絶対お前(あなた)だけには恋なんてしない 作:病弱ニートくん
衝撃の事実から1週間
喜多川悠里は虚無感に襲われていた
実際、リサちゃんの彼氏らしき男は本当に、なんというか、彼氏だった
リサちゃんは俺には見せたことの無い、陽だまりのような微笑みで彼を見て、挨拶を済ませ去っていった
なぁぁぁあんでだよおおおお、ついこないだまで、クッキーお父さん以外に食べてもらったの始めてって言ってたじゃあああん
あれか、俺は実験台にされた感じか??おおん???
「なんて顔してるんですか」
「わかってくれよ友よ」
氷川と一緒に飯を食う
あれから氷川とは徐々に打ち解け合っていた
たまにサヤのお見舞いに行くし、飯もこうやって食う
用務員として働いてる時は氷川がよく不備に気づいてくれる
氷川は最初は冷たい、冷酷でお堅いやつだと思っていたが実際話すとイマドキ…とまでは言わないが普通の女の子だった
正直ここまで仲良くなれると思わなかった、俺たちは磁石のSとS、NとNだと思っていた
風紀委員、弓道部所属、プライベートではバンドに所属
こんな完璧な氷川が妬んでる妹ってどんだけ完璧なんだろうな
話聞く限りだとパステル…えーっと、なんとかってアイドルバンドやってるらしい、いわゆる芸能人
氷川の双子だからなぁ、てか氷川姉も普通に顔、いいよな
「まあ、正直衝撃でした…まさか彼氏がいるなんて」
「ボーカルの子も知らねえのかな」
「知ってたらしいですよ、言う必要が無い…と判断したそうです」
「まああの子の性格なら、バンドに関係の無いことだわ…とか言いそうだもんな」
「バカにしてます?」
「いんや?全然」
少し皮肉を込めたマネをしたのを氷川は見逃さなかったようだ
「そう言えばこれ」
「なにこれ」
「Roseliaのライブチケットです、今週末ライブがあるので、少しでも気分転換になれば…と」
「ほーん…サヤに話すいいネタになりそうだし、行かせてもらうよ、サンキュー」
そして週末、俺はライブハウスに来ていた
周りの客は6:4で男性客が多かったが、意外にも女性客も少ないというわではない
すごい人気なんだな…
正直言ってとんでもなかった
バイト中にかすかに聞こえてくるからどんな曲か何となくわかっていたが、実際本気の演奏を聴くと心が震えた
ボーカルは力強くて、オーラがもうとんでもなかった
氷川のギターはめちゃくちゃ上手いし、普段と変わりなくクールだったが心は熱いもんを感じた
ドラムのちびっ子は常に笑顔でドラムを叩いてた、かなり難しそうな曲ばかりなのにすげえ
1番びっくりしたのはボインちゃん、普段は控えめなのに演奏中は天使のような旋律を奏で、儚げな顔をしていた
リサちゃんは色気がすごかった、うん、可愛い、なんか複雑な気持ちになったけど
ありがとう氷川、いい気分転換になったよ
「サヤ」
次の日俺はサヤの病室を訪れた
「昨日な、お兄ちゃん氷川のバンドのライブに行ってきたんだ、凄かったよ…ごめんな、俺だけ楽しい思いして…サヤが起きたら、今度は一緒に行こう」
サヤはいつ目覚めるんだろう
そんなこと考えててもしょうがないだろ
リサちゃんに彼氏が出来たのも、クソッタレた神様がお前はお前のするべきことをしろって言ってるんだろ
「じゃあ、お兄ちゃん行くよ…また明日な」
「うわぁ!」
「うおっと!すいません!」
「ううん、こっちこそごめんなさい!」
曲がり角で女の子とぶつかりそうになった
年は…タメくらいか??
てかこの見た目どこかで…
「あ!あなた!!ちょっと来て!!!」
「ちょ、ええ!!!病院の廊下は走るなって!!どこ連れてくつもりだ!!」
「ちょっと聞きたい事があるの!」
女の子に突然腕を引っ張られどこかに連れられる、なんなんだこの子は
「あなたおねーちゃんの彼氏でしょ???おねーちゃんを送って来たところ、家から見てたんだ!もう、るんっ!って感じがしたの!」
おねーちゃんって氷川の事か…?
てことはこいつが、氷川の妹!?!?
次回から物語がぐーーーんと進む…はず…
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