錬鉄の英雄の居る店   作:三和

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「ねぇ?何なの、それ?」

 

「…肥後守、だ」

 

「…いや、名前は書いてるから分かるわよ…何でそんなの持ってるの?」

 

私は手で弄んでいたナイフをテーブルに置いた。

 

「いや何、イリヤが…イリヤが!こいつの話を学校で聞いてな、是非見てみたいとの事でな。」

 

「…嬉しそうにイリヤの部分強調しなくても良いわよ…何?喧嘩売ってるの…?…つまりアンタはイリヤにせがまれてこれを出してやったって訳?」

 

「違う。こいつ出せなかったんだよ。」

 

「なっ!?貴様、何を余計な事を「余計も何も事実だろ」くっ…!」

 

「…出せなかったって…こいつが?」

 

「こいつが出せる物は見て、触れて、内部構造を解析出来てるものだけだろ?多少知識があった所で見た事無いものは出せないだろ。」

 

「…こいつが見た事の無い刃物「肥後守が初めて作られたのは明治時代、全盛期は第二次世界大戦期。当時は大人も子供も誰もが持ってる代物だったらしいが…今じゃこいつの商標権持ってる所は一箇所しかないらしいからな…要するに出回ってる数も少ないわけだ」へぇ…」

 

「くっ…!しかし今はこうして手元にある「売ってる場所の情報出してやったのは俺だろうが。」……」

 

「大体ただ、何も無い所から出せるってだけで何でお前がマウント取れんだよ。どうせなら実際にナイフの作り方でも教えてやれや、その方が実用性あんだろ。」

 

「…ほぼノーコストで出せるって凄い事だと思うんだけど「びっくり人間って視点で見りゃぶっ飛んでるが…現実的に他人が一切コストかけずに出した武器で結局何処まで命賭けられる?」…う~ん…」

 

「それよりお前、これ、ちゃんと買ったんだろうな?投影品じゃねぇよな?」

 

「…あっ、当たり前だ!君は私を何だと「見て、触れれば実質、自分の中にストック出来る奴をどう信用しろって言うんだ?」くっ…!」

 

「てか今更だが、出せないなら出せないでそれで終わりゃ良いのに…こんなの買って来てどうするんだ?使い道ねぇだろ。…ガキにやるのか?」

 

「……」

 

「しかもこれ安いやつだな…肥後守は安物でも切れ味は悪くないが、保管の仕方間違えると簡単に錆びるらしいぞ。」

 

「安いって…そんなに値段の差があるの?」

 

「何だ興味あんのか?高いのなら一万円クラスのがあるらしいな、確か専用の箱付きとか聞いたぜ?…まあどちらにしても単なるコレクターズアイテムだな…実際に使えないわけじゃないが…少なくとも今の一般人がわざわざナイフで鉛筆削ったり、手紙をナイフで開けたりしねぇだろ?」

 

「確かに…」

 

「つか、さっさとそれ片付けて開店準備付き合え。今日はあのガキとバイトがいねぇんだからな。忙しくなるぜ?」

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