前世から愛をこめて   作:サイリウム(夕宙リウム)

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地獄からの使者!

親の愛に泣く男!

モンスター退治の専門家!

情け無用の男!

鉄十字キラー!

キノコ狩りの男!

100メートル先に落ちた針の音をも聴き取る男!

格闘技世界チャンピオン!






スパイダーマッ!





誰だお前は!

 

 

 

「ふ~ん、あれがこの世界のスパイディねぇ……。」

 

 

高速道路での戦闘。この世界のスパイダーマンとドクター・オクトパス、ドクオクが行っている戦闘を遠目に見ながら昼飯をぱくつく。急にこっちに連れてこられた時はどうしたもんかと思ったけれど、来る直前にご飯を買っていたのは私にしては非常に運がよかった。

 

 

「まぁ英語伝わらなくて何のサンドイッチかわからんってのがアレだけど……、にしてもナノマシンってすごいなぁ。個人でやってるのかどっかから支援を受けてるのか。」

 

 

今の力を手に入れる過程で私の味覚と嗅覚は使い物にならなくなった、そのせいで食事は視覚と食感を楽しむものになっちゃったんだけど……。これほんと何のサンドイッチだ?

 

まぁそれは置いておいて彼の装備だ。

 

ステルスモードで色々町をめぐってた時に気が付いたんだけど、多分アベンジャーズ・タワーみたいなビルがあった。もしこの世界のスパイディがそこに所属しているのであれば、アベンジャーズにいる科学者の面々からナノスーツとかの支援を受け取ることは可能だろう。

 

だけどコミックで知る彼の性格であれば親愛なる隣人としてのスタンスや、自身の正体がバレそうなものだし実際どうなのかはわからない。いやそもそもこの世界がどのマルチバースなのか全然わからないし、もしかするとアニメ基準だったりするかも。

 

 

「そういえば死ぬ前にマーベルがアベンジャーズの映画作る、って言ってたしもしかしたらそれだったりするのかなぁ? ……あ、でもさっき拾った新聞にスパイダーマン=ピーター・パーカーって書いてあったな。」

 

 

英語能力が拙いせいであんまり内容が解らないけど、書き方的に最近解った衝撃のスクープ。みたいに書いてある。あとなんか名前読めない奴を殺した、ってのも。

 

 

「翻訳機置いてきちゃったからなぁ……、にしてもこれが事実ならこの世界のクモちゃんはヴィラン? というかそもそも私がここに来た理由もわからんし……。」

 

 

状況がヤバそうになればすぐに飛んでいけるよう準備をしながらそんなことを考える。ちょうど今、ドクオクに投げ飛ばされた人の乗ってる車を蜘蛛ちゃんが捕まえて救助してることから多分彼がヴィランであることはないだろう。スパイディがヒーローで、ドクオクがヴィラン。前世読んだコミックスのセオリーに沿ったわかりやすい構図だ。

 

 

「あ、車に叩きつけられてる。痛そ……。」

 

 

ドクオクに武器として投げつけられた車が高速道路の橋から落下、中に乗っている人を発見したこの世界のスパイディが何とかそれを救助するが、その隙を狙われ胴体をアームに捕獲される。待っていたのは強烈な叩きつけ、そして固そうな看板に向かってポイ、だ。すごく痛そう。

 

普段ならこの状況で放置なんかしないし、というかしたらクソ怖い先輩方にめちゃくちゃ怒られるので飛び出すのだが今日は状況が違う。この世界の法がそもそもわからない状態で動くのは危険すぎる。登録されてない力を持った奴は即逮捕! とかありうるわけで。

 

自己の保身がメインだけど誰かが殴られて何も感じないほど冷酷でもない、疲れるけど補給の目途がないので自身の手首から糸をだしスイングで橋の上まで移動する。情報収集のためにも彼らの会話は聞いておきたかったしね。……あ、今もステルス能力で隠れてるからバレてないよ! 多分!

 

 

『やはりあの時お前のガールフレンドを殺してくべきだった。』

 

『今なんて言った?』

 

 

ガールフレンド? 殺す? ……もしかしてこのドクオク『スパイダーマン2』な感じの人? クモちゃんもなんか怒った感じの声出してたし。でもあの映画じゃこんなに町発展してなかったし、ナノマシンとか全然なかったよね? というかスパイディそのかっこいい感じのサブアーム何? 新兵器? うわぉ、そそるぅ!

