彼が寝静まった後、私は病室を抜け出し奴の病室に向かった。
「……」
奴の病室のドアを「そんな所に突っ立って何か用なのか衛宮?」「!?」
突然ドアが開き、奴が顔を出した。
「おい、何でそんな驚く?俺が今更お前の気配を間違えると思ったのか?」
「…突然ドアが開いたら驚くに決まっているだろう…寝ていなかったのか?」
「…馬鹿かお前?戦場で長く過ごした俺がこんな知らない奴の気配が大量にある場所で爆睡出来ると思うか?…戦場行ったのに逆にまともになる変人のお前とは違うっての。」
「……そうだったな。」
「…で、マジで何の用なんだ?話なら別に昼間でも…チッ…取り敢えず入れ…看護師に見つかる。」
奴に手を引かれ病室に入った。
「あん?兄貴の話?…あー…お前…ん?お前には言ってなかったか?兄貴の事?」
「真面目だったとは君から聞いたが…」
「そこまでしか言ってなかったか…兄貴なら昔からあんなだぞ?」
「アレで…何故真面目という印象になるんだ?」
「いやいや真面目だろ?アレであの野郎、普通に学生生活出来てたんだぞ?…まあ兄貴がいない時に兄貴の友人に聞いたら知ってて付き合ってるって言ってたけどよ。…つかそんな話どうでも良いんだわ…お前ホント余計な事してくれたな?」
「なっ、何…?」
「お前あの野郎に武器やったろ…マジで殺されると思ったんだからな。」
「彼を殺そうとしてたのは君では「虚勢張ってただけだっての。…野郎、自分では気付いて無かったんだろうが、かなり楽しんでやがったからな?」……」
「おまけに固有結界まで使いやがって…あそこで共闘の方向に持って行かなかったらあの野郎とお前らの攻撃両方防ぐ羽目になってたんだからな…だから邪魔すんなって言ったじゃねぇかよ…勝手に割り込んで、んな怪我して…お前本当にアホだな。」
「何を言う…君らを止めようとして「それが余計だって言ってんだ…野郎に喧嘩ふっかけたのは俺だ…勝手に横槍入れて怪我するとか有り得ねぇぜ」……」
「てかお前、ルヴィアに言っとけよ?あの野郎に手ぇ出すなって。…分かってんだろうがルヴィアじゃアイツには勝てねぇよ…お前でも無理だな…昔のお前ならワンチャンあるかもしんねぇが、今のお前じゃ間違い無く殺されるかんな。」
「そんなに危険なのか?」
「あの野郎…一回喧嘩始めたら、相手が再起不能になるか、自分が倒れるまで絶対攻撃を止めねぇんだ…しかも自分がそういう気質なのに全く気付いてねぇから更にタチが悪い…アレで現在の職業が刑事なんだから何の冗談かと思うぜ…まぁその辺は俺も一度キレると同じだからあんま言いたくねぇけどよ…だけどな、余程マジでキレねぇ限りギリギリで手を止める俺と違い、アイツは場合によっては相手を殺しても止めねぇだろうよ…」
「……それでまともに社会に溶け込んでいるというのか?」
「根底の考えは一応、俺よりずっと善人だからな…弟はまともだから幼少期は兄貴に殺されると思ってビビりまくりだったんだぜ?」
「……」
「とにかくだ…お前からルヴィアに釘刺しといてくれや…俺よりお前から言った方がアイツのヤバさが伝わるだろうからな…」