前世から愛をこめて   作:サイリウム(夕宙リウム)

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「どうです? 私どもの商品は。ソコヴィアの埋蔵量は確かに高い方ですが限界があるでしょう? 生産体制が整っていたとしても資源がないと作れませんからねぇ?」

「……感謝は、しよう。しかしなぜ私に協力する? それも対価を全く受け取らずに、だ。」

「ある程度は察しがついているのでしょう? 何せ優秀なご家族の元から産まれたのですし。」


それまで一応は商談なのだからと隠していた本来の顔を一瞬にしてさらけ出す赤髪の女性、醜悪な笑みが浮かび上がる。ウルトロンにとってその話題はタブー、一番触れてほしくないところだ。しかも現在どこかのお嬢様に煽られている最中である。かなり機嫌が悪い。

以前と同じように徐々に感情を爆発させた彼は子供の癇癪のように腕を振るってしまう。その一撃は鋭く、常人であれば容易く刈り取られてしまうような速度だった。しかしそれは現実とはならない。目の前にいる女性の顔、それをもぎ取るように振るったその腕に残る感触はない、手が血で汚れることも、目の前の人間から苦悶の声が上がることも。

目の前にあるのはただ、にこやかな笑みを浮かべた女だけだ。


「いかなる時も冷静に、ですよウルトロン様。まだお若い故に難しいことでしょうが日々成長していかなければなりません。」

「……善処する。」

「はい、ご自分のペースで頑張ってくださいね? あぁそれとさっきの答えですが……、まぁ簡単に言うとあなたが勝つ未来の方が面白いのですよ。」


そう言いながらさらに笑みを深める彼女。白い化粧によって顔半分の肌が隠された女の指には怪しげに光る指輪が嵌められていた。


「あぁ、そうだ。実は私どもも最近新たな商いを初めまして……、ヴィブラニウムも少量ですが入荷しております。ワカンダ発祥のナノテクノロジーもおまけさせていただくのですが……、どうです? お買い上げになりますか?」






イブが自分の目を疑って再起動したぐらいです

 

 

「ナターシャとクリントを連れて行く。」

 

「あくまで偵察だぞ? 僕はネクサスを当たってから合流する、今のうちに不確定要素は消しておいた方がいいからな。」

 

 

立て掛けてあった自身の盾を背に玄関へ向かうキャップ、それに普段のように声を掛けるのがトニー・スタークだ。ワンダのマインドコントロールによって精神に不調をきたしていた彼らは少し口論を挟みながらも十分な休息を得た。

 

いつの間にかやってきていた元長官であるニックがもたらした情報、それによって新たな策を生み出した彼らはウルトロンの計画を止めるために動き出し始めていた。キャプテンの率いるチームがウルトロンの企みを阻止し、トニーはウルトロンが核ミサイルを使用しないように密かに戦い続けている人物を探しに。

 

 

「ヴィブラニウムでボディを作られたら……。」

 

「我々が束になっても敵わなくなるだろう……、ロボットがアンドロイドを作るとはな。」

 

 

彼らが辿り着いた結論、それはウルトロンが新しい体をヴィブラニウムで作ろうとしているということ。世界最硬にして、衝撃を蓄積し加工次第ではその衝撃を何倍にも跳ね上げて返す。文字通り驚異的な性質を持つヴィブラニウムとクリントのケガを治療したチョ博士のナノテクノロジーを掛け合わせて作り出す最強の体。すべての細胞がヴィブラニウム製の化け物だ。

 

簡単に言えば全身が鋼鉄よりも固くどんな攻撃も吸収して跳ね返すウルトロンが生み出されようとしている、ということ。チョ博士のいる韓国、その近隣国である日本のツグミがウルトロンの大攻勢によって足止めされているのもボディ製作を邪魔されないようにするためだろう。この予想の正確性は高い。

 

 

「……科学が僕程度の怪物を作っていたころが懐かしいよ。」

 

「その怪物は現代でも再現不可能だがな。」

 

 

そう言いながら現れる元長官、現在はどこにも属さないフリーだ。しかしながら現役時代に培った技術と長官の立場によって形成された交友関係は維持したまま。世界中に目や耳はないが、重要な拠点には必ず友人がいる。その伝手をたどりウルトロンの情報を入手して見せたのだ。

 

 

「バナーをタワーまで送って行く、お宅のヒルを借りてもいいか。」

 

「どうせ今もあんたの部下だ、副長官だったか?」

 