 

ドクオクが自身のロボットアームを見ながら『お前たちのライバルだな』と一言、それを皮切りにもう一度戦闘が始まる。多分だけど何かしらの理由でドクオクが復活したんだなこの感じ! だって思いっきり『スパイダーマン2』だもん! 多分私があっちで死んだ後に公開された『スパイダーマン6』とかだな! つぐみちゃんわかっちゃった!

 

伸縮自在のロボットアームで周りの被害を気にせず目の前の敵を倒そうとするドクター・オクトパスに、回避を優先しながらサブアームで体を支え普段ならできないような姿勢で確実な一撃を狙うスパイディ。上に報道のヘリが飛んでいるのに二人とも全く気にしてない。私の世界なら真っ先に破壊されそうなもんなんだけど……。

 

 

『ピーター! 助けて!』

 

 

響いた悲鳴にほぼ同時で反応する私とこの世界のスパイディ、だが意識が他の場所に移ってしまったことでドクオクに両腕をつかまれ、拘束される。しかもギリギリでアクロバティックな映像を取ろうとしていた報道ヘリのプロペラにその体を押し付けようとしてるじゃないか。

 

あっちも助けたいし、こっちも助けたい。でも報道ヘリが来ている場所で自分の姿をさらすのは怖い。この力を持つ者であればそんな葛藤に陥ることはないだろうが、やっぱり自分のことを大切にしてしまう。五代ちゃんとかは笑って許してくれそうなもんだけど、先輩というか師匠たちは絶対許してくれないだろうなぁ。

 

っと、そんなことを考えていたら普通にピーター君が拘束から抜け出してさっき助けを求めた人の元へ走って行った。

 

 

「さ、さすがにこれくらいはしとかないと後が怖いので……。」

 

 

掴んでいたヘリを投げ飛ばし、ピーターを追い始めたオクトパス。元の世界に帰った後、無駄に勘のいいあの人たちに折檻されるのを避けるため一応仕事はしておく。バランスを崩して墜落しそうなヘリに飛びつき、橋に糸を伸ばすことで無理やり姿勢を安定させる。これぐらいならステルス剥がさなくてもできるし、カメラの画角から外れている。

 

 

『今行きます! 大丈夫ですからね!』

 

『ピーター!』

 

 

墜落を止めたのは良かったけど、今度は橋から人が乗ってる車が落ちそうになっている。ピーター君もドクオクに邪魔されて間に合うか微妙なところじゃないか。さすがに見殺しにするのはヤバい!

 

張り付いていたヘリから飛び降り、橋の裏側に回る様にして張り付く。露出していた手首の肌をスーツで隠し、ウェブ・シューターを緊急起動させる。選ぶのはステルス・ウェブ、私に備わったステルス能力の一つ、光学迷彩の能力を付与した糸だ。この世界での補給が見込めない以上使わない方がいいけど、そのせいで人が死ぬのはマズすぎる。

 

彼の糸と、私の糸が車に張り付くのが同時。何とか下に落ちる前に止めることができた。

 

 

「しかも下線路かよ、こわぁ。」

 

 

『あれ、思ったより軽い……、いや今は! 大丈夫ですか!』

 

 

「あ、マズ。バレる。」

 

 

ちょっと気が付かれた気がするけど多分大丈夫、乗っているおばさんを助けようと下に飛び降りるピーターから身を隠すように橋の裏側に張り付く。いくら私のステルスがかなりの高性能と言えどもさすがに温度でバレる。体温をできるだけ下げ、橋の裏側で出来るだけあったかいところに移動する。退散しようにも、ちょうどドクオクも下に降りてきたからね。もし彼が負けたりした場合私が戦わないといけないだろうし。

 

 

そうこうしてる前にロボットアームに捕まってぶんぶん振り回されるピーター、まぁ彼も超人だろうから痛いけどそこまでなんだろう。普通に車の中に人に声掛けしてるし。

 

 

「にしてもほんとにいいスーツだな、私もほしい。」

 

 

『スーツ破損』

 

『ナノテクノロジーか? これはすごいな。ピーター。』

 

 

たぶんドクオクも私と同じことを思ったのだろう。クモちゃんのスーツを引きはがしてナノマシンを分解、自分のロボットアームと同化させちゃった。こっちもすごい技術、なんというか一人の科学者として負けた気持ちになっちゃうのでそんなすごいの見せないでもらえます?

