その後の話+メイキング
「では、改めて自己紹介させてもらおう。S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーだ。」
「こちらこそ、ドロッセルこと大宙つぐみ、この大阪を根城にするヤクザのニュー親分。ドロちゃんって呼んでね♪ あとこっちはこれまで頑張ってくれてた石井組総長にして昨日から私の右腕の石井君ね。……あ、後ろの護衛の人たちの自己紹介もする?」
「いや、大丈夫だ。」
「……嬢ちゃん思ったよりも若くてちみっこだったんだな。」
戦闘終わり、戦場となった武家屋敷ではS.H.I.E.L.D.のエージェントさんたちとヤクザさんたちがあとしまつをしているころ。私と煮卵、あと石井っちの幹部たちは秘密のお話をしようと石井っちの本拠地にやってきていた。
あとちみっこなのは触れないでほしい。
「まぁまだ未成年だからピチピチです。あと身長の話はするな、もう伸びないから気にしてるの……。」
「お、おう……。」
「話を進めていいかね?」
「「どうぞ。」」
というわけでお話が進むわけです。まぁそんなにややこしいことを話し合うわけではないから気楽でいいね。S.H.I.E.L.D.が要求するのは私たちが敵対しないこと+彼らにとって厄介なニンジャ、“ヤミノテ”と戦い続けること。あと追加して日本においてS.H.I.E.L.D.のエージェントが活動するときはセーフハウスなどの支援をすること。
S.H.I.E.L.D.、正確に言うとニックにしては優しい条件。もっと色々制約とか課してくるかなぁ~? と思ってたけどそういうもんなんですかね?
「我々としては敵対している“ヤミノテ”を押さえつけること。そしてニンジャのせいで不透明になっていたこの国における情報を入手すること、それが目的だ。」
「ふ~ん? んで? ニックちんは何くれるの? 私たちからすればニンジャとやり合ってこの国から奴らを消し去るのは確定事項だし、セーフハウス関連は別に何でもない。受け入れるのは簡単。情報提供も別に断ることじゃぁない、共同戦線はるんだしね?」
「対価としてこちらからは資金援助、および技術提供などを考えている。」
あ~、なるほどね。お金とか色々あげるから私たちの代わりに色々やっつけちゃってくださいと。私たちは目的を果たせるし、S.H.I.E.L.D.としては厄介な敵の力を削げるからちょうどいいと。
「はいはいなるほどね……、石井っち? 石井っちの組ってお金の洗浄ってできる? あっちさん一応国連の組織だからそういうの必要になると思うんだけど。」
「……あぁ、大丈夫だ。」
「そう? ならいいや。じゃあニックちん?」
そうやって合意のための握手を差し出す私。だがまぁ案の定、眼帯腹黒煮卵はこんな程度じゃ終わらない。
「おっと。まだ握手は早いぞイタズラガール、今は組織間の話だが今度は組織と個人のお話。“君”と“私の”話だ、とりあえずこれを見たまえ。」
手渡してくるのはこの時代にとっては珍しいタブレット。石井っちが『ナニコレ?』って顔をするようなハイテクマシン、スライドするとホログラムが出てくる奴だ。
「君が仕掛けてくれた“イタズラ”。解除に大変時間がかかった。」
「あ~、うん。ごめんね?」
「そして、今君が見ているのは最近外部に流出した武器の設計図だ。まったくもって理由は分からないが逆探知をしてみるとこの大阪の街にその犯人はいるらしい。」
「へ、へ~。そうなんですね!」
「まぁそいつはやり手のようで大阪まで割り出せた瞬間に別地域からの反応が大量に出ててね、正確な場所までは解らなかった。」
「………う、うん。」
「そこでだ、同じくS.H.I.E.L.D.のプロテクトを破れる君にセキュリティ強化プロジェクトに参加してもらいたい、もちろん今君が見てしまった武器たちの開発にも、だ。まぁ業務上危険なこともあるだろうから君ご自慢の白いスーツで出社してくれても構わないとも。」
あ、あはは……、バレてらぁ。まぁバレるようにしたんだけどお怒りというか目力がヤベェのなんの。こりゃぁ眼力だけでエイリアンやっつけられそう。こわ。
まぁ長官が言いたいのは私たちが今から作ろうとしている新規のヤクザ組織とは別で私と契約、正確には外部研究員として色々手伝え、ってことなんだろうね。劣化とはいえアイアンマンスーツを作れたことを評価&ハッキング関連も見てくれているようで何より。
アベンジャーズとかは“まだ”駄目だけどS.H.I.E.L.D.の力を蓄えるためには色々しておきたい。まぁそんな感じか。この時期のトニーってS.H.I.E.L.D.の技術顧問とかしてないフリーだから『対アイアンマン』として私を使えるようにしておきたい、まぁそんな感じかな? ……もしそうなったら多分トニー側つくけど。
差し出されるのはニックの手、すっごいいい笑顔。たぶんこれ手を取らないと外に待機してる武装隊にやられるんだろうね、さっきイヴから外に変なのいるって報告受けたし。は~、こわ。
「本来ならば然るべき場所についてきてもらうことになるが……、どうかね?」
「……はぁ、おけおけ。それでいいよ。でもお金ちゃんと出してね?」
にっこりしながら握手をする私たち、隣にいる石井っちの『なんやこいつら』の視線が凄く印象的でした。君もこっち側になるんやで?
