「い、いちち。ちょっとこれシャレならんて。」
脳波が元に戻ったらしくようやく解放された私。正直スーツ脱いでベッドにダイブしたい身体的疲労&精神的疲労なんですけど現在敵陣、脱いだ瞬間イヤーッ! アバーッ! される可能性しかないので出来ないんですよね。つらたん。
「死なない程度の電撃に無理やり体動かされたせいで関節も痛い、踏んだり蹴ったり。」
まぁタイフォイドの洗脳知っているくせに完全に油断して食らっちゃった私が悪いんですけどね。……まぁ一応洗脳時のデータ取れたからよしとするか? これを元に対策取れるかもしれんから技術の発展には(自分の)犠牲はつきものってわけで納得しましょ。
「イヴ、洗脳時のデータ出して。簡単に現状把握しておきたい。」
『かしこまりました。』
え~っと? 一応洗脳時の記憶も残ってるけど確認しますと……、なるほどなるほど。外部のニンジャが残り700弱ぐらい、内部に残ってるのが大体100+タイフォイド。味方側は私に石井っち率いるヤクザ1500ちょっと。
「う~ん、相手側けが人とか気にしないで放置してるけどこっちはそうはいかないみたいだし、数的不利はそのまま、+して立地も挟み撃ちされてるからマズいってわけね。」
さっきまで内部からビリビリ電気流して青い電流がほとばしっていたせいか、味方のはずのヤクザさんたち結構離れてるけどけが人の保護とかで大変そうだしね。実質動けるのは1000もない感じか。
「お、おい嬢ちゃん。大丈夫なのか?」
「あ、石井っちごめんごめん。怖かったでしょ。」
「いや怖かったというか色々大丈夫というか……。」
「アレ待機時攻撃受けないようの防衛みたいなもんだから(嘘)安心してね♪ っと、じゃあ真面目な話しようか。外の奴らにニンジャ以外のヤバい奴。幹部級の奴とかいた?」
一応の確認、イヴが見落としていたりカメラに映らないタイプの奴だった場合困るからね。確認大事。
「いや、ヤバそうな奴は見かけてない。普通のニンジャだけだ。」
「ん、ならよし。じゃあ情報の共有するね。外に残ってるニンジャが大体700行かないぐらい、内部に残ってるのが100ちょっと。」
「……マズいな。後ろに怪我人を回しちまってるせいでそこを突かれたら士気も崩壊する。」
「しかも100の方に幹部級一人、ここ右もツインテあるでしょ? ココ奴にやられちゃった。」
右側の房、ツインテを石井っちに見せる。私の目の前に広がるディスプレイ表示をみると内部三つのリアクターの一つがほぼ機能停止になっている。……タイフォイドヤバいね、16.7%の機能低下だ。正確にはエネルギー切れが早くなっただけだけど。
「そのアーマーは見た目より硬いんだよな? それを抜かれるってことは……。」
「かなりの強さ、多分普通のヤクザさんとかだったら無双されるんじゃない?」
口に手を当て考えをまとめようとする石井っち、彼の頭の中に何が入ってるかは知らないけど戦略とかそういうの考えているだろう。でもまぁニンジャがいつ攻めてきてもおかしくない。行動はお早く致しましょう。
「うん! じゃあ私が内部100人殲滅してくるから外の奴何とか防衛しといてよ、お屋敷のギミック使えば守るぐらいはできるでしょ?」
「……それぐらいしかないか。了解した、だが一人でやり合うのにも限界があるだろう。二小隊分つけるから弾避けにでも使ってくれ。もともと死ぬ覚悟はできてる奴らだ、心配はない。」
そういうと前線の方から下がってきた60人ぐらいのヤクザさんがぞろぞろとこっちに向かってくる。……うん、面と向かって並ばれると迫力あるな。みんなグラサンだし。
「いいの? じゃあ後ろからチャカたくさん撃ってもらおうかな? 私に豆鉄砲効かないしフレンドリーファイア問題なし! 簡単なおしごとだね!」
「了解です、支援させていただきます。」
「頼んだぞ。……お嬢、これ終わったら飯でもいこうや。」
ヤクザ小隊を引き連れ屋敷の奥に進もうしたとき、後ろからそう声をかけられる。メシ、ね。シャワルマでも食べに行く? ま、この近くにそういうのないだろうしヤクザの人数的に入れるお店なんかなさそうだけどね。
お手手を上げてお返事。後でごはん行きましょうね~。
……にしてもお嬢か。
お嬢、お嬢、お嬢様。ここから生き残れれば石井っちの組と仲良くするんだろうしずっとそう呼ばれるんだろうね。だって呼びやすいし。
お嬢様って言えば、このスーツのサブカル元。この世界には存在しないとあるアニメのキャラクターが思い当たりますな。……今私ナナシちゃんだしもらっちゃうか?
