『ふん、サーヴァントを召喚出来たか…マスターも居ない様だし、私は一旦離脱させて貰おう。』
『なっ!?お前何処へ行くんだよ!どう見たってコイツはヤバいだろ!?』
『案ずるな、何も逃げる訳では無い…私はそもそも弓兵だ…援護に回らせて貰おう。』
『おい!消えんな『落ち着いて下さいマスター』…いや、でも!』
『私に任せてください。』
『……分かった…頼む…え~っと…』
『私の事はクラス名…セイバーと呼んで下さい。』
『セイバー…』
『さぁ、下がって!』
この後セイバーがバーサーカーと交戦…その少し後に私の頭上を通ってアレが飛んで来て二人の中心点に刺さった…変な形をしてるが…剣?私がそう思った直後にバーサーカーと戦っていたセイバーの姿が視界に入って来た所までしかあの時の事は記憶に無い…今思えばアレは閃光に気付いたセイバーが俺を庇う為にこっちに突っ込んで来たのだろう…
……私がもう少しあの戦闘の場から離れていれば、セイバーも余計なダメージを負わずに済んだ…何とも情けない限りだよ…今更気にしても仕方が無い事だがな…
「…さて、その後の私だが…結局目を覚ましたのは早朝…目を開けると同時に見えたのは見慣れた天井…そしてすぐ横から気配を感じてそちらに顔を向けた。」
『マスター…目が覚めたのですね…』
「…まぁその時は私は寝起きだった為頭がきちんと働いてなくてな…驚いた私はそのまま横に無理矢理飛び退いて部屋の壁に背中から激突したのだが…」
言ってからコレは別に言わなくて良かったのではないかと気付く…まぁ昔の話だ…今更何を言われようとそこまで気にしないが。
『だ、大丈夫ですか…?マスター…?』
『いっつ…いや、アンタ誰なんだよ!?』
「…昨夜の記憶が直ぐに戻らなくてな…当時の私は完全に狼狽えていたな…」
「当時のシロウは本当に何も知らなかったんだよね…それなら…そうもなるよね…」
「…と言うか、当時私の家まで来た事の有る女性は記憶通りなら藤ねぇか、桜くらいだからな…まだ学生の私はそこまで異性に免疫が有る方でも無い…にも関わらず寝起きに見慣れない女の姿を見れば…先ずは恐怖が先に来ても仕方あるまい?」
まぁあの時はセイバーの顔があまりにも整い過ぎていて別の感情もあったのだが、そこまで語る理由は無い。
『マスター…昨夜の事…思い出せませんか…?』
「…そこまで言われて漸く昨晩の事が頭を駆け巡った。そして、何とか落ち着いた私は彼女に言ったんだ…」
『覚えてる、な…それよりアンタ、サーヴァントだっけ?』
『はい、私は貴方のサーヴァントです…この身は剣となり貴方を『いや…待ってくれ』はい?』
『そもそも俺のサーヴァントって言われてもな…俺は確かに聖杯戦争に参加する事こそ決めたけど…まだ自分がどうしたいのかも良く分からないんだ…前の聖杯戦争で親父が参加したって聞いただけで…正直…マスターって呼ばれるのもまだ慣れないし…』
『……分かりました。幸い聖杯戦争は夜に行われます…それまでに答えを出してくれれば…』
『…すまない…悪いな、こんなマスターで…』
『…いえ、変に尊大に振る舞う方よりは好感を持てますから。』
「今思えば…何ともまぁ歪な主従関係が出来上がったものだよ…正直、来たのが彼女じゃなければその場で私は殺されていたかも知れん…」
とは言えあの当時の私の場合…仮に触媒を用意しないでサーヴァントを呼べば当時私の体内に有った鞘を触媒にするのでほとんどの場合彼女か、確率は低いがあの男が呼び出されるかのどちらかになるだろう…先に凛がアーチャーを呼び出していた時点で、彼女以外が来る事は余程のイレギュラーでも無い限り先ず無いだろうな…