前世から愛をこめて   作:サイリウム(夕宙リウム)

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お客さんですってお嬢様

 

「やっぱここのバーガーうまいわ、野菜多いし色々助かる。……んぐ。あ、食事中でゴメンネみんな。何分多忙なもんでさ? 丸一日何も食べてなかったから許してね?」

 

『お嬢様、今週の睡眠時間が30時間を切っております。放送終了後速やかにお休みくださいませ。』

 

「うるさいぞポポノタン、あなたは口を挟まないで?」

 

『(´・ω・`)』

 

 

毎度恒例のトークを挟みながらジンギスカンを弄る。コメント欄の反応も……、まぁいきなり否定的というか色々とスパイシーなコメントが見受けられるけど『いつもの』『タンホイザ君まだ名前覚えられてない』『ホイサッサ君だぞいい加減にしろ』みたいな奴も見える。うん、私が毎回間違えてるおかげでみんなも間違えてるな! ヨシ!

 

 

【よくないですからね、それと頂いた質問を選別後こちらに表示しますので飛ばす場合はご指示くださいませ。】

 

 

おっと、カンペ役のイヴからはあんまり評判良くないみたい。

 

今やってるのはもう少し後の時間軸において大流行する配信、それをやってる。プラットフォームは自社で作った奴だからちょっと違うけど、まぁyouなチューブですよ。記者会見とか開いても良かったんだけどちょっと準備に時間かかり過ぎるし、アホな記者どもが何するか解らないのでこっちにした。平時ならそれでいいけど、こちとら機械との生存戦争の真っ最中。私らがそっちに気が盗られて殺されたりしたら人類マジで滅びるからな? いやワカンダとかインヒューマンとかそこらへんは生き残りそうだけど。

 

うん、話を戻そう。

 

この配信は日本だけじゃなくて、同時通訳で全世界に配信している。他のメンバーが出られない分私が代わりにってわけね? そのせい+昨日のハルクの一件のおかげで同接が億行きそうでヤバイけど……。まぁええや。いつも数十万単位だしね? 本気でヤバイ荒らしとかはイヴのお仕置きが執行されて現住所把握からのお邪魔しますが敢行されるから大丈夫でしょ。

 

 

「まぁいつも通りのオープニングだったわけで。今私が飯食ってる当たりかなり気は抜いてるんだけど、これからする内容は真面目な話だからね? いつもみたいなネタ配信。『本社ビル爆破してみた』とか『総理とお昼ご飯』とかそう言うのじゃないから……、そこんとこよろしく。」

 

『概要欄にも記載しておりますが、規約違反を為されると様々な問題が降りかかる恐れがありますのでご用心のほどを。簡単に言えばマナーの方をご理解くださいませ、また質問の方も専用フォームをご用意しております。コメントでの質問受け取りは難しいことをご容赦ください。』

 

 

小さいボディに戻ったゲデヒトニスと一緒におじぎ。

 

 

「んじゃ遅くなったけど早速もらった質問の方答えるまえに……、今私たちアベンジャーズが何してるかを言っておくね? 一応アベンジャーズとしての公式発表は出してるけど新しい報告とかもあるからちゃんと聞いておいてね?」

 

 

話すのはまぁ……、外向きの情報。一部の上層部には真相を知られているみたいだけど一般への公開としては隠さないといけないものが多い。トニーがウルトロンを作ってしまったことは最大の厄ネタ。墓まで持っていくことが決定している。

 

カバーストーリーとしてはこうだ。

 

S.H.I.E.L.D.に多数潜伏していたヒドラは一斉検挙後も裏で悪事を働いていた。アベンジャーズとしては普通の軍隊では太刀打ちできない彼らと戦っていて、ついに最後の拠点を把握。襲撃をかけ破壊に成功。構成員も大量に検挙出来たし、彼らが研究していた技術も押収。これで一安心って感じだったんだけど……、ヒドラが研究していたロボット。それが暴走を開始、一時的な保管場所としていたアベンジャーズタワーのAIやら何やらを破壊して脱出。そのままどこかに潜伏して世界中の科学者を襲ってその技術を盗んでいる。

 

私たちアベンジャーズとしても、早くなんとかしたかったんだけど中枢の機構が大打撃をうけたせいで世界全体を守ることが難しくなっている。しかも面倒なことに相手はロボットで自己増殖を繰り返しているらしく、世界全体を守るのは難しい。すこしでも多くを守るために私がアジア圏を、他メンバーがその他地域と敵ロボットの捜索を行っていた。

