IS~箱の中の魔術師~   作:ZZZ777

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最近出たタンサターンDXの練習しつつ書いてたら、想定の2倍くらい時間がかかりました。
ボトルマンが楽しすぎて時間があっという間に過ぎていくからですかね。
次は気を付けます。

IS~箱の中の魔術師~、始まるよ!


事件の後の会議

「仙道君!凰さん!大丈夫ですか!?」

 

 

「あ?」

 

 

「ん?」

 

 

IS学園のクラス対抗戦の際中に起こった襲撃事件。

ジョーカーとハカイオーがインビットとデクー8機との交戦を勝利で収めた直後、閉じられていたアリーナが開き、かなり遅れて教員が突入してきた。

 

 

「俺は問題無い」

 

 

「私も問題無いわ」

 

 

「なら良かったです…」

 

 

ジョーカーとハカイオーの元にやって来た教員が2人の安否を確認し、無事な事に安堵の息を漏らす。

 

 

「そうだ、1つ聞いておきたい事がある」

 

 

「はい、なんですか?」

 

 

「なんでこんなに遅れた?開いて直ぐに来たんだから待機はしてたんだろ?多少の時間は要するかもしれんが、壊してくればよかったじゃないか」

 

 

正論過ぎる言葉を聞いた教員は、思わず視線を逸らしてしまう。

だが、逸らした先にいるハカイオーから発せられている威圧感を受け、言いにくそうにしながらも説明を開始する。

 

 

「あの、その…お、織斑先生が原因というか…」

 

 

「そんな言いにくい事なんですか?」

 

 

鈴のその言葉を聞き、漸く覚悟が決まったようにため息をつく。

 

 

「織斑先生の指示が遅すぎて漸く行動出来る頃には仙道君と凰さんが終わらせてたんです」

 

 

「指示が無いと動けないのか?」

 

 

「はい、織斑先生は現役時代の功績から有事の際の行動指揮権を持っています」

 

 

「なるほど。指揮権のある人間の指示によって行動を決定するのに、その指示が無かったと」

 

 

「それに加え、無視して勝手に行動すると、理不尽な罰則だったり、全責任だったりをその無能な指揮権所有者から与えられると」

 

 

「う、そ、その通りです…」

 

 

説明していない部分まで的確に理解した2人に、その教員は頷く事しか出来なかった。

 

 

「カスだな」

 

 

「ええ、カスね」

 

 

2人が千冬をボロカスに吐き捨てる様子を見て、教員は慌てて声を発する。

 

 

「と、取り敢えず!後は私達教員に任せてください。今日の16:00からこの事件に関する事後会議を行うので、会議室に集合してください」

 

 

「って事は、それまでの間はフリーか?」

 

 

「はい、激しい戦闘の後なんです。しっかりと身体を休めてください」

 

 

「…身体を休めろって言うんなら会議明日で良かったんじゃない?」

 

 

鈴が正直に思った事をそのまま零してしまい、それを聞いた教員は苦笑いを浮かべる。

 

 

「お前はちょっと黙る事を覚えるんだな」

 

 

その言葉を残し、ジョーカーはジョーカーズソウルを肩に担ぎそのままピットへと戻っていった。

 

 

「あ、ちょ、待ちなさ~い!」

 

 

慌ててハカイオーもジョーカーと同じピットに戻っていく。

そうしてピットに戻った2人はISを解除し、鈴はピット備え付けのベンチに座る。

 

 

「疲れたぁ!!」

 

 

「もっとボリュームを下げろ馬鹿」

 

 

ピ、ピ、ピ、ピ

 

 

そんな鈴を横目に見ながらイチカはCCMを操作する。

 

 

「ねぇ、何してんの?」

 

 

「戦闘映像と、あのカギ爪野郎と雑魚の解析結果の保存」

 

 

「えっ!?勝手にそんなことしていいの!?」

 

 

「駄目だって言われていないから良いんだよ」

 

 

「な、なんつー屁理屈……」

 

 

鈴は半眼を浮かべながらそう呟くが、そんな事イチカには関係ない。

 

 

「まぁ、会議の後に学園長に会社に送って良いか聞く。駄目だって言われたら大人しく消すさ」

 

 

「あ、そこらへんは流石にちゃんとしてるのね…」

 

 

「お前は俺を何だと思ってやがる」

 

 

今度はイチカが半眼を作りながらそう聞いた。

それと同時にCCMを閉じ、ISスーツのポケットに仕舞う。

半眼を向けられた鈴はわざとらしく視線を泳がせる。

そんな様子を見て、イチカはため息をつく。

 

 

「腹が減ったな…今食堂やってるか?」

 

 

「え?あ~わかんない」

 

 

「だろうな。お前転校してきたばっかだし」

 

 

「じゃあ何で聞いたのよ!?」

 

