「ここの家、結構大きいな」
さすが豪邸だなと勇樹が言うほど大きな屋敷、門である入り口に付いている表札を見てみるとそこには『西住戦車道家元』と書いている。
「西住と呼ぶのか、しかし戦車道家元ってなんだ? まぁそれはいいとして、お邪魔しま~す」
勇樹はそう言いながら開いている扉から敷地内に入っていく、万が一のことを考えて彼のポケットから野球ボールを出して近くの草むらの中に隠した。
怪しい人物だと思った時、『野球のボールをここらに落しました』と言えば、少しは理解してくれるだろうと計算した。
「えっと…お邪魔します」
勇樹は入り口から屋敷へと行き、屋敷の縁から上がりそできるだけ音を立てないように歩いていた、すると。
「そう…ありがとう、ええ…それじゃあ」
襖から人の声がした、それにその声は高いため女性だとわかっただが彼女は何かを心配しているのか電話が終わると「はぁ」とため息をした。
なんだろうと、彼はその人の姿を見ようとそっと覗こうとした。すると。
「あんた、一体何しているの?」
後ろから女性の声がしたため、勇樹は「ぎゃにゃっ!!」と裏声を出して姿を現すと同時に顔から地面に体当たり。
声と音に電話をしていた女性は驚き、一瞬びくっとする。
「いででで、いいきなり変なことをするなよ……」
「いや、どちらかと言うとあんたが不審だけど?」
勇樹は女性……銀色のショートロングの女性はジト目で彼を見る。
それよりも前に、彼は『不審』と言う言葉に反応したのか、ムムッとほっぺを膨らますとこう言ってきた。
「不審じゃないぞ! オレは
すると、電話をしていた女性は「ちょっと待って!」と言い出す。それを聞いた勇樹と銀色のショートロングの女性は「え?」と目を丸くして反応をする。
「君、探偵と行ったよな」
「え…まぁあらかたですが未来から」
勇樹がそう言っていると少女は「お願いだ!」と彼に深々と頭を下げる。
それを見た勇樹と少女は「え?!」と驚くと同時に、彼女はこう言った。
「妹を…みほを探してほしい!」
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「探してほしい人が、いるのですか……?」
勇樹は、西住戦車道家元の師範『西住しほ』から話を聞くことになった。
ちなみに、しほ以外にいるのは彼女の娘であるまほと先ほどの女性『逸見エリカ』と焦げ茶色のショートヘアーの女性『赤星小梅』がいる。
勇樹のことは、まほからしほが聞いており。彼女は「事情はわかりました」と理解してくれた。
「ええ、探してほしいのはこの子。まほの妹のみほ」
しほはそう言いながら写真を渡す、そこには明るい茶色のショートヘアーの女性が笑顔で写っている。
「この人がみほさんですか」
勇樹はそう言いながら写真を受けると、「ちなみにですが、いなくなった理由は…?」と言うと、しほはこう答える。
「実は昨年の全国大会で、小梅が事故で車輌ごと川に落ちたの、それを見たみほに彼女たちを救出するけど、それが原因で優勝を逃したの、そして今から数日前にみほが黒森峰から姿を消したの」
それを聞いた勇樹は「そ、そうですか」と言いながらメモをする。
「ところで事故と言うのは?」
「先ほど言った通りだと思いますが、それに何か?」
しほの言葉に勇樹は「それなんですが」と言いながら電話を出して何かを調べている。
「その当時の天気とかわかりますか?」
「確か…第62回だったわ、まほ」
「はい、私も覚えています」
勇樹の言葉にしほとまほは答えると、彼は「てことは…そのデータを」と言いながら入力していく。
「その時は雨が降っていたようですね…落ちた場所は?」
「岩場があるところです、みほさんに助けてもらったのでよく覚えています」
「岩場…あれ、少しおかしいぞ」
勇樹の言葉にしほは「一体何がおかしいの」と言うと彼はこう答える。
「今調べて気づいたんですが。岩は雨や川などによって削られるのは分かりますが、岩の上から落ちる…つまり重さに限度がある限り突然崩れるのはありません」
それを聞いたしほは「考えてみればそうね」と思い出したかのように答える。
「しかし、それは偶然じゃないか? 戦車とは言え中戦車、重いに決まっている」
「重さは分かりますか? そしたら計算が出来ますが。できれば対戦相手の戦車も」
勇樹の言葉にしほは「わかると思います」と言うと、書斎から戦車の資料を持ってくる。
しほから受け取った勇樹は「ありがとうございます」と答え、資料を調べ始める。
「小梅さんでしたっけ? あなたが乗っていた戦車は」
「えっと…Ⅲ号戦車J型です」
小梅の言葉に勇樹は「Ⅲ号戦車J型…あった」と戦車を見つけ、何かをメモしていく。
「えっと、岩が耐えれる重さは様々だが。川付近だとざっと計算すれば…雨や濁流のケースも考えると」
勇樹はぶつぶつ言いながらメモ帳何か計算していると、彼は「やはりおかしい」と答える。
「おかしいって、何がおかしいのよ?」
「戦車は重量によって重さは様々だが、小梅さんが乗っている戦車は約22トン。最高速度は20キロしか出せない、その戦車が川沿いで移動したとしても簡単に崩れない。仮に途中であっても後方にいたとしても簡単に崩れることはありません」
