あと芽亜里ではなく早乙女と表記していきます。
―アカギが早乙女芽亜里との勝負に勝って翌日―
鈴井(一日経ったけど、まだ実感がないなぁ…)
鈴井(転校初日に2000万円賭けのギャンブルでクラス全体のイカサマを見抜き)
鈴井(逆にそれを利用して勝っちゃうなんて…)
鈴井(あ、あそこにいるのって…)
鈴井「おはようアカギ君」
アカギ「あぁ…」
鈴井「あー…、アカギ君には大きい借りが出来ちゃったね…」
鈴井「すぐには返せないけど、必ず返すから…」
アカギ「…言っただろ、お前の通しを逆に利用したようなもんだ」
アカギ「返す必要はない…」
鈴井「そうは言ってもさ…」ガラッ
鈴井「っ……!」
アカギ「…」
アカギと鈴井が教室に入った瞬間、目に入ったのは無残にも荒らされていた自身の机の
目の前に立ち尽くす早乙女とそれを惨たらしく笑うクラスの有様だった。
鈴井(なんだこれは…、この机は確か…)
アカギ「フッ…なんだこの教室」
アカギ「ろくでもないやつらばっかだな…」
早乙女「……うるッさいなぁ…」
早乙女「…あんたに負けたからこうなってんだよッ!」
アカギ「…」
鈴井(アカギ君…ちょっといいかい?)
鈴井「あれはこの学園の伝統なんだ」
アカギ「……」
鈴井「…百花王学園ではギャンブルの強さですべて決まるからさ」
鈴井「ギャンブルの強さで人の待遇や迫害が決まる」
鈴井「…といっても前まではここまでひどくなかったんだけどね」
鈴井「二年前に今の生徒会長が就任してからこんな風になっていったんだ」
アカギ「……」
鈴井「彼女は高等部で編入してきて一年生にして生徒会長になった」
鈴井「彼女が生徒会長に就任してから今のポチミケ制度や上納金が作られたんだ」
アカギ「…そいつはどうやって会長になったんだ…?」
鈴井「…当時の生徒会長とギャンブルをしたんだ」
鈴井「それで彼女が就任以降差別意識が激しくなっていったんだ…」
アカギ「…ククク…」
鈴井「?」
アカギ「ガキのギャンブルなんざ期待はしていなかったが、思ったより面白そうじゃないか…」
鈴井「…」
鈴井(…彼には、恐怖という感情は無いのか…?)
鈴井「アカギ君、君は一体…」
――ワーーー!!!!!――
鈴井「うお」
アカギ「…」
???「ストレート♪私の勝ちだね♪」
鈴井「あぁ…彼女は一年の皇伊月、多額の上納金を払って一年生ながら生徒会入りしたらしい」
鈴井「なんでも有名トイメーカーの社長令嬢で、ギャンブルの腕もたつ」
鈴井「特にトランプゲームでは無敗なんて話もあるんだ」
アカギ「ふーん…」
皇「アカギ先輩っ」
皇「はじめまして!いきなりですが、私とギャンブルしませんか!」
鈴井「な、なんだいきなり…」
皇「先輩のこと話題になってますよ~!」
皇「転校初日のギャンブルで早乙女先輩を完膚なきまで叩きのめしたとか…」
鈴井(もう広まっているのか…)
アカギが入学してからたった二日、すでにアカギの噂は広まっていた、無理もない。初日で早乙女に2000万もの負債を負わせたのだ。
皇「実は私もギャンブルには自信がありまして~、比べてみるのも面白いかなぁって」
アカギ「……」
鈴井「アカギ君!彼女はトランプで無敗を誇っている!そんな勝負で勝とうだなんて、綱渡りみたいなもんだよ!」
アカギ「ククク…いいだろう…渡ってみせよう…その綱…」
皇「で、ギャンブルの種目なんですケド、『ダブル神経衰弱』なんてどうですか?」
ダブル神経衰弱の説明
・デッキを2つ使用する神経衰弱
・数字とマークが同じだった場合のみ、そのカードを取れる。
・カードを取ると連続してカードを開ける。
・JOKERを除く各マーク×13枚、合計104枚のカードの取得枚数で勝敗を決する。
・54枚(27組)を先に取った方が勝利。
皇「ってことなんですケド、わかりましたか?」
アカギ「あぁ…いいだろう…」
ざわ…ざわざわ…
生徒会の皇がギャンブルするんだって…
相手は?
ほらあいつだよ。二年の早乙女を倒したってやつ…
鈴井(まだ転入二日目だぞ…、もう学園中の噂になっているのか…)
皇「じゃあ肝心の賭け金ですが、早乙女先輩とのギャンブルでは2000万賭けていたとか?」
皇「じゃあ、私は賭け金…4000万!どうです?ダブルアップってやつですよ」
4000万!?