 

「ワンチャンに賭けた。負けても損は無いからな」

 

 

「た、確かにそうだけど…」

 

 

どうでも良さそうな雰囲気を醸し出しながらそう言うイチカに、鈴は力が抜けたようにへなへなとベンチに深く座り込む。

そんな鈴を放って、イチカはアリーナの更衣室に向かって歩き始める。

 

 

「だから!私を置いていくな!」

 

 

「なんだ?男子更衣室で着替えるつもりか?」

 

 

「……ふぇっ!?」

 

 

イチカの言葉を聞いた鈴は思わず身体を固め、間抜けな声を発してしまう。

その隙にイチカはピットから出て、更衣室に向かって行く。

それに気が付いた鈴も慌ててピットから出ると、イチカの背中に向かって叫ぶ。

 

 

「着替え終わったら!アリーナの入り口で待ってなさい!私も食堂行くから!」

 

 

「へいへい」

 

 

イチカは面倒くさそうな返事をすると、振り返ることも無くスタスタと男子更衣室に向かって歩いて行った。

鈴は頭をポリポリ掻きながら

 

 

「前と違い過ぎて調子狂うわね…」

 

 

そう呟いた。

少しの間そうしていたが、やがて自身も女子更衣室に向かって歩いていくのだった。

 

 


 

 

イチカと鈴はその後合流し、食堂に向かった。

食堂はまだ準備中だったので方針転換。

売店に行く事にした。

本来はまだクラス対抗戦の時間の為閉まっていたのだが、事情を知っている教員が偶々近くを通ったので声を掛け、売店のオバちゃんに連絡を入れ特別に開けてもらった。

そこで菓子類を購入し、小腹を満たした。

 

 

そこから適当なベンチに座り、ゲーム等で時間を潰した。

そして、アリーナでの戦闘から暫くたち、15:40。

もう直ぐで会議が開始する時間になった。

正直面倒くさいのでサボりたいが、サボったら何があるか分からない。

その為イチカと鈴は大人しく会議室へとやって来た。

 

 

「…正直、だるいわねぇ」

 

 

「そりゃそうだろ。会議なんてのは時間を無駄に食うだけなんだからな」

 

 

「辛辣…」

 

 

鈴がイチカに半眼を向けるが、イチカにはそんなもの関係ない。

扉の前に立ち、扉を3回ノックする。

 

 

「仙道イチカ、凰鈴音。入室許可を」

 

 

『どうぞ』

 

 

入室許可の返事を聞いたイチカが鈴に視線を向け、鈴はイチカの隣に立つ。

 

 

「「失礼します」」

 

 

扉を開け、同時に頭を下げながら声を発する。

そうして同時に顔を上げ、これまた同時に困惑の表情を浮かべた。

 

 

「仙道君、凰さん、わざわざありがとうございます。私が轡木です」

 

 

そんな2人に、会議室の1番奥に座っていた男性…学園長の十蔵が声を掛ける。

それと同時に固まっていた2人は動きを取り戻し、十蔵に視線を向ける。

 

 

「初めまして、凰鈴音です」

 

 

「…仙道イチカだ」

 

 

鈴が挨拶をしたので、それにしょうがなく合わせる形でイチカも挨拶をする。

そんな2人を見て、十蔵は微笑を浮かべる。

 

 

「仙道君と凰さんの席はそこになります。どうぞ座って下さい」

 

 

「あ、その前に1つ良いですか?」

 

 

「はい、なんですか?」

 

 

「アレ、なんです?」

 

 

鈴は会議室のとある方向に視線を向けながら指を指す。

それと同時にイチカと十蔵も同じ方向に視線を向ける。

そこにあったのは、会議室に入った時イチカと鈴が困惑の表情を浮かべた原因。

椅子に深く、深~く座りこみ、項垂れている箒だった。

それを見た十蔵はため息をつき、説明を始める。

 

 

「篠ノ之さんは、戦闘中に放送室に向かおうとしていたところを偶々近くにいた教員が捕まえたんです」

 

 

「放送室だぁ?」

 

 

十蔵の言葉を聞いたイチカは思わずそんな反応をしてしまう。

だが、十蔵はそんなイチカを咎める事はせず、頷くと説明を続ける。

 

 

「はい、捕まえた教員によると『離せ!私は一夏に喝を入れに行くだけだ!』と言って暴れていたようです。その為少々手荒ですが無理やり引きずって来たのです」

 

 

「ほう」

 

 

「事態が収まった後、此処でこってりとお説教をされました」

 

 

「なるほど、だからあんな項垂れてんのか」

 

 

大体の事情を理解したイチカは再び箒に視線を向けると、嘲笑うかのような笑みを浮かべる。

 

 

「ざまぁねぇなぁ」

 

 

「口が悪いわよ」

 

 