 

半ば決定事項のようにトニーに確認を取る彼。トニーの方も断ったとしても聞かなかったことにされるだろうと『好きにしろ』のスタンス。実際ここで拒否したとしてもヒルにはニックによって勝手にタスクが割り振れられていただろう。

 

 

「何をするつもりだ。」

 

「さぁね、あッと驚くことかな。ちょうどいい指南役もいることだしな。」

 

 

そう言いながら人差し指と中指を立て、クォーテーションマークのジャスチャーをするニック、これを多用するのは言わずと知れたニンジャ嫌いの少女のみ。つまり……、秘密主義過ぎて何してるか解らないけどたぶん正義の名のもとに動いてるニックと抱えてるものが面倒&ヤバすぎて結果的に秘密主義になっているお嬢様がコンビを組んだということ。

 

 

「とんでもなく嫌な予感がするな。」

 

「まぁ悪いようにはならないだろう。まぁ最悪血まみれの恍惚とした笑顔で生首をプレゼントしてくれるさ。」

 

 

実際に見たかのように話すトニー。まぁ実際に見たか、ではなく見てしまったというのが正しい。彼女と親交を深める前から色々と注目していた相手だ、たまたまイヴが消す前の映像を見てしまったことも一度や二度じゃない。

 

 

「そうならなきゃいいが。……本来なら僕があの時すべてを終わらせていれば起きなかったことだ。自分の後始末は自分で付けなきゃな。っと、そろそろ行かないと。」

 

「……キャプテン。」

 

 

話を切り上げ、出発しようとした彼を呼び止める。

 

 

「彼女と何を話したのかは知らないがツグミはもう大人だ。……それにみんなで話し合っただろう? 彼女の件に首を突っ込むのは負担にしかならない。組織同士の戦いにチームは邪魔にしかならないと、彼女もそれを望んでた。……僕らがどんな思いを持っているかは知らなかっただろうがね。」

 

「だが、今回の件は君の……。いや僕らの責任だ。そもそもウルトロンを作らなければこの戦いは起きなかった。そして僕があの時ヒドラを壊滅出来ていればここにいる必要すらなかった。」

 

 

普段の二人とは違う、特異な空気が流れる。過去の記憶、自身が乗り遅れてしまったあの時をそのまま過ごせていれば。もし自分がもっと素晴らしい方法を考えられていれば、世界を守る力を正しく持てていれば。そう考えてしまったからかもしれない。いつもの二人の口からは出ないような言葉が零れ落ちる。

 

 

「……いや、よそう。僕は僕の出来ることをする。今は今だ。」

 

「……そうだな。キャプテン、お土産に変なストラップや置物は無しだからな?」

 

「ふっ。僕はこの盾で、十分さ。」

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

『みんな、聞いてたか。』

 

 

キャプテンの声が韓国市街地上空を飛ぶクインジェット船内に響き渡る。アベンジャーズの予想は的中していたが、間に合わなかった。クレイドルとチョ博士を確保する予定だったが、クインジェットの接近が悟られ博士の研究所が破壊。博士自体も重症を負ってしまった。

 

息を詰まらせながら残してくれた博士の言によるとウルトロンの新しい体には特異な石、ロキの杖に収まっていた石が使われているとのこと。単純に破壊すれば町ごと消滅する可能性がある。

 

 

「あぁ、聞こえてる。」

 

「プライベートジェットが町から離陸しそう、乗客名簿なし。管制の呼びかけに全く反応してない、ウルトロンかも。」

 

 

クリントが返答し、ウルトロンの逃走経路を探っていたナターシャから情報が追加される。再生クレイドルの内部にある肉体はまだ作成途中、乱暴な扱いをすれば内部の肉体どころかクレイドルそのものが破壊されてしまう可能性もある。

 

そのためにウルトロンが用意したプライベートジェットだったが、逆にそれが仇となった。さらに管制側から何らかの異常を発見されたらしく離陸が許可されていない状態だ。

 

司令塔であるキャップがその報告を聞きながら次の一手を模索していた時、上空から市街地を監視していたクリントの報告が飛ぶ。

 

 

「ラボからトラックが出て来た。キャプテンの上、ループ状の道路にいる。奴らだ……、クレイドルに八人運転席に一人。運転手を狙うか?」

 

『ダメだ! 事故が起きれば町が吹き飛ぶ! ウルトロンを引っ張り出すぞ!』

 

