アカギ「ふーん…私立百花王学園か…」   作:しゅれでぃんがー

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第一話 百花王学園に降り立った天才

安岡「そうだ。創立122年を迎える伝統と格式を誇る私立百花王学園って所があるんだが」

 

安岡「そこでは学園内で学生同士の賭博、つまりギャンブルが常日頃行われている…」

 

安岡「1億なんて賭場がしょっちゅうあるんだが、どうだ?アカギも行ってみないか?」

 

アカギ「所詮はガキのする博打……ただの真似事…」

 

アカギ「ギャンブルができると聞いて来てみたものの、大したこと無さそうだな」

 

安岡「まあそう言うな、アカギ」

 

安岡「実銃でロシアンルーレットをしてる生徒もいるみたいだぞ」

 

安岡「お前が期待できるくらいの奴らはいると保証しておこう」

 

アカギ「ククク……なるほど、それなら話は別だ」

 

アカギ「行こうじゃないか……その私立百花王学園とやらに……!」

 

安岡「その意気だアカギ、じゃあ入学の手続きなどは俺の方で済ませておく。2、3日したらまた連絡するからな」

 

アカギ「ククク……楽しみにしておくよ……」

 

一週間後 百花王学園

 

先生「先週お伝えしたとおり、今日は転校生を紹介します」

 

アカギ「赤木…赤木しげる……」

 

先生「そ、それだけ?」

 

アカギ「……」

 

ざわ…ざわ……

 

先生「まぁいいわ、鈴井くん、彼に校舎を案内してあげてくれるかしら」

 

鈴井「あっはい」

 

鈴井「じゃあ行こうか、赤木くん」

 

アカギ「あぁ……」

 

 

芽亜里「……」

 

 

 

アカギ「ふーん…ずいぶんでかい学校なんだな…」

 

鈴井「あのさ…アカギくんはギャンブル出来る?」

 

アカギ「ああ……」

 

鈴井「そっか…」

 

鈴井「うちの学校じゃずっと前から⋯『伝統』みたいにギャンプルが流行っててさ」

 

鈴井「放課後ともなれば学園の至る所で賭場が立つんだ」

 

鈴井「近い内にアカギくんも誘われると思うからその辺気をつけて…」

 

アカギ「…ふーん………」

 

鈴井(ほんとに分かってるのかなあ…)

 

アカギ「…1ついいか?」

 

鈴井「どうしたの?」

 

アカギ「その『ポチ』ってのは何なんだ?」

 

鈴井「!! こ、これは……」

 

鈴井「……まずこの学校の事を話さないといけないね……」

 

アカギ「……」

 

 

 

アカギ「つまりお前はギャンブルで借金作ってポチになったって事か」

 

鈴井「う、うん……」

 

アカギ「ふーん…」

 

鈴井「………」

 

アカギ「……なぁ」

 

鈴井「な、なに?」

 

アカギ「灰皿持ってるか……?」

 

鈴井「アカギくん!?なんで煙草吸ってんの!?」

 

アカギ「……」

 

鈴井「校内は禁煙だよ!ていうか未成年だよね!?」

 

アカギ「ククク…そういうことにしておこう……」

 

鈴井「え?と、とにかく早く捨てて! 先生にバレたら大変だから!」

 

アカギ「あらら」

 

鈴井(なんなんだ全く……僕がギャンブルの事話しても何も感じてなさそうだったし……)

 

鈴井「……アカギくん」

 

アカギ「なんだ……?」

 

鈴井「とにかく気を付けて。アカギくんもすぐ誘われると思うから」

 

アカギ「ククク……それは楽しみだ……」

 

鈴井(あれ…今笑った?)

 

鈴井「……じゃあそろそろ戻ろうか」

 

アカギ「ああ……」

 

 

 

そして放課後…

 

芽亜里「初めまして! 私、早乙女芽亜里!」

 

アカギ「……ん?」

 

芽亜里「よろしくね、アカギくん」

 

アカギ「……あぁ」

 

芽亜里「アカギくんはこのあと暇?」

 

アカギ「あぁ」

 

芽亜里「それじゃあ私とギャンブルしない?」

 

鈴井(……!)

