ダンガンロンパメサイア   作:じゃん@論破

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非日常編

 

 投票結果が出た。湖藤君が提案した、私たちのリーダーを選出するための逆投票。

 かつてモノクマが私たちに同じシステムの動機を与えてきたときは、全員の得票数が表示されたはずだ。今回は、リーダーになってほしくない人を選出する投票だ。得票数が多い人ほど、みんなから信用されていないっていうことになってしまう。この結果発表から既に、また私たちの仲をギスギスさせるようなものにならないか、今からお腹が痛くなってきた。

 

 「それじゃあ、発表するよ」

 

 いつの間に使い方を覚えたのか、モノカラーを次から次へと操作して、湖藤君はあっという間に投票結果の発表画面を整えてしまった。モノカラーから照射された光が食堂の白い壁に映し出される。

 

 「すっご湖藤さん!?モノカラーってこんなことできんの!?」

 「うん。暇な時にちょっといじってみたんだ。面白かったよ。電子機器はあんまり扱ったことないんだけど」

 「さっさと発表しろィ!どうせおいらァびりっけつなんだからよォ!」

 「分からないじゃないですか」

 「じゃァ庵野!おめェおいらに投票してねェのか!?」

 「……」

 「ぐうの音も出てねェじゃねェか!!」

 

 なんのお酒なのか、王村さんはまた悪い酔い方をしていた。かわいそうに、庵野君が藪蛇なことを言うから絡まれていた。正直、尾田君は信用できないけど頭が良い分、まだ得票数が少なくなってもおかしくない。でも王村さんは……。まあいいや、結果を見よう。

 

 「みんなの総意で決まったリーダーは、この人!」

 

 あのときと同じ。私たちの顔が一列に並んで、上から降ってくるブロックが積み上がっていく。これが得票数を表している。これが少ない人ほど、みんなが投票していない人——つまりリーダーに推されている人っていうことだ。前回の100票と比べて、今回は全部で32票。結果はすぐに出る。リーダーに選ばれたのは……。

 


 

 【得票数】

 

  長島 萌 :|||||||(7票)

  王村 伊蔵:|||||| (6票)

  尾田 劉平:|||||  (5票)

  庵野 宣道:|||    (3票)

  湖藤 厘 :|||    (3票)

  宿楽 風海:|||    (3票)

 毛利 万梨香:|||    (3票)

  甲斐 奉 :|     (2票)

 

(hr)

 

 「——へ?」

 「はい決定。というわけで、ぼくたちのリーダーは甲斐さんだ。おめでとう、よろしくね。リーダー」

 「……」

 

 なんだか色々とツッコミどころが多い結果だ。本当にこれ、私たちの投票でできた結果なの?

 

 「はああああああっ!!?なんで!?なんでワタシびりっけつカ!?っていうか8票って全員ワタシに投票してるアル!そんなにワタシ信用ないカ!おい!」

 

 まずはそこだ。てっきり私は王村さんが最多得票になると思ってたのに、まさか長島さんがなるなんて。かく言う私も、もちろん長島さんには投票してるんだけど……でも王村さんや尾田君に比べたらギリましってくらいなのに?

 

 「まあ、僕は独裁主義には反対ですので、決まった以上は従いますよ。どうやら大きな隔たりがあるようですがね」

 「尾田くんともあろう人がそんなこと言うの?それじゃあ生存投票でぼくたちを煽ったモノクマと同レベルじゃないか」

 「……素直に従うと言っているんです」

 「全然素直じゃなくない?」

 

 そんなことはどうでもいい。尾田君なら少しくらい嫌味を言うと思ってたから、これくらいはもう言ってないのと同じだ。そんなことより、最低得票者がリーダーになるって話だったでしょ?なのに……どうして私がリーダーに?いやいやいや、どう考えても湖藤君とか庵野君の方が向いてるよ。自分で言うのもなんだけど、自分に投票できないから投票しなかっただけで、本当なら下位3人と私に投票したいくらいだったんだから。

 

