「イヴ!」
『部隊詳細及びエリア情報確認完了、いつでもどうぞ。』
「あい、っと! 各隊指定位置まで移動! 頭の使い方ってのを見せてあげな!」
「了解! 行くぞてめぇら!」
イヴが情報を整理し、私が策を定めて、あの子たちが動いてくれる。昔と一緒の、ずっと同じだった戦い方。あはは、そういえば部隊のみんなが他の勢力、アベンジャーズみたいなみんなと戦うのって初めてかもしれないよね。いっつも戦場には私たちしかいなかったんだもん。
さ、私のかわいい娘たち。先輩にいいとこ見せてあげなさいな。
『了解!』
『こちら月面基地、補給物資を今から投下する。ちゃんと受け取ってね!』
『P-1了解、降下位置も把握。付近の安全を確保し、降下位置へ敵を誘導する。』
地上で戦ってた子たちへの物資は用意できなかった、ナノマシンが余ってたらポップシリーズの子たちが大好きな爆発物用に上げても良かったんだけど突入部隊の子たちの修復に全部使っちゃった。そこでイヴが気を利かせて月からマスドライバーでわざわざここまで物資を飛ばす用意をしておいてくれたみたい。
月から発射されて落ちてくるなんて単純な破壊兵器、補給と一緒に攻撃もこなしちゃうみたいで。ディスプレイ上のマップに大きな赤丸が追加される。サノスとかはちょっと難しいだろうけどブラック・オーダー級なら確殺だ。賢いねぇ。
「石を持ってる子はサノスから目を離さないで! 何かしてくる前に止めなさい!」
『『『はーい!』』』
「イヴ! ジュノー! 行くよ!」
黒い鎧を纏う末娘の一人と、ずっと私の隣に居続けた長女と共にもう一度空を飛ぶ。
空から地上の支援をし、空に浮かぶ厄介な小物を確実に落としていく。リヴァイアサンって言うデカブツもいるし獲物には困らない楽しい戦場だ。……さ、雑魚はこの程度にしておいてさっさとサノスの数を減らさなくちゃ!
と、その前にクイル君たちのところに近場にいる娘を向かわせておく。多分墜落したサンクチュアリの中にガモーラちゃんいるだろうし、ガーディアンズのメンバーで救出に行ってもらおう。さっきまで艦隊戦頑張ってくれてたみたいだからね。ちゃんと報酬の方は払ってあげなくちゃ。
それに彼女の方には例の妹ちゃんも向かってたみたいだし、みんなと合流して敵を内部からブチ転がしてくれればうれしいなぁ、って!
『スペース・ストーンを拾った子が近くにいますので彼女を向かわせます。』
「りょ! よろしく言っておいて!」
よしよし、じゃあ気を取り直して首取りに行きましょ、首。
どんなに訓練された軍でも頭が落ちればその動きに遅れが出てくる。しかも相手はサノスの恐怖と強大な力によって統率されている軍だ。絶対なるカリスマは非常に大きく強固な結束を生み出すけど、頭が落ちれば簡単に崩壊する。
「ジュノー! 他の子をサポートしてあげて!」
『わかった!』
原作にあったガントレットの奪い合いみたいな戦いじゃない。どっちが殺されて、どっちが生き残るかの戦いだ。
片足に大きな鎌のような刃物を生成し、縦に回転。
正直ちょっと酔うけど、遠心力ってものは結構偉大だ。普段の私じゃ出せないような威力で、その紫を半分こにしようとする。
「ッ! やっぱ止められるよね! ねぇその石の多重使用きつくないの? 早く楽になっちゃいなよ! オラァ!」
ソウル以外のすべての石を持っているサノス、世界にではなく自身の体にそのすべてを流し込んだ彼に刃は簡単に止められてしまう。力で単純な身体能力を、空間で体の密度を高め、現実で攻撃の透過すら可能にする。精神はその意識をより強いものとして確立し、時を使い続けることでどんな傷も一瞬で治るという異世界バケモノサノスだ。
現に殴りつけようとしたらそのまま透過、体を通り抜けちゃったと思ったら足をつかまれてしまった。こいつ石の使い方うまいな。
敵ながら感心感心、と思っていれば私の足をつかむその腕に手のひらほどの大きさのリングが高速で飛来し、石の防御を突破し叩きつける。それのおかげで私は解放され、サノスは後ろに軽く吹き飛ばされる。
「少し気が緩み過ぎだぞ、ツグミ。」
「あはー! ごめんごめん!」
私を助けてくれたのはウェンウーさん、この世界のテンリングスを使いこなすマンダリンのトップだ。あの戦いのときに腕輪の力を覚醒したままみたいで、私が見た原作とは違い黄金の光をずっと輝かせている。空は飛べるし、敵は打ち倒せるし、防御もできる。スーパー強いパパさんだ!