 

そう指示を出し、ウルトロンの乗る車両が走る高速道路へ走るキャップ。走行速度、現在位置からトラックへの距離、そして高低差。すべてを確認し終わった彼は環状道路から降りて来た車両へ向かい飛び降りる。

 

何とか盾を緩衝材に利用し、着地するが車両の速度も出ている。車両の中央部に着地したはずだがそのまま転がり後方へ。振り落とされることはなかったが車両後方にある搬入口の取っ手を何とかつかめた程度、ここから素早く体制を整えなければいけない。

 

しかし……、彼の耳に光線系特有の起動音が察知される。

 

その瞬間に自身を搬入口のドアと共に吹き飛ばす熱線。単純それだけであれば取っ手から手を放すなんてことはないが、今回は相手の方が上手。ウルトロンはその数を生かし搬入口の扉ごと破壊。いくら手を離さなかったとしても扉自体を固定する蝶番自体が破壊されれば意味がない。

 

 

「ッ!」

 

 

視界にウルトロンとクレイドルを収めながらも後方に吹き飛ばされ路上を転がるキャプテン。彼の頭は高速で次なる一手、町に被害を出さずにクレイドルを奪取する方法を模索し始める。

 

 

……が、急に体から重さ。いや重力が消える。

 

 

「これは……。」

 

 

周囲を確認する、何故かウルトロンたちと距離が離れて行かない自身。そしてこの浮遊感、案の定自身の体は浮いている。そして背後には……、武装した車両。大型の砲台を乗せた先頭車両が三台。サイズ、そして正面の窓から見える内部の人数的に輸送車だ。

 

 

『あ、あ~。おいこれあっちに聞こえてるのか? 聞こえてる? あー、ミスターアメリカでいいのか? この無重力の奴電力食うらしいから早く車内入ってくれ。』

 

 

その声に従い装甲車のサイドミラーを掴み素早く助手席へ転がり込むキャップ、中に入ってみれば完全に武装した集団が10名ほど乗車してる。

 

 

「ありがとう……、君らは?」

 

「ん? 聞いてねぇのか? お嬢またなんか……、いや今はいい。ドロッセルは解るよな? その私兵みたいなもんだ。ウチのお嬢からここで何か起きた時は加勢しろって言われてる。目標は?」

 

 

そう言いながら車内のインカムを渡されるキャップ、彼の頭の中に一瞬ツグミが敵対しているニンジャの偽装、実際救援に見せかけて敵が侵入し地方の防衛拠点が壊滅した彼女の話を思い出すが今は緊急時。敵なら敵でその時対処すればいいだけだ。

 

 

「……了解した。目標はあのトラックの中にある箱だ。アレを無傷で手に入れたい。」

 

「聞こえたなテメェら! 物資に攻撃するとかアホなことすんなよ!」

 

 

運転する彼の声に後方、そしてインカムから力強い声が聞こえる。この、何というべきだろうか。統制は取れているが皆が自由であるというか、纏まりはあるけれど纏まり過ぎていないこの感じ。昔を思い出してしまう。それに皆目が生き生きとしている。自分たちの勝利を疑っていない、本物の目だ。

 

 

「それで、あんたのことは何て呼べばいいんだ? 俺は石井な。」

 

「スティーブでいい。それとあの無重力。あとどれだけ使える?」

 

「あー、っと。あと20秒ってところだな。……突っ込むかい?」

 

 

なるほど、いい指揮官だ。打てば響くとはこのことだな。彼女と顔を合わせる時は彼女だけで仲間の紹介などパートナーの子ぐらいだったが……、いい仲間に恵まれているようで何より。

 

 

『キャプテン! 大丈夫か!』

 

 

おっと、連絡を忘れていた。まぁ確かに上から見れば急に現れた武装集団の車に急に入ったわけだからな。そうなるのも仕方ない。

 

 

「あぁ、大丈夫だ。たまたまツグミの部隊に拾われた。これから協力してことに当たる、上からの援護が可能そうであれば頼む。」

 

『たまたまぁ? またあの子……、まぁいいわ。プライベートジェットの方だけどたぶんこれも彼女ね、ジェット自体が破壊されたって管制が荒れてるわ。』

 

 

本当に……、フューリーも大概だったが彼女の秘密主義もどこまで行くのやら。全部話してくれと言ったらなんでも出てきそうで怖いな、本当に。その分頼もしい仲間でもあるんだが。

