長耳転生 異世界行ったらシたい事全部する   作:瑠韋

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英雄?

空を飛ぶことといったら飛行機に乗り、席に座って片手にコーヒー。片手には新聞を見る最高な空の旅だ。

と、思ってた時期が僕にもありました。

青竜の乗り心地はあまり良いものではない。背中が鱗で覆われてゴツゴツしていて痛いし、なんなら飛んでいる時空気抵抗で俺が飛ばされそうになる。

さすがに自分の操っている竜で落下死なんて笑えないので、土魔術で簡易的に作った人が入れそうなぐらいの大きな箱を竜の背中に乗せて、箱の中に一つ椅子を作った。

これで簡易飛行機内の完成だ。

竜のこともあるので、箱がどこかに飛んでいかないように竜の体に土魔術でリュックサックのように背負ってもらい、且つ、青竜の飛行に支障が出ない重さまで調整した。

これで多少はマシになるだろう。

俺は箱の中の席に座り、ベガリット大陸までの空の旅が始まった。

 

 

 

道中、俺はこの青竜の名前を何にすることから始まった。

ん?もっと大事なことがあるって?いや、乗せてってもらえるのに名前も考えてあげず着いたらすぐ回収なんて魔物をなんだと思ってるんだ。

お前ら人間じゃねぇ!!

と、茶番はここまでにして名前はアンリと名付けた。こいつとは長い付き合いになりそうだ。

本題に入ろう。

どうやって転移迷宮をクリアするかだ。まずはボス部屋にたどり着かないとお話にならない。6階層までの攻略本がラノア大学にあるのだが、取りに行くのにだいぶ時間がかかってしまうだろう。

そして、大学から推薦をもらっている訳でもないので入学金が発生してしまい、金銭的な問題もある。のちのちラノア大学には通ってみたいと思っているので悪事もしたくない。

となるとやはりしらみ潰しに攻略していくしかないか…と思っていたが、ふとあることを思い出した。

(たしか迷宮内の魔物達は罠の配置を覚えていて、ランダム転移を踏んだ冒険者達をその部屋で襲っているんだっけ…それでロキシーも狙われていた。それならその魔物達を使役し道を教えてくれることは出来るのではないか?念のため各階ごとに魔物を捕まえて確認していけば確実だろう。)迷宮自体の攻略の戦略は立てれた。

次に、ボスであるマナタイトヒュドラの対策だ。

鱗は魔術を無効化する吸魔石で出来ている。そのため、俺の魔術はマナタイトヒュドラが吐いた炎をレジストするのと頭を切った首に再生させないために焼くぐらいの効果しか発揮しないと思っていて良い。

剣術の腕の自信がないかと言われればそうではない。これでも水神流と剣神流は上級だ。

だが、それ以上でもそれ以下でもない。鍛錬はサボらず続けてはいるが、上級剣士如きがあの硬い鱗で覆われた首を切れるのだろうか。ラパンの市場に原作のパウロが買った硬ければ硬いほど切れ味を増すという『鎧通し《アーマーブレイク》』の能力を持ち、干し肉のような柔らかい物は斬れないという魔剣が売っていれば買いたいが、今売っているかは不明だ。

剣の腕だけならばアンディを連れてきてもよかったが、村のこともあるだろうし諦めた。運良くベガリット大陸で剣の腕が優れた人がいたら雇いたいな。

兎に角、とりあえずはソロで潜ると考えておいた方がいい。何度でもボス部屋は挑戦できるからトライアンドエラーでやっていこう。

そうこうしているうちにビジネスクラスの空の旅が終わろうとしていた。ラパンの近くで降りようと準備していた時、奥になにやら山みたいなのが現れた。

 

(こんな砂漠に飛んでいる高度と同じ高さの山なんてあるか?)

