前世から愛をこめて   作:サイリウム(夕宙リウム)

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Avengers: Age of Ultron
ソコヴィアからこんにちは


 

 

雪原に林。これだけ見るとウチの北海道、ニンジャ残党が集まって侵攻を始めた時のことを思い出す。ほぼ消化試合みたいなものだったが真冬にやるもんだから兵站がとっても面倒だった。だって私ら基本内陸本州に拠点あるし、北海道の北の北で作戦行動するとは全然予定してなかったもん……。しかも真冬なのをいいことに、ニンジャの奴らなんで温度保ててるか解らん熱湯ハラスメント攻撃多用してくるし……、まぁ大変だった。

 

 

「それに比べるとラクチンラクチン、ラッピング!」

 

『射出します。』

 

 

浮遊Tailの一つから両端に重りが付けられたロープが射出される、対象は隊列を組んでジェットストリームアタックモドキを仕掛けようとしたヒドラ君たち。勢いとサイズに見合わない重さに吹き飛ばされてそのまま木に衝突。後は自然にロープが巻かれて奇麗なラッピングが完成ってワケ。

 

うむうむ、こいつらが使ってくる武器は銃器だけだからとっても安心な戦場だよね。ウチの国みたいに口から火を吐いたり水を出したり謎ワープしたりと科学無視してこないもん。ほらこんな風にジープで突撃とかむっちゃかわいい。はいはいそんなかわいいヒドラ君はすぐさま降車して車頂戴……、え? イヤ? じゃあ死ね。

 

今日はアベンジャーズ案件だからグロテスクな"いつもの"はしないけどしっかり命を頂き車を奪い取る。あ! ナターシャにクリントじゃん。ちょうど今いい車手に入ったんだけどいる?

 

 

「ありがと、もらうわ。」

 

 

ナターシャからお礼を、クリントからは後ろにいた敵の排除とウインクを頂く。2012年から色々交流して耐性も高めて来たけどちょっと意識が飛びかけた。もう! 美女にイケメンなんだから……、っと! お仕事しないとイヴに怒られちゃうからね。

 

ニンジャみたいな理不尽さはないけど、チタウリの技術とS.H.I.E.L.D.の技術。あと私やトニーの技術の一部を拝借しているせいで空を飛ぶヒドラ君たちが結構いる。劣化リパルサーを作ったことは評価してあげるけど、この空は人数制限があるからね。今日は私とトニーとソーの三人まで、それ以外はお断り。

 

 

「ほいさ!」

 

 

Tailの一つ、浮遊してる奴ね? それを一つ掴んで振り回す。目標はモチロン空飛ぶヒドラ君。頭に向けて上から振り落としそのまま下に叩きつける。うむうむ、我ながらいいスイングじゃない? メジャーからスカウト来るかも。

 

 

「いいスイングだ、だがもっとうまいやり方があるぞ?」

 

 

手本を見せてやろう、そう言いながらいつの間にか横に着地していたソーがムジョルニアでコバエを撃墜。あ~、可哀そうに、かなり遠くまで飛ばされちゃって……。あぁ、うん。まぁそりゃソーには負けるよね。ミスターハンマーでマイティの称号はあなたに譲りますわよ! 両手を上げて降参のポーズ!

 

それに満足したのかちょっとこっちに笑いかけてクリントたちの救援に向かうソー。ちょうど彼の背面アンブッシュしようとしていたヒドラ君に、これまたちょうど両手を上げていた私がリパルサーを放射。吹き飛んだのを確認してから宙に上がる。

 

 

「ツグミ、下の奴らがもっと遊んでほしいって叫んでるぞ。」

 

「あ! ごめん! すぐやる!」

 

 

監視塔の一つを壊し、空飛ぶ愚か者を打ち落とすとトニーからお叱りのお言葉。急いで浮遊Tail4本、そのすべてを飛ばし地面に突き刺す。反重力システムを起動し地面に出来た正方形のスペース。いまからそこは星の理、重力から切り離される。ふわふわと浮き上がるヒドラ君たち、あとはトニーがまとめて排除。うぅ~ん! 最高な共同作業!