 「頑張ってね甲斐さん、みんなの投票で決まったことなんだから」

 「あっ、え?で、でも……」

 「デモも一揆もクーデターも革命もないの。これは信任投票なんだよ。きみがしっかりしないと、きみに投票しなかったみんなに悪いじゃないか」

 「えうぅ……」

 

 リーダーっていきなり言われても、どうすればいいのか。湖藤君はなんだか今日は冷たいし、風海ちゃんや王村さんは早速私を頼る気まんまんで目を輝かせている。毛利さんも庵野君も、私なら納得って顔をしてるし、尾田君は不満そうにそっぽを向いて、長島さんはみんなを憎らしげに睨んでいる。

 

 「あ、あの……長島さん。その、ごめんね」

 「ぷいっ!もう知らないアル!みんなワタシのこと嫌いなんだったら仲間はずれにするヨロシ!」

 「ええ……そ、そんなあ……」

 「なんて、冗談アル」

 「冗談なの!?本当に怒ってたようにしか見えなかったけど!?」

 「そりゃ最初は怒ったヨ。でも怒ったからって信用されるわけじゃないし、こればっかりは仕方ないネ。日頃の行いアル。事実と感情は切り分けて考えないといけないネ」

 「も、ものすごく物分かりがいいんだね……」

 「それに、投票結果に文句を言うより、リーダーになった奉奉(フェンフェン)に恩を売った方がコスパ良いヨ。ささ、リーダー!なんなりと!」

 「つ、ついていけないよ……」

 

 プライドがないのかなんなのか、長島さんは早速揉み手で露骨に媚びを売り始めた。この変わり身の早さが、長島さんの言う生き残りの秘訣なんだろうか。ともかく、一番心配だった人が思ったよりあっさりしてて助かった。

 

 「じゃあリーダーから一言もらおうか。就任会見だ」

 「なんでそんなこと言うの!追い込まないでよ!」

 「いいからいいから」

 

 なんでか、今日の湖藤君はやたらと私を追い込んでくる。リーダーに選ばれたからそれくらいは当然かと思うけど、有無を言わさない強引なやり方は、いつもの湖藤君らしくなくて少し違和感があった。

 でもこの場は言わないと収まらないし、私は仕方なく、みんなの前に立った。こうして人に見られる状況には慣れたはずだった。介護の現場では似たようなことが何度もあったし、学校でだってこういうレクリエーションはやってきた。それでも、ここにいるみんなの命を預かるんだって思うと……この中にモノクマの息がかかった内通者がいるんだと思うと……全ては私次第なんだって思うと……頭がくらくらした。

 

 「あ、あの……みんな……えっと」

 「やい!声小せェぞ!リーダーなんだったらでけェ声張り出してけ!」

 「そこの酔っ払い。女子高生にヤジを飛ばして楽しいですか。黙って飲んだくれててください」

 「ちょっと男子ぃ〜、奉ちゃんが話すんだから静かにしてください〜」

 「不安しかないよ……」

 

 早速、まとまりのないところを改めて目の当たりにすると、これからのことが心配になってくる。本当に大丈夫なのかな、こんなことで。

 

 「私をリーダーに選んでくれてありがとう。正直、リーダーって言われても何をすればいいか分かんなくて……私以外にもっとふさわしい人がいるんじゃないかってものすごく不安で……」

 「めっちゃ後ろ向きアル!そんなんでいいのカ!」

 「うぅ……」

 「立候補性にすべきだったんじゃないですか」

 「過ぎたことはもういいの。甲斐さんの下でぼくたちが同じ方向を向くことが大事なんだから」

 「だ、だからつまり……モノクマに負けないように、私たちは一致団結しなくちゃいけなくて、そのためには……き、希望を捨てちゃダメ!なんだと思う」

 「言葉尻が決まらねェなァ」

 