「というかさっき石の力無効化してなかった?」
「二年前と同じさ、あの時はワンの手助けが必要だったが訓練してね。あぁいった強い力を相殺する術を身に着けた。」
私に軽い説明をしながら左手に纏われていた五つのリングをサノスに放射し、石が嵌められたガントレットを覆うように巻き付かせるマンダリン。彼が軽く腕を振れば、ディスプレイに表示されていた奴の石の反応が非活性状態に、結構苦労しそうなサノス君が一瞬にして丸裸になっちゃった。
「……やば。」
「これでも子持ちでね、家族を消されるのは困るんだ。さぁ、行くぞツグミ!」
「あ、はい!」
若干遅れたが彼に合わせて私も前に出る、単純に走ったら絶対追いつかないのでホバー移動で後を追いかけるが彼の方が速い。石の力の行使から近接戦に切り替えたサノスであったが、1000年もの間裏社会の支配者であった彼には敵わない。振り落とされた大剣は最低限の力でいなされ、腕の一点を軽く押すことで奴の姿勢が簡単にずらされる。
いつの間にか奴の眼前にたどり着いていたマンダリンがその無防備な腹に右手を置く。
右腕に収まっていた残り五つのテンリングスが連結し、一つの長い腕輪に。掌底のインパクトと同時にはじき出されたソレはサノスの内臓を簡単に破壊しつくし、物言わぬ骸へと変貌させる。
正直私いらないよなぁ、というかウェンウーさん一人でいいんじゃね? という思いを抱きながら追撃としてナノマシンで生成したギガディスクを三枚、縦に放出しておく。すでに腹部からすべての体組織を破壊しつくされたサノスにそれを避ける術などなく、簡単に三枚おろしに。後は復活できないようにソウルストーンでその魂を隔離しておしまいだ。
「……あの、私いりました?」
「もちろんだとも、ほら奴の手甲を見てみなさい。」
そう言われてガントレットの方に視線を向ければ石の反応が復活している、どうやら石の効力を封じ込める力ってのはあんまり長時間発揮できないみたい。役目を終えた腕輪たちは彼の腕へと戻っていき、普段通りの功夫環の姿に収まった。
「さすがに長時間の拘束は無理みたいでね、君がいてくれて助かったよ。」
ワンみたいに時間を操られたら振り出しに戻ってしまうからな、と優しい笑みを浮かべながらかたき討ちに来たのであろうブラックオーダーの一人をテンリングスを発射することで封殺する彼。うん、やっぱ私いらんわ。
「……それに、血が繋がってないとは言え君は娘のようなものだ。ちょっとぐらい恰好つけさせてくれてもいいだろう?」
「あはは、敵わないなぁ……。ちゃんとそれほんとの娘さんに言いました?」
「もちろんだとも、なに子供の二人や三人変わらんさ。」
360度すべての方角に生成された魔法陣から数えられないほどの鞭が生成されている。彼女と同じことを弟子であるストレンジが行っていたが、その数も、鞭の太さも、出力も、すべてが上位互換。ソウルを除いたすべての石を持っていたとしても彼女には敵わない。マンダリンの扱う腕輪の力、インフィニティ・ストーンの無力化を魔術で再現した彼女はサノスを拘束し、その腕からガントレットを取り外していた。
「やはり、なっていませんね。」
「なぁ、炎の姉ちゃんよ。あいつもしかしてかなりやばい?」