勇樹の言葉にまほは「そうだとしたら」と真剣に答える。
「もし小梅を狙ったとしたら…プラウダの可能性は?」
「白ですね、そのプラウダの隊長が実行したとしても崖から崩れて川に落ちるとは考えにくいですね」
「だとしたら、いったいなぜ…」
まほたちの言葉にみんなは考えていると、小梅は「そう言えば」とある事を思い出す。
「私ではなく、みほさんを狙っていたのでは? 私が乗っていたのはみほさんの真後ろでしたので」
それを聞いた勇樹は「もしかして」とある推測を考え出す。
「西住みほさんを狙っていたんじゃないか? 相手はみほを狙っていたが何らかの理由で誤って小梅さんが狙われてしまった…とか」
「推測ね…でもあり得るわ」
「だとしたらみほは、この事件が原因で優勝を逃して、お母様の顔に泥を塗る事態になったと思っていたのか」
勇樹の言葉にしほとまほはそう言っていると彼は「だとしたら、転校先を調べればいいが」と言いながら携帯を取り出したのだが…
「問題の学校はどこにあるんだ? 陸地だけでも結構な数があるからな…」
勇樹は悩むようにそう言ったその時、しほが「学園艦よ」と答える。
「え、学園艦?」
「ええ、学園艦はどうかしら。戦車道がない、もしくは未定などが何か所かあるわ」
「お母様の言う通りだ、学園艦に転校したならかぎりはある。それならわかるか?」
「戦車がまだないとしたら数に限りがある…しかも海沿いなら…あった!」
勇樹はしほとまほの言葉を頼りに調べたところ、携帯に『茨城県大洗学園』と表示されていた。
「場所は茨城だとわかりましたので安心しました。彼女がここにいるかどうか確認しますのであとは―」
勇樹はそう言って立とうとしたその時。
「あ、あのっ!」
小梅が声を出したことに勇樹たちは気づきと彼女に向けると、小梅は勇樹に向けてこう言った。
「わ、私も……私も一緒に連れてってください!」
それを聞いた勇樹は「ええっ!?」と驚きの反応する。
「ちょ、ちょっと待ってください! 何を言っているのですか!? いくら何でも」
「いえ、小梅を連れて言った方が良いわ」
しほの言葉に勇樹は「ちょっ、え、うぇええ!?」とさらに驚く。
「ど、どうしてですか?! 連れて行く理由を教えてください!!」
「実はこの事故で小梅が崖から落ちたのは話した、だが小梅を助けたのは…美峰なんだ」
まほの言葉に彼は「え…みほさんが」と言うと、彼女は「ああ」と答える。
「みほは私やエリカと違って勇樹がある…お母様」
「ええ、みほは小梅と仲間を助けた。こうめはその恩を返すために行動をしている。だからあなた……いえ、勇樹は小梅と一緒に茨城に行きなさい」
しほの言葉に勇樹は戸惑っていたが、しほから出るオーラに怯えてしまい「あ、わかりました……」と答える。
「わかりました、それではしほさん、みほを探しに行きます。小梅さん」
勇樹はそう言うと同時にと小梅に手を伸ばす、それを見た彼女は「わかりました」と手をつかむ家から出て、例のメカがあるところへと走っていく。
その2人の姿を見たしほは「みほを頼みますよ」と心から祈るのであった。
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「場所変更、緊急指令! 茨城へと行き西住みほを探しに行く!」
勇樹はUFOに乗って百合子に言うと、彼女は「え、わかりました!」と戸惑ってコントロールをいじる。すると。
「その前に勇樹君と一緒に乗ってきた彼女は誰だい? 初めて見るけど?」
幹子の言葉にみんなは「そう言えば」と小梅に向けると彼女は「あ、こんにちは」と照れながら答える。
それを見た勇樹は「しばらくしたら後で話します」と言い、UFOを起動し。目的地である茨城へと発進していくのであった。
UFOが発進して数分後、地面から潜望鏡が出てきて何かを見つめる者もいた。
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「大洗? それって、茨城にある街か?」
小梅の言葉に伊江は答えると、彼女は「は、はいそうです」と答える。
彼女はいま、円盤内にある休憩室。いわゆる遊び場のソファーに座っており、そこには太田と伊江と優季たちの先輩であり紫色のロングヘアーをした女性『佐々木桜』とが座っている。
小梅にとっては初めて会う人であり、彼の仲間だと言えどもまほ以上の威圧のオーラを放っている者もいる。
「大洗を調べてみたけどそこには『県立大洗学園』と言う高校があったよ」
「そこには学園艦という大きな船があるわね」
幹子と桜はスマホを見ながら言うと、太田が「そうなの?!」と驚く。
2人の話を聞いていたの小梅は「私たちも同じですよ?」と言うと、伊江は「ガチかよ」とジト目で驚く。
「はい、私たち黒森峰女学校以外に聖グロリアーナにサンダース大学付属高校もそうですよ」
それを聞いた桜は「すごい船ね」と驚くように言うと、太田は「学園艦だから結構大きいかな」と目を光らせながら頭の中で何かを浮かばせていた…その時。
ガガゴゴゴッ!!!