 頼りなくてすみません……。口に出したら泣いてしまいそうな言葉をぐっと飲んで、私は精一杯みんなを鼓舞しようと頭を回転させた。自分でも何を言ってるのか分からないくらい喋った。話せば話すほど私という人間の地金が出るような気がして、どんどん不安になって、余計に口は勝手に動き出す。頭の中が真っ白になって、脊髄で喋ってるような気になってくる。これはひどい。

 

 「もういいだろう」

 

 足取りの覚束ない私のスピーチを止めたのは毛利さんだった。割とこの中では私の味方寄りの立ち位置にいてくれてると思ってたから、そんな人に止められたことが余計にショックだった。むしろ止めてくれたと考えるべきなのかも知れない。

 

 「無理をさせても仕方ない。ともかくリーダーが決まったなら、次にすべきことがあるだろう」

 「うん、そうだね。ありがとう甲斐さん」

 「奉ちゃん!ナイスガッツ!」

 「うぅ……」

 「では、ここから脱出するためにどんな手段が考えられるか、ぜひともリーダーの意見を伺いたいですね」

 

 嫌な汗で背中がぐっしょりだ。ようやく窮地を脱したと思ってたのに、すかさず尾田君が追撃してきた。皮肉な言い回しまでして、どこまで性格が悪いんだこの人は。いきなり意見を求められても何を言えばいいか分からないよ。

 

 「脱出するためにはモノクマを倒すか、出し抜く必要があるね。どちらも実現可能性で言えば同じくらい難しいと思うけど、甲斐さん的にはどっちの方がいいと思う?」

 「うっ……わ、私は……モノクマを倒すってことは、モノクマと戦う必要があると思う。そうなったときに、モノクマはどんなことをしてでも私たちを混乱させて、もしかしたら無理やり殺そうとしてくるかもしれない。そうなったら私たちは……なにもできないと思う」

 「手前もそう思います。この希望ヶ峰学園全体がモノクマの支配下にあるのなら、手前ども精神的だけでなく物理的に分断することも可能でしょう。そうなれば……勝ち目はありません」

 「悔しいが、それは確かだな」

 「だから、どっちかって言うとモノクマを出し抜く方法……こっそりこの学園を脱出する方法を探す方がいいと思う。時間はかかるかも知れないけど、外にさえ出ちゃえれば警察や大人の人に助けを求められるし」

 「学園がこんなことになっているんだから、警察も手こずってるはずヨ。でもワタシたちがいなくなったら、最悪爆撃でもして殲滅できるネ!」

 「ば、爆撃ィ!?そこまでするかよ!?」

 「モノクマはやることなすことデタラメだから、それくらい必要だよ。むしろ爆撃の対策しててもおかしくないよ」

 「戦争じゃねェかよ……」

 

 もしこれが戦争なんだったら、私は敗軍の大将ってことになる。20人いた仲間はどんどん減っていって、もう半分も残っていない。挙句に敵の目を掻い潜って逃げる方法を考えようなんて言うんだから。でも、私はそれでもいいと思う。誰かが死んで誰かが生き残ればいいなんて風には思えない。生きて脱出するなら、ここにいるみんな一緒だ。たとえ内通者がいたって、その人もモノクマに騙されてるだけなんだ、きっと。だから全員で脱出する。それがいいと思う。それ以外にないと思う。それが私の望む決着だ。

 

 「時間がかかるかも知れないとおっしゃいますが、時間をかければかけるほどこちらが不利になるだけです。モノクマはあらゆる手段で僕たちをコロシアイに仕向けるでしょう」

 「そ、それは……そうだけど。でも、モノクマは今日までしばらく姿を現していなかった。しかも、その記憶がないみたいだった。何か起きてることは確かだよ。モノクマがいない間は、確実に私たちへの支配は弱まってた。これって、チャンスなんじゃないかな。まだもう少し、私たちには時間があるかも知れない」

 「()()()()()()()のかもしれないネ。でも、モノクマはモノクマで何かあったに違いないアル。ワタシたちが何もしなくても勝手に弱まっていくなら、それを待つのも手ヨ」

 「……楽観的ですね」

 