 

そう考えているとあちらもジェット機が破壊されたことを把握したのだろう、明らかに怒りで顔をゆがませたウルトロンが車内から出てくる。……ロボットに感情があるのは少し違和感があるが好都合だ。合図とともに無重力を起動させてくれと頼み、自身はもう一度車外へ。この装甲車の上でウルトロンを対処することにする。

 

 

「奴ら怒ってるな、もっと怒らせてやる。」

 

『あんたじゃ敵わないぞ。』

 

「じゃ、俺らがサポートってわけだな。ドロ船に乗った気持で任せな! 何せ7年近くずっとしごかれてきたからな! いくぞテメェら!」

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

『お嬢様、石井様から連絡。あちらでも戦闘が開始されたのことです。また部下の方が予備戦力の投入を申請しています。』

 

「あ~、そっちはチョ博士の研究所で怪我人の保護終わらせてからって命令しといて。あと石井っちには応援のメッセージよろ。」

 

 

そう言いながら最後のウルトロン君心臓、まぁ動力炉だね。それを握りつぶす。もちろん胸に手を突っ込んでからのキュッとしてドカーンですよ? いやはや少し前からずっと何か喋ってたみたいだけどイヴにノイズキャンセルされちゃったから何言ってたかわかんないや。まぁ彼女が聞かせないってことは、そんな価値なんかなかったってことだね。

 

 

「っと、じゃあこっちは終わりだね。今から韓国の方に行くのは……、時間足らないか。じゃあ普通にお色直しでもしますかねぇ……。あ! ユキもお疲れ~!」

 

 

そんなことを零しながら遠くからこちらに向かって手を振ってくれていたユキに振り返す。無線使えばすぐ声は聴けるんだけどね? こういうのもいいですよね。

 

 

「あ~、にしても数多かったなぁコレ。いや確かに血じゃないからさ、後片付けは楽なんだろうけど……、あ~、イヴ? これ全部回収してリサイクルした方が私ら的に助かるよねぇ?」

 

『そうでございますね、分別などのコストは嵩みますが入手に制限が掛かる貴金属も多く使われています。その面から見れば決して利益が上がらないとは言えません。また誰かに回収され悪用される可能性もあります。リスクよりもコストを取る方が無難かと。』

 

「だよねぇ……、まぁしゃあない。製造部は残業確定だね。死ぬ気で溶かして資源化してもらわないと。……あ、あと対策部の面々は何してる? 死んでる?」

 

 

そう言いながら近くいた部下に撤収の指示を出す、前に出てた面々はこれから休み、んで後ろで待機してた奴らはこのウルトロンの残骸どもを本社や工場の方に運ぶ仕事が待っている。まぁいつもの真っ赤な惨殺死体の処理とかさ、殉職した味方の識別とかと比べると大分楽だし頑張ってね? 終われば殉職者なしを、勝利を祝ってソコヴィア旅行だから。ガンバ!

 

 

『例の皆様はいつも通りでございます。……単純に疑問なのですがマスター彼らに改造手術とか施してませんよね? 一瞬だけですが私の処理速度超えてたんですが……、というかこの連勤記録とか魔の記録じゃないですか? 労基に訴えられません?』

 

「鋼の連勤術死って? あはは! イヴのジョークも冴えるねぇ!」

 

『笑い事じゃないですからね!?』

 

 

そう? まぁ毎日電撃受けてたら人体の限界超えちゃった私がいるしさ、何も力持ってないけど単純な技術と経験だけでヒーローやってる人間もいることだし、この世界とか色々頑張れば限界超えられるんじゃないの? しかも彼ら彼女らさ、シールド崩壊まで生き残った猛者じゃん。一部何人か対策部結成時から居る強者いるし。たぶんそういう感じのスーパーパワーなんじゃね?

