「…何故私たちの部屋もあるのだ…?」
「あんたらがいなくなった後ルヴィアと盛り上がっちゃってね、何だかんだ会うのも久々だったから積もる話あったし…どうせあんたも私も店が再建されるまで暇になるでしょ?」
「その間はホテル滞在か…。…腕が訛ってしまうな…。」
「くれぐれもホテルの食事に口出ししないでね。…よっぽど酷いなら別だけど。」
「……分かっている。」
「…その間は何よ…。」
「ところで奴はどうしてる?当然ルヴィアと相部屋なのだろう…?」
「…ええ。私たちと違って最上階のスイートルームに二人でね…ちなみに桜たちも来てるわ。」
「…この扱いの差は「言わなきゃ分からない?」……」
「これはあんたに早く責任を取れって言うルヴィアなりのお節介よ。…まあ私からリード取りたいのかも知れないけど。」
「君たちは和解したんじゃないのか…?」
「それはそれ、これはこれ。…というか、昔から女はどっちが先に相手を見つけるとか、どっちが早く結婚するとかで争う生き物なの。…こればっかりは親友でも変わらないわ…しっかりしてね士郎。綾子には先越されたからね…。」
「一成と結婚したんだったな…。」
「私も驚いたわ。まあ喧嘩するほど仲が良いって言うしね。…そうなると私たちも「異議あり」…何よ?」
「聖杯戦争の時の事を言ってるなら違うだろう?私たちは結果的にとはいえ争う事は無かったからな。」
「…何よ、敵同士の関係性を乗り越えて恋仲になったって方が盛り上がるでしょ。」
「何で盛り上がる必要があるんだ?そもそも俺は元々遠坂の事は気になっていたのだが?」
「不意打ちは止めてよ、照れるじゃない…。」
「本当に魅力的だな。あの頃、もっと早くに声をかけるべきだったかな?」
「…そこで似非アーチャーに戻るのね…。正直に言えば私もあんたを気にしてはいたけど靡いたかは分からないわよ?」
「お互いに憧れだったと言うわけか。…ところで似非は止めてくれ。そもそも私と奴は並行世界上の同一人物だ。…辿った道が多少違えど似ることもあるだろう。」
「学生時代の恋愛なんて多くがそんなものでしょ。もちろん例外もあるだろうけど。…あんたの場合自分から似せて行ってるのよ。自覚しなさい、あんたとあいつは何処まで行っても別人よ。」
「…それもこれも、奴のおかげか。」
「認めるのは業腹だけどね…」
「正義の味方として自分をすり減らすのを止めたおかげで私は今の幸せを掴んだ…選んだのは私だが切っ掛けは奴だ。だからこそ…」
「幸せにはなって貰いたい、でしょ?あいつの事はあんまり好きになれないけどあんな話聞いちゃうとね…」
「…あれを全て私の責任と言い切れば奴にも彼女にも失礼だ。だが、だからこそ友人として奴の幸せを願いたいのだ。」
「あいつに合う女性なんているのかと思っていたけど…まさかルヴィアがあいつを好きなんてね…初耳だったけど…ある意味、あいつなら問題無いわ。…親友としては非常に心配だけど…」
「私にとっても彼女は友人だからな…奴を任せるのはかなり心苦しいが…」
「本人がノリノリだからね。私たちが口出す事じゃないわ。…まああいつに浮気の心配は無いからそこは心配してないけど。」
「奴についていける女性などそうはいないからな「ブーメランだからね、それ」分かっている。だからこそ私は君を求めるのだ…私には君こそ相応しい。」
「…どうしてそういう事を素で言えるのかしらね、この男は…」
「言える時に言わなければ、な。何時失わないとも限らないのだから…」
「…私はそう簡単にいなくならないわ。あんたが嫌って言ってもしがみついてあげるわよ。」
「頼もしいな。私も君に相応しい男になれる様、精進し続けよう…。」
「そうしなさい。追うのはあんたで先にいるは私よ。ついてこれるかしら?」
「…フッ。嘗めないでくれ。君の方こそ私についてきたまえ。」