「黙れ、お前は母親か」

 

 

「違うわよ!」

 

 

こんな時でもいつもの調子を崩さない2人に、十蔵は思わず微笑を浮かべる。

 

 

「それで、その説教をしていたという教員は何処へ?」

 

 

「ああ、今は職員室に戻っています。会議の記録用レコーダーを「戻りました」噂をすれば、ですね」

 

 

鈴の疑問に十蔵が答えていると、丁度会議室の扉が開き、件の教師が会議室に戻ってきた。

これで十蔵に聞くことが無くなった2人は先程十蔵に指定された席へと座る。

だが、鈴が普通に大人しく座っているのに対し、イチカはまるでプライベートかのようにドカッと座っていた。

流石に足を組んだりはしていないが、とても気だるげであり、会議が面倒くさいというのを全身で醸し出していた。

 

 

それから暫く経ち、会議室に教員が続々と集まって来た。

イチカはその光景を見て

 

 

(もっと後で良かったじゃねぇか)

 

 

と心の中で不満を感じたが、声に出しても意味が無いので黙っていた。

まぁ、意味があったとしても面倒ごとに発展する方の意味しかなさそうなのだが。

 

 

 

そうして箒が会議室から反省室に連れて行かれたりといった感じで時間は過ぎていき、時刻は15:59。

会議開始の1分前。

会議室には参加する人間がほぼ全員揃っていた。

そう、()()()()が。

 

 

「…織斑先生はどうしました?」

 

 

十蔵が困惑したような表情を浮かべながらそう声を発する。

それと同時に、イチカを除く全員の視線が唯一の空席に向けられる。

そう、会議が始まるまでもう1分も無いというのに千冬が未だに来ていたいのだ。

 

 

「わ、分からないです…1時間前には職員室で見たのですが……」

 

 

空席の隣に座る真耶も同じく困惑の表情を浮かべながらそう返す。

1組副担任であり、恐らく全教員の中で1番千冬と関わりがある真耶ですら分からないとなると、もう誰にも分からない。

会議室内に何とも言えない微妙な空気が広がる。

だが、この場に置いて唯一そんな空気が気にならない男ことイチカが面倒くさそうに口を開く。

 

 

「会議に遅れるような馬鹿は放っておいていいだろ。それにアイツ、緊急時なんちゃらかんちゃらの割に仕事すっぽかしてたらしいしな」

 

 

「確かに」

 

 

イチカの言葉に鈴が同調するように頷く。

だが、同じように頷けないのは十蔵だ。

慌てたようにイチカと鈴に質問をする。

 

 

「せ、仙道君!凰さん!それはどういう事ですか?」

 

 

「詳しくは知らん。指示受ける側だった人間に聞け」

 

 

説明するのが面倒だったのか、それとも本当に教員の方が説明しやすいと思ったのかは定かではないが、イチカは手元で取り出したタロットカードを弄りながらそう返した。

タロットカードの事は気にも留めず、十蔵は教員達に質問する。

 

 

教員達は最初は言いにくそうにしていたが、やがて素直に千冬の指示が遅すぎるどころかほぼ無かった事等々の問題点を次々に十蔵に報告していった。

その報告の中には、今回の事件関係のものだけでなく、仕事を他人に押し付ける事があるなど普段の傍若無人な振る舞いもあった。

 

 

そうして、その全てを聞き終えた十蔵は思わず頭を抱えてしまった。

ブリュンヒルデの称号は真実に奪われているものの、モンド・グロッソ初代優勝者の功績と、それに値する実力は確かにあった。

だからこそ、有事の際行動指揮権を託していた千冬が、まさか自分の目が届かない所でそんな行動をしていたとは。

流石のイチカも雰囲気を察し何も言葉を発しない。

 

 

だが、その空気を打ち破るかのように廊下からドタバタという足音が聞こえてきた。

全員が足音の原因を察し、会議室の扉に視線を向ける。

約5秒後。

 

バァアン!!

 

 

「遅れました」

 

 

物凄い音を立てながら会議室の扉が開き、走った後であろう千冬が会議室に入って来た。

 

 

「……織斑先生、会議開始の時間からもう10分経ってますよ?」

 

 

いろいろ言いたい事はある。

だが、今は事後会議が優先だ。

言いたい事をグッと堪え、あくまでも会議に遅れた事について怒っている事にした。

十蔵のその様子から、イチカ達も大体考えている事を察し、黙って千冬の事を見ている。

 

 

「すみませんでした」

 

 

「取り敢えず空いている席に座って下さい。会議を始めます」

 

 

十蔵に言われ、千冬は真耶の隣に座る。

だが、その態度からは遅刻に対する反省が何一つ感じられなかった。

その事に怒りを覚えながらも、十蔵は会議を開始させる。

 

 

