「…あんたねぇ…気持ちは分からないでもないけどもっときちんと説明しなさいよ…ただ、イリヤスフィールが家に現れた…なんて言われてもあんたの頭がおかしくなったとしか思えないわよ…」
「…すまん、な…」
俺に呼び出され正しく着の身着のまま駆け付けた遠坂は一目見て状況をある程度把握したらしく俺に小言を言い始めた…私も慌てていたようだな…いや、怒りに我を忘れたか…
「…で、あんたは結局何なわけ?」
「何って言われても私はイリヤだとしか言い様が無いんだけど…」
……遠坂の方は取り敢えず彼女にあまり警戒はしていないようだ…
「…そう。でもあんたは自分が死んだのは自覚あるのよね?」
「…そうね。私は殺された…英雄王に。」
「…じゃあ幽霊、とか…?」
虚勢を張ってるが顔の強ばる凛…
「…いや、私の解析したところ彼女は確かに生身だと出てる。」
「……あんたが言うなら間違いないか…なら答えは一つでしょ。ここにいるイリヤスフィールは多分…ホムンクルスじゃないの?それも何故か第五次聖杯戦争の記憶を持った、ね…」
「…成程。それが妥当だな。…しかし誰がそんな事を…」
わざわざ死んだイリヤスフィールの記憶を植え付けた理由は何だ?しかも死んだ時の記憶まで植え付けるなぞ悪趣味に過ぎる…!
「…さて、と。結論も出たし私は帰るわよ。…家の中片付けないと「彼女の事はどうするんだ?」…今の所害は無さそうだし私には関係無いわよ。はっきりしてるのは今この瞬間ここにいるのは確かにイリヤスフィールで、現状アインツベルン家は当に無くてそいつにはあんた以外身内がいないってことだけ。という訳で任せるわ。何か分かったら教えて頂戴。…それじゃあ悪いけど今日は忙しいから帰るわ…また今度話しましょ、イリヤ。」
「うん。またね、リン。」
「……」
「…え~と…シロウ?」
「…何かね?」
「…これからお世話になります。」
そう言って頭を下げる彼女…イリヤを見ていると何だかさっきまで警戒していたのが本当に馬鹿らしくなった…そうだ、な…これはあの時の続きか。そう思って良いのかな…?
「…こちらこそ宜しく頼むよ……姉さん。」
とにかく今の私に言えるのは彼女を拒むつもりは無く、寧ろこの再会を喜んでる俺がいる…という事だろうか…
「取り敢えず食事にするか?」
「うん!わぁ~!シロウの料理久しぶりだから楽しみ~!」
「あの時よりもずっと腕前を上げたと自負している。まあ大いに期待してくれたまえ。」
最悪の別れをした少女とのざっと数十年越しの再会を噛み締めつつ私はキッチンに向かった…。