「…美味しいですわ…年々腕を上げていきますわね。」
「そいつはどうも。」
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト…我々共通の知人で友人である。
「…このジンジャークッキーとも良く合いますわね。…やはり私の屋敷に来ませんこと?」
「以前断っただろうが。」
「本当に惜しいですわね…シェロと良い…貴方と良い…そんなに私がお嫌いですか?」
「衛宮はどうだか知らんが…ああ。大嫌いだね。…そもそもお前馴れ馴れしいんだよ。俺とお前は戦場で数度会っただけだろうが。おまけに店に来る時も何時も閉店間際に来やがって…何処に好く要素があんだよ。」
「…二人きりになりたい乙女心をご理解頂きたいですわ…それにしても、そうも意固地になられますとますます欲しくなりますわね。」
「…とっとと食って片付けて帰んな、屍肉喰らい。んで、二度と来んじゃねぇ。」
「…ねぇ?何時まで見てるの?」
「…仕方無いだろう…あの二人が本気で暴れると店が無くなる。」
あの二人は仲が悪いのでは無い…奴が一方的に嫌っているのだ。…奴も彼女も語ろうとしないがどうやら二人の出会いは彼女にとっては鮮烈な、そして奴にとっては最悪の出会いだったらしい…
「…奴はキレると女だからと容赦はしないからな…最もさすがに本気で殴るのは彼女だけだが…」
「…ルヴィアの場合…寧ろそれを愛情表現と捉えて反撃しそうね…」
「…以前それで店が無くなりかけた…正直私と奴が争った時より規模はやばいかもしれん…」
「…そんなに?」
「…うむ。」
正直私一人では厳しい…あの二人は横槍を入れても無視して戦い続けるからな…店内では宝具も使えんしな…
「…しょうがないわね…もしもの時は私がルヴィアを止めてあげるわ…あんたはあの馬鹿をどうにかしなさい。」
「…助かる。…すまんな、手間をかける…」
「良いわよ。…まあ強いて不満があるとすれば…今夜のデートの予定が潰れた事かしらね。」
「…すまん。後日埋め合わせはする…」
「期待してるわ。…さて、どうなるかしら…?」
「やはり諦め難いですわ…今夜こそ私に付き合って下さいませ。…貴方の言う通り私はハイエナ。欲しい物は必ず手に入れる主義でしてよ。」
「…なら、屍肉喰らいらしく死体でも相手にしてろや。戦場行けばいくらでも転がってんだろうが。…つーかお前は衛宮が好きだったんじゃないのか?」
「…彼の事を諦めたわけではありませんわ…でも、ある日気付いてしまったのです…これは…恋心では無く、憧れだと。」
「憧れだろうが何だろうが欲しいという欲には変わりねぇんだろ?お前は遠坂に負けた訳だ。」
「…私はあの勝負の場に立てていませんでした…私が好きなのはシェロでは無かったのですから…ですので、無効です。…私が好きなのはあの日私に敗北を刻みつけた貴方ですわ。」
「…イカレ女が。やっぱあん時殺しときゃ良かったか。」
「貴方に殺されるなら悪くありませんが…まだ死ねませんわね。まだ私は貴方を手に入れて無いのですから。」
「…臨戦態勢?」
「…の様だな…止めに行くぞ凛。」
「はいはい。気を付けなさいよ?」
「君こそな。では、行くとしよう。」