「……それでこの惨状…ですか。」
「わざとこの展開に持ち込んだのは何となく気付いてたけど…それでもこれは無いんじゃない?」
「言葉も無い。まあ気にせず楽しんでくれ。」
「……それならそこで寝てる奴を片付けてよ。てか酒に薬混ぜてまで何でこいつを眠らせたわけ?」
「気にするな……と言っても無理か……そもそも桜が来る前に終わらせるつもりだったのが……まさかここまで奴が粘るとは……」
「何よ?そんなに深刻な話?」
「二人には話しただろう?彼の恋人の話を。もうすぐ彼女の命日なんだ。」
「それと店主さんを眠らせた事に何か関係が…?」
「……命日は三日後だ。この時期になると奴は仕事に粗が出始める。……未だに吹っ切れて無いからだろうな。」
「?…仕事って……墓参りは…?」
「現地にいる彼女の友人に連絡を取ったが……どうも一度も訪れていないようだ……」
「じゃああんたの目的って……」
「彼女の墓参りをさせる事だ。しかも彼女の両親は存命らしい……滞在中彼も世話になったらしいからな……最低限のケジメは着けさせる。……もちろん私も同道する。……彼女を救えなかったのは私の責任でもあるからな……」
「じゃあ明日出発ですか?」
「もうチケットも手配した。……今まで散々色々やられたが恩もあるからな、私からのお節介というやつだ。」
「……迷惑がられそうだけど?」
「今までの仕返しも兼ねてる。」
「……士郎…あんた性格悪くなったわね…」
「褒め言葉と思っておこう。」
「先輩…私も一緒に行っていいですか…?」
「……桜?」
「何故かね?あちらはあまり治安も良くない。それに今は一旦終結した内戦がいつ再開してもおかしくない状態だ。……更に言えばこれは私たちの問題だ。さすがに遠慮してもらいたいのだが……」
「……それでも行きたいんです……ダメですか…?」
「桜…あまり我儘は「良いだろう。」士郎!?」
「そこまで言うなら私から言う事は無いさ。だが条件がある。」
「……何でしょう?」
「……慎二を連れてきたまえ。それが条件だ。」
「……はい!分かりました!」
「ちょっと士郎?そんなに簡単に決めていいの?飛行機の席は「奴がゴネて暴れる可能性があったからな。一般客に迷惑をかけないように何席か確保している」過保護過ぎでしょ……」
「ねぇ?どうせなら私も行っていい?あんたらが向こうにどれくらい滞在するか知らないけどその間店は休みなんでしょ?」
「……桜に許可を出してしまったしな……好きにしたまえ。」