 

アカギ「ギャンブル……?」

 

芽亜里「そ、ギャンブル」

 

芽亜里ちゃんが転校生とギャンブル……?

 

「もしかして『アレ』か……?」

 

 

ざわ… ざわ…

 

アカギ「何をするんだ……?」

 

芽亜里「『投票ジャンケン』っていう華組オリジナルのゲームなんだけど」

 

鈴井「ちょ、ちょっと待って!」

 

芽亜里「……は?」

 

鈴井「えっと、いきなりそれは流石に……ルールの把握とか大変じゃ…」

 

芽亜里「なに?文句あんの?」

 

鈴井「うっ……」

 

芽亜里「ポチは大人しくお座りしてなさい」

 

アカギ「……俺は構わない……」

 

鈴井「あ、アカギくん! せめてルールを聞いてからでも!」

 

芽亜里「お座りって言ったでしょ?」

 

鈴井「……は、はい……」

 

芽亜里「じゃあルールを説明するわね」

 

 

~略~

 

 

芽亜里「…ってことなんだけど、分かったかしら?」

 

アカギ「あぁ……」

 

芽亜里「そうこなくっちゃ! ……ポチ、さっさとチップ持ってきて!」

 

鈴井「は、はい……」

 

アカギ「……」

 

芽亜里「チップは1枚1万円。とりあえず100枚用意しておいたから」

 

アカギ「……」

 

芽亜里「何か質問はある?」

 

アカギ「いや……」

 

芽亜里「ベット額は毎回アカギくんが決めていいわ」

 

アカギ「……」

 

鈴井(グーチョキパーがランダムで3枚配られる……カードが偏ることなんて日常茶飯事だ)

 

芽亜里「決まった?」

 

アカギ「あぁ」

 

芽亜里「何枚賭ける?」

 

アカギ「……3枚だ」

 

芽亜里「分かったわ。じゃあ勝負ね!」

 

芽亜里「合図で一緒に出してね? じゃんけん……」

 

 

芽亜里「ぽん」スッ

 

アカギ「……」

 

芽亜里 チョキ

アカギ グー

 

芽亜里「まずはアカギくんの一勝ね。おめでとう」

 

 

アカギ「……」

 

 

芽亜里:チップ97枚

 

アカギ:チップ103枚

 

 

芽亜里「これで要領は分かったでしょ? どんどん行きましょう」

 

アカギ「あぁ……」

 

鈴井(アカギくんも来ていきなりこんなことやらされて大変だな…)

 

芽亜里「次は何枚賭ける?」

 

アカギ「……103枚」

 

芽亜里「!?」

 

ざわ… ざわ…

 

「ひゃ、103枚……!?」

 

「ほ、本気なのかあいつ!?」

 

 

ざわ… ざわ…

 

 

 

芽亜里「…アカギくんって、勝負師なのね」

 

アカギ「……」

 

芽亜里(何よコイツ…!勝ったからって全賭け?)

 

芽亜里(だからと言って浮かれてる様子は無い…それどころか表情一つ変えないなんてどういうこと?)

 

芽亜里(持ち分全部賭けてなんでそんな平然としてられるの!?)

 

アカギ「そういや…あんたの減った分はどうするんだ……?」

 

芽亜里「問題ないわ。追加するから」ジャラ

 

アカギ「ククク……そうこなくちゃな……」

 

 

 

 

芽亜里(…こうなったら……)チラッ

 

鈴井(……!)

 

芽亜里(分かってるわね、ポチ)

 

鈴井(…………)コクッ…

 

芽亜里(……)ニヤリ

 

 

アカギ「……」

 

 

芽亜里(クラスメイト30人の内、私の『奴隷』が21人……)

 

芽亜里(その21人をパー10枚・グー11枚に分けて偏らせた投票をさせる!)