◇◆◇◆◇
『で、では~! イルカさんたちの投げ輪潜りですよ~! うまくできたら拍手でイルカさんたちを褒めてくださいね~!』
(怖い、怖い、怖い、怖いィいい~~~!!! 道理で! 道理で先輩方急に私に優しくなるわけだ! 一人前になったし君一人で十分回せるだろう。頑張ってくれたまえとか言われるわけだ! しょりゃ常人じゃ逃げるよ! しょしょくさにげるよ! なんでステージの観客席全部ヤクザさんなの!? 団体様の貸し切りって聞いてたけどヤクザさん!? ヤクザナンデ!?)
ところ変わって水族館、イヴがマジで水族館を団体貸し切りしちゃったせいで『水族館貸し切っちゃったんだけど打ち上げそこでする?』『お、おう。わかった。』というやり取りがございました。なおニックも誘ったけどお仕事があるそうで不参加です。
ケガした人とかもいるので自由参加の水族館打ち上げ会。私が『今からイルカさんのショーを見に行きます!』と言ってしまったせいでステージいっぱいのヤクザ。インストラクターのお姉さんが泣きながら頑張ってるのを見て食べるクジラバーガーは微妙な味です。ゴメンて。
「そういやイルカの肉ってクジラに似てるとか何とかで、クジラ肉って名前で市場に出てたことがあるらしいな。」
「へ~、まさに愛でてヨシ食べてヨシだったんだ。石井っち物知りなんだね。」
だってよ奥様! 私たちの周りに座ってクジラバーガー食べてるヤクザさんがなんとも言えない顔してますわよ奥様! この水族館普通にいいとこだし食事関連に力入れてるからちゃんとしたクジラだと思いますわよ奥様! でも私も怖いから正解を教えてくれるイヴに聞けませんわ奥様!
「にしてもまぁ嬢ちゃん。昨日今日で色々あり過ぎたな。」
「確かに、なんかごめんね?」
「いや、別に謝ってほしいわけじゃねぇ。いつか必ず直面していた問題だからな。……まぁ先週の俺に『急にハイテクアーマーを着たちびっこが組を引き連れてニンジャどもの本拠地を襲撃して勝利。あとよくわからん国連の組織がやってきてウチらと対等な取引をして帰ってった。』と言っても『アタマおかしなったんか?』って言われるだろうけど。」
「あはは、ゴメンて。……にしてもさ、組のトップとか明け渡して良かったの? 私表の大学生だけど。」
「え、嬢ちゃん大学生だったのか!?」
そう言って私の方を見つめる石井っち、あと周りのヤクザさん。なんというかすごく憐みの目を向けられるんですけど! 身長か! 胸か! どっちもナイナイづくしだからか!
