絶対お前(あなた)だけには恋なんてしない 作:病弱ニートくん
何話で終わろうっていうのを決めてるのでそれまで頑張ります
皆さんもぜひお付き合いいただければ…
「お願いします。」
俺はcircleで深々と、女子高生4人と中学生に頭を下げる
「おんがく、りょーほー…」
「音楽で…人を助けることが出来るなんて…」
「友希那、やろう。アタシたちにしかできない音楽で、悠里くんの妹を助けよう」
「湊さん、私からもお願いします…」
「……」
Roselia、今人気急上昇中のガールズバンド
俺は音楽療法の話を聞いた時、真っ先に彼女たちが思い浮かんだ
だが、ボーカルの湊友希那は黙り込み、考えていた
「…喜多川くん、1つ聞きたいことがあるわ」
「はい…なんでも答えます」
「あなたは…Roseliaに全てをかける覚悟はある?」
「……」
どゆこと??
ライブ沢山見に来いとか、グッズ買えとか、優先的にスタジオの予約をさせろとか、そんな感じ…??
なんでもいい、俺はなんだってやる
「あります。」
「……わかったわ、貴方の妹さんを救う音楽を、私たちRoseliaが奏でるわ」
「…っ、ありがとうございます!!」
ちなみに全てをかける覚悟とは、circleでのバイト中、手が空いたら機材のメンテナンスや音楽を聴き感想を伝える、という係になれとの事だった
全然やるやる
そこから、俺たちの怒涛の日々が始まった
「お世話になりました。」
「うちじゃ何も出来なくてごめんね…サヤちゃんの回復を心から祈ってるから」
良くしていただいた看護師さん、主治医の方への挨拶
「今までありがとうございました」
「この学校通うんだろ??会えなくなるわけじゃねえんだから!それに新入りも入ったし…まあ休み時間にはコキ使ってやろうかな!」
用務員として働いてる時お世話になった上司への挨拶(まあほんとにしょっちゅう顔合わせるんだけど)
「これから本格的にこのクラスでみんなと過ごすことになりました、抵抗がある人もまだいると思うけど、よろしく」
これから学生としてやっていく仲間たち(もちろんまだ女子校なので全員女子)への挨拶
最初抵抗があった子たちも、もうみんな心を許してくれていた…感謝しかない
そして…
そんな俺の挨拶をみて微笑む氷川
そんな顔できるんだな…
ドキドキと、胸の辺りがキュンとなる
ほんとにキュンとなる
あのほんとに、ぎゅうううんってなるよね()
あんなやつって思ってたけど俺は
氷川が好きだ
未だに言い合いもする、売り言葉に買い言葉、くだらない事で煽り合うけど、その日々が楽しくて
好きなんだ
ーーー
喜多川くんと朝から夜まで、ほとんど一緒に過ごす日々が始まった
私たちの音楽で、サヤさんを救う
私たちの心は今まで以上に団結した
そして彼は今、教室の前でみんなに改めて挨拶をする
正式な学生として、毎日授業を受けることを
絶対に反対だった
女子校なのに男なんて…って思っていたし、彼は屋上でタバコを吸っていた、それが初対面だったからなおさら
でも彼は、彼なりの理由があった
大切なものを守るため、救うために必死だった
そんな姿を1番近くで見てきたのは多分、私だと思う
…おねーちゃんも悠里のこと好きなんだね
ずっとそうしてればいい
ずっとそうしてればいい
それはあんなやつと思って、好きだという気持ちを認めないことでしょ?