 

芽亜里(とにかく私はパーを出しておけば負ける確率を徹底的に減らせる……!)

 

 

 

芽亜里 手札 <グー、パー、パー>

 

 

芽亜里(……来た!この手札を待っていた!)

 

芽亜里(浮かれて持ち分全額全額賭けるからだよ!転校生の分際で!)

 

 

アカギ「じゃん……けん……」

 

 

 

アカギ「ぽん……!」

 

芽亜里「……」

 

アカギ:パー

芽亜里:パー

 

 

芽亜里(チッ……パーを持ってたか。だがもう一枚のパーで..!)

 

 

 

芽亜里「じゃん!けん!ぽん!!」

 

 

アカギ:パー

 

芽亜里:パー

 

 

 

芽亜里(何ッ……!!)

 

芽亜里(二連続パー……!? まずい、もし奴がパーを3枚引いていたら……!!)

 

 

アカギ「ククク……どうした……?」

 

芽亜里「な、何が?」

 

アカギ「もう三回戦目なんだ。最後のカードを出すだけだろ……?」

 

芽亜里「!! ……わ、分かってるわ」

 

アカギ「……」

 

芽亜里(何なのこいつ……なんでそんな冷静でいられるの?)

 

アカギ「じゃん……けん……ぽん……!」

 

芽亜里(お願い……! チョキを出して……!)

 

 

 

 

芽亜里:グー

 

アカギ:グー

 

 

 

 

芽亜里(……!)

 

芽亜里(よ、良かった……取り敢えずは引き分けで次戦だ……)ホッ

 

アカギ「次のベットは……チップ1000枚だ...」

 

芽亜里「...はぁぁぁぁ!?」

 

アカギ「俺が決めて良いんだろ? 1000枚だ」

 

芽亜里「1000……って! そんな金どこにあるのよ!即金でない限り認めないわ!」

 

アカギ「ククク……金ならあるさ……!」

 

札束< ドサドサッ

 

芽亜里(なっ……!!)

 

芽亜里(1000万どころか……2000万はある……!?)

 

芽亜里「……わ、分かったわ。勝負続行ね……」

 

芽亜里(……まさか転校生と初日でこんな勝負するとは……)

 

芽亜里(1000万の差し勝負……負けられない……絶対に……!)

 

 

 

芽亜里 手札<パー、パー、チョキ>

 

 

芽亜里(……よ、よし! パーが2枚! しかも数少ないチョキも引いた!)

 

芽亜里(アカギは……?)チラッ

 

アカギ「……」

 

芽亜里(……表情からは何も読み取れない……!)

 

アカギ「まず1枚目……」スッ

 

 

芽亜里「じゃん、けん……ぽん!」

 

 

 

芽亜里:パー

 

アカギ:パー

 

 

 

芽亜里(あいこ……やっぱりパーを持ってたか。でも問題は次からね)

 

 

芽亜里(『パー+同じカード2枚』の状態からパーを先に切り出すとは考えにくい)

 

 

芽亜里(2回戦と3回戦の事を考えたらできれば選択肢は多い方がいいもの)

 

 

芽亜里(つまりアカギはパーを2枚以上持ってる可能性が高い……極端な話、3枚全部パーって事もある)

 

 

<パー、チョキ>

 

 

芽亜里(ならここでチョキを出すべき……?)

 

芽亜里(……いえ、パーを複数枚持ってたからと言って連続でパーを出すとは限らない)

 

芽亜里(むしろ人間の心理からすると同じカードは連続して出したがらないもの)

 

芽亜里(なら、次に来るのはグーかチョキ……枚数を考えるとグーの可能性が高い)

 

芽亜里(つまりパーを出しておけば……!)