 

 

『自分とおさらばだ、死んでもらおう。』

 

 

「あ、まずい!」

 

 

技術力の差に悲しんでる場合じゃない、アームに仕込まれた大きな針でその命を奪おうとするアーム。どうにかしてそれを止めようと糸を伸ばす。

 

 

だが。

 

 

私の糸は急に出現した金色の輪っかに吸い込まれ、切断される。そして止められないと思ったそのアームはピーターの胸に突き刺さったが、顔の部分のスーツを胸に移動させることで防御しちゃった。

 

というかそれよりも!

 

 

「『ピーターパーカーじゃない?』」

 

 

誰だこいつ! 私たちのスパイディであるトビー・マグワイアじゃないぞ!

 

 

『言ってることがさっぱりなんだけど。』

 

『……どういうことだ?』

 

 

ロボットアームと顔を見合わせるドクオク、いや私も『どういうことだ!?』なんですけど! なんでピーターの俳優さん違うの!? トビーじゃないの!? 私のトビーは!? いや私のじゃないけど……! というかお前誰だよ! しかもなんでさっきまで戦ってたドクオクが困惑してるの!? 『スパイダーマン6』とかじゃないのココ!? あとさっき出てきた金色の輪っか何!? 私の糸どこ行った!?

 

 

『デバイス操作完了、テレポート完了』

 

『……! ヤツではなく、私の言うことを聞け!』

 

 

 

 

「……わ、命令権奪っちゃった。」

 

 

しかもこっちが困惑してるうちにもう決着ついてるし! え、なに? そのナノスーツ相手の機械の命令権とかも奪えちゃうの? そんなに科学進んでるの!? え、もはや驚きを通り越して怖いんだけど。私のシューターとかキッカーも全部奪われちゃうってことでしょ? 猶更バレるわけにはいかないじゃん……。

 

 

 

『アハ、アハハハ!』

 

『おい! おい! ヤツではなく私の動きに合わせろ!』

 

 

 

「はぁ、いったい何なんの世界なんだろここ……。」

 

 

ステルス能力をそのまま使用しながら、彼らの死角に入る位置に身を置きながら彼らと共に橋の上に上がる。まぁとりあえずピーター君が勝ったみたいだし、ドクオクは鎮圧されたし、車に乗ってた人は助かった。うん、それは良かった。

 

でも私が置かれている状況の把握はもっとよくわからなくなった。ドクオクの顔が私の知ってる彼だったし、話している内容も『スパイダーマン2』っぽかったからその延長上にある世界なのかなぁ? と思ってたらピーターの顔違うし、ドクオク先生もそれに驚いてるし。マジで意味わからん。

 

 

「マルチバース、ってことなのかなぁ? こんなことならディケイド君でも連れてきたらよかった……。」

 

 

ピンクじゃなくてマゼンタの後輩君のことを思い出していると、少し離れた場所に金属の球体が転がる音。あ~、うん。お代わりですかい?

 

私が身構えた瞬間に、爆発。車の中にあったガソリンに引火したのかワンテンポ遅れてさらに大きな爆炎が上がる。

 

その煙の中から出てくるのは……

 

 

 

「グリーンゴブリン。」

 

 

緑の鎧に搭乗するのは飛行メカのグライダー、片手に緑の光を宿すパンプキンボム。前世見た『スパイダーマン』の世界の彼と全く同じヤツだ。え、なに? もしかして同窓会でもしてるの?

 

 

『オズボーン?』

 

『え?』

 

 

ドクオクがそうつぶやいた瞬間、大きな笑い声を上げながらゴブリンが二人目掛けて突っ込んでくる。ナノスーツを纏い直しすぐさま戦闘形態に移るピーター君だったが……、なんか横から現れた黄金の輪っかに吸い込まれて消えちゃった。

 

 

「……あれ。」

 

 

あ~、もしかしてコレ。私が何とかしないといけない感じ?

 

 

 

周り見るじゃろ、戦える奴いないなぁ。

 

しかもすごくうれしいことに避難が済んでて誰一人いないよねぇ。

 

それにここでゴブリンとっちめないと市街地の方行くかもしれんよねぇ?

 

 

 

「やったろうじゃねぇか、クソ野郎!」

 

 

もういい! もう吹っ切れた!

 

 

 

「往生せぇやァ!!!」

 

『ッ!』

 

 

 

攻撃目標だったピーターを見失い、驚いていた彼の背後からアンブッシュ。ステルス能力をoffにして全力で殴り掛かる。声を出して殴ったせいか、綺麗に避けられるがもうどうでもいい。

 

もう知らない、もう怒った! いきなり知らない世界に落とされて、予想も全部外れてなんか置いてかれた! しかも私戦わないと他に被害出るんじゃろ!? ならもうヤルしかねぇじゃん! この心の奥底に沸々と溜まった怒り! お前で発散してやる!