「……キレていい?」
「まぁ、その。なんだ? 成人してから伸びる奴いるらしいし諦めるのはまだ早いと思うぞ。うん。……で、何だったか。組の話か。」
ちょいと端折るけどまとめるとこう。石井っちは上田っちといっしょの組織にいたころは戦闘を仕切る幹部でヤクザさんとかの訓練とかニンジャとの戦闘時の指揮をとっていたらしい。その後組が分裂した後は上に立てるのが自分しかいないということで組長してたけど全然肌に合わなかったんだって。
だから私が代わりに引き受けてくれるなら自分は元の仕事に戻れるし、私のスーツみたいな特異な力があると表に戻るのも難しいだろう。ということで別に気にしてないらしい。……石井っち人間出来過ぎじゃね? チャーミング人類賞あげちゃう。
「そ? ならいいや。ところでイヴ? 作業進んでる?」
『えぇ進んでますとも。マスターたちが楽しくショーをご覧になっている裏で黙々と進めておりました。AIに休息は必要ありませんし仕事を頂けるのは至上の喜びですがお褒めのお言葉ぐらい頂きたく思います。』
「……じゃあ今度密室で言葉責めしてあげよっか?」
『でしたら録音し、だれでも手に入れられるようネットにばら撒きますね。それとご報告です、石井組及び上田組の所有していた資産及び人員のリストアップ完了しました。一部法に触れるものがございましたので洗浄が必要ですがすぐに活動できるかと。』
「おkおk。じゃあ……、とりあえず動かしやすいように会社作るか。名前は株式会社ハイツレギスタ。資産は土地もあるみたいだから適当に本社決めて、そこに集めて人員は全部社員にしてしまおう、お給金とか税金の計算お願い。昨日の戦闘での危険手当も出せるように。あと府内で潰れた町工場とか広くて設備がある場所もリストアップ。私の第二第三のラボにする。」
「+してウチのお隣さん確か経営アレだったよね? ちょっとお金使って土地ごと買い取って。社員さんには再就職先にウチか他のとこ紹介してあげる形で。お隣さんは……資産内に使ってないお屋敷あるね。これ安めに売ってあげて。」
「あ! あとさっき言ってたラボ地下にも広げられるように工事! 武器弾薬orイヴの新規サーバールーム。それとサーバーと言うならニューヨークにも土地買わないと。衛星もってないし、打ちあげたとしても潰れた時用にアメリカにもサーバールームほしい。」
「それにそれに今回結構ボロボロになっちゃったスーツの改良もしないと。リアクターは勿論だけど実質S.H.I.E.L.D.が後ろに付いたってことだから大々的に隠れて武器作れる。渡されたS.H.I.E.L.D.技術群からスーツ内に内蔵できるのと歩兵用兵装のリストアップ。」
「あとあと! イヴのハッキングがバレちゃったからもっと強化してお邪魔できるように……。」
『マスター! 把握しておりますのでとりあえず周りの方をご覧ください。』
およ?
言われた通り周りを見てみる。うん、すごい顔。
……あ、そっか。家族とかイヴのこと知ってる親友のユキとかは疑問に思わないだろうけど傍から見たら私虚空に向かって話し続ける奴じゃん。恥ずかし。
スーツ今脱いでるし、イヴと話す時に使うイヤホンも片耳。石井っちからは見えない方にしかつけてないや。しかも私考えまとめる時とか話し過ぎちゃうタイプだから……、気を付けませんと。
「あ、石井っちゴメン。ほらコレコレ、イヤホン。これで今話してたの。」
うん、とりあえず色々考えるのは後にしよっと。今はイルカショーを楽しむのだ!
◇メイキング・オブ・ドロッセル◇
NGシーン集+α
「えっと、ここで私叫ぶの?」
はい、ロバートさんの映像の後にお願いします。
「りょ、あ~! って感じ? それともい? う? え? お?」
ふぅ! で
「あいあい。」
『FoooooOOO、ォゴフォ! ゲホォ! ……イヴ~! 病院連れてって~!』
『取り直しですか。これ?』
◇◆◇
『……あと買い物リストにサノス用のグリーンピースを追加しといて! 食べさせるよ!』
『グリーンピースwww 無理www 待ってwww』
『あちゃ、緑豆はお嫌い? コーンフレーク食べる? イヴちゃんのキャラどこ行った~?』
『ご、ごめんなさいwww ツボw ツボにぃwww』
カットでーす!
