「たくっ…こんなもんに構ってる場合じゃねぇってのによ…」
「これは…一体…?」
「アンタは何時も理屈っぽいんだよ…俺もあんま詳しくはねぇから、簡単に言ってやるよ…そういうもんだと思え。これは、夢でも幻でもねぇ…抵抗しなきゃ、ハリネズミになって死ぬって事だよ…」
「…成程。そういう物か…」
二人は剣を構えるだけで逃げる様子は無い。
「予想はしてたけど、あの二人全然動じないのね…」
「奴には…少なくとも一度見せた事がある…」
「ですが…あちらもあまり驚いていませんが…」
「単なる一般人かと思っていたが、戦っている時の反応と良い、元々かなりの数の修羅場を潜っているのかもしれんな…」
さて、二人はどう出るかな?
「ちょっと…嘘でしょ?」
「まさか…ここまでやってほとんど当たらないとはな…」
「そろそろ宝石の手持ちがありませんわ…」
上から降ってくる剣…そして私の放つ宝具の矢…ルヴィアと凛の投げる宝石…彼らはその身一つで全てを踏破して行く…
「私たちは今、新しい伝説の誕生を見ているのかもしれん…」
「妙な感動している場合じゃ無いでしょ?どうするのよ?」
「残念だが…もう打つ手無しだ…じき、固有結界も切れてしまうだろう…全く…どうして第三者の攻撃には協力して当たれるのにお互いを排除するのを止められないんだ?」
「お互い、譲れないものがあるからこそあの強さなのでしょう…私ではもう立ち入れる気がしませんわ…」
「ちょっと…諦めるの?」
「私にはもう出来る事がありませんわ…あの方は結局私を見てはくださらなかった…」
「すまないな…私の力が及ばないばかりに…」
「いえ…シェロのせいでは…」
「ルヴィアが悪いわけでも、アンタが悪いわけでも無いわよ…アイツらの力を侮った私たち全員の責任よ…」
「小細工は通用しない…そんな事は分かっていたんだがな…」
既に固有結界は切れ、二人はまた戦いを再開してしまった…
「ねぇ?せめてあの剣どうにか出来ないの?」
「先程からやっているのだがな…消せないんだ…」
「…あの剣はシェロが作った物では?」
「考えられる可能性は一つだ…あの剣自体が意志を持ち、あの二人に力を貸してしまっている…」
「そんな事…有り得るの?」
「贋作とはいえ、宝具は宝具だからな…しかし…あの剣は一人の使い手がその手に持ち、使う物だと思っていたのだがな…」
まさか二刀一対の筈のあの剣がそれぞれ別の人物に力を貸すなど…長年相棒として振るったが、私はあの剣の事を未だに何も分かっていなかったのかもしれないな…