 

 

『後ろからとは卑怯じゃないか……。誰だ、お前は?』

 

 

『地獄からの使者! D‐スパイダー! 私怨によってぶん殴らせてもらう!』

 

 

看板に糸を伸ばしスイング、上空に上がることで高さを補充。ラリアットと共に足払いをかけることで無理やりグライダーから彼を叩き落す。上をビュンビュン飛び回るのは大嫌い!

 

 

「っ、やっぱ戦闘慣れしてる。」

 

『日本人か、それに女。女子供は殺されないとでも思ってるのか?』

 

「だれの身長が低いってぇ!?」

 

 

気にしてるんだぞこっちはァ!

 

怒りをそのままに近接戦に移行する。心は熱く、頭は冷静に。

 

殴り、蹴り、受け止め、避ける。こっちも放射能グモに噛まれた超人だが、相手もパワー増強剤によって強化された超人。単純なスペックは多分同じくらい、戦闘経験はこっちの方が上だと思うが……、センスはあっちの方が優れている。

 

単純な近接戦であれば、おそらくどちらかのスタミナが切れるまでの戦闘になったんだろうけど……。

 

ゴブリンの渾身の蹴りを回避したところに、横からこちらを突き刺そうと襲ってくるグライダー。映画で見た遠隔操作はこの世界でも健在のようで明らかにこちらを殺しに来ている。一応こういった機械に対しての対応策はあるんだけど、もうちょっとチャージが足りない。大技にも使いたいし、もう少し時間稼ぐか?

 

……いや、私の世界での怪人相手の出力でやったら殺しちゃう可能性もあるか。さすがに知らない世界での人殺しは勘弁、病院送り程度の出力でやっちゃいましょう。と、いうことで!

 

 

「っと!」

 

 

足の力だけでバク転し、向かって来たグライダーに飛び乗る。そして体内に溜めていた電気を!

 

 

「放出!」

 

 

回路をマヒさせる程度の電流を流し、グライダーを一時制御不能に、そのまま地面に叩きつける。ーからの!

 

離れた場所にある標識の柱に糸を伸ばし、思いっきり引っ張る。同時に腕を振りかぶって! 振り抜く!

 

 

『ッグ!』

 

「おっと、仮面割っちゃった? そっちの顔の方が好きだよ私は!」

 

 

振り抜いた拳を起点に、彼を吹き飛ばす。同時に彼の仮面に力を籠め、腕の力だけで空高く舞い上がる。威力は抑えめでいい。いつもみたいに吹き飛ばす必要はないのだから。

 

 

「本邦初公開、ってことで! ヴェノム・チャージ!」

 

 

右足に生体電気を集中させ、放電させる。普段よりも籠める力が少ないせいか発光具合も威力もお察しだが、意識を刈り取るくらいなら確実にできる。ゴブリンを退治した後は適当に柱にでも括り付けて現地の警察のお世話になってもらうとしよう!

 

 

「電光ッ! キック!」

 

 

自由落下と共に、その胴体に向かって狙いを定める。後は叩き込むのみ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なぁこの世界の私、これさすがに止めた方がいいよね。』

 

『あ、ごめん。頼んだ魔術師な私。』

 

 

 

 

私の足が奴の体を捕らえようとした瞬間、私の体は黄金のリングに包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ! やろ! ほら! 絶対気持ちいいって!」

 

「何が悲しくて自分とやらなあかんのよ……。」

 

「というか自分にナンパとかどういう神経してるの私。」

 

 

 

 

 

 

 

「……あのさ、なんでここにいる私全員泣いてるの?」

 

「ユキを失っちゃった子たちがこの世界のユキ見て感情が壊れちゃったみたいで……。」

 

 

「うんうん、解ってる、解ってるよ。ちゃんとあなたの思いは伝わってるから泣かないで。」

 

 

「いや私も同じ立場だったらそうなりそうだけどさ、なんかもう託児所みたいになってるじゃん。泣いてる子あやす保育士さんみたいになってるじゃん。」

 

 

 

 

 

 

 

「ロ、ロキの娘っていったい何があったらそうなるん?」

 

「いや私に言われても……、なんか地球人といい感じになって私が生まれたらしいけど……。」

 

「マ、マルチバースってすげぇ……。あ、先に謝っとくけど私自分の世界のロキ処理しちゃった。ゴメンゴ♡」

 