 

んでやっと見つけた敵拠点に襲撃を掛けたらそれが罠で、相手はなんとヒドラの技術である洗脳を仕掛けて来た。普通なら突破出来るんだけど相手がスーパーパワーを持つ民間人二人を人質にしたせいで思うように動けなかった。その隙を突かれてハルクが洗脳。暴走して街を破壊しちゃた。

 

 

……うん。まぁ簡単に纏めるとウルトロンはヒドラのロボット! 全部ヒドラがわるい! って事です。はい。

 

堀の中や海の底、もしくは天に召されたヒドラ君たちからのブーイングが聞こえた気がするがそんなの知らない。お前ら基本なんか悪いことしてるし一般にも認知してるから使いやすいんだよ。諦めて♡

 

 

「ま、こんな感じですね。今私はパートナーのユキ。ユミルテミルね? 彼女に警戒を任せて休憩中って訳。この配信終わったら仮眠とってユキと代わる感じだね。」

 

 

とまぁ説明終わったわけだけど……、う~ん荒れてる荒れてる。いろんな国からコメント打ち込まれてるせいで混乱しちゃそう。爆速で流れるから何となくだけど、やっぱ否定的なのが多い? まぁそこらへんはしゃあないよね。正義の味方ってのは完璧を求められる訳だから。失敗なんかするなよ? って事ですよね。

 

 

「じゃあ質問答えていくけど……、最初は『なんで今アベンジャーズの面々がどこにいるか公開してないの?』って奴ですね。まぁそれはウルトロン……、ヒドラのロボットね? そいつに居場所悟られないようにしてるの。バレたらこっちの動き察知されるからね。今は私だけ居場所晒してる感じ、罠張ってるの。」

 

 

たぶん釣られないとは思うけどまぁ率先して釣り餌役ですよ~、って今アピールもしておく。彼の次の目標は韓国でクレイドルを奪取、そこで新しい身体を作ることだ。南アフリカの一戦で解った通り敵の手の数は映画よりも増えている。空いた手で私たちを探してブチ殺しに来てもおかしくない。

 

その点日本、特に大阪はいつでもウェルカム状態だ。なにせ対ニンジャで鍛えられてる精鋭がわんさかいるもんね? 世界中に派遣しているとはいえ本拠地だから人も多い。本社ビルの周辺を買い上げて一種の城塞都市にまで仕上げたココは籠城にはぴったりだ。ほ~らウルトロンく~ん? 私の事殺したいんでしょ? おいで~?

 

 

『……! お嬢様、大量の高エネルギー反応を検知。こちらに向けて接近している模様です。』

 

「お、マジで来たの? そりゃ好都合。ここで全部破壊するよ! ……ってなわけで今日の配信はここまで! 次は凱旋記念配信でまた会おう! それと日本の皆は出来るだけ屋外に出ないよう注意! じゃあの!」

 

 

そう言いながら配信を切る。ふふ、いやはやマジで来てくれるとは思わなかった。ほんとは対ニンジャ用に設計したこの都市だけどウルトロン相手だったら不足なし。彼がサーバー漁った時点で既に防衛プログラムは書き換えてる。

 

 

「ユキに連絡! 私たちに喧嘩を売ってきたおバカさんを地獄に叩き落とすよ!」

 

 

一回やってみたかったんだよね。都市一つ改造して防衛装置にする奴。おかげさまでいつもお財布はすっからかんだけど、楽しいことになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁ日本では襲撃を受けているらしい。……どうだ、送られた映像でも見るか? ご機嫌な編集までされて、さながらハリウッドだ。」

 

 

ところ変わってホークアイの自宅。夕食を終えた彼らは元S.H.I.E.L.D.こと現在無職のおじさんニックフューリーの話に耳を傾けていた。いや正確には耳を疑ったという方が正しい。ほんとこのツルピカはなんでそんな大事なことコーヒー淹れながら呑気に言えるんですかね!?