◇◆◇
『ご、ごめん……。』
『いいよ~、休んでた分のノート見せてくれるなら。』
『それはいいけど……、あのニュースでやってたアニュアニュマン……ッ!』
『ワォ! アニュアニュマン! むっちゃやわからそうじゃんユキ!』
『ごめんなさいやり直させてください……。』
リテイクでーす。
◇◆◇
「スーツの着心地はどうですか?」
「……なんというか全身金属鎧? クソ重い。」
「200ちょっとでしたっけ、いや~。ナレーションだけの仕事ナンデ私、代わってあげられなくてごめんなさいねwww」
「あっ! ちょ! まっ! 今背中に何入れたの! なんか動いてるんですけど! ちょっと取ってよイヴ! ちょっとぉ!」
『大変申し訳ありません、その質問には答えるなと過去のマスターから言われております。』
「ちょっとスタッフさ~ん! イヴ出禁にしてぇ~!」
◇◆◇
「で、結局このシーンどうします? なんかアドリブ入れます?」
「あ、じゃあタイちゃん! 『我が名はタイフォイドじゃぁ!』は?」
「……ちょっとキレてヤクザさん燃やす感じとか行けます? CGとかで。」
「え、無視ですかー! ちょっとー! 聞こえてます~???」
「あ、スタントで本当に燃やしちゃうんですねこれ、え。大丈夫なんですか? ……うわぁ、いい笑顔。大丈夫なんだ。あ、じゃあリハーサルで一回やらせてください。」
『それでここが例の現場です、マリー先生。』
『我が名はタイフォイドじゃぁ!!』
「……これで満足ですかドロ? 正直恥ずかしいんですけど。」
「あ~! タイちゃん大好き~!」
◇◆◇
「あの、言った本人が言うのもなんですけどこの蜘蛛糸ってホントに出して大丈夫なんですか? S●NYに怒られない? 大丈夫? 消されない私?」
「大丈夫じゃ……、ナイデス! バイバイ、ドロさん! また会う日まで!」
「イヴ~~!!!!!!!」
「わ^ 怒られた^ ないちゃうwww」
カメラ回しますよ~
「「は~い!」」
◇◆◇
「えっと、ドアを蹴とばすんですよね? よっしゃ。」
〇take1
『おりゃ! ………ちょっと硬いんですけど。あ”か”な”い”!!』
材質変えてー!
〇take2
『おりゃ! ピザーラ・オオサカ店です! 注文の……何がイイかなイヴ?』
『私の好みはスシですね。』
『いやピザの話。』
『? はい、そうですが? ほら、ピザの上にお寿司乗せる奴です。』
「?????????????」
???????????????
〇take3
『おりゃ! 邪魔すんで~!』
『邪魔すんだったらかえって!』
『はいよ~、…………あれ?』
「ちょっと石井さん!」
「いやそれやられたら乗るしかないでしょ!」
◇◆◇
『ハァイ、ヤミノテのみんな! みんなのアイドル! ドロッセルお嬢様だよ~! よっろしくぅ!』
「……あ~、ドロ? 名前はまだじゃなかったっけ?」
「え、マ? ……あ、ホントだ。タイちゃんごめ~ん! 次は那珂ちゃんって叫ぶね!」
あ、すいません。それダメです。
◇◆◇
『やぁ、イタズラガール。君からのメールを拝見させてもらったが、残念ながらうおぉっと! ……このセット配置変えてもいいかい?』
『ニックがwww ニックがつまずいたwww』
『見ましたかマスターwww 一瞬でコメディwww』
『あ~、そこのお二人さん? 豚箱は好きかね?』
『『わ~い、にげろ~~!!!』』
「え、私がドロッセル役をやるって決まった時? そりゃあ驚いたよ。ビックリビックリ! あの時は考えられないことだけど今じゃみんな仲良し。ほら見る? イブとユキとタイ、あと私のドロね? ファイアボールの女子四人組の写真、いいでしょ?」
「はい、その通りですよ。名前二文字が二人いますから役の名前で呼び合ってるわけです。私はイブと呼ばれて主人公ちゃんはドロ、空気薄いのはユキで落差が激しいのがタイね。……いっつも思うんだけどタイの役者としての切り替えヤバいよね。え? 私もかなり? それはどうもwww」
「あ~、まぁ確かに。イヴと私で結構好き勝手させてもらってましたね、うん。監督から『いつからここは女子高に?』みたいなこと言われましたもん。私とイヴで遊んで、ユキがおろおろしながらついてきてタイちゃんが後ろからそれを見守る。まぁそろってみんなで怒られるんですけど。」
「悪気はあるかって? いやまったく。スタジオにお菓子仕込んだり、監督さんや他演者さんにドッキリとか企画したのは私ですが。むしろ楽しめたでしょ? 同年代のドロと少し下のユキ、ちょっと上のタイでやらせていただきました。……まぁほぼ何もしていないタイまでまとめて怒られるのはちょっと申し訳なく思いますけど。」
「続編ですか? あるならぜひとも! こんな素晴らしい役を頂けましたし次回も同じように頑張りたいですね。あと今度こそキャプテンレジナルドと共演したいです、昔から好きなんですよあのキャラ。脚本さぁ~ん! 聞こえてますか~!?」
「続編? 作れないでしょwww だってアイアンマンの二番煎じ……、おっとここはカットしておいてください。ま、お呼ばれして今回と同じメンバーだったらやらせてもらいますよ。続編に期待すること? そうだな……、しいて言うなら台詞が少ないこと。」
「というごっこ遊びを考えてみた。」
『さすがでございますね。』