堕ちた提督   作:Yasoshima kakeru

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不自然な形で国連軍と防衛連合軍の統合が進められている中である作戦の実行が決定される。作戦の名前はNewDear。世界恐慌を脱するためにアメリカが打ち出した政策からとられたものだった。ニサエルの離脱から始まったごたごたをひとまず終息させた旧防衛連合軍だったがその前には困難な作戦と組織に残った無数の小さな亀裂が残されていた....

更新が止まりすぎていたので前回のあらすじ的なものをつけました。


精神論者の系譜

カムチャッカ半島から南東に340kmの海上

 

「両舷増速。アムンゼン司令。もうじき商用のルートを外れて進入禁止海域に入ります。」

 

「報告ありがとう。」

 

アムンゼンは航海長の報告に耳を傾けながら海図を眺めていた。

 

「今の時代、海図なんか眺めて何になるんです?」

 

飛龍がまたも突っかかってくる。相変わらず飛龍はアムンゼンに心を開くことはなく、何ならあたりが強くなっていた。

 

「アナログなものからしか得られない情報もあるかもしれない。ちがいますか?」

 

「その情報が状況においてどうやって使えるのか疑問ですけどね。」

 

「それでもやらない方がましですよ。」

 

「ですが、そのやらなくてもいい作業にかける時間をもっと重要な作業に使えばもっと有効なのでは?」

 

二人の言い合いは過熱していく。

 

「いい加減にしてくれませんか?」

 

過熱した二人のどう考えても無駄な議論を不知火が冷たい視線を向けながら制止する。

 

「指揮官であるお二人が全く持って必要のない議論をしていることの方が明らかに問題ですよ。」

 

「それは....。」

 

同じ艦娘である不知火の指摘を受けて飛龍は気まずそうにしている。

 

「アムンゼン司令。第一艦隊の充足状況について報告です。予想を下回る気温のために防寒用品の若干の不足が予想されます。先の実験結果をもとに考えると艦娘でも第一、二度の凍傷を負う可能性があります。」

 

「作戦行動に問題は?」

 

「恐らく生じないかと思いますが配慮をお願いします。凍傷での死傷者は今後の士気にかかわる可能性がありますので。」

 

「わかったありがとう。飛龍....」

 

「作戦の最適化を行います。作戦時間を72時間から65時間に短縮できるように調整します。」

 

飛龍は作戦完遂のために素早く頭を切り替える。アムンゼンもそれを揶揄することはなかった。

不知火は案外いいコンビじゃないかと思いながらブリッチを後にする。

 

「飛龍、竹野の動きは、いや情報部の動きはつかめないのか?どうしても奴らの動きが気がかりだ。」

 

「あんな身勝手な人間の事なんか知りません。私は厄介払いされた人間ですから。」

 

アムンゼンはそれが飛龍の地雷だと知っていながら踏み込んだ。

どうしても知らなければいけないことがある。アムンゼンは飛龍ともめながらも何度か撤退戦を指揮し少しばかりの攻勢作戦の指揮も行った。

飛龍には棘があるがコントロール可能で、冷静で的確な指揮を出すことが出来る。指揮官としての能力も単体でのずば抜けた戦闘能力も竹野に見捨てられるようなレベルではない。

スパイかとも疑ったが飛龍の性格は頑固で正義に満ちている。その正義が攻撃的すぎるのは問題だがスパイなどという人種にはなれない性格だ。

 

「厄介払い、つまり能力不足だと?」

 

「戦闘面では私は蒼龍にだって引けを取らない。そこらの艦隊の艦娘となら一対十でも負ける気はない。」

 

飛龍ははっきりとそう言い切った。

 

「ならどうして?」

 

「『戦闘面では』それが全てです。竹野司令は私が彼の計画のほつれとなることを恐れたんでしょう。」

 

「ほつれ?」

 

「彼は私に何も教えてはくれなかった。私から情報が漏れるとでも思ったのかもしれません。」

 

「君は彼に忠誠を誓っていなかったと?」

 