 

芽亜里「じゃん……! けん……!」

 

 

アカギ「……」

 

 

芽亜里「ぽん……!」

 

アカギ「……」

 

芽亜里:パー

アカギ:パー

 

 

芽亜里「!!」

 

芽亜里(チョキをだしていれば勝っていたのに……!!)ギリッ

 

アカギ「ククク……」

 

芽亜里「な、何が可笑しいのよ! さっきから澄ました面して!」

 

ざわ… ざわ…

 

 

「芽亜里ちゃんがあんなに感情的になるなんて……」

 

「次で決まる……」

 

 

 

 

鈴井(早乙女……)

 

芽亜里(…っ! やばいやばいやばい……!!)

 

芽亜里(私の残るカードはチョキ……一番枚数が少ないチョキ……)

 

芽亜里(枚数が少ないって事は……アカギが引いた確率も低いって事……)

 

芽亜里(つまり……グーかパーを出してくる可能性が……次で勝負が決まる可能性が極めて高い……!)

 

芽亜里(……)ハァ…ハァ…

 

芽亜里(……こいつがパーを3枚引いてた事に賭けるしかない……!!)

 

アカギ「……」

 

芽亜里(なんなのこいつ……なんで微動だにしないの……!? 1000万の勝負だってのに!!)

 

 

アカギ「……3枚目……」スッ

 

 

 

芽亜里(お願い……! せめて引き分けて……!!)

 

パサッ…

 

 

芽亜里:チョキ

 

アカギ:チョキ

 

 

 

芽亜里(引き分け……よ、良かった……)ハァ…

 

 

芽亜里(それにしても……こんな賭け方してくる奴なんて初めてだわ……)

 

 

芽亜里(いくら私が有利だとしても、二連続で引き分けとなると嫌な予感がする)

 

 

芽亜里(ここらでお開きに..)

 

 

アカギ「次は2000…倍プッシュだ…」

 

 

 

芽亜里(!?)

 

 

鈴井(えっ!?)

 

 

 

ざわ… ざわ…

 

芽亜里「あ、あんたバカなの!?」

 

 

アカギ「え……?」

 

 

芽亜里「ただのジャンケンに2000万って……!正気じゃない!!」

 

芽亜里「そんな馬鹿な真似できるわけが..!」

 

 

アカギ「ククク…馬鹿な真似ほど…狂気の沙汰ほど面白い…!」

 

 

芽亜里「……つ、付き合ってらんないわ」

 

アカギ「自信がないのか…?」

 

芽亜里「っ……!自信はあるわよ…!」

 

アカギ「ククク…なら続行だな…」

 

芽亜里(……)

 

鈴井(な、何考えてるんだアカギくん……!これ以上やる必要があるのか…!? )

 

 

 

アカギ「なぁに……無論……タダでとは言わない……」

 

芽亜里「……え?」

 

アカギ「2000万の差し勝負……受けるなら……」

 

アカギ「…俺の手持ちを…開示しよう……!」

 

芽亜里「はぁ……!?」

 

鈴井(なっ……!!)

 

 

芽亜里「やっぱあんたバカでしょ!?そんな事してあんたに何の得があるのよ!」

 

アカギ「もともと損得で勝負事をしたことない…ただ勝った負けたをしてその結果、無意味に人が死んだりする…そっちのほうが望ましい……!」

 

芽亜里(こいつ……やっぱり狂ってる……!!)ゾワッ

 

芽亜里(……)

 

芽亜里(でも……今言った通り手持ちのカードを見せてから勝負するなら……)

 

芽亜里(それなら……勝率が更に上がる……!)

 

芽亜里(2000万……っ)ゴクッ…

 

 

 

芽亜里「わ、分かった。受けるわ」

 

 

ざわ… ざわ…

 

 

 

芽亜里(最低でもパーを引かなければ話にならない……! 来い……!来い……!!)

 

 

 

芽亜里 手札<グー、チョキ、パー>

 

 

芽亜里(来たっ…三種類……! あとはアカギの手持ち次第……)

 

 

芽亜里「……早くあんたのカード見せなさいよ」

 

 

 

アカギ「……」パラッ…

 

アカギ 手札<パー、パー、グー>

 

 

 

芽亜里(パーが2枚、グーが1枚か……)

 

 

アカギ「じゃあ1枚目……」スッ

 

 

芽亜里(!! も、もう決めたの……!?)