「それでは、先ず初めに今回起こった事件の整理をしたいと思います。山田先生、お願いします」

 

 

「はい」

 

 

十蔵の指示を受け、真耶が立ち上がり説明を始める。

 

 

「クラス対抗戦1年生の部第一回戦、1組対2組の試合の際中に事件は起きました。アリーナのシールドバリアーを突き破り、9機のISが襲撃してきました」

 

 

真耶の言葉と同時に、会議室内のモニターに今まさに襲撃してきた瞬間の映像が流れた。

その映像を見ながら、とある事を思い出したイチカはそろっとCCMを取り出しとある事を確認する。

イチカの行動を横目で見て意味を察した鈴も同じく自信のCCMを操作する。

2人が確認しているのは、戦闘中の解析結果。

戦闘中は最低限の事しか見てなかったし、イチカはさっき保存した時にはしっかり確認しながら保存したわけでは無いので、今改めて確認しているのだ。

解析結果に、戦闘したデクーとインビットの名前が残っているのか如何かを。

 

 

「……あった」

 

 

「こっちも」

 

 

イチカが小声でそう呟き、鈴もそれに小声で返す。

2人は視線を合わせ、イチカが面倒くさそうにため息をついてから右手を上げる。

 

 

「はい、仙道君。どうかしましたか?」

 

 

十蔵から発言許可を得たイチカが面倒くさそうな態度は変えないまま声を発する。

 

 

「戦闘時の解析結果を改めて確認したらISの名前が分かった。周りの雑魚がデクー、真ん中のカギ爪野郎がインビットらしい」

 

 

イチカはCCMの画面を十蔵に見せつける。

それを見れば、確かにそうなっている。

 

 

「なるほど、わざわざありがとうございます。では山田先生、続きを」

 

 

「はい。襲撃してきたISの内、えっと…デクーは襲撃直後仙道君と凰さんに向かって発砲。2人が避けている間にIS学園の警備システムへのクラッキングにより誤作動を起こし、シャッターが下り2人の脱出、および教員部隊の突入が不可能になりました」

 

 

真耶は今さっき教えられた名前を戸惑い気味になりながらも使用しながら説明していく。

その最後の『教員部隊の突入が不可能になりました』の時に、千冬に恨みの籠った視線を向ける教員が何名かいたものの、千冬はそれに気が付かない。

いや、気が付いているのかもしれないが自分では心当たりがまるで無いので、勘違いだと思っているのかもしれない。

 

 

「その後、仙道君と凰さんがデクーとインビットとの戦闘を開始。戦闘の末、デクー8機は全てSE切れとなり、インビットは粉々に破壊されました。デクー全てとインビットの残骸の解析の結果、9機すべてが無人機でした」

 

 

無人機。

その言葉を聞いた全員が改めて今回の事件の異質さを実感した。

ISは本来人間が操作しないと起動しない。

だが、今回の襲撃事件はその本来ありえないはずの無人機ISが、9機。

異質に決まっている。

 

 

「また、インビットの装甲の破片を解析した結果、通常のIS装甲の強度よりも確実に強度が高く、今世界各国で使われている技術よりも高度なものであると仮定していいと判断しました」

 

 

今や世界の中心はISと言っても過言ではないのだ。

世界各国、自分の国が世界の中でより上の立場になるように、より力を持つように、日夜ISの研究、実験、開発にいそしんでいる。

そんな各国の努力を嘲笑うかのように、IS学園に送り付けられた無人機。

これは、確実にこの襲撃事件が本命ではなく、もっと裏には大きな陰謀が渦巻いている。

この場にいるほぼ全員が、その事を察していた。

 

 

「ISに関してはまだ解析中な事もあり、現在判明している事は以上です」

 

 

「分かりました。山田先生、ありがとうございました」

 

 

十蔵の言葉を聞き、真耶は自分の席へと座る。

それを確認してから十蔵は口を開く。

 

 

「さて、ここまでの話を聞いてみなさん理解したとは思いますが、この度襲撃してきたISは全て世界の均衡を崩しかねないものです」

 

 

その言葉を聞いたほぼ全員が頷く。

頷いていなかったのは、頷くのすら面倒だと感じ始めたイチカと、事細かに説明を受けたのに事の重大さを理解していない千冬だけだ。

 

 

「その為、デクーとインビットの両機が無人機であるという事、インビットの装甲等がかなり高度な技術が使われている事はIS学園で隠蔽します」

 

 

隠蔽。

つまりは、その事実を隠すという事。

その言葉を聞いたほぼ全員が思わず顔を引き締める。

流石のイチカも引き締める中、千冬だけは表情を変えない。

未だ事の重大さに気が付いていないらしい。

 

 

「異論はありますか?」

 

 

