「あ?学校?」
「うむ。」
「…何でその話を俺にすんだよ。本人が勝手に決める事だろ?」
「君は彼女の雇い主になるだろう?」
「あのガキの人生まで責任持つ気はねぇっての。シフト調整の話ならお前が勝手にしろよ…俺は関知しねぇ…つかよ?」
「ん?」
「通信制じゃ駄目なのか?」
「……あ…」
「忘れてやがったな…」
そうか…通う事を前提にする必要は無いのか…とは言え…
「本人は乗り気だからな…」
「…選択肢には入れるべきなんじゃねぇの?」
「…確かに…」
イリヤに伝えておこう…
「…あー…今は気分が良いからよ、いくつかアドバイスしてやるよ…」
そう言う奴の傍らにはいくつかの酒瓶が転がっている…全く。暇にしても程がある…
「…飲み過ぎじゃないかね?」
「うるせぇなぁ…お前さ、あのガキに定時制やら通信制やら進めんのは勝手だけどよ、現状これらの授業事情知ってんのか?」
「…どういう意味かね?」
「簡単に言うとだな、この二つの共通事項として、高校卒業資格は取れるが、仮に卒業しても一般的な高校の授業範囲は終わらねぇつってんのさ」
「何?何でそんな事になってるんだ?」
「…本当に何も知らねぇんだな…これら二つの学校の事情としてはな…誰でも高卒認定を取れると言う前提の元、どんな奴にでも門戸を開くと言うのが不文律で仮に小、中の学が足りなくても卒業出来るように基本しかやらねぇのさ、存在意義としては申し分無いが将来の役に立つかは別の話なんだよ…」
「…そうだったのか…」
「まああいつらが教えるならその辺は抜け目ねぇだろうさ…ちゃんと高校の範囲の不足分を教えんだろ。」
……確かに二人なら心配要らないか…それにしても…
「やけに詳しいな…」
「…知ってるだろ?俺の最終学歴は中卒だ…こっちに戻ってから自業自得ではあるがあまりに格好付かねぇと思ったから高卒資格だけでも取ろうと思って調べたんだ…授業事情見る限りあまり意味無さそうだから独学で高校の範囲を学んだがな…店開くには最低でも食品衛生責任者になれれば問題ねぇから結局高認も受けなかったしよ。」
「……」
これは本当にイリヤに進めて良いのだろうか…?
「深く考える必要ねぇだろ?あいつらが教えるなら問題ねぇんだしよ…結局はあいつがわざわざ学校行きたいかどうかだろ…後はあのガキが勝手に決めんだろうよ…要はお前はただ、選択肢を提示すりゃ良いだけだ…」
そうだな…今更私がとやかく言う事でも無いか…
「…で、私たちにイリヤの気持ちを尊重した上で勉強教えて欲しいって?」
「…ああ…面倒だとは思うが…」
「…あの…シェロ…?」
「ん?」
「…ハア…あのねぇ…私たちはそれくらいの事知ってるからね?あんたが知らなかっただけ。…先ずは進める前にちゃんと調べなさいよ…」
「…面目無い…」
何だ…イリヤと私以外は知っていたのか…