 

排除が完了すればすぐさまシステムをオフ、その瞬間にウチの超重量戦車ことハルク君がショルダーチャージで敵装甲車両を吹き飛ばしながらエントリー。突き刺したままTailを放置してるとハルクに踏みつぶされるか使い捨て武器とかにされちゃうかなので急いで回収のため下へ。バナー博士とは交友深められたけどハルク君とはお話出来てないのでそこんとこ配慮してくれるかまだ解らんからね。

 

 

「ハルク! 肩かして!」

 

 

まるで羽虫を吹き飛ばすように腕を振るう緑の巨人の肩に着地、同時に浮遊Tailのブースターを起動させ寄ってきたヒドラに向けて射出。物理的に無理やり数人を空中に持ち上がる。

 

 

「ゴー!」

 

 

掛け声と共にハルクが雄叫びを上げて発進、浮き上がった敵をそのまま殴り飛ばして一時状況終了。Tailも戻ってきてこれで8本。よし! じゃあミスターハルク! あっちの方に敵が集まってるからお頼み申す! 暴れちゃってヨシ!

 

喋れるはずだけどシャイなのか、それとも面倒なのかは解らないけどまたまた大声を上げて突撃するハルク。まぁ別にお話しなくても肩に乗せてもらえただけで大満足どころか尊死レベルなんですけどね?

 

 

「ツグミ! 反射頼む!」

 

 

おっとここでキャップからのラブコール。イヴちゃんが急いで予測と計算を終わらせ盾の反射に必要なポイントを割り出し、後は私がそこにTailを派遣するだけ。まぁそれだけだとちょっと物足りないので彼の頭の上で悪さしようとするヒドラちゃんをブチ転がして進ぜよう!

 

そのままキャップの上空を守る形で前へ、するとちょうどタイミングが良かったのか周りに散っていたみんなが集結し始めてる。

 

 

 

装甲車がソーのハンマーによって叩き潰され、アイアンマンのリパルサーによって内部を始末。浮き上がったそれはハルクに捕まり即席の武器へ。空を飛ぶ厄介なコバエたちはドロッセルが排除し、なぎ倒されていくヒドラをかき分けるようにブラック・ウィドウがバギーを操る。そしてホークアイが車上から近づくものを排除し、キャプテン・アメリカが盾を投擲し追撃を加える。

 

 

ソーのハンマーが

 

ウィドウの体術が

 

ホークアイの矢が

 

キャプテンの駆る鉄馬が

 

ドロッセルの白き盾が

 

アイアンマンの黄金のマスクが

 

ハルクの振り上げた拳が

 

 

一直線に並ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Avengers: Age of Ultron

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「ッ! クッソ。」

 

「口が悪いぞ、スターク。ジャーヴィス、上から見てどうだ。」

 

 

トニーが敵の本拠地らしきところに突撃を敢行するがバリアに阻まれ悪態をつく。回線を開いてなければ聞こえなかったんだろうけどさっきまで通信取り合ってたからね。キャップに聞かれて怒られちゃった。

 

 

『中央の建物はエネルギーバリアで守られています。ストラッカーは他のヒドラの基地よりも進んだテクノロジーで武装しているようです。』

 

『日本で確認されたヒドラの武装と似かよっているため、その改良型かもしれませんね。敵本拠地のスキャンを開始します、もうしばらくお待ちください。』

 

 

ジャーヴィスがキャップの問いに答え、イヴが求められてない情報も追加する。まぁ前から対抗意識持ってるっぽいし、しゃあないね。ハッキングとかは勝ってるからもっと誇っていいのよイヴ?

 

 

「ここにロキの杖があるはずだ! でなければこれほどの防御はできない! ……やっと片付いたな。」

 

 

敵を吹き飛ばしたソーの言う通りヒドラたちが使ってる武器は何か紫色の光を発している。たぶんマインドストーン関連のエネルギーなんだろうけど、この色はツラヤバ思い出すからそんなに好きじゃない。まぁアイツ紫というよりは黒に近い感じだったけどね?

 

 

「まだ片付いてなかったみたいよ。つぐみ?」

 

「あいあい、了解っと!」

 

 

ナターシャが敵の簡易陣地に侵攻し内部から、私が外部から攻撃し前線を一つ前に進める。機関銃にエネルギー放射砲台とか厄介なの多いけど凄腕スパイの前には形無しみたい。まぁ動かしてるの人だししゃあないか。

 

というわけで爆破爆破ァ! 今着てるの前回の対ツラヤバ戦で武装とか装甲とか色々足りなくなったのを反省して改良したMark4だからね。見た目はMark3と同じだけど浮遊するTailが4本もあるし武器弾薬は大量大量! これぐらい木っ端微塵にするのはわけないさ!