 

 

芽亜里「ま、待ちなさい、私はまだ決めてないから」

 

 

アカギ「あぁ……」

 

芽亜里(どうする……?)

 

 

芽亜里(今までのこいつの傾向からして、あれはパーの確率が高い。グーを切って手元にパー2枚を残すのは愚行……)

 

芽亜里(手持ちから考えると私はパーを出しておけば少なくとも負ける事はない)

 

芽亜里(最初は様子見でパーを出すか……?)スッ…

 

芽亜里(……いや。でも最初に『負ける事はない』パーを消費すると次戦が苦しくなる)

 

芽亜里(いっそのこと……初手でチョキを出す……?)

 

芽亜里(でも、もしあのカードがグーだったら……その時点で私は破滅する……!)

 

芽亜里(くっ……なんで私がこんな勝負しなきゃならない!!)

 

芽亜里(こんな事になるなら30人全員奴隷しとくんだった!!)

 

 

芽亜里(…………)

 

 

芽亜里「き、決まったわ……」スッ…

 

 

アカギ「じゃん……けん……ぽん……!」

 

 

 

芽亜里:パー

 

アカギ:パー

 

 

 

芽亜里(!!)

 

 

 

「あいこか……!」

 

「すげぇ緊張感だ……!」

 

 

ざわ… ざわ…

 

 

 

芽亜里(くそっ! やっぱりチョキを出すべきだった……!!)

 

 

アカギ「2枚目……」スッ

 

 

芽亜里(相変わらず能面みたいな顔しやがって……!まるで読めない……!!)

 

芽亜里(残ったアカギのカードはグーとパー……対して私はグーとチョキ……)

 

芽亜里(……こいつは前々回ではパー→パー→グー、前回はパー→パー→チョキと出していた)

 

芽亜里(……確率で言えば次もパーを出してくる。それならここでチョキを……)

 

芽亜里(……で、でも……っ)

 

芽亜里(もしグーを出してきたら私は……)

 

芽亜里(……それなら……ここはグーを出してあいこを狙って……)

 

芽亜里(そ、そうすれば……あいこになれば私の勝ちは確定する……!)

 

芽亜里(……)

 

芽亜里(……)スッ…

 

アカギ「随分と悩んでるみたいだが…」

 

芽亜里「うる……さい……」ハァ…ハァ…

 

芽亜里「じゃん……けん……っ」

 

 

アカギ「……」

 

 

芽亜里「ぽん……!」

 

芽亜里:グー

 

 

 

アカギ「……」

 

 

 

芽亜里(お願い……!グーを出して……!!あいこにして……!!)

 

 

 

アカギ「ククク」

 

芽亜里「!!」ビクッ

 

アカギ「残念だったな……」

 

芽亜里「え…っ……?」

 

 

 

 

パラッ…

 

アカギ:パー

 

 

 

 

芽亜里「……そんなっ……!!」

 

 

芽亜里「う、うそ……うそだ……」

 

 

芽亜里「こんなこと……!」

 

 

ガタッ!

 

 

鈴井「さ、早乙女っ……!」ガシッ

 

 

 

 

アカギ「ククク……」

 

 

芽亜里「…」

 

 

アカギ「後半、あんたは必死になってあいこにしようとしていた……」

 

 

芽亜里「……!!」

 

 

アカギ「勝つ意志が感じられない……勝ち切ろうとせずに負けない手を選んでいた」

 

 

アカギ「致命的さ……その弛み……! この博打においては……!」

 

 

芽亜里「ぅ、ぅうああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

「転入初日で2000万円勝ち……!?」

 

「あ、あの芽亜里ちゃんがここまで……」

 

 

ざわ… ざわ…

 

 

 

鈴井「……という訳で、今この場で2000万円は払えない」

 

アカギ「……」

 

鈴井「数日待って欲しいんだ。取り敢えず今日はここでお開きにしてほしい」

 

アカギ「…なにズレたこと言ってんだよ……」

 

鈴井「えっ」

 

芽亜里(……!)