「ヤバいぞ、アライグマ。逆らわんほうがいい、しかも毎秒強くなるバケモンだ。」
一瞬にしてサノスを拘束したエンシェント・ワンの近くでタイフォイドとロケットがコソコソ話をする。が、すぐに彼女からの視線を感じ取り、小さな悲鳴を上げておしゃべりをほどほどに中断し、お仕事開始。タイフォイドが熱操作によって十数体の敵生命体から熱という熱を取り除き、それを可愛いウサギさんが撃ち殺していく。
「ちゃんと仕事をしているようで何よりです、さて。」
二人の様子を確認した後、彼女はもう一度自身が確保したサノスへと向き直る。
元々、自身の後継であるストレンジが次の段階に進むためにその命を使うつもりであった彼女だが、すでにこの世界は過去に見た世界とはかけ離れたものになっている。
より多くを救うため彼に『石を渡すな。』と教え、自身が死ぬことですべての生命体が一時的に半減するという未来が最適解であった。しかし未来、そしてこの並行世界から外れた彼女が来た時から未来は常に変化し続けている。すべての起点となりうる彼女は、その性質故か常に完全な未来を見通すことは出来なかった。
故にあの悲劇が起き、この世界が辿る道も大きく変わってしまった。
「……まぁ。自身が託すしかできないはずだったものを、この手で解決できると考えれば。」
自身の死を偽装し、ストレンジの成長を促しながら並行世界へと渡る。皮肉にも彼女のおかげで並行世界間をどれだけ移動してもインカージョンの危険はなくなっていた、ツラヤバとの戦いによって戦士がいなくなってしまった世界に渡り、その平和を保ち続ける。必要なこととは言え、心に圧し掛かるものがあった。
「さて、私も仕事をしましょうか。」
あのまま魂が不安定のまま町に放り投げられればまた悪の道へと進み、少々厄介なことになる。そう判断し自身の旅に連れてきた彼女がここまで熱心に働いているのだ。それがどんな理由だとしても一応雇い主ということになっている私が何もしないのはまずいだろう。
視界に入る敵すべてと、目の前で拘束しているサノスをミラーディメンションへと連れていく。修練を積めば石の力を無理やり引き出している彼も使える、もしくは対抗できたであろうがそも力の使い道が間違っている。……っと、忘れるところでした。
「そこの、お名前は?」
『……え、はい。私ですか? パクスです。』
「コレをあなたの母親に届けてください、ちょっとした選別です。」
『え、ちょ! これガントレット、って石5つ嵌ってる!? あ、待って!』
では、少しこちらで遊んでいただきましょうか。
長い時を生きた身ですが、すでに成長が止まっているというわけではありません。この二年間各地でずっと治安維持活動を行ってきたわけですしね。
「彼女なら……、本邦初公開、とでも言うのでしょうか?」
◇◆◇◆◇
「うわ、あっちもエグ。」
ウェンウーさんと別れてアウトライダー君の上半身と下半身を引き裂いていれば、ちょっと遠くの方でワンさんが一帯の敵を全部ミラーディメンションにお連れしちゃった。あれ全部死体になって帰ってくる奴じゃん。しかもログ見返してみたら私とかマーベル先輩とかが協力して頑張らないと、って思ってた石五つ持ちのサノス即無力化してるし。
え、なに? 私が知らないところで皆さん強化イベントでもあったの?