 尾田君の指摘は尤もかも知れない。でも、長島さんの言うとおり様子を見た方がいいのかも知れない。時間が経たないとその答えは出ない。時間があるのなら、待つ必要があるのなら、その間に私たちはできることをするだけだ。焦ってモノクマにぶつかっていっても、今のままじゃ返り討ちに遭うのが目に見えてる。

 

 「それじゃ、何から始めようか。リーダー」

 「えっと……脱出できそうな場所、たとえば玄関ホールとか、窓とかをもう一度調べてみるのはどうかな。少なくとも私たちは1回外に出てるわけだし、どこかが外につながってるはずだよ」

 「地道に参るしかありませんね。承知しました」

 「1階はぼくに任せてよ。1階しか調べられないからね」

 「出た!湖藤さんの不謹慎ジョーク!ほんとやめてほしい!」

 

 結局、やることはこれまでと同じだ。何度やったって同じことかも知れないけど、何もしないよりはマシだ。何か新しい発見があるかも知れない。王村さんが見たっていう謎の空間も気になるし、もしかしたらそれが脱出の手がかりになるかも知れない。

 きっとみんな、心の中で不安になってるはずだ。あのとき私が、力強くモノクマを倒そうって言えてたらどうなってたんだろう。みんなの不安を取り去って、脱出の希望を抱けるくらいの激励が言えてたらどうなってたんだろう。それでも尾田君は冷や水を浴びせてきそうだ。そう考えると、尾田君はある意味、敢えて私の反対意見を言ってバランスを取ろうとしてるのかも知れない。

 

 「ううん!そんなわけない!」

 「なにが?」

 「んっ、な、なんでもないよ!」

 

 みんなと別れて、湖藤君を部屋まで送る途中、私は考えを振り払うために大きく頭を振った。椅子を押されている湖藤君が気にしてしまうくらい。

 

 「リーダーになっちゃって不安?そうだよね、いきなりこんな状況でリーダーなんて言われても、何したらいいか分からないよね」

 「お陰様で。どうしてみんな私に投票しないんだろう。私なんて、みんなの中で一番頼りないと思うのに」

 「ああ言う場合は、頼りない人より、頼りたくない人に投票するものだからね。それに、バランスを取ってくれてる人がいるから、みんな甲斐さんのことを信じてるんだよ。尾田くんとか」

 「……え」

 「ヒーローだけの物語は退屈でしょ。人の心を動かすにはヒールが必要なんだよ。そしてときに、人はヒーローよりヒールに魅了される」

 「な、なんの話?」

 「たまにはヒーローがヒールに感謝する回があってもいいよねってこと。みんなそういうの好きでしょ」

 「だからなんの話!?」

 「さあね」

 

 また湖藤君に心を読まれてしまったみたいだ。人の心を動かすにはヒールが必要……尾田君がそのヒールってこと?彼は、それを理解して敢えてあんな露悪的な態度を取ってるってこと?じゃあ、尾田君が意識してるヒーローっていうのは……私のこと?なんで?

 尾田君が何を考えているか分からない。湖藤君がなんでそんなことを私に言うのかも分からない。私なんかがヒーローになんてなれるはずがないんだ。もしヒーローがいるんだとしたら……それはきっと自分の身を犠牲にしてもみんなを守ろうとする人。彼のような……。

 

 「甲斐さん、尾田君とも仲良くするんだよ。彼は強い味方になる。ぼくよりもずっとね」

 「そうかなあ」

 

 湖藤君は人の心を読む能力に長けてるけど、未来予測までできるわけじゃない。尾田君は確かに味方になれば心強いかも知れないけど、湖藤君の方がずっと心強い。何より自分の才能を隠してるような人は信用できない。それなのに、湖藤君はやけに尾田君を評価してる。私たちには分からない何かが見えてるのだろうか。

 

 「ねえ湖藤君、尾田君は——」

 

 何を考えてるんだろう、そう尋ねようとした私の言葉は、途中で遮られた。悲鳴だった。

 その声は、疲れ切った私の心臓を貫くように鋭くて、思わず私は声がする方へ振り向いた。私たちの個室がある方とは逆だ。

 