 

俺は気になってラパンを素通りし、山の方へ向かった。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

山だと思っていた物の正体はなんと魔物だった。

体内に大量の魔石を持ちそれを目当てにする冒険者もいたが、硬い皮膚に阻まれ攻撃が通らず、危険が迫ると地中に逃げるため倒すことは困難で、大きさをどのぐらいだと思うのも馬鹿らしいぐらいの大きさのベヒーモスだ。

実際に見ると圧巻だ。

本当に異世界に来たんだなとつくづく思い知らされる。こんなものが前世で存在するなんて有り得ない。存在していたら地球が滅亡してしまうわ。と思いながら目の前のベヒーモスに見惚れていた俺に悪魔の囁きが聞こえてきた。

捕まえてみないか?と。

あんなものを捕まえようとしたら一瞬で魔力枯渇を引き起こすだろう。

この砂漠で倒れるなんて自殺行為だ。と天使が俺に囁いてきた。

「漢ならあんぐらいのどデカいのを手に入れるって夢じゃないか?」

 

「いや!危害を加えなければ穏やかな性格を持っているんだから無理に手を出さなくていいのよ!」

 

「けど、あいつがいたらマナタイトヒュドラなんて一踏みで勝てるぜ??」

 

よし、捕まえよう。

楽して勝ってゼニスも救出出来たら良いことだ。

うんうん。

俺はそう自分に言い聞かせて、アンリにベヒーモスの近くまで近づいてもらい、地上へ降り立った。

降り立って数秒後には汗をかき始めた。ベガリット大陸はほとんど一面砂で覆われていて、暑い砂漠だ。

俺は汗を拭いながら、ポチともう一体の緑葉虎を召喚した。

もう一体の緑葉虎にも名前を付けるか。

ポチの相方となるからテチにしよう。

テチにはベヒーモスを球にした時にその球を回収する役目をしてもらう。

ポチには俺が魔力切れでぶっ倒れた時に安全な場所へ運ぶように頼んだ。

さあこれで準備満タンだ。

俺はゆっくり深呼吸をしてベヒーモスを見た。

地上から見ると迫力が桁違いだ。

山が一つ動いてるようだ。動くことベヒーモスの如し。

俺は少したじろぎながらも真っ直ぐにベヒーモスを見た。そして、左手に魔力を集中させる。

今までで一番強くて重いものを。

左手いっぱいに固められた魔力をベヒーモスへ放った。ベヒーモスへ着弾したかと思えばこれまでに感じたことのない量の魔力が吸われていくのがわかった。

(これ、結構厳しいかも…)

俺は弱音を吐きながらも意識だけは途切れさせないように努めた。目の前にある巨大な山がブラックホールのようなものにどんどんと身体を吸い込まれていく。足掻いているものの、動きが遅く、足が地面に着くより先に身体がブラックホールに引き込まれていく。それでも、巨大な足の一歩が地面を踏めばたちまち身体が元に戻る。

拮抗している。

俺の魔力が切れるのが先か、それともベヒーモスが耐え凌ぐのか。ここで負けたらマナタイトヒュドラなんか勝てないだろう。そしたら救えるものも救えない。俺はそう思い最後の力を振り絞った。魔術の威力が上がったのを感じたのか、ベヒーモスはさっきより大きな一歩を踏み出した。

しかし、それが仇となった。身体を動かすのが遅いので、一歩を大きくするほど片足の滞空時間が長くなるのでバランスが崩れやすいのだ。

だが、気づいた頃にはもう遅い。ベヒーモスは体制を崩して横たわってしまい、なすすべなく、最後の雄叫びを叫びながらブラックホールの中へ吸い込まれていった。

そして巨体があった場所には一つの黒い球が出来ていた。

 

「はぁ…はぁ…終わった…」

 

俺は戦いを終えたと認識すると、どっと身体の疲れが出てきて強烈な眠気に襲われた。しかし、目の前から何かが来る。こんな時に魔物かと思ったが、どうやら人だ。もう残されている魔力は無いので、盗賊だったらポチにでも襲わせよう。

 

「×××----××」

 

何か話しかけられたが、分からない。

確か、ベガリット大陸では闘神語なんだっけ。

俺は習ってないから話せない。

 

「闘神語話せないので別の言語でお願いします。」

 

俺は薄れつつある意識の中で伝わるかも分からない普通の人間語で話した。

 

「それは人間語かな?たしかこの言語の筈だ。では改めて、君はどうやってあのベヒーモスを倒したんだ!?あれは英雄がやることだ!僕が狙っていたのに!」

 

そう言われたが、生憎俺は返答できるほどの気力はない。

 

「魔力切れで少しの間寝ます…起きたときにでも話します…」

 

俺は彼の顔を見て意識を失った。

そう、圧倒的な主人公オーラに包まれた青年の顔を見て。




無職転生のゲームにハマりました。
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