 

 

「おっと、飛ばし過ぎるなよ。後で弾が足りないって言われても俺は矢しか持ってきてないからな。」

 

「そん時は大人しく物理で殴る! ほいさぁ!」

 

「なるほど、バッチリってわけか……、にしても奇襲作戦は効果なしみたいだな。」

 

 

近くに居るヒドラをさっきみたいにTailで殴り飛ばす。この浮遊Tail、盾にもできるようにMark1時代と同じ厚み、つまりでっかい円錐みたいになってる。Mark3は機能面とデザイン面から薄くなってたからね。これで苦無や手裏剣が飛んできても簡単に受け止められるし貫通もしない、ヨシ!

 

 

「ちょっと待った、こんな時にまでキャプテンがお説教した件については無視か?」

 

「はぁ。……もうわかった。」

 

 

視界の端でキャプテンがバイクで駆けているのが見える。あ~あ、あのバイク結構値段するから出来れば奇麗な形で持って帰って欲しかったんだけどなぁ……。

 

そんな私の思いは届かず、キャップは重心を上げ体重を前へ。自然とその機体は回転し前方から迎え撃つように走ってきていた装甲車に向けて吸い込まれるように投げ込まれる。そして着弾し爆発、アレの整備私が担当してたんだよね。

 

 

「悪い、つい口が滑った。」

 

 

バイクもでしょ! と叫びたい気持ちを抑えて空に上がる。装甲車に投げ込まれても無傷で生還するバイクの開発をタスクにいれ、目標はトニーが現在攻略中の敵本拠地。相手さんも本腰入れて来たのか人がわらわら出てきて砲撃も厳しくなってきた、救援に向かわないと。

 

 

「にしてもまた攻城戦か……、ニンジャとかいないよね?」

 

「もし出てきても僕たちなら大丈夫さ、なんてったってウチにはニンジャ退治の専門家がいらっしゃるからな。彼女に全部任せれば解決だ。」

 

「ちょっとやめてよトニー!」

 

 

彼の冗談がホントにならないことを祈りながらイヴ経由でジャーヴィスの情報が届く、ディスプレイに移るのはソコヴィア全域の地図、この城確かに町からは離れてるけど砲弾が届かないほど遠く。ってわけじゃない。

 

 

『市街地にも被害が及んでいます。』

 

「ストラッカーは市民の犠牲なんかお構いなしだからな。……アイアン軍団を送れ。」

 

 

トニーの指示で近くに控えていたアイアン軍団が出動。ちょうど五人いるから戦隊ものみたいだよね、……まぁここからじゃ見えないしマップに味方の反応が五つ増えただけだけどさ。

 

にしても避難誘導だけならウチのヤクザでも連れてきたらよかったかな? あの子達ならヒドラごとき対処できるし避難の指示も自衛隊上りが結構いて定期的に研修訓練してるから何とかなると思うんだけどね?

 

 

『ユキ様に止められた理由をよく考えてくださいマスター。日本、特に近畿圏内では市民権を得ていますが九州や北海道の作戦では警察呼ばれてひと悶着あったことをお忘れですか? ただでさえ構成員の皆様顔が怖いのですから最悪恐慌状態に陥りますよ……。』

 

 

言われてみれば確かにガチムチで明らかにカタギじゃない黒スーツたちが武装して『すんません、こっから先危険なんで避難してもらってもいいですかい?』とか急に言って来たら無茶苦茶怖いわな。しかもここ東ヨーロッパだからアジア人とか身近じゃないしすごく異質な光景に。

 

 

「中隊規模での派遣は止めといて正解だった?」

 

『ユキ様がこちら側に来ていただいたことに感謝しますね、本当に。』

 

 

むぅ、ちょっとこっちに身を置き過ぎて一般の感覚が解らなくなってきたのかな。……まぁいいや、たぶんそろそろ双子が出てくる感じだろうしちょいとばかしお仕置きをしますかね?

 

ウルトロンを正しく進めるためにはクリントの負傷は必要、ナノテクノロジーへの接点が必要なわけだからね。一応エクストリミスのナノテク関連で私個人はヘレン博士と交友は持ってる、国も近いしね? でもアベンジャーズとしてはまだだから会う理由は必須。

 

だからピエトロ君がやらかすのは見逃してあげるんだけど……、私も仲間を傷つけられてジッとしているほどお優しい性格ではない。

 

 

じゃ、適度に痛い目見てもらいましょうかねぇ?

 

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