 「な、なに今の……!?」

 「宿楽さんの声だね。何かあったみたいだ」

 「まさか、モノクマが何か!?行こう!」

 「いや、甲斐さんだけで行って。ぼくがいると足手まといになるでしょ」

 「足手まといだなんてそんなこと……!」

 「甲斐さんがひとりで走った方が早いよ。ぼくはぼくで向かうからさ、行ってあげてよ」

 

 突然のことについていけず、頭の中がぐるぐる回る。湖藤君を連れていく方がいいと思うけど、私ひとりの方が早いのも確かだ。ここで言い合っているより行動した方がもっと早い。私は考えることを諦めて、言われるがまま駆け出した。

 廊下を走り抜けた。声が聞こえたのは食堂の近くだったはずだ。誰もいない。あんな悲鳴が聞こえたのに、なんで誰も来てないの?みんなどこ?焦って周りを見回しても誰も——いや、人影があった。薄暗い部屋、空き教室の中で今にも倒れそうにふらふらと歩いている、見慣れたカーディガン姿。風海ちゃんだ。

 

 「風海ちゃん!い、今の悲鳴は!?大丈夫!?」

 「うぅ……ま、まつ、りちゃん……!おぇ……!」

 「無理しないで!何があったの!?」

 「あ、あの……きみ、むらさんが……!」

 「王村さん……!?」

 「ランドリーで、たおれてて……にげて、きたけど、おいつかれて……!ここで……!みんな、そっちに……!」

 

 意識がはっきりしないのか、風海ちゃんの言葉は統率が取れてなくて何がどうつながってるか分からない。でも、ランドリーで王村さんの身に何かがあったらしいことは分かった。呼吸が不規則で体に力が入ってない。ひとまず風海ちゃんを教室の床に横にした。

 

 「ちょっと待ってて!すぐ手当ての道具を持って戻ってくるから、ここにいて!湖藤君にも来てもらうから!」

 「う、うぅ……ご、ごめんね……」

 

 固い床なんかに寝かせるのはよくないけど、私ひとりじゃ風海ちゃんを運べない。それに他のみんながランドリーの方に行ってるなら、そっちから応援をお願いすることもできる。とにかく人を呼んでこないと。何が起きてるか分からないけど、何かが起きてることは確実だ。私は風海ちゃんにここにいるよう強く念押しして、教室を飛び出した。

 

 

 

 私の意識は、そこで途切れた。

 


 

 「写真、撮ってもらっていいですか?」

 

 誰の声だろう。すぐ近くで聞こえた。微かに震えていて、でも堪えきれない喜びの色に満ちている。それが自分の口から出たことに気付くのは、刺激的なやわい感触の後だった。

 

 「あっ……!」

 

 落ちそうになったスマホを咄嗟に拾った。手のひらで危険なジャグリングをした後、はっと我に返ってさらに恥ずかしさが込み上げてくる。

 

 「と、撮りますよ?」

 「……あ、ありがとうございます」

 

 遠慮がちに差し出された手に、スマホを預ける。見ず知らずの人だったけど、ここにいるならきっと……友達になれると思った。田舎から都会の高校に転校してきて、気分が舞い上がってる内なら、変なことを意識せずにぐいぐいいけるかも知れない。記念撮影を頼むのにもドギマギしてるくせに、私の頭はそんな希望的観測で満たされていた。

 

 「えっと……撮りますよ。じゃあ。あー、い、1たす1は?」

 「…………に?」

 

 シャッターが切られまくる。鏡なんてなくても分かるくらい微妙な顔をしていたのに、そんな写真が何枚も一気に生成されていく。

 

 「わわっ!?あっ……ご、ごめんなさい!連写しちゃった……!」

 「あっ、ありがとうございます!」

 