「そんなことはありません。私は彼の事を信頼して日に日に変わっていく彼のやり方にだって文句は言わなかった。それが正しい手段ではないことは分かっていましたが、それが正しい目的のための手段であることは直観で分かっていましたから。」

 

「本当に竹野はあなたを追い出したかったんでしょうか?」

 

「どういうことですか?」

 

「あなたには追い出される理由はない。能力は高く頭は切れる。」

 

「そんな風に思っていたんですね。」

 

「私はあなたの事を高く評価しているんですよ。とにかくあなたを切る理由が竹野にはない。それに、能力の高い人間を追い出すときわざわざ中央の重要ポストに配属すると思いますか?」

 

「私が同じ立場なら僻地に追いやって腐らせますね。」

 

「それは....まあ、そうですね。ではあなたは今僻地にいますか?」

 

「NOですね。私は自分の能力を最大限に生かせるポストに配属されました。ですが今のポストに配属したのは中越司令ですよ。あ....。」

 

「竹野が中越司令の行動を予測していないはずなどない。気が付きましたか?」

 

「司令が感情論で動いた可能性は?」

 

「あなたから見て今の竹野が感情で動くように見えるのならそうかもしれませんね。」

 

「ないですね。」

 

飛龍は即答した。

 

「冷静になればあの男が私を切るまでの流れはあまりにも出来すぎていた。情報を遮断しこちらの不信感を煽り、信頼を一瞬で破壊する一手を最適なタイミングで実行する。司令はそれを完璧にやってのけた。そう考えることも出来るかもしれません。」

 

飛龍はやっと気が付いた。自分の思考があまりにも感情的で短絡的すぎたことを。怒りが冷静さを奪っていたことを。

 

「彼にとって私はマリオネットの一つ。一体私にはどんな役が与えられたのでしょうか。」

 

「それがわかれば何も苦労はしませんよ。それと、彼がいくつのマリオネットを持っているのか知りませんがマリオネットどうし仲良くしましょう。」

 

「あなたもマリオネットだと?」

 

「私はフィリピンで40万の艦娘を殺しかけた。情報部艦隊に救出されたにもかかわらずその戦果のすべてが私のものになった。私が報道に気が付いた時すでに根回しは終わっていました。私が出そうとした訂正の記事は全て握りつぶされました。誰がそれを行ったのか。もはや言うまでもないでしょう?」

 

「そうですか。それで私に歩み寄ろうと?」

 

「その言い方には悪意を感じます。私は、」

 

「司令!北東方向120kmに敵艦隊を補足。アッツ島の防衛部隊にも動きがありました。」

 

二人の会話を遮るように報告が入る。

 

「詳細を報告しろ。」

 

「補足した艦隊の規模は15~20万と想定されます。アッツ島の防衛艦隊も移動を開始したようです。規模は80万程度です。」

 

「多いな。」

 

「どうやって80万程の兵力の兵站をどうやって維持したのか訳が分かりません。」

 

「よし。第一艦隊、第二艦隊を攻撃態勢に移行。補助艦艇、および火力艦は輪形陣を維持。観測機を飛ばせ。」

 

「了解。」

 

「飛龍!」

 

「分かってる。第一攻撃群は任せて。」

 

「頼む。」

 

飛龍はブリッチを足早に去っていく。

アムンゼンはそれを見送ることはなくすぐに作戦用のディスプレイに目線を落とす。

 

『ジャックリー合同艦隊司令だ。わが艦隊はすでに攻撃の準備を完了している。敵に対して牽制攻撃を行う。』

 

合同艦隊は旧国連軍艦隊を母体とする多国籍の船団だ。もちろん指揮官旧防衛連合軍の士官ではなかった。

 

「ジャックリー司令。待ってください。上が話を付けたはずです。今回は私たちの指揮下に入ると。」

 

事態が急激に変化し始め、元国連軍の士官たちの抵抗が予想通り始まった。

 

『だったらなんだ?現場での指揮権限を持っているのは私だ。』

 