十蔵は全員の表情を伺うように会議室内を見回す。

隠蔽をするという事実には驚いたものの、世界のバランスを崩すわけにはいかず、そしてそのバランスを保つには隠すのが1番だと(千冬以外は)理解している。

その為、誰も反対意見を出すことは無かった。

 

 

「異論無しとの事で、IS学園はこれ以降この方向で動きます。全員、自分の名前のサインと、押印か拇印のどちらかをお願いします」

 

 

十蔵自らが、全員に用紙とペンと朱肉を配布する。

 

 

(ハンコなんて持ってねぇ…はぁ、拇印しかないか……)

 

 

イチカは一応確認の為全身からハンコを探すが、高校生が肌身離さずハンコを持っているわけが無い。

仕方が無くペンで自分の名前を書いた後、親指に朱肉を付け拇印をする。

その後直ぐにティッシュを取り出すと、自分の親指を拭く。

ふとイチカが視線を横に向けると、鈴が辺りをキョロキョロしていた。

 

 

「……」

 

 

それだけで大体察したイチカは何も言わずティッシュを鈴に差し出す。

 

 

「ありがと」

 

 

鈴は軽く礼を言うとそそくさと自分の親指を拭く。

2人はそのままゴミを自分のポケットに適当に放り込む。

全員が記入を終える頃合いを見計らって、十蔵が自ら用紙を回収する。

そうして1枚1枚丁寧に確認してから、全ての用紙を厳重に仕舞う。

 

 

「ありがとうございました。それでは、これからのIS学園の警備についての意見交換をしたいと思います」

 

 

十蔵の言葉に、あからさまに面倒な表情を浮かべたイチカ、少しだけ同じ様な表情を浮かべた鈴、そして未だに表情を変えない千冬。

学生の2人がこのような反応になるのは仕方があるまい。

 

 

そもそも学園の警備関係だなんて生徒会のメンバーですらない自分達にはあまり関係が無い。

いや、学園関係者であるという事は分かっているのだが、そういう話は教師が勝手にやってくれと言うのが本音だ。

 

 

それに、終わったと思った時の追加程ウザったらしいものは無い。

そう言った事から、2人は表情を歪めたのだ。

 

 

「何か意見のある方はいらっしゃいますか?意見の出ない場合は10分間程考える時間を取りますが…」

 

 

その言葉を聞いたイチカは早く帰りたい一心で

 

 

(うちの会社から何個か装備提供してもらえるように交渉するっていう暴論使えねぇか?鈴の協力があればプロメテウスも材料に使えるんだか…)

 

 

とか少しだけズレているような、そうでないような事を考えていると、1人の教員が手を上げた。

全員がその教員に視線を向け、同時に少し嫌そうな表情を浮かべる。

だが、それも仕方あるまい。

何故なら。

 

 

「……織斑先生、どうぞ」

 

 

手を上げたのが、他でもない千冬だったからだ。

だからといって、ここで発言を許可しない訳にはいかない。

十蔵が千冬の発言を許可すると、千冬はガタッと立ち上がりイチカと鈴に視線を向けながら言葉を発する。

 

 

「仙道と凰のISの戦闘力は通常のものを超えています。その為即刻没収するべきです」

 

 

真剣な表情で馬鹿な事を話す千冬に、十蔵は頭を抱える。

十蔵だけではない、他の教員達も同じ様な表情を浮かべる。

 

 

「はっ!馬鹿が」

 

 

だが、そんな空気をぶった切るようにイチカが笑い飛ばす。

さっきまで面倒くさそうに椅子に深く座っていたが、今は身体を起こし脚を組み、人を馬鹿にするかのような笑みを浮かべ千冬の事を見ている。

その態度が気に入らなかった千冬は声を荒げる。

 

 

「なんだと!その言いぐさはなんだ!」

 

 

「事実だ。なーぜアンタみたいなただの教師にそんな事が出来ると思ってんだ?学園長くらいならともかく、アンタみたいな仕事放棄人間が」

 

 

馬鹿にする態度は崩さずにイチカはそう言うと、ずっと手に持っていたタロットカードからカードを取り出すと千冬に見せつける。

それは、以前にも1回千冬に見せた事のあるTHE EMPERORの逆位置。

 

 

「前に言った事は覚えてるか?自分勝手で無責任で傲慢…仕事を放棄して、尚且つ過去の栄光にしがみつき今の自分の立場を理解せず滅茶苦茶な要求をする…つくづく最悪だなぁ、元最強さんよぉ」

 

 

「黙れぇ!!」

 

 

煽り散らかすイチカに、千冬は怒鳴り声をあげる。

完全に頭に血が上っているようで、イチカの仕事放棄発言を否定しない。

それに、何故イチカが知っているのかを気にする様子もない。

 

 

そして、仕事放棄発言を否定しないというのは、間接的に仕事放棄したというのを認めたという事。

その事実に十蔵は眉をひそめる。

 