ストレンジ先生も師匠がなんか復活してるからお話ししに行こうってマント君と一緒に向かってたらサノス瞬殺しててNowloadingになっちゃったし。……あ、復帰して彼もミラーディメンションに行った。
「なんというかよくある特撮大集合映画で端っこにいる二号脇役の気分……。」
『あ、あのマスター。ワン様からこれ頂いたんですけど……。』
「あ、うん。ストーンね。パクスちゃんが好きに使っていいよ。無くさないようにね~。」
二連続で圧倒的な力を見せられたせいか、やる気は別になくなってないんだけどちょっと拍子抜けしちゃった。娘の一人に指示を出しながら空を飛ぶチタウリ君を打ち落とす。
にしても、ね。
前提条件とか全然私の知るエンドゲームとは違うし、勝利条件もかなり難しくなってるはずなんだけど。
「拍子抜けするぐらい優勢に進んでるよね。っと、こういう時こそ気を引き締めないと。」
最初のアベンジャーズ。一緒にニューヨークを守ったみんなは誰も死んでないし、私が装備を用意したおかげだったら嬉しいんだけどみんなピンピンしてる。ウルトロンとの戦いで仲間になったヴィジョンは私たちと一緒に地球に降りて来て戦ってくれてるし、ワンダはもう彼の額に埋まる石を破壊する必要はない。それにこの場にいないはずだったピエトロは銀色の風となって戦場で倒れた人を後方に下げてくれている。
ローディも全身銃火器だらけで敵をハチの巣にしてるし、サムも頑張って空から地上を支援してくれている。スコット君は……、いつの間に来た? と思ったけどそういえばさっきワンさんにホープちゃんと一緒に連れてこられてたね。ちゃんと説明されたのかはわからないけど急に戦場に連れてこられたわけだし、色々大丈夫かな? ちょっとうちの子たちにサポートするようにお願いしとかなきゃ。
『マスター。』
「ん? ……あ、ちゃんと助け出せたのね! じゃ、たーまやー!」
私の声に合わせて奴らの母艦の中央で大きな爆発が起きる、そしてそこから飛び出してくるのは分かれて行動していたガーディアンズのみんな。アライグマ君とか木の枝君が声を上げて喜んでいる、片方は口が悪いしもう片方は自己紹介だけど。にしても結構大きな爆発、リアクターをオーバーロードさせるように言っておいたけどわざわざメインエンジンの近くで起爆してくれたのかな?
その爆発で何があったのかと確認しに来たのか、ストレンジ先生とワンさんがミラーディメンションから帰ってくる。大量の生物だったものと共に。ありゃりゃ、時間全然かからなかったですね。しかもみんな殺し……、てないな! うわサノス以外は全部不殺で完全に無力化してるじゃん、こわ。私こんなにスプラッタで頑張ってるのに! ほら今もサノスの兵士君真っ二つにしたよ! 血が赤くなくて新鮮!
『ま、まぁマスターは色々大変でしたし……。』
「いうなイヴちゃん、その言葉は私に効くぞ。っとォ!」
飛び掛かってきたアウトライダーの肩を踏み台にして空へ、同時に敵を蹴散らしながら飛んできたクリントの矢を方向転換させてさらにキル数を稼いでおく。ま、不殺は力のある人に許された魔法みたいなもんだ。私は地道に物理でいこう!
もう一度地上に降り立った私の上を後輩君、スパイディが飛んでいく。コーンを始めとしたうちの子たちが彼のスイングの支点となるドローンをいくつか飛ばしているおかげで結構戦いやすくなってない? あ、一応ドローンは人が乗れるし、砲台もついてるから決してピーター専用なわけじゃないんだからね! まぁ君がいなかったら用意しなかったと思うけど!
そんな彼に続くようにワカンダの兵たちが敵を押し込んでいく、彼らの王様であるティチャラが最前線で頑張ってるし、それに続け! って感じなんだろうね。バッキ―もロケット君と合流してあのぐるぐる射撃してるし、それを見て若干笑っちゃったマーベル先輩がそれを誤魔化すように頑張って敵の数を減らしてくれてる。
「う~ん、こりゃあ私も負けてられないね! ヨシ! もう一人サノス倒しちゃおう!」
残るサノスはこの世界のサノスと、確か石の数が少なめだったサノスの二人。これなら今の私でも誰かの助けがあれば確実に倒せる。今手が空いてそう、もしくはちょうど目の前の敵を倒し切れそうな人は……。
「あ、タイフォイド~!」
暇そうな人ミッケ! こっちの声に気が付いた彼女はすぐさま脚部に火炎を纏い、こっちへと飛んできてくれる。やっぱこの子ノリがいいや、すっごい助かる。私も同時に飛び上がって、宙へ。
「今からあの紫の一人倒しに行くから後ろ頼んだ!」
「は? 何いッ!」
有無を言わせる前にその首根っこをつかんでサノスが見える地点まで、ちょうど私の子供たちが抑えてくれている。誰かから奪ったのか死んだサノスから拝借したのかはわからないけどちゃんとソウル以外の石は揃えてるみたい。まぁそれでも大丈夫だけどね!