「残念ながら私にはあなたを今ここで更迭する権限がある。」

 

もちろんはったりだ。国連軍に根を張っている士官をどうやって更迭するのかアムンゼンには見当もつかない。

 

『そんな訳がない!』

 

ジャックリー司令は語気を強めて根拠のない反論をする。

アムンゼンはそのジャックリーの様子を見て意地の悪い考えが思いついた。

 

「その荒い気質が私のような部外者があなたの人事に干渉する隙を作ったんですよ。」

 

『何を言っている。』

 

「あなたがそのポストに居続けることをよく思っていない人間もいるということですよ。深い意味はない。」

 

アムンゼンはすらすらと噓をついてみるが当然それに気が付かないジャックリーではなかった。

 

『はったりか。いい度胸だな。』

 

「認めてくださるんですか?」

 

『今回だけだ。』

 

アムンゼンはそれを聞いて無線を切り、胸をなでおろす。

 

「気苦労の多い役回りですね。」

 

そんな様子のジャックリーを見た艦長がそう声をかけてくる。

 

「私の上官たちはみんな私を都合のいい傀儡として利用してくる。にもかかわらず私は部下に敬意を払い。君の意見も尊重しているつもりだ。これほどの人格者はこの時代にはそういない。」

 

アムンゼンはそう冗談を言い、笑う。

 

「人格者ですか。私は本当にそう思いますよ。」

 

「今、艦娘に手を出すような提督と比較しましたね。」

 

艦長はバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。

 

「ばれましたか。」

 

アムンゼンの顔から一瞬笑顔が消えて彼は、海図に再び目を移す。

 

「艦長。進路を左に三度修正してください。」

 

「海流の影響で多少船が揺れるぞ。」

 

「かまいません。人間様の乗り心地のために作戦が長引くことなど論外ですから。」

 

「わかった。」

 

アムンゼンはコンピューターをいじり作戦時間短縮の調整を再開する。ほかの士官が出してきた艦娘軽視の計画案はいくつかあるがあまりにもお粗末すぎる。精神論に近い何かだ。

もちろん強靭な精神が作戦の成功率を変化させることはわかっている。だが、強靭な精神を作るには生き残るという経験が必要でありそれは遺伝子に刻まれているわけでもなければ天から降りてくるようなスピリチュアルなものでもない。死地をさまようことに対する“慣れ”に過ぎない。心が強くなると同時に恐怖が与える影響が軽減されていくのだ。

深海棲艦の絶対数に艦娘がはるかに及ばないのであれば練度で圧倒する以外の活路はないがそれをあきらめて受け入れるのは極めて難しい。

 

「スキャマンダー。作戦計画を更新した。すべての部隊に共有をお願いします。」

 

『了解。少しお待ちを。』

 

十数秒後に再び報告が入る。

 

『共有完了しました。』

 

「ありがとう。」

 

その報告を受けたアムンゼンはブリッチを去り、指揮所に向かう。

アムンゼンはディスプレーに囲まれた窓のない部屋が嫌いだった。だから士官が本来いるべき指揮所ではなくブリッチに居座っていたのだ。

しかし戦闘が始まりそうな状況でそうはいっていられない。

 

「指令。すべての部隊に変更の通達を完了。現在最終調整中です。」

 

指揮所に入るとワイヤレスのヘッドセットを受け取りながら部下から簡潔な報告を聞く。

 

「左翼の部隊を加速させて先行させてください。右翼の部隊は合同艦隊の戦闘艦の露払いを。合同艦隊に多少の花を持たせてやらないと今回の作戦はうまくいきません。」

 

ヘッドセットのマイクの位置を調整しながらアムンゼンは指示を出す。

 

「了解です。攻撃開始は合同艦隊の砲撃に合わせると通達します。」

 

「よろしく。国連軍と防衛連合軍の間に上下関係などない。実力を見せつける必要もなければ国連軍の力量を計る必要もない。それを忘れないでください。」

 

「観測機が敵艦隊を捕捉!」

 