前世の世界から秘密結社Dとかが法律片手にやってきそうだけど……、ま使わせてもらいましょうかね。あのキャラ好きだし。
「シシカバブー? イルカが見たいわ。後で水族館行きましょう。」
『イルカでございますか。ちなみにマスター、私の名前はイヴでございます、団体の予約しておきますね。』
「愛でてよし、食べてよしらしいからね。」
『いずれかの保護団体からバッシングを受けるかと。』
ドロッセル・ジュノー・フィアツェーンテス・ハイツレギスタ・フュルスティン・フォン・フリューゲル(Drossel JUNO-XIV Heizregister Fürstin von Flügel.)
これが今日から私のヒーロー名だ、家に帰ったらカポエイラを学ぼう。
「長いからもうドロッセルでいいか……。」
『それがよろしいかと。』
◇◆◇◆◇
「……ッチ、解かれたか。」
脳内のつながっていた感覚がなくなる、あのよくわからない白いアイアンマンみたいなやつにテレパシーで『私の下僕になる』って行動方針を植え付けたけど解かれたみたいだ。
「結構疲れるからしないのに損になっちまった。」
まぁかなり強い衝撃かなんかを与えないと解けなかったはずだしダメージにはなったろ。外を囲うニンジャどもも集結したらしいしどっちみちアイツは私を倒しに来るはず。そう考えれば得だ。
「んで? 外はどうなってんの?」
「は! 欠員が出ているそうですが問題ないのこと。外部には虫一匹逃さぬ構えです。」
「そうかい、じゃあ仕事しますかねぇ。」
ウエダが死んだってことはこの街を仕切るヤクザの棟梁が一人減ったということ、残る一人はわざわざ首を差し出しに来てくれたイシイのみ。奴を倒せば自然とヤクザどもは崩れてオオサカはヤミノテのもんだ。そうすれば私の仕事は終わり、前金の数倍入ってくるし当分仕事しなくていい。まぁ面白そうな仕事や儲かりそうなもんがあればやるだろうけどねぇ。
そんなことを考えながら歩を進める、狭い島国なのに無駄に土地を使ってるこの屋敷。廊下だってストリートくらいあるもんだ。少し目を凝らせばだれがいるかぐらいすぐわかる。
「ご報告! 敵ヤクザが進行先で陣取っている模様! 又先ほどの白いアイアンマンも発見!」
「ふぅ~ん?」
陣取っている、ねぇ? 洗脳が解けてからそんなに時間が経ってないのにお早いこと。こりゃ完璧にヤクザとあの白いの繋がってんな。
ちょうどいい、ややこしいこと考えずに済む。両方ぶっ飛ばせば終わり。シンプルは大好きだ。
「やぁタイちゃん! さっきぶり! 元気してた?」
「はッ! そりゃあ元気にしてたとも。お前さんとは違ってねぇ……、どうやって洗脳を解いたか知らないが裏切る可能性がある下僕はいらねぇ。けったいなスーツ着てるもんだから丸ごと貰おうかと思ってたけどやめだ。ここで殺す。」
「アハッ! 怖い! じゃあ私もタイちゃんの事大阪湾に沈めちゃうね? これでおあいこだ!」
「そうかい……、お前ら。」
「撃ち方用意、出来るだけ払うけど近接戦の覚悟もしといて。」
刀が、銃が、交差する。
「ヤミノテ幹部、タイフォイド。そろそろ名前は決まったかぁ? 白いアイアンマン。」
「ドロッセル。さ、その悪いお口を吹き飛ばしてあげよっか。」
リベンジが、始まる。
短くて申し訳ない。次話はこの章の終わりまで進めますのでお待ちください。
それとお嬢様のお名前について活動報告の方で少々書かせていただきました、呼んでいただかなくても何も問題はありませんが「もうちょっとお名前凝って欲しかった」という方向けに書いております。