「…ただいま…」
「…おかえり。随分遅かったじゃないか?」
「…あのねぇ…この辺の服屋じゃあイリヤが着れそうな服無かったからわざわざ新都まで行ったんだけど?」
「…むっ…そうだったのか…それはすまなかった。」
「…何も知らないわけね…私が行って良かったわ…この界隈の服屋はもうほとんど子供用の服扱ってないのよ。何せ子供が全然居ないからね…」
「…少子高齢化…と言う奴か。これも時代かな…」
「…私も何時も子供の服探すの割と苦労してて…兄さんに車出して貰う事も多いんですよね…」
…世知辛い世の中になった物だ…
「…まあとにかくありがとう。今から夕飯を用意するから待っていてくれ。」
「私も手伝うわ…これ冷蔵庫に入れたいし…ああ、イリヤ?これ、あんたの服…取り敢えずこれだけあれば一週間は保つでしょ…新都に売ってる服も碌なのなかったら可愛いの無いけど我慢してね?」
「もう…あんまり子供扱いしないでよ。このなりだけどそもそも私十代後半だからね?」
「…今の私たちからしたら普通に歳下だし、まだ十分子供よ。…というかせっかく買って来たのに憎まれ口だけ?とても大人のやる事じゃないわよ?」
「分かってるわよ…ありがとう…」
「宜しい。今ご飯作るから桜と座って待ってなさい。」
「さぁイリヤさん…私とこの子と大人しく待ちましょう?」
「サクラまで…まぁいいか…ねぇその子、サクラの子供なんだよね?私に抱かせてくれない?」
「良いですよ、ほら、イリヤお姉ちゃんに抱いてもらいましょうね…」
「…ちょっとあんた…何時まで見てんのよ…」
「…ん?ああ…すまない…」
「まあ気持ちはものすごく分かるけどね…」
「…だろう?」
「…そのドヤ顔何かムカつくから止めなさい。さっさと作るわよ。」
凛に促されキッチンに向かった…
「…そう言えば提案があるんだけど…」
「何かね?」
「ここにいるよりホテルに戻った方が守りやすくない?ここに留まったら襲撃してくれって言ってるような物よ?…まあ食材買いこんでから言うことじゃないけどね…」
むっ…言われてみればそうか…
「確かに普通の魔術師は一般人がいる場所で戦闘を行おうとはしないか…」
「…最もイリヤの素性を確固たる物にする前提なら一週間はかかるでしょうから都合は良いかもね…」
「……戸籍の偽造を頼んでも良いか?」
「あんたは外に出られない物ね…手数料払ってくれるなら良いわよ?」
「……いくらだ…?」
「この位…」
そう言って彼女がそろばんを弾く。そして彼女が示した額は…
「……高くないか?」
「…ボロが出ないレベルならこんな物でしょ…」
どう考えてもぼられている気がするのだが…イリヤの為だ…。