「え、殺しちゃったんですか!?」

 

「だって『世界の異物』とか言ってくるんだもん……。つい、カッとなって。まぁ結局ソレ偽装だったけどさ。」

 

 

 

 

 

 

 

「だーかーら! なんで巨大ロボット作ってないの! 人型巨大決戦兵器! 作るでしょ普通!」

 

「いやあんなのただの産廃じゃん、姿勢制御だけでもどれだけ要求されると思ってるの。」

 

「全然戦争向けじゃないし、作るとしても戦意向上のお飾りぐらいしか……。」

 

「はぁ? 表出ろ私ィ!」

 

 

 

 

 

 

 

「それでねそれでね! つぐみがね!」

 

「え、何! そっちの私たちそこまで進んでるの! キャー!」

 

 

「ヤバい、一緒に来たユキが他世界のユキと意気投合しちゃった。」

 

「……絶対しゃべっちゃいけないことまで喋ってるよアレ。ほら一緒に来た私、顔がゆでだこになってる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ふぇ?」

 

「お、やっとこっち来たなスパイダーな私。魔術師な私もありがとねー!」

 

「気にしなくてもいい、しかし何人かばらけているのを見ると他にもはぐれている者がいるかもしれんな。」

 

 

グリーンゴブリンにとどめの一撃(とどめじゃない)を打ち込もうとしたとき、目の前に黄金の輪っかが出現したかと思えばよくわからない場所に飛ばされていた私。というかどう考えても、いやスパイダーセンスが示していることを信じれば自身と同様の存在が無茶苦茶いる。え? 何ココ。というかさっき結構勢い付けて攻撃してたのになんか全部威力相殺されてるんですけど!

 

 

「やぁ別世界の私!」

 

「や、やぁ?」

 

「私、この世界のつぐみちゃんね? 今かくかくしかじかでそんな感じだからよろしく!」

 

「あ、ハイ。」

 

 

かくかくしかじか、のところで脳内にさっきまで存在しなかった知識が出現する。あ、ダメだ。目の前の私逆らったらダメな奴だ、どうあがいても勝てない奴じゃん。

 

 

「さすがにあのタイミングでゴブリンちゃんをKOされるのは困るのでこっちに来てもらいました! ほら、さっきまであのスクリーンであなたの戦いが放送されてたんだよ?」

 

 

そう言いながら彼女が指すのは、宙に浮かぶホログラムらしき青い画面。野球の振り返りみたいな感じでさっきの私の戦いが大画面で映されている。しかもたくさんの私たちがそれを見ながらなんか喋ってる! うわ、なんかすごく恥ずかしくなってきた! というかアレ私の思考も表示されてるじゃんか! え、何? 全部筒抜け!?

 

 

「まぁ、なんだ。貴殿の世界で言う、全員大集合の映画版みたいな現象が今起きている。とりあえず慣れた方が気が楽だぞ。」

 

「ま、魔術師な私……。」

 

 

 

 







〇スパイダーな私

地獄からの使者! スパイダーマン! ……ではなくD‐スパイダーとして活動中。東映版スパイダーマンの世界で戦っている。先代スパイダーマンが倒したはずの鉄十字団が復活し、家族や友人のすべてが殺されてしまった。彼女は復讐のため自力で放射能に汚染されたクモを作り出し、自分に噛ませることで力を得た。鉄十字団と戦い続ける中、一度倒れてしまうがそこを仮面ライダーV3に救出され昭和ライダーたちの薫陶を受けることになる。1990年生まれで2000年ぐらいから戦い始めたのでクウガこと五代ちゃんとは同期。(東映版スパイダーマンが仮面ライダーV3が過去にコラボしたことにより二つの世界観が合わさった世界の出身、能力としてはマイルズスパイダーマンに近い。)


〇魔術師な私

ストレンジ先生に弟子入りして、彼の後任として至高の魔術師に至ったお嬢様。なんか呼ばれた気がしたのでこの世界に来たが、自分がたくさんいて驚いた。師匠であるストレンジから愛する人の愚痴をずっと聞いていたため、自分の世界のユキを裏切らないように立ち回った結果無事結ばれていたりもする。ブチ切れたワンダと喧嘩したことがあるが、普通に五体満足で帰ってきているあたり能力は非常に高い模様。他の自分が結構悲惨な目にあっていることを知り、『自分ってかなりマシな部類じゃん』と思っていたり。



長くなっちゃいそうなので一旦ここで区切ります。


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