その一方が入ると指揮所には多くの怒号が飛び交う。

 

「よし。衛星誘導装置を作動。合同艦隊の攻撃を誘導してくれ。」

 

「作動まで30秒。」

 

「第一第二艦隊、斉射用意。」

 

嵐のようなやりとりが終わると艦隊副指令が短く報告する。

 

「衛星誘導装置の正常な作動を確認、作戦準備すべて完了しました。」

 

副指令の言葉にアムンゼンは無言で頷き深呼吸をする。

 

 

「第一艦隊第一攻撃群司令のアムンゼンです。NewDear作戦の開始を宣言します。」

 

「了解。カウントを開始します。5、4、3、2、1、fire!」

 

後方から轟音が聞こえてくる。合同艦隊の戦闘艦が一斉に射撃を実行したのだ。

 

「弾着まで2分43秒。」

 

「フェーズ1開始。」

 

「第一第二艦隊へ。フェーズ1を開始せよ。」

 

『AWACSから司令部へ。現在戦闘機部隊が敵戦闘機と交戦中。制空権確保まで8分ほど頂きたい。』

 

「アムンゼンです。8分は待てない。3分以内に決着がつかなければ次のフェーズを開始します。」

 

『わかった....』

 

アムンゼンの頑とした姿勢のおかげかはわからないが二分ほどで決着はついたようだ。

 

『....戦闘機パイロットを確認。殺害する....まて!戦時条約を守ら....やめ....』

 

「この音声はどこからだ。」

 

「識別信号からして情報部です。」

 

「そうか。」

 

深海棲艦は戦闘機を操縦できない。おそらく敵組織の戦闘機パイロットの数はそれほど多くない可能性が高い。そもそも今まで存在するわかっていなかったような組織が戦闘機パイロットと戦闘機を用意していること自体が謎ではあるが。

そのため人的資源としてのパイロットは深海棲艦100体よりも重いのだろう。だから脱出して救助を待っているパイロットを艦娘に殺させたのだろう。

 

「フェーズ2を開始する。」

 

アムンゼンの指示を受けて第一第二艦隊から少数の艦娘が速度を上げて敵陣に突っ込んでいく。

寒冷地であるため砲塔自体はよく回るがただでさえ深海棲艦の体温維持機能は艦娘のそれより弱い。

そのうえ大した防寒装備もなくこの地域で動くのは難しい。

低速戦艦や上陸部隊に対応することはできるかもしれないが高速で動く艦娘の部隊に対応できるはずがない。

 

「1E 2Eともに目標に接近中。」

 

「例のシステムを再度点検しろ。」

 

「艦娘の位置情報にずれはなし。現時点で機材の故障は報告されていません。予備機の準備状況も良好。いけます。」

 

「よし。フェーズ2にコンティニュー許可を出す。」

 

『朝潮。了解しました。』

 

その連絡が入った直後1Eと2Eは砲撃を一切せずに敵陣に突入した。

敵の陣形の内部に入り込んでいったのだ。

 

 

二週間前 横須賀第3会議室

相も変わらず士官たちによる士官たちのための無駄な会議が行われていた。

決まったことといえばNewDear作戦という名前だけ。具体的な作戦は何も決まらない。

この事態はある程度予想していた。

 

「私から一つ提案がある。私の直属の部下に飛龍というのがいるんだが彼女が書いてきた作戦を私から提案する。」 

 

「艦娘に作戦計画をさせると?」

 

士官の一人が鼻で笑う。中越はその士官に対してカウンターを放つ。

 

「君たちの出してくる作戦計画よりも艦娘が提出してきた作戦のほうが実行性があり有効だった。それだけの話だ。文句を言うのは構わんが、私が一度この計画をチェックして論題に挙げるに値すると判断したということを忘れるな。」

 

中越の言葉に誰も言い返すことはできなかった。

 

「飛龍。」

 

「はい。では私から作戦の提案を。」

 

飛龍はベーリング海が中央にくる地図を取り出し掲示する。

 