 

 

「だ、大丈夫なのかい?」

 

「本人によると『マジノ線より固い!』そうだ。」

 

 

バナー博士の言葉に答えながら、タブレットをアベンジャーズの面々に渡すニック。そこにはイヴが編集したウルトロン撃破シーン集が流れている。しかもファイアボール職員による実況と解説付きだ。

 

 

「……ジョークだよな?」

 

 

トニーの思わず口から零れる言葉。それが何を指すのかは彼しかわからないがまぁ確かにジョークみたいなことを目の前でされている。もし本当にマジノ線であれば不安極まりない。いやほんとに大丈夫なの? というか遊んでる暇あるのツグミ?

 

 

「安心しろ、私も先日視察しに行ったがおそらく君達でも突破は困難だ。それに我らが誇るイタズラガールの十八番は対策に準備、そして数だ。ホームグラウンドでの防衛線ほどツグミが考え準備し、訓練を施してきたものだろう。」

 

 

実際、ツグミは過去に敵本拠地を攻略してからずっと首切り戦法を警戒してた。ニンジャの巨大組織、ザ・ハンドがトップを殺しただけで集団的攻勢が出来なくなるまで弱体化したのだ。元の組織的行動が出来るようになるまで年単位の時間がかかったことから、この戦法の優位性は示されている。

 

だからこそ自身の技術を底上げする、だからこそ力を求める。そして自分の急所である友や家族が暮らすこの街を何としてでも守らないといけない。当時まだ明確な道は見えていなかった時でもその根幹だけは変わらなかった。

 

 

「今のところ順調に殲滅を進めていると報告を受けている。だからこそウルトロンの注意は自分が引き付ける。こんなふざけるぐらい余裕もあるから救援はいらない。……君たちは君たちの仕事をするべきだ。」

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「右舷弾幕薄いよ! 何やってんの!」

 

「イエス! マム!」

 

『……マスター。右舷も何もありませんし、そも薄くありません。すべて正常です。』

 

 

ありゃ、怒られちゃった。まぁ言ってみたかっただけだからね、仕方ないね。

 

そんなわけで今日はいいお日柄、晴れ時々ウルトロンの死骸とちょっと傘じゃどうにもならない天気だけど家からでなければ安全な奴です。さっき元気に答えてくれた構成員の子がダメージを与えた雑兵を消し飛ばし次のブロックへ足を進める。

 

 

「う~ん、さながらスターウォーズって感じ。」

 

『空を飛ぶドロイドに友軍機の輸送船、トルーパー代わりの兵士たち。作り替えられた近未来的防衛都市に飛び交うのはきらめく光線弾。いかがいたしましょう、エピソード7としてこの映像を売り出しますか?』

 

「あはは! イヴも言う様になったねぇ!」

 

 

成長したおかげか冗談にも深みが増してきた、長年一緒に過ごしてきたわけだし私のツボも抑えてる。戦況は安定してるしこれほど楽しい戦場なんて初めてかも。私が遊撃として出る必要もあんまないし、ここは例の作戦。歌って踊って戦意向上作戦を……。いや、やらんよ?

 

 

『そも我々の戦場と言えば突発的な襲撃か敵地への進軍、もしくは設備が整っておらず救援も見込めない絶望的な防衛戦ばかりでしたからね。放棄する可能性やニンジャに乗っ取られる可能性を考えれば強固な陣地など作れませんでしたし。』

 

「だよねぇ、ツラヤバぶっ殺して時間が空いたから作り始めたコレだけど……。まぁ有効活用できて良かったよ。金食い虫って言われるのはイヤだったしね。」

 

『ブラックホールエンジンの開発含めて『なんでこんなにお金使うんですか! お給料払えなくなっちゃいますよぉ!』と経理の方に泣き叫ばれるのを耐えて来たかいがありますねマスター。……おっとそのブラックホールエンジンの件ですが出力10%で安定、電力供給も正常です。』

 

「そいつは……ッ! 一斉射!」

 

 

頭を崩せば何とかなると踏んだのだろう、上位個体や下位個体のウルトロンたちが塊になって攻撃。物量による押しつぶしを行おうとするが、そういうのはもう何年も見て来た。どのように動けばいいのかはもう肌で覚えてる。それにね?

 

私が彼らの初撃を避けた瞬間、光の杭が当たり一面に張り巡らされる。奇麗に私だけを避けるようにウルトロンたちを貫いたそれは自分の仕事をやり遂げたと主張するように消えていき、後には重力に惹かれる残骸のみ。

 

攻撃の出所は各ブロックごとに設置してある防衛塔からの狙撃、リアクターを用いた疑似レールガン。射手は簡易AIに補助されてるけど全部人力。私の家族、ファイアボールの大事な仲間たちだ。う~ん! 優秀! お駄賃あげちゃう!

