「これで…!しまいだああああああああ!!!」
咆哮とともにデカブツの顔をぶん殴り吹き飛ばす
デカブツは壁をぶち抜きながら10メートル近く吹き飛ばされ瓦礫の向こうへ消えていった
「終わったぞ!!ドクター!!もう帰っていいか!?いいよなぁ!」
『すまないが敵の増援が来た!もう暫く持ちこたえてくれ!』
「くそったれええええええ!!!」
そしてやってくるレユニオンの大軍勢を前にその男…コードネーム『シュテン』は固く決意した
「これ終わったら絶対転職してやるからなあああああああ!!!!」
「だからよ!もうこの仕事やめてやろうと思うんだわ!!」
数秒前まで酒が入っていたグラスでテーブルを叩きシュテンは大声で愚痴る。その音に食堂にいた人の視線が一瞬集まるが…下手人を確認するとすぐに目を逸らされる「またシュテンか」「いつものそれね」と声も聞こえてくる。うるさい
「またその話かよ兄上…最近毎日聞いている気がするぞ我輩は。戦闘が好きなんだから敵が多いなんて願ったり叶ったりじゃないか。何が不満なんだよー。」
そう言いながら呆れ顔で俺と同じ酒を対面で呷っているのはマトイマルというオペレーターだ。そしてなんと愛しの妹だ。
「お前までそんなこと言わないでくれよマトイマル!!最近妹が冷たくて兄は悲しいぜ…。これが反抗期ってやつか?」
「ここ毎日酔っぱらいの愚痴に付き合わされたら誰だってうんざりするに決まってるだろ!あれだけ戦いたいって言ってた兄上は一体何が不満なのか我輩には全然わからないんだ。酒も飲めるし思いっきり戦えるしさー。」
「ああ、確かに俺は戦いが好きだぜ?一対一でも多対一でもな!
向かってくる有象無象をばったばったと薙ぎ倒すのは胸がすく!でもな!何でウチの大将は迎撃しかさせてくれねーんだ!!!」
「そりゃーあれだよ兄上、あれあれ」
「なんだよ」
「ドクターの考えなんざ我輩たちみたいなアホにはわかんないということだ!!!」
「違いねえ!!」
ハッハッハッハーグビグビグビプハー
「「けど酒は美味いのは分かる!!!!」
乾杯!!!!
「そういえば兄上はロドスに来るまでどこでにしてたんだ?」
こうして不平不満や理性を酒に溶かして騒いでいるとマトイマルがふと思い立ったというおももちで聞いてくる
「ん?いやお前も俺がロドスに入る時に観にきてたろ?俺はカジミエーシュで競技騎士ってのになってたんだよ。戦ってるだけで名誉と金が手に入るって聞いてな。まあ聞いてたのと実際とは随分違ったんだが…」
競技騎士。騎士の国カジミエーシュでは騎士同士の決闘が興行として整備され他国にもファンが多い一大コンテンツとなっている。それに出場する競技騎士は絶大な人気を誇りそのトップ層ともなれば数々の企業からスポンサードを受けられる。
俺はそこで競技騎士に名を連ねそれなりの活躍をしていたわけだが
「我輩は兄上が競技騎士辞める直前からしか知らないんだ!それに兄上が競技騎士になったのは二年前だけど家を出ていったのはもう七年以上前の話だろ。それまでの旅の思い出とかを聞かせてくれよー。酒のいいつまみになるぜ!」
「えー…」
凄え面倒くせぇ…
「それに行く場所行く場所で女の子を誑かしてたらしいじゃねえーか!兄上の武勇伝を聞かせてくれよー!」
「はぁ!?」
思わず酒を吹き出した。いや覚えがねえが!?
「ロドスだと結構噂になってるぜ?1日で100人の女を手込めにしたーとか、期待させるだけさせて外国に逃げたーとか実家じゃ毎日美男美女を集めて夜伽させてたーとか。」
「全部覚えがねーけど!!?てか最後のは一緒に住んでたからしてねーの知ってるだろうが!!!」
「えー?」
「何知らないふりしてんだ!!!」
てか誰が広めてんだよそれ!周りを見回すと食堂のやつらも疑わしそうに俺を見ていた
これは噂を絶つためにもしっかり語り聞かせる他ないだろう
「じゃあ好きなだけ聞かせてやるよ!!そして俺は無実だったということを言い広めてくださいお願いします」