいぞ。」
「……もったいないわね……他にもっといい働き場所あるでしょうに……」
「おい、遠坂?さっきから随分人の店を貶すじゃねぇか。文句あるなら何時でも辞めて良いんだぞ?」
「……あら?辞めていいの?」
「強がりは止めたまえ。彼女が正式に働くようになって一番恩恵を受けているのは君だろう?」
「チッ!あの若いのといいどうしてこううちの従業員はこんなんばっかなんだ……」
「……ほう?それは私にも喧嘩を売ってるということで良いのかね?」
「何だ?今更こんな事で怒んのか?……良いぜ。久しぶりにサシでやるか?」
「良いだろう、吠え面をかかせてやる。」
「ちょっと人巻き込んで喧嘩しないでよ。」
「凛、心配は要らない。私たちが本気で争うと面倒な事になるのでな……」
「要するに直接の殴り合いはしない事にしてんのさ。……以前こいつを煽り過ぎてブチ切れたこいつが宝具出しやがったもんだから店が半壊しかけてな……」
「……いい歳して何をしてんのよ…あんたらは…」
「だから……これだ。」
「酒…という事は?」
「飲み比べ、だ。……ちなみに俺たちの戦績は……俺が五十一勝、衛宮が五十勝……」
「むっ!サバを読むんじゃない!あれは私の勝ちだ!」
「何言ってやがる。あん時先に目を覚ましたのは俺だ。」
「いや!私が先だ!」
「あんたらねぇ…」
「仕方ねぇ、分けにしといてやるよ。今この場で俺が勝ちゃあ良い話だ。」
「言ったな。悪いが勝利は私が頂く。凛、審判を頼むぞ?」
「……はあ?今日は慎二の奴が遅くなるって言うからこの後桜と飲む約束をしてるんだけど?」
「ならば丁度いい。この場に桜を呼びたまえ。店の酒を提供しよう。……店の食材も好きに使うといい。……もちろん飲食代はタダだ。料理は自分でしてもらうがな。……それで構わないか?」
「好きにしろよ。食材や酒の用意してるのはテメェだ。俺は決着着けれりゃ何でもいい。」
「本当にタダなのね?ならいいわ。今桜を呼び出すから。」