「私からはベーリング海に点在する島を攻撃することを提案します。まずこの海域は非常に気温が低く今まで深海棲艦が展開していなかった地域であり通称ルートとして極めて重要です。しかし敵はベーリング海の島に次々に上陸して勢力を強めています。」

 

「防衛部隊からの報告によれば今は反撃の時ではないと聞いている。敵の勢力は強大であり反撃は困難だそうだ。」

 

士官の一人がそう語気を強めて言う。それを無視して飛龍は続ける。

 

「深海棲艦がなぜ今まで寒冷地での行動を避けていたのか。それには明白な理由があります。深海棲艦には寒冷地での行動に大幅な制限があるからです。少し前まで彼らには自由意志があった、しかし今彼らは命令に従って動く兵士となっています。」

 

「だとしても大部隊を運用されては手を出せない。敵も馬鹿じゃない。行動が制限されているから数で圧倒して面で敵を叩き潰す戦略をとっている。狙いが甘くても弾丸の雨を降らせれば狙う必要などなくなるからな。」

 

次はまた別の士官が言う。確かにごもっともだ。まともな軍隊ならば素晴らしい指摘だ。

 

「ええ。ですが敵の物量をことを強いる方法があります。」

 

「なんだ?」

 

「敵の陣形の内部に入り込んでしまえばいい。流れ弾は海の藻屑となる前に味方を貫くことになり知性のある深海棲艦は攻撃をやめ知性のない深海棲艦は味方を打ち続ける。」

 

「敵陣に突撃した部隊が白兵戦で撃破されたらどうする。」

 

「白兵戦など簡単に回避できます。低速戦艦を突撃する部隊に編制せずにかく乱だけを目的にすれば問題はありません。敵はそれなりの間隔をあけて航行しています。その間を縫っていけるような高練度の艦娘を選抜して突撃隊を組織します。」

 

「敵を速度や練度で圧倒するというのは結局ただの精神論だ。」

 

「なら言い方を変えます。低体温症の人間と健康な人間、どちらの身体機能が優れていますか?」

 

「そういう話ではない。」

 

中越も飛龍の作戦に何か思うところがないわけではない。飛龍のような艦娘が複数いるのならばこの作戦を実行することをためらうことはないだろう。だがそうではない。

能力があってもミスを起こさないわけではない。作戦を迅速に行うとしても一時間やそこらで終わるものではなく練度という状況によって変化するあいまいな要素に重要な部分を担わせるのは普通は賭けとなる。

 

「君たちが言いたいことはわかる。確かにこの作戦は穴があるし未完成だ。だがな、我々は反抗作戦を行うといって戦力を温存してきた。これ以上、国連軍や米軍を抑えておくことはできない。我々がすべきことは最適な作戦を完璧に実行することではなくある程度の効果がある作戦を戦略的には成功といえるようにすることだ。」

 

「ですが、」

 

「君たちがここにいる理由は誰かが出した作戦にケチをつけることではない。どれだけ無茶苦茶な作戦であってもそれを実現できる形にする。無理難題のオーダーに応えるのが我々の仕事だ。」

 

「わかりました....」

 

 

現在

 

「合同艦隊から報告が!砲身の劣化により発射速度、精度ともに低下するとのことです。」

 

「わかった。」

 

フェーズ1開始から30分ほどたち徐々に戦果以外の報告が聞こえてきた。敵からの組織的な反撃だけはまだないが徐々に混乱は落ち着きつつある。

1E2Eからの連絡からも時折息苦しそうな声が聞こえる。

 

「予想通りになりましたね。」

 

アムンゼンがそうつぶやくとそばにいた士官が答える。

 

「中越司令の言葉ですか?」

 

「そうです。彼は時間経過とともに状況は不利になると予想していました。飛龍の作戦では不十分だとね。」

 

状況は悪化していた。突撃隊が離脱していない状況で精度の低下した合同艦隊の砲撃を行うことはできない。

 

「フェーズ2を実行します。各隊用意を。」




今年中に完結はさせます....させたいです....するはずです....。
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