マジかよ…
ざわ…ざわざわ…
アカギ「いいだろう…」
皇「先ほどの説明の通り新品のトランプを二つ用意します」
数分後…
皇「…とこれで準備完了。『ダブル神経衰弱』はじめましょう!」
皇「アカギ先輩から先に引いていいですよ」
アカギ「わかった…」
パラッ
アカギ一回目:ハートの3とスペードの3
アカギ「どちらも3だが、このルールだと当たりじゃないってことだな…」
皇「その通り」
鈴井(……やっぱりこの神経衰弱難しすぎないか?)
難しい確率。当たりが一枚ということは引ける可能性は103分の1の確率しかない。
となれば、既出のカードを覚えるしかない、だが103枚の位置を覚えるのは至難の業。
皇「ダイヤの7にハートの2、ハズレー」
アカギ「スペードの2、クラブのA…」
鈴井(いくら場所が分かったとしても、こんだけあると何が何やら…)
アカギ「…ハートの3…」
鈴井(ハートの3は確か出たはず、だけど場所はどこだっけ…)
アカギ「…もう一枚は確か…」パラッ
鈴井(やった!まずは一組…)
皇「当たりなのでアカギ先輩が連続で引けます」
アカギ「ダイヤの9、ハートの2…」
皇「お、ハートの2は確かあの場所だったはずですねぇ…」
皇「確か…ここにっ…!」
鈴井(皇も負けてない、流石無敗の噂なだけはある…!)
数巡後…
鈴井(アカギ君が36枚、皇が40枚…)
鈴井(皇の次巡でアカギ君が上回ることが出来れば…!)
皇「流石アカギ先輩!まさかここまでいい勝負になるとは思いませんでした。流石早乙女先輩を倒しただけのことはありますねぇ~」
アカギ「…そりゃどうも…」
皇「私も負けてられないな…あっ、揃いました」
皇「で、次は…お、これも揃いましたねぇ」
え…?
おいおい…
ちょ…まじかよ…
皇「どうやら勝利の女神は私に微笑んでいるみたいですね」
皇「あ、外れかー…どーぞ、アカギ先輩の番ですよ♪」
皇「次外したら、ほぼ私の勝ちですねー♪頑張ってくださいねー♪」
皇は容赦なく10枚連続でカードを連取した。次巡アカギ…。
鈴井(アカギ君…)
アカギ「……外れだ」
鈴井(そんな…!あのアカギ君がそんなミスをするなんて…!)
皇「っと…当たりです!私の勝ちですね!」
ワー!
すげー勝負だったな!
どっちもすごかったな…
鈴井(確かにアカギ君は善戦した…、だが相手の記憶力と運が絡んだことが勝敗を分けた…)
鈴井(4000万の負け…アカギ君払えるのか…?)
アカギ「皇…だったな…」
アカギ「もう一度勝負しないか…?」
皇「ん?」
アカギ「生憎だが…、今持ち合わせがなくてな…」
アカギ「それに…負けたまま終わるのも癪だしな…」
皇「……あはっ」ゴソゴソ
皇「……実は私ネイルが趣味で、こんな風に一つ一つコレクションしてるんですよね」
鈴井(なんだいきなり…)
皇「しかもこれちょっとした秘密があってですね…」
皇「全部生爪なんです」
……え?
ざわ…ざわざわ…
皇「まぁほとんどはギャンブルで分捕ったものなんですケドネ」
皇「ってことでアカギ先輩が4000万賭けるなら」
皇「アカギ先輩のその爪、私欲しいなっ♪」
は……!?
爪を賭ける……!?
鈴井(やはり噂は本当だった…!1年で借金を負わせ更に爪を賭けさせる女がいるって…)
鈴井「アカギ君……こんなふざけた勝負受ける必要がないよ…」
アカギ「……いいだろう」
鈴井「アカギ君!?いくら君でも爪なんて賭けたら…!」
アカギ「ククク…大丈夫だって鈴井」
爪を賭けることはもちろん、肉体損傷が伴うギャンブルはこの学園といえど滅多にない
だが相手は日本の裏の世界で伝説を作った男、赤木しげるなのだ。
皇「あはっ、そうこなくっちゃ!」
皇「じゃあ新品のカード使いますね~」
カード準備後…
皇「では、はじめましょうか!賭け金は私が4000万円、アカギ先輩が手足の爪でいいですね?」
始まるぞ…
本当にやるのか…
鈴井(これだけ観客がいるんだ…冗談じゃすまないぞ…)
皇「では、アカギ先輩からどうぞ…」
アカギ「あぁ…」
鈴井(アカギ君…)
アカギ「…………」
一枚目から悩んでも仕方ないだろー
早く引けよなー
鈴井(無理だ…爪が賭かっているんだ…そんな簡単に引けるわけがない…)
皇(あはっ♪またコレクションが増えちゃった。私が絶対勝つもんね)
皇(伏せカードの半分52枚に細工してあるんだから負けるわけがないよね♪)
皇(まさか一定以上の温度で模様が浮かび上がるだなんて思いつかないでしょ♪)
皇「先輩どうしたんですかそんなにじっと見つめて…」
皇「カードが透けてくるとでも言うんですか?」
アカギ「そうさ…」
鈴井「!?」
観客「!?」
皇「はぁ…」
アカギ「それぐらいの感覚がなければ、この数年間…」
アカギ「とても生き残れなかった…」
皇「……」
アカギ一回目:ダイヤの6とダイヤの6
鈴井「やった!まずは一組目!」
その後アカギ、連続でカードを当て続ける。
皇「…」
皇(なんだこいつ、まさか気づいた…!?)