「「「「うわああっ!?」」」」
突然の大きな揺れと共に衝撃がUFO内部に伝わった。太田たちは何かと思い携帯を出してそうじゅうせきにれんらくをいれる。
「勇樹君、この揺れは何!? それに一体何があった!?」
『何かが爆発した!! 爆発の理由は不明だがこのままだとエンジンが壊れて二度と動かない可能性がある! 急いで近くの陸地へと着陸する!』
それを聞いた太田たちは「えええっ!!!?」と驚き、伊江は急いで外を見ると、後方の部分から黒い煙が出ていた。
「ガチか…勇樹、一番近い陸地は!?」
『もうすぐ着く! 幸いもうすぐ大洗に着く、エンジンは壊れてしまうが!』
「わかった、こっちは急いでシートベルトをするから!」
『了解!!』
伊江の言葉に勇樹は答えると、電話を自動で切り壁に付いているスイッチを押す。
すると椅子からベルトが出てきて太田と桜、小梅はそれに捕まる。伊江も急いで椅子へと行くとベルトに固定する。
そうしていると揺れは激しくなっていき、徐々にUFOは下降していき車輪を出して緊急着陸する。しかし速度は低下せずそのまま森の中へと突っ込んでいく。
ドガアアアアアアアッ!!
突然の不時着により速度は変わらず、森の中へと突っ込んでいった。だが幸い、木々がクッションの変わりになってくれたため、円盤内にいあるけが人はいなかった。
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『墜落したって、大丈夫なの!?』
「は、はい。みんなは大丈夫でけがはありませんでした」
勇樹は突然起きた事故をしほに連絡をしていた、円盤内にいた百合子たちはけがはなく安心しているが。問題はメカの心臓部であるエンジンが壊れてしまい、起動できない状態になっていた。
「落ちた場所は茨城県の大洗の山の中にいます、木々がクッションの変わりになったため怪我はありませんでした。小梅さんも無事ですのでご安心してください」
『そう、それだったらよかったわ。みほに何かあったら連絡を」
「はい分かりました。それとですがプラウダの人に連絡をお願いしますか。気になることがありまして。
勇樹が言った『プラウダの人に連絡』という言葉を聞いた彼女は気づいたのか、『わかったわ』と答える。
『その件はまほが話してくるそうよ。彼女とまほはライバル関係があるからね、それにあの子は自分が原因かと思っていたから心配していたそうよ』
「ありがとうございます。では」
勇樹はそう言うと電話を切ると、百合子たちに報告していく。
「エンジンには異常なし、故障個所は幸い少ないから飛行は無理だけど移動は可能だな」
エンジンルームを見てそう答えたのは、緑色のショートヘアーをした少女『中二小森』が答えた。それを聞いた勇樹は「故障個所が少ないだけでも奇跡か」と納得するように反応した。
「勇樹、そっちはどうだった? 装甲が曲がっていたが」
「装甲は曲がっていたけど、幸いパイプ・コード・装置に損傷はなかった。タイヤも壊れていないし移動は可能だよ」
「そうか、まどっちでも移動だけ可能だけでも安心したよ…勇樹」
「可能の限り、こちらの部品で修理は可能だ。あ、その前に小梅さん」
勇樹の言葉に小梅は「あ、私行ってきます」と慌ててある場所へと走っていく。
「少し心配です…奈々様」
「はい、小梅さんが心配なのは私も同じです」
奈々の言葉に天女は「わかりました」と答えると、そのまま小梅の後を追っていく。
そして数分後、事情を知らない風紀委員たちに捕まった勇樹たちであった(あたりまえだけどね)。