 

イチカはニヤニヤとした表情を崩さないまま、THE EMPERORのカードを少しずらすと、その下からまた別のカードが姿を現した。

 

 

「THE HIEROPHANTの逆位置…偏狭。ギスギスした性質が強調される…ハッハハハ!事前に準備していたのに、まさしくこの通りな言葉だったなぁ!」

 

 

またも笑いながら千冬を煽るイチカに、鈴や教員達はある種の尊敬を覚えていた。

元とはいえ世界最強、それに加え高圧的な態度で直ぐにでも手が出て来そうな千冬に、ここまでズバズバと煽れる人間はそう居ない。

というより、イチカしかいないだろう。

自分達では出来ない事を平然と…というより嬉々としてやってのけるイチカには尊敬を抱かずにいられない。

……まぁ、その尊敬は呆れも含んでいるのだが。

 

 

「貴様……!!」

 

 

今にも飛び掛からん態勢でイチカを睨む千冬。

だが、イチカにとってはそんな睨みなどほぼ無いに等しい。

未だに笑みを張り付けながら、イチカはTHE EMPERORとTHE HIEROPHANTの2枚を残りのカードの束に戻す。

 

 

「ジョーカーを持ってきたいんだったら、タイニーオービットの許可をもぎ取って来るんだな。まぁ、無理だろうけど」

 

 

「ハカイオーもよ。プロメテウスの許可を持って来て」

 

 

イチカの発言に便乗する形で鈴も言葉を発する。

その事にイチカはジト目で鈴を見るも、鈴のウインク平謝りを見て興味を無くしたように視線を千冬に戻す。

 

 

「兎にも角にも、アンタは自分の立場と発言の滅茶苦茶具合を理解するんだな」

 

 

最後にイチカは今までで1番真面目な表情でそう吐き捨てる。

だが、その言葉すら千冬には響かなかったようだ。

 

 

「ふざけた事を言うな!私のどこが間違っているというのだ!」

 

 

「そこ」

 

 

もう千冬に興味を無くしたのか、イチカは適当な返事をする。

視線も千冬に向いておらず、自身の手元のタロットカードをシャッフルし、適当に1枚引く。

THE MOONの逆位置。

意味はクリアや解消。

物事が順調に進むようになる。

そのカードを見たイチカは口元にニヤリと笑みを浮かべる。

そんなイチカの表情が気に入らなかったのか、千冬はさらに声を荒げる。

 

 

「ふざけるな!いい加減に…!」

 

 

だが、その言葉はそこで遮られた。

 

 

「いい加減にするのはお前だ織斑!」

 

 

何故なら、今までずっと黙っていた十蔵が怒りと共に声を発したからだ。

急なその言葉に、イチカ以外のこの場にいる全員が十蔵に視線を向ける。

 

 

「が、学園長……」

 

 

「織斑、お前は有事の際の行動指揮権を持っているにも関わらず、この事件で指示を出さなかった事は分かっているんだ。それだけじゃない、普段から仕事を他人に押し付けている事もな」

 

 

十蔵は今までにないほどの怒りを滲ませながら淡々と言葉を並べていく。

その威圧感に、流石の千冬も気圧される。

鈴達もその余波で若干の恐怖を覚える中、

 

 

「おお、こっわ」

 

 

イチカだけはニヤニヤしながらそう呟いた。

怖いとは言ってるものの、それが本心だとは全く思えなかった。

鈴達からジト目を向けられる中でもイチカはどこ吹く風。

全く気にしていなかった。

 

 

そんなコミカルともとれるやり取りの側でも、十蔵は威圧感を収めなかった。

 

 

「そ、それは……」

 

 

千冬は視線を泳がせまくっている。

だが、素直に謝罪するでもなく、否定するでもなく、ただただ黙っているだけ。

そんな反省を見せない態度が、十蔵の怒りの炎に油を注いでいた。

 

 

「織斑、お前のその行動で、生徒達が危険にされされる可能性があったのを分かってるのか!?」

 

 

「あの程度、特に問題無かったでしょう」

 

 

訂正。

油だけでなく、濃度の高い酸素も大量に送り込んだようだ。

 

 

「……織斑、本日付けでお前の行動指揮権を剥奪する」

 

 

「なっ!?」

 

 

「それと、この会議にはもう必要ない。退室しろ」

 

 

もはや声を荒げる事すらしない。

冷徹な瞳で千冬を見ながらそう吐き捨てる。

 

 

「な、何故ですか!?」

 

 

「そんな事も分かんねぇか、馬鹿だな」

 

 

驚きの表情を浮かべる千冬に、イチカが心底どうでもよさげにそう反応する。

 

 

「仕事放棄、パワハラ、生徒の命軽視、これだけでお前が外される原因としては十分すぎるだろ」

 

 