 

ざわ… ざわ…

 

アカギ「まだだ……まだ終わらせない……」

 

芽亜里「!!」

 

鈴井「な、何を……」

 

芽亜里「……こ、これ以上毟ろうっての……!?」

 

アカギ「……金は要らない」

 

芽亜里「え……?」

 

アカギ「あんたが勝ったら、あんたの負け分は全部チャラにしよう」

 

アカギ「その代わりあんたが負けたら……」

 

アカギ「腕一本だ…」

 

芽亜里「……え…?」

 

芽亜里「腕って…何言ってるの……?」

 

アカギ「勝てば金、負ければ腕。それだけだ」

 

鈴井「う、腕なんか貰って何の意味が!?」

 

芽亜里(!! ポチ……)

 

アカギ「意味なんて無い。ただ、無意味に身体や命を失う……その方が博打の本質である理不尽だし」

 

アカギ「その淵に近づける…」

 

 

芽亜里「…………」

 

アカギ「どうする……?」

 

芽亜里「……そ、そんなの……受けられる訳ない……ッ」

 

 

アカギ「……」

 

 

 

アカギ「……そうか」

 

 

アカギ「……」スタスタ…

 

 

 

バタン…

 

 

 

鈴井「……」

 

 

芽亜里(……)カタカタ…

 

 

シーン…

 

 

「あいつ……狂ってるぜ……」

 

「でも桁違いに強いわ……!」

 

「あいつなら生徒会長に勝てるんじゃ…」

 

 

 

 

鈴井「……っ!」ダッ

 

 

タッタッタッ…

 

鈴井「アカギくんっ!」

 

アカギ「ん?」

 

鈴井「あ、あの……その……」

 

アカギ「……」

 

鈴井「僕、君に謝らないといけない事が……」

 

アカギ「ククク……あの程度じゃハンデにもならねぇさ。お前の他にも仲間がいたんだろう」

 

鈴井「―――えっ?」

 

アカギ「通しを使っていたからこそあの女は土壇場になっても慢心を消さなかった」

 

鈴井「……」

 

アカギ「……いや、消せなかったんだろう。『カードの偏りを操作している分自分が有利だ』、という理を」

 

鈴井「……」

 

アカギ「リスク無しで大金せしめようなんて、図々しいんだよ…」

 

鈴井「……アカギくん、本当にごめん」

 

アカギ「あ……?」

 

鈴井「転入生をこんな危ない目に合わせて……しかもグルになって嵌めようと……」

 

アカギ「さっきの女に対してもだったが……随分お人好しだな、あんた」

 

鈴井「えっ?」

 

アカギ「俺もお前の通しを逆に利用したようなもんだ。お互い様だろ」フゥー

 

鈴井「でも……」

 

アカギ「……ほら、使用料だ」

 

鈴井「え!? ちょ、ちょっと待ってよ! 」

 

アカギ「ククク……」

 

 

鈴井「あ! 札束投げないでよ!」

 

鈴井「あーもう散らばっちゃったじゃないか!拾わないと……!」

 

鈴井「っしょっと……」

 

 

鈴井「……ほら、アカギくんも!」

 

 

鈴井「……」

 

 

鈴井「……アカギくん?」チラッ

 

 

 

鈴井(―――い、いない!!)

 

 

 

スタスタ…

 

 

アカギ「もう少し楽しめると思ったが、所詮ガキの博打…」

 

アカギ「こんなもんか……」

 

コツ…コツ…

 

アカギ「……」

 

コツ…コツ…

 

綺羅莉「…」

 

 

コツ…コツ…

 

 

アカギ「……」

 

 

 

アカギ(なるほど……少しは楽しめそうだ……)

 

 

 

 

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