ルヴィアを送る為に歩いたルートを今度は一人で歩く…そう言えばここ最近は凛やイリヤが必ず横にいた為、一人で、というのは本当に久しぶりの気がする。
「…イリヤに何か買って行こうか。」
先程の買い物はあくまで万が一の事を考えて急遽、凛の為に用意した物が大半でイリヤが喜ぶ様な物は特に無い…何か買って行ってもバチは当たらない。
「…しかし、なにを買った物か…」
今の時間、近くで開いている店はコンビニくらいしか無く、例えば食べ物等なら私が作れる物がほとんどの為、買いに行く気にはならない(食材が揃えばの話にはなって来るが)そもそもイリヤは年頃の少女…時間を考えれば下手な物を買い与えても口にしないかもしれん…どうするか…
『別に私は何も要らないよ?』
「そうか?」
『…別にそんなに気を遣わなくて大丈夫だよ。この後もリンの看病は続けるけど、無理はしないようにするし、夜食は要らないわ。』
「…ふむ。」
奴にも珍しく散々色々言われたし、イリヤ本人からも言われたのだが、私はまだ彼女を心配し過ぎていたようだ…
『う~ん…でもそうね、それだったら何か飲み物買って来てよ、さっき買って来て欲しいって言った物って大半がリン用だから、私の分入ってないし。』
「承った。では、何が良いかね?」
「ありがとうございましたー!」
コンビニ店員の元気な声を背中に受けながら帰路に着く…この時間のコンビニの店員は余りやる気も無さそうな者がやっている物とばかり思っていたのだが、それは私の偏見だった様だ。少なくとも、レジを担当してくれた店員は入ったばかりなのか多少拙さを感じたものの、手際が悪いと感じる程では無いし、口調も丁寧で私としてはかなりの好印象だった。
「ああいう精神は私の目指す者としても通ずる物があるかもしれんな…」
たかがコンビニ店員、と侮れはしない。あれだって接客業なのだ。
……それにしても…
「彼女からは確かな資質を感じたな…」
う~む…ウチの店で働いてくれないだろうか…と、これから戻って聞いてしまったらさすがに不審者扱いだろうな…
「どちらにしてもそれは私だけで決める訳にもいかんか…」
奴とも相談せねばならんな…私自身何故ここまで彼女をスカウトしたいと思ったのか分からんが…ただ彼女をここで逃しては後悔する…不思議と私はそう思っていた…
「えと、何でそれを私に相談するのかな…?」
「君ももう店で働いてる人間だからな、意見を聞きたいと思ったんだ…」
ホテルに帰った私はイリヤに話を振ることにした。
「…そう言われても…私まだ働き始めてからそんなに経ってないし…後、そもそも私は会った訳じゃないから…どんな人かも分からないし…判断出来無いよ」
「……そう言えばそうだったな…悪かった…」
やれやれ…少し、焦り過ぎたか…私にも凛のうっかりが移ったのか?全く…
「…それはリンのせいじゃないと思うけど…」
「むっ…私は口に出してしまっていたか…?」
「…口には出して無いけど…何となくかな?」
「……」