「そう言う事だ。お前の行動は教育委員会等に報告させてもらう」

 

 

口を出したイチカを十蔵は咎める事はせず、寧ろその発言を引用する形で千冬に退室を迫る。

千冬は最後にイチカの事を睨むとズカズカと会議室から出て行った。

そうして千冬が退室してから、約1分後。

 

 

『はぁ~~……』

 

 

漸く緊張から解放された鈴達が同時に深く、深~く息を吐いた。

 

 

「何だだらしない」

 

 

「アンタが狂ってんのよ……」

 

 

イチカと鈴が軽口を言い合うも、鈴が疲れているので何時ものようなノリが無い。

教員達も、自分が何か大変な事をした訳では無いのに、何故か全身の疲労感が抜けなかった。

この会議の空気にあてられて知らない間に心が疲労を蓄積していたのかもしれない。

 

 

「え~、では、続きを話しあいたいのですが……今日は無理ですかね」

 

 

流石の十蔵もこの雰囲気で会議を続けるのは困難だと察したようだ。

苦笑いを浮かべながらそう声を発する。

それに対する教員達の反応がない事で大体察したようだ。

 

 

「それでは、今日はこれで解散にします。また後日会議をしますので、その時までに改善点等思い付く限りで構いませんので考えておいてください」

 

 

十蔵のその言葉を聞き、教員達は続々と会議室から退出していく。

 

 

「鈴、お前も帰れ。俺はやる事がある」

 

 

「ああ、そうだったわね。それじゃあお先~~」

 

 

疲れていた鈴もそそくさと帰って行き、会議室にはイチカ、十蔵、真耶の3人が残った。

 

 

「仙道君、戻らないのですか?」

 

 

さっきまであんなに面倒くさそうにしていたイチカが1番最初に帰らなかったどころか、今でもここに残っている事を疑問に思った十蔵がそう質問する。

その質問で自分だけが尋ねられたという事は、真耶はもともと残る予定だったと理解したイチカ。

それに、さっき真耶がいろいろと説明をしていたから、学園長にだけ伝えるべき事があるというのも察した。

 

 

「ああ、あなたと話したい事があってですね」

 

 

一応敬語を使いながらイチカは席から立ち上がり、CCMを操作しながら十蔵に近付く。

そうしてその画面を十蔵に見せる。

 

 

「これは…?」

 

 

「戦闘の記録とかその他もろもろ。これ、うちの会社に送って良いですかね?」

 

 

CCMをピラピラさせながらそう尋ねるイチカ。

 

 

「ああ、極秘だってのは分かってますよ。だからわざわざ交渉してますし、勿論無理だと言われたらこれは見せませんし、許可を貰ったとしても数人にしか見せません」

 

 

付け加えるようにそう言うイチカを見て、十蔵は悩んでいた。

タイニーオービットというIS世界シェアトップの企業だったら、自分達では発見出来ない事でさえも見つけられるかもしれない。

だが、見つからない可能性も当然ある。

そして、わざわざ隠蔽する事を選んだのに、外部の人間にそうやすやすと見せて良いのか。

そう簡単に判断できない。

 

 

「まぁ、そう簡単に判断できる事では無いのも分かってるので。応じてくれるなら、うちの社長と開発部主任、あと山野淳一郎の3人を呼ぶので商談して欲しい」

 

 

「……分かりました。しっかりと話し合わせていただきます」

 

 

「スケジュールは出来るだけ合わせます。何日が空いてますかね?」

 

 

会話の主導権を握りながら淡々と交渉を進めていくイチカ。

そんな2人のやり取りを見て、真耶は何とも言えない表情を浮かべていた。

 

 

(仙道君は凄いですね…目上の人とあんな強気で話せて…織斑先生に、あんな態度を取れるだなんて)

 

 

真耶は千冬の現役時代からの後輩。

嘗ては、強く、凛々しく、圧倒的な千冬に憧れていた。

いた、過去形。

 

 

その憧れと尊敬が無くなったのは、実を言うとつい最近。

今年度が開始してからだ。

 

 

去年までは多少厳しいところはあれど、行動は理にかなっていたし、(一応)真面目に働いてもいた。

だが、4月になり、新入生が入って来てから千冬はおかしくなり始めた(本性が漏れ出て来た)。

自分でやるべき仕事を、副担任である真耶、同学年担当の教員、果ては全く関係が無い教員に押し付けがちになった。

しかも期限ぎりぎりで、押し返そうとしたら既に職員室からいなくなってるのがたちが悪い。

 

 

それだけじゃない。

生徒達に対する当たりも強くなっていっていた。

理不尽に感じるほどの態度。

簡単に出る暴力。

それを注意しようとすると、自分にも手を出してきて、仕事を押し付けられる。

 

 