 

 

『おっとお嬢、俺たちも仕事してますけど下で戦ってる奴らの方が面倒ですからそっちにしてやって下せぇ。』

 

「ほ~? いうねぇ! 全部終わったら追加で好きなもの奢ってあげるから楽しみにしておくんだぞ!」

 

 

そう言いながらちょっとだけ押されている区画への移動を開始する。いやはや、いつもの前も後ろも解らない戦いと比べて今日は勝ち戦。みんなの声に元気があってお嬢様嬉しくなっちゃう。こんなにいい気分な時は大奮発しなくちゃ! イヴ! 投下!

 

私の掛け声とともにスーツ太腿部、その機構が開かれEMPクラスターが大量散布される。空から地上で戦う彼らへのプレゼント、青白い電流を迸らせながら動きが鈍るウルトロンたち。それと対照的に突撃の号令と共に突っ込む子供たち。あぁ~あ、反撃されないし勝ってるから無茶しちゃって。

 

 

『負傷者の情報ですが重傷者及び死者共に報告なし、ユキ様の方も順調に殲滅を繰り返してるようです。敵方は大型の輸送船をハイジャックし大量の機体を投入したようですが……、じきに片付きます。単純な時間稼ぎ、あわよくば殺せれば。といったところでしょうか?』

 

「実際彼改装前の設計図持ってたからねぇ……、こっちは通路とか全部入れ変えるのに苦労したけども。まぁ完封できるのならあの苦労も報われるでしょ。」

 

『元ハッキング対策部お決まりのデスマーチが役に立ったようで何よりです。作業終了後の報告書が【焼きそばパンって情欲を沸き立たせる形してるよね。】だったものですから……。』

 

「相変わらず狂ってるなぁ……。」

 

 

まぁそこまで追い込んじゃったの私だけどね? S.H.I.E.L.D.がまだあった時にヒドラ君に行っていた気が狂うほどのハラスメント攻撃、これはもちろん全く関係のない純粋無垢な一部職員も喰らっていた。そんな彼らをS.H.I.E.L.D.崩壊後に半ば無理矢理拉致してウチに就職させたからねぇ……、いや能力がね? 高すぎてね? イヴや私がやらかしてきたものを最後まで捌き切った彼らだからどうしても欲しくて……。

 

そんな彼らが頑張ってくれてるおかげでこの防衛都市はなんとかなってるんですよねぇ!

 

……おっと、そういえば今いるこの都市自体についての説明してなかったね。思うように攻略できずにイライラしているウルトロンを煽るためにも高々と説明してやろうか。

 

 

「びっくりした? びっくりしたでしょ? 自分が手に入れたものが既に使い物になってなくて今どんな気持ち? 人間の作ったものなんかに負けるわけないと思って攻撃始めたら完封されて今どんな気持ち? 私殺すどころか足止めすらできそうにないのどんな気持ち?」

 

 

あ~あ、顔歪めてる歪めてる! たのしー!

 

しかもすでに韓国で色々しているのも把握済み、石井っちを派遣してて筋書き通りに進まなかった場合研究所ごとクレイドルを爆破する用意が出来てるって知ったらどんな顔するんだろ! 君まだ精神成熟してない赤ちゃんだもんねぇ? 感情の爆発耐えられないねぇ? でもこっちに反論しようと気を抜いたらすぐさまボディをうちの子達に破壊されるから何も言い返せないねぇ?

 

ふふふ~! 私たちは一度でも敵と認めた相手に対しては何の遠慮もしてあげないからねぇ? 対ニンジャで鍛えられたファイアボールなめんじゃないぞ!