……ふふ、にしても昔はこんな風に楽しく戦えたらいいな。って思ってたっけ。ようやく夢が叶ったわけだ!
「合わせて、タイフォイド!」
「……ッチ! 一回だけだぞ!」
高所から、狙うのは奴の頭ただ一つ。私の右足と、彼女の左足を合わせ。
私はナノマシンですべてを貫く刃を、彼女はすべてを焼き尽くす炎を。
背面にブースターを増設し、背後に熱を集中させ。
「「はァァァあああああああ!!!!!」」
全力で、蹴り抜く。
「ッ! ストーンよ!」
持てるすべての石の力を拳に集め、対抗するサノス。
私たちの両足を、振り抜かれた拳がぶつかり、拮抗する。
「押し込むよっ!」
「あぁ、もう! 割にあわねぇ、なぁ!」
ならば、さらに追加すればいい。
最低限のナノマシンを残してその全てをブースターに。
持てる力のすべてを炎に。
亀裂が、生じる。
これまでのストーンの連続使用、すべての力を受け止めるために注ぎ込み、そして外部からストーンの力に匹敵するほどの圧力。限界を迎えたガントレットはその役目を終え。その左腕を引き裂き、焼き尽くした。
だが、ここは戦場。確実に殺すまで終われない。
「タイちゃん下ァ!」
上半身の左をほぼ切り裂いたとは言え、まだ奴は生きている。地面に着地した瞬間にブースターに使用していたナノマシンを分解し、再吸収。体のばねを総動員して反転する。
タイフォイドも同じように体を捻じ曲げ、次に狙うのはその足。確実に動きを止めるために先ほどの蹴りで使わなかった右足を振るい、その接合面を焼き尽くす。私も彼女に負けないように、使わなかった左足と、左腕にナノマシンを集中。その頭部を蹴り飛ばすために、そして二度と復活できないようにソウル・ストーンの準備。あとついでにこいつがもってた石の確保も!
後ろに回った私たちに反撃しようとしたのか、それとも壊れたガントレットから落ちた石を拾って次の攻撃に転じようとしたのかはわからない。ただ奴がそれを完了するよりもタイフォイドの火の方が速くて、足を消されて崩れ落ちる体を私が切り刻む方が速かった。
「しゃぁ! 残り一人!」
「はぁぁぁぁ、マジでわりにあわねぇ。クソ疲れた。」
奴を殺したおかげで周りから敵が逃げていく、すぐに再編されて帰ってくるだろうがその間に息を整えるぐらいはしてもいいだろう。いろんなこと考えてたりしてたけど、ずっと戦いながら、飛びながらだった。ちょっとぐらいならバチも当たらないよね。
そう思いながらタイフォイドの方を見てみれば、大の字になって倒れていらっしゃる。
「溜め込んだ熱も全部パァだよこちとら、せっかく大気圏突入の熱があって今日は楽に終わると思ってたのによぉ。」
「あ、やっぱり溜め込みとかできる感じ。」
「そーだよ、もう動く気にもならんわ。」
そう言いながら遠くの敵から熱を奪っていく彼女、多分防御することはできなくはないと思うがはっきり言ってこの子もヤバいのだ。あ、一応熱を奪われて動けなくなった奴らは私が処理しておいたから大丈夫大丈夫。
「さて、残り一人だけど……。」
下に転がっていた石たちが急に浮かび上がり、私の手元から離れていく。さっきまで出していたソウルストーンは急いで指輪の空間に戻したから大丈夫だったけど、他の場所で戦っていた娘たちから石が一点に向かって飛んで行ったという報告が次々と上がってくる。
ちょうど、キャプテンたちが抑えててくれた最後のサノスだ。
「……これでほんとに最後の戦いになりそうだね、気合入れてくよ! イヴ!」
『お任せください、必ずや勝利を!』
次回、最終話。