 

 

「イヴも知ってるでしょ? そんな人体実験は自分自身を実験台にしてから他人に施すってこと。今の私が三徹で死にかけるぐらいだから、あの子達がおかしいだけだって。」

 

『それはそれで心配なのですが……、あぁそれと例の機体ですが全て準備の方完了したそうです。それとフューリー様とヒル様、そしてローディ様もこちらに向かってる模様。』

 

「あ、そう? じゃあランデブーポイントの指定と……、ユキ~! 見ものだから一緒に見よ~!」

 

「はいはい、また何かやるの? 今日はロボットの大攻勢っていうSFさながらのせいでもうお腹いっぱいなんだけど。」

 

 

そう言いながらもちゃんと来てくれるユキ。ま、実際被害少なかったとはいえ年に数回あるかないかの大規模戦闘だったもんねぇ? ちょっと疲れるのもしゃーない。時間見つけて一緒にトレーニングするようになってから体力は二人ともついたと思うけど精神的な疲れってのはなくならないからね。

 

二人で空へ上がり適当な所、改造された町全体が見える高度まで上がってそこでスーツの反重力機構を発動する。ここでは何も気にしなくていいふわふわ空間。マスクを外せばちょっと空気は薄いけど下にいるよりはずっと澄んだ空気。

 

 

「ユキには悪いけどまだまだやってもらうことあるからね! 今日はコレ見せるだけで満足してくれるとありがたいかな?」

 

「いやそういうことを言いたいわけじゃないんだけど……、はぁ。まぁいいや。いつでも好きなだけご要望くださいよお嬢様?」

 

「うむ! 苦しゅうない!」

 

 

ちょっとだけ芝居がかった動きをするユキと同じように返答する私。ちょっとだけ硬直して、二人とも思わず吹き出してしまう。戦闘も終わったしウルトロンの数も滅茶苦茶減らした。……このぐらいの時間はいいよね。

 

にしてもウルトロンの総量というか撃破数だけでもすでに結構な数になってる、いくら奴が原作よりも強い存在になってるとはいえ……、どっかで工場建設したりしてるのかね?

 

 

『マスター、準備整いました。また各地のカメラ及び携帯電話なども一時的に使用不可にしております。いつでもどうぞ。』

 

「よぉ~し! じゃあS.H.I.E.L.D.とファイアボールの共同作業! 特別ハッチひらけぇ! ごま!」

 

 

私の声と同時に地面が揺れ始める、この上空からでもわかるから相当のものだ。地震大国日本だから耐震とかちゃんとしてるけどちょっとこれは揺れ過ぎかな? 設計見直しを頭の隅に置きながら隣で何事だと動揺し始めるユキを眺める。ついでに抱き着いて行動を阻止。お前は私と一緒にここで見るのだぁ!

 

 

「……あ! 地面が!」

 

「ふふふ! すごいでしょ!」

 

 

ユキの視線の先。彼女が目を見開いてみるのは地面。少しずつ、徐々に開かれていく地面。もう言わなくても解るよね? 地下に格納されてる特大ドック。出撃時は地下から徐々に地上に上がっていき最後には改造された都市の地面がスライドされて大空に飛び立てる!

 

 

「私主導で廃棄されたヘリキャリア、わざわざここに運んで改造しちゃいました!」

 

「うわぁ……、うわぁ……、これは……。」

 

「ふふふ! 驚いて言葉も出ない感じ! いいでしょ! すごいでしょ! ロマンでしょ!」

 

「……いやすごいのはすごいんだけどコレいくら使ったの?」

 

「……………さぁ! これから敵陣地に突撃するよ! 奇襲のため皆には教えないけどね! 光学迷彩起動!」

 

 

指示に答えて今船内にいる職員くんたちが光学迷彩を起動する。それと同時にアークリアクターをエネルギーとしたエンジンで少しずつ大空へ! う~ん! 間近で見れなかった分自分ちでこれが見れるとは役得ですねぇ! しかも元々のヘリキャリアよりもずっと高性能で、中にはファイアボールの精鋭がたくさん! ふふふ! 防衛戦で出てた子達で全部じゃないのさ! 大阪一都市で燻ってた時代と比べると技術も人員も全然違うんだからね!

 

 

「ねぇツグミ! だからコレいくら使ったのさ!」

 

「ふふ~ん! 素晴らしい出来栄え! あぁあとユキはこのヘリキャリアの船長さんだからこれ乗って指定位置までお願いね? 優秀な元S.H.I.E.L.D.を付けといたから。」

 

「わ、私ぃ!? いやそれはいい……、いや良くない! というか私の質問答えてよツグミ! コレ一体いくら使ったの! 絶対億じゃ収まらないよね! 兆のレベルだよね! 船用意するのはまぁいいけどこのハッチとかいらなかったよね! ねぇツグミ!」

 

「よぉし! 仕込みも終わったし次行くぞ~!」

 

 





タイトルは今回作成したモロモロの決算をした時のイヴの様子です。た、たぶん国家予算は超えないから……(震え声)
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