 

 

「知ってるとは思うけどこの街すごいでしょ? 今地下道から内部に入ろうとしてる君たちいるけど全部把握してるし……、ほら全部隊消滅。そこに通路あると思うでしょ? でも古典的な壁圧縮罠があるんだよなぁ! 裏道とか使って内部に入ろうとしたみたいだけどこれも察知されたねぇ? 何もできないねぇ?」

 

 

大阪の一都市を丸々買い上げて改造したのがこの防衛都市、土地とか建物とかをお金とハイツレギスタとの提携をエサに買い取って元々いた企業さんたちに貸し出しという形で普段は元の形を保ってる。

 

でも今日みたいな緊急時は一瞬にして各ビルに強化装甲版が形成、各ブロックの隅に地面から防衛塔が浮き上がり一瞬にして真っ白い近未来的な都市が完成する。地下にはハイツレギスタ本社から行き来できる道や地下鉄を再利用した輸送路とかも大量に存在している。しかも時間は掛かるけどそのすべてを入れ変えることが可能。リアル不思議のダンジョンってわけだ。

 

そしてこの都市を動かすのに必要な電力を生み出しているのが本社ビルの地下深くに設置されたブラックホールエンジン。かなり大型でまだ高出力での起動が安定してない未完成品だけど、たった10%でこの消費電力バカ高い都市を補っている。まぁ10%の出力で新型アークリアクターの大体150~200倍ぐらい? そんな感じ。まぁ何かミスれば日本という国ごと消えるしそんなもんでしょ、って感じ。

 

 

「あ~! たのし! 使う機会なんかないと思ってたんだけどなぁ! いい練習相手になってくれて助かるよウルトロン! ウチの可愛い子達も実践演習に付き合ってくれてありがとうだってぇ!」

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「あはは……。やってるなぁ、つぐみ。」

 

『戦闘報告、状況の確認をお願いします。』

 

「あ。ありがとう、すぐ確認するね。」

 

 

楽しそうに煽ってるツグミを眺めていると三賢者くんたちからの報告が飛んで来る。いけないいけない、戦闘しながらの思考はようやく慣れて来たけど、親友に見とれたりする時間は戦闘中だしない。おそらくアイアンマンの戦い方をコピーしたのであろうウルトロン・プライム。上位個体ね? その首と炉心を同時に切り落とし一端落ち着く。

 

えっと、送ってきてくれた情報はドローンの戦闘状況と私が任された方面の部隊状況。うんうん、ドローンの数が大分増えたおかげか、まだ捌けてるね。ファイアボールの人たちの方は……、ちょっと入れ替えた方がいいかな? つぐみが色々と張り切っちゃったせいで戦意が上がり過ぎてる。まぁ高いことはいいんだけど上限突破しておかしなことになるのは考え物だね。

 

 

「ドローンの1号機から21号機はそのまま戦闘継続、防衛塔とうまく連携を取って戦って。22号機から45号機は一時メンテナンスと補給、その後私のサポートに回す様に。」

 

『かしこまりました、そのように。』

 

『部隊への指示はいかがなさいましょう、我が主。』

 

「F-3班が前に出過ぎてるから休息と怪我人の保護も含めて一時後退、開いたFブロックは後詰の兵を出すように指示。」

 

『通達いたします。』

 

 

石井さんは別件でのお仕事って言うから一応教育受けてた私が指揮を執ることになったけど……、なんとかなりそうで良かった。ほんと。自分の命をかけることはおかげさまで慣れて来たけど他人の命まで背負うのは精神的に来るものがあるからなぁ……、ほんとつぐみはすごいや。ファイアボールに、ハイツレギスタ。アベンジャーズのことも、どれだけのものが彼女に背負われてるか大きすぎて全容がつかめない。

 

……少しでも助けに成れていればいいんだけど。また色々考えないといけないことが増えて来たみたいだし、全力で支えてあげる。せっかくこれだけ戦える人がいるんだからみんなに分散させなきゃ、それが嫌なら半分私に背負わせろ、ってね?

 

 

『F-3班、班長から戦闘継続の申請が来ています。敵上位個体をちょうど撃破出来たため押し込みを行いたいとのこと。いかがいたしましょう?』

 

「あ~、うん。じゃあそのまま戦闘継続、私が救援に向かうからFブロックの制圧終了後はすぐに後方に下がること。そう伝えて!」

 

 

うん、これは何だろ。うまく戦況が進んでいることを喜べばいいのか、指示出し間違えたのを反省すればいいのか……、両方か。石井さんならこういうこともなくうまく進められたんだろうけど……、やっぱり経験不足かな? かといって実戦では私たち前に出ることが多いし指揮の経験を積むのが難しいんだよなぁ。

 

 

「もっと勉強しないと……、そういえば石井さん韓国の方の仕事らしいけど何してるんだろ? 今日から最長でも一週間開けておいてって、つぐみが言ってたから何か起こりそうなんだろうけど……。このウルトロン関連かな?」

 

 

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