ええ、日菜
今なら胸を張って言えるわ
私は喜多川くんが好き。大好き。
こんな気持ちになる日が来るなんて思わなかった
でも彼は、きっと今も今井さんの事が好き
でも…
彼が好きだからこそ、彼の大切な妹さんだけは絶対に救ってみせる
ーーーー
「サヤ、今日の音楽はどうだった?」
「サヤちゃん、かっこよかったでしょ?ドラムはいくら防音の病室でも厳しいから、カホン、って楽器で頑張ったんだよ!!」
「カホンは…アコースティック風な曲調になるから…病室でも叩きやすいよね…」
Roseliaのみんなは病院ということも配慮して、バラードや弾き語り、アコースティック風と様々な工夫をして音楽を奏でてくれた
ベースやキーボード、ギターはアンプに繋がず弾き、友希那は時にアカペラで歌ってくれた
俺はRoseliaの皆を下の名前で呼ぶようになった
Roseliaのみんなは俺を喜多川くん、喜多川さん、悠里、悠里くん…まあそれぞれ好きなように呼んでくれた
サヤ、お前のおかげで俺は打ち解けられたんだ
起きたら、たくさんみんなと話そう…
音楽療法を試して1ヶ月
季節は真夏の8月、夏休みに入っていた
未だサヤに変化は見られなかった…
「そろそろ帰りましょうか」
「ええ…それじゃあサヤ、また今度」
「……」
最近、リサちゃんがすごい元気ない気がする
「そーいえば!そろそろ夏祭りですね!」
「うん…来週、だね…」
「みんなで良かったら行きませんか??」
「ダメよ、バンドの練習が…」
「そうですよ、それに宿題もまだ終わっていないんでしょう?」
「えーー」
「宿題は…私が教えますから…」
「わー!りんりんありがとう!リサ姉もなんとか言ってよー」
「…え?あ、うん!たまには気分転換にいいんじゃないかなー」
「……一日だけよ?」
「わーい!!悠里さんも行こ!!」
「祭りかぁ、小学生以来だな…」
「あ、でもリサ姉は…彼氏さんと回っちゃうのかー」
「え??あ、う、うん…」
「いいなーラブラブで…」
「さ、さあみんな駅ついたよー!明るいからって遅い時間だから、気をつけて帰ろうね!」
「はーい」
あこと燐子は別方面なため反対の電車に乗る
「…リサちゃん、なんかあった?」
「…え?」
「最近暗いから…彼氏となんかあったのかなって…」
「……友希那、紗夜…ごめん!私ちょっと用事出来ちゃったから先帰ってて?」
「あ、俺も忘れ物したから取りに戻るわ」
「わかったわ、気をつけて帰るのよ?」
「……では湊さん、行きましょうか…」
ーーー
俺たちは駅の近くの公園で話をした
「やっぱ、なんかあった?」
「……悠里くんはなんでもお見通しだねー、チャットでも気にかけてくれるし…優しいね…」
「い、いやいや!そんな事ないよ!!」
最初はリサちゃんが好きだったからなぁ…」
「…別れたの、彼氏と」
「え?」
「浮気してたんだ、アタシ本命じゃなかったんだって…」
ほろりと涙を流すリサちゃん
「…酷い彼氏だったんだね」
「もーほんとだよね!!あんなやつのどこが良かったんだろ…」
涙が止まらないのが見て取れる
「…強がんなくていいよ」
「え?」
「今俺しかいないんだから」
「…うん、ごめん…つらい、悔しい…」
堪えていたものが一気に溢れ出して、リサちゃんは抱きついてきた
振り払えなかった
そっと抱きしめる
複雑な気持ちになる
何だこの気持ち
「ねえ、悠里くん…」
ーーー
「すいません、私も忘れ物をしたみたいです」
「ええ、わかったわ、気をつけて」
「湊さんも、ではまた」
私は急いで駅を出る
嫌な予感…というか、複雑な気持ちだった
これが、ヤキモチ?
喜多川くんが他の人、ましてやおそらく好きであろう今井さんと一緒にいる気がして
不安で仕方なかった
ふと、近くの公園に目がいった
やっぱりそこには今井さんと喜多川くんがいて
抱きしめあっていた
胸が苦しかった
逃げ出したくても、逃げられなかった
ーーー
「ねえ、悠里くん…」
「来週のお祭り、男女が花火大会を見ると恋仲になるってウワサがあるんだ…」
「アタシと祭り、行かない…?」
金縛りにかかったように、その光景を見つめることしか出来なかった
なんてベタベタな設定なんだ…!!!
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