「お前らなぁ…使い魔飛ばしてんだろ?何かあったら分かんだろ?五分おきに様子見んの止めてやれ…」
「しかし…!」
「少しは信用してやれよ…そもそもこの国で事件や事故に巻き込まれる確率は天文学的数字だ…魔術師の襲撃の可能性が低い以上、そっちは心配し過ぎるだけ無駄だ…遭遇したら単にあのガキの運が悪かっただけの話だっての。」
「君は…!」
「いきり立つな。俺は一般論を口にしてるだけだぜ?」
「くっ!せめて冬木市内なら…!」
「仕方ねぇだろ。教習所はともかく肝心の定時制高校が冬木市内に無かったんだからよ。」
「何故だ!?あって当たり前の施設の筈だろう!?」
「…元々定時制や通信制を受講出来る学校はそう多くはねぇ。…増してやここは子供はいないし、わざわざ歳食ってから今更学校に通いたい奴もそうはいない…無くて当然だろ。」
「……」
「何で子供が少ないのか…なんて言うなよ?原因は分かんだろ?」
ああ…良く分かっているとも…ここ冬木市内の住人がここまで減ってしまったのが私たち魔術師のせいなんてことは…!
「あんたは…他人事だと思って…!」
「そうだな…だが、もし俺が家出をせず今もあの家で普通に生活していたとして弟が故郷を離れる事になってもそこまで心配はしなかっただろうな。」
「それは君が兄弟仲が悪かったからでは「誰かそんな事言ったか?俺自身勉強出来なくて劣等感あったのは認めるが、少なくとも家出るほんの数日前まで俺たちの仲自体は良好だったと今でも言えるぞ、俺は。」……」
「あんた、結構薄情ね…」
「何言ってんだ?俺がそれ程あいつらの事を心配しないのは単に信頼してるからだよ。…あのガキ、精神面は相当強いぜ?…つか、嘗て殺しあったお前らがそんな事は一番良く分かっているんじゃねぇの?」
「…少なくとも私は知りません。」
「信頼出来る程、一緒にいた時間が少ないとしても、必要以上に心配するのは別の話だっての。…あいつ十八なんだろ?そろそろ自分で色々決めれる歳だっての。お前らアレをガキ扱いし過ぎだろ。」
「それは君の事では「見た目ガキの奴にガキって言って何が悪い?そもそもその辺の大人より色々見てきた自信あるぞ、俺は。」…君はまだ大分子供だと思うがね…」
「そうねぇ。考え方しっかりしてるって意味ならイリヤの方が大人だと思うわ。」
「…十八のガキに高々一日出かけるだけで三十万も渡す程金銭感覚崩壊した奴に言われたかねぇ。後、持って行けるわけも無い大量の宝石渡す奴にも言われたくないね。」
「…本当に口が減らないな、君は…」
「その辺はお互い様だろ。」