「ところで…藤村先生には言わなくて良いの?」
「何故…あ…」
「…気付いた?」
「…う、む…」
「ああいう家は不義理を犯すと身内相手でも制裁が怖いわよ…?遠坂家は裏側にもそれなりに顔が利くけどこの冬木では少なくとも表向きはあっちの方が力は上だからね…例え唯一のトップの命が風前の灯火でもね…」
「…むぅ…」
「大体あんた、後見人は今でも藤村家のままでしょ?先に相談位はして置かないと万が一あんたに何かあった時、イリヤを守ってるくれる人いなくなるわよ?」
「今の私の身分はどちらかと言えば被保護者では無く切嗣と同じ客分だ…しかし…藤ねぇはイリヤに会った事があるから不味いと思うのだが…」
「それこそ今更でしょ…そもそも聖杯戦争の時だって藤村家としては何が起きていたのか裏側の事情を詳しく知らなくても自分たちの守っている場所が戦場になってるのは知ってたと思うわよ?」
「…それは…そうだろうな…藤ねぇは何も言わなかったが…」
雷画さんはかなり聡明な人だ…藤ねぇもああ見えて勘は良い…何故二人は黙っていたんだ…?
「…あんたを信じていたからでしょ?」
「…そう、なのか…?」
「じゃなきゃ一度も介入しようとしなかった…なんて可笑しいでしょ?」
「…確かに。」
「多分…藤村先生は待ってるのよ…あんたが全部話してくれるのを…」
「…ホムンクルスであるイリヤの事を説明しろ、と…?」
「あの人がそんな事でイリヤに偏見持つと思う?」
「…そうだな…藤村家の人間も誰一人気にしないだろうな…」
「明日話しに行きましょう…そうでなくてもあんたが冬木に戻って来てから藤村先生の代わりにずっと藤村家の人が様子見に来てるんでしょう?…事情を知らない人からしたらあんた完全に誘拐犯よ?」
「それは…不味いな…」
「でしょ?というわけで明日一緒に話しに行きましょ。」
「何故君も来るんだ…?」
「…私は遠坂家の人間よ…聖杯戦争を始めた家の人間として、そして第五次聖杯戦争に参加した人間として全てを話す義務があるわ。」
「…そう、か…なら頼む…「先輩、私も行きます」…桜…」
「桜、あんたは「私も聖杯戦争の参加者で御三家の一つ、間桐家の人間です。兄さんと一緒に行きます」…分かったわ…」
「ちょっと!私も忘れないでよね!私だってアインツベルン家の人間だからね!」
「ちょっと!あんたもなの!?」
「…凛、仕方あるまい。どちらにせよイリヤを一人にするわけに行かないんだ…全員で行くとしよう…」
さて、明日は忙しくなるな…どうやって虎の御機嫌取りをするか考えなくては…