皇(こうなったら私の番で一気にカードを開いてすぐに回収して)
皇(普通のデッキと交換する…もうこれしかない…)
おい…あいつ…
なんで……?
う、噓でしょ…?
鈴井「ア、アカギ君…?」
皇「…!?」
アカギ「54枚…俺の勝ちだ…」
アカギ一回目で54枚総どり……!!
嘘だろ!?
一回目で54枚も取るなんて…!?
どうなってるんだ…!?
皇「な、なんで…!?」
皇「なんでカードを把握してるんだっ!?」
アカギ「…言っただろ、カードが透けてくるって…」
皇「はぁ…!?」
アカギ「…まぁ、この勝負は終わりだ。俺の4000万もチャラになったことだし次は何の勝負をするんだ……?」
皇「は…?い、いや、私はもう…」
アカギ「…何を言っている…」
アカギ「まだだ…まだ終わらせない…」
皇「ひ…」
アカギ「今の4000万の勝ちを載せて、8000万の勝負…」
アカギ「倍プッシュだ…」
皇「い、嫌だ…」
アカギ「ククク…そもそもお前が俺に吹っ掛けてきたギャンブルだ…」
アカギ「…断れると思っていたのか…?」
皇「そ、そんな…」
アカギ「……俺が負けたら、8000万の負債をすべて俺が背負う」
アカギ「…代わりに、俺が勝ったら…」
アカギ「お前の手足を全てもらう…」
皇「!?」
鈴井(!…アカギ君…)
ざわ…ざわざわ…
手足って、何言ってんだ……?
まじかよ…
鈴井「アカギ君!君はまたそんな…」
アカギ「いいから…」
鈴井「…」
アカギ「…で、どうするんだ…?」
皇「ひぐっ…、むっ無理です……」
皇「でっ…できません……勘弁してください…」
皇「ゆ…許してください……」
鈴井「アカギ君…こう言っているんだし…」
アカギ「……」スタスタ…
皇との勝負は終わった。アカギは皇に引かせることなく一回目で勝負をつけたのだ。
すげー勝負だったなー
手足を賭けた勝負も見たかったねー
???(へぇ…)
鈴井「アカギ君!」
アカギ「…鈴井か」スパー
鈴井「あぁ!また煙草吸って!」
アカギ「……」
鈴井「……それにしても、なんで54枚引けたんだい?」
アカギ「……奴のトランプには仕掛けがあった…」
鈴井「仕掛け?」
アカギ「恐らく、温度が上昇すると模様が浮き上がるんだろう…」
アカギ「奴は一戦目、その模様を頼りにカードを選んでいた…」
鈴井「じゃあ、アカギ君もその模様を頼りに…?」
アカギ「模様には一回目の勝負で気づいたが、とはいえ頼る程でもなかったがな…」
鈴井「…じゃあアカギ君は本当にカードが透けて…?」
アカギ「ククク…さぁな…」スパー
鈴井「…」
アカギ「…あんな奴とでは本当の勝負は出来ない」
鈴井「……?」
アカギ「あれでは足りぬ…」
鈴井「え…」
アカギ「……」スタスタ…
同時刻、生徒会室――
清華「……とのことでした」
???「キャハッ、転入早々皇ちゃんに勝つなんてスッゴイ子だねっ☆」
???「まあ、多額の上納金で生徒会に入っただけの方ですからね」
???「うへっ、雑魚に勝って調子こいてそぉ~」
???「あれ?推薦したのは誰だっけな?」
???「うるさい、黙れ」
???「……」
清華「さて、この赤木しげるですが、どう始末いたしましょうか…」
全員「……」
綺羅莉「面白いじゃない、ちょっかいだしてみましょうか♡」
綺羅莉(噂には聞いていたけど、まさかここにくるとはね……)
綺羅莉(赤木……しげる……)