そんな暴君と呼ぶにふさわしい振る舞いを見て、真耶の中にあった千冬への憧れはだんだんと無くなっていき、遂に過去のものとなった。

今真耶の中にあるのは、千冬に対する呆れだけだった。

 

 

だからこそ、千冬を嬉々として煽れるイチカを凄いと思う。

それと同時に、千冬に抱いていたのとはまた違う憧れを少しだけイチカに持った。

 

 

真耶がボーッとそんな事を考えている間にも、イチカと十蔵は話を進めていく。

イチカが拓也とこの場で直接連絡を取り、もう直ぐ始まるゴールデンウィークの3日目にタイニーオービットと話し合う事が決まった。

 

 

「そういう事で」

 

 

「はい。……仙道君は凄いですね」

 

 

急に十蔵からそんな事を言われ、イチカは眉間に皺を寄せながら首を傾げる。

凄いと言われる理由が分かっていないようだ。

 

 

「織斑にあそこまで正面からいろいろ言ったり、私にここまで強気に交渉出来る人はなかなかいないですよ」

 

 

「まぁ、これくらいなら。気に入らないですか?」

 

 

「いえ、全く。寧ろ嬉しいですよ、ここまで強かな高校生が見れて」

 

 

2人は微笑を浮かべる。

なにやら良い友情を気付けそうな雰囲気だが、イチカにそんな気は無いし、十蔵も立場をわきまえている。

と、ここでずっと傍観していた真耶にイチカが視線を向ける。

急に視線を向けられた事で真耶破ビクっとなるが、イチカは気にせず言葉を発する。

 

 

「山田先生、デクーとインビットのISコアは未登録品でした?」

 

 

「っ!?!?」

 

 

まさかの単語に、真耶は驚きの表情を浮かべ、思わず席から立ち上がる。

言葉は発していなかったものの、その反応だけで大体察した。

口元ににやりと笑みを浮かべる。

 

 

「やっぱりな」

 

 

「え、せ、仙道君!?それを何処で!?」

 

 

「さっき学園長の発言から、元々用があるのは分かってたので。会議の時からアンタの説明から山田先生がいろいろ情報を持ってるのも確定だった。んで、わざわざこそこそ言うって事はこれくらいだと思ったので」

 

 

イチカの推理力に、真耶と十蔵は脱帽した。

 

 

「ISのコアを造れるとなると、あのFOOLくらいだろうが…はてさて、いったいどんな奴の仕業か……」

 

 

手元のタロットカードからTHE FOOLのカードを逆位置で取り出し、ピラピラさせながらイチカはそう呟く。

タロットカードの意味や、以前のやり取りを知らない2人は首を傾げる。

 

 

「それじゃあ、話す内容はまだあるでしょうし、俺はこれで」

 

 

言う事も無くなったイチカは退出しようと会議室の扉に向かう。

が、退出するまさに1歩前。

イチカはピタッと立ち止まると顔だけを2人に向ける。

 

 

「なんとなーくとある奴のせいで悩んでたり疲れてそうなので、これは助言」

 

 

イチカはそう言うと、1枚のタロットカードの絵柄を2人に見せる。

 

 

「THE HANGED MANの正位置、忍耐。今は苦しくても、精神的な満足感を得られ、苦労が報われ実る…俺が言うのはここまでにしておきます」

 

 

最後にそう言うと、イチカはスタスタと会議室を後にした。

こうして残った真耶と十蔵。

2人は暫くの間呆然とした表情で会議室の扉を見ていたが、やがてどちらからともなく息を漏らすと、苦笑を浮かべた。

 

 

「仙道君は、居るだけで空気を良い感じにも、悪い感じにもかき乱しますね…」

 

 

「はい、まさしくジョーカーと言ったところでしょうか?」

 

 

2人は再び笑いを零すと、話し合いを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆オタクロスの、オタ知識デヨ~~!!☆

 

 

『タロットカード』

 

タロット占いに使用するカードで、22枚の大アルカナ、「棒」「聖杯」「剣」「金貨」の各14枚ずつの小アルカナ、計78枚で構成されてるんデヨ。

仙道3兄弟は会話にちょこちょここのタロットカードを用いるんデヨ。

イチカと兄はカード本体を常日頃持ち歩いていて、妹ちゃんはスマホにアプリを入れてるんデヨ。

このカードとアプリは兄のオリジナル品で、絵柄が無駄に格好いいんデヨ。

気になったら原作を見て確認して欲しいデヨ!!

 

 

 




次回予告

遂に始まったゴールデンウィーク。
イチカは約1ヶ月ぶりに家に帰る事にした。
イチカが帰って来ることを知った家族は総出で出迎える。

「…キヨカ、突っ込んで来るのはやめろ」

そして、家族は過去を振り返る。

次回、IS~箱の中の魔術師~『GWⅠ 帰宅と過去』、見てね!
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