 なんだか色んなことが噛み合わない。浮ついてるからかな。返してもらったスマホのカメラロールには、やっぱり戸惑い気味の固い笑顔の私が何人も並んでいた。びっくりして駆け寄ろうとした瞬間まで収まってる。それを見て、なんだか私は笑ってしまった。

 まだ少し緊張してるけど、笑うとなんだか心がほぐれていく。考えてみたら、彼だって私と同じはずだ。新しい制服を着てるし、大きなキャリーケースを転がしている。同級生なんだから、気負わずに話せばいいんだ。

 

 「あははっ、変な写真」

 「す、すみません……慣れないくせに出過ぎたマネを……」

 「ううん。ありがとう、ございます。あの、あなたも撮ってあげますよ」

 「えっ……い、いやでも……。僕のスマホ、行きの電車でバッテリー切れてて……だから、いいです」

 

 そう言って彼は、真っ暗になったスマホの画面を見せてきた。バッテリーが切れるくらい遠くから来たってことだ。私と同じ、地方の出身なのかな。それとも、よっぽど無茶な使い方をしたんだろうか。

 

 「それじゃ、私のスマホで撮ってあげますよ。後でレイン交換したら送るから」

 「レ、レイン……!?あ、うと……じゃ、じゃあ」

 

 大きな丸いメガネをかけた彼は、チャットアプリの連絡先を交換するのにものすごく驚いたようで、顔を真っ赤にしてしどろもどろになっちゃった。ちょっとぐいぐい行き過ぎたかな、と思ったけど、私は私で必死で平常心を装ってるんだ。こういうのは初手が大事だから、手加減しない。同級生になるんだったら、絶対仲良くなってやる。

 彼は校門の前に掲げられた表札の隣に立って、レンズ越しにもカチコチ具合が伝わる気をつけをした。あんまり緊張してるからなんだか面白くて、私はますます笑っちゃう。

 

 「それじゃ撮るよー!笑ってー!」

 「わ、笑う……!?ああぅ……え、へへ……」

 

 ぎこちないにも程がある。アプリで無理やり笑わせた方がまだ自然だと思えるくらい固い笑顔で、彼は写真に収まった。これはこれで面白いかも知れない。どうやら彼はこういうのに慣れてないらしい。どうなるのが彼にとって良いことなのかは分からないけど、もっと自然な笑顔ができるようになれたら、素敵なことだと思う。

 そこで私は、大切なことに気付いた。

 

 「あ、そういえば」

 「へっ」

 「名前。まだ言ってなかった。私、甲斐奉。あなたは?」

 「ぼ、僕は——」

 

 それが口から飛び出すより前から、私はその名前を知っていた。この場所も知っていた。ここで、私と彼がこうしていたことも知っていた。この後に出会う人たちのことも、どんな日々を送ってどんなことがあるのか、その結末も……全て知っていた。

 だって、それはかつて私たちだから。全て、私たちが経験してきたことだから。私たちの過去だから。

 


 

 「——ん!——ちゃん!まつりちゃん!まつりちゃん起きて!」

 「ぐはっ!?」

 

 体に電気が走ったように、私の意識は現実を取り戻した。目に映っているものが何かを理解するのに時間が必要だった。口が意味のある言葉を紡ぐのに少しの間苦労した。ようやく、私は私が気を失っていたことに気付いた。

 いつの間にか、私はたくさんの人に覗き込まれていた。毛利さん、王村さん、庵野君……みんな、不安げな顔をしていた。そして、私がみんな顔を見ると、一安心したようにため息を吐いた。

 

 「よかった……!気がついた!」

 「え……?な、なに……?」

 「うへえ〜〜〜ん!奉ちゃん死んじゃったかと思ったよ〜〜〜!心臓に悪いことしないでよ〜〜〜!」

 「宿楽。どいてやれ。甲斐が状況を飲み込めていない」

 

 私の上に覆いかぶさって漫画みたいな涙を流す宿楽さんを、毛利さんが担いでどかした。裾が思いっきり濡れてる。なんで私は気絶してたんだろう。それに、みんないったい……?

 

 「そ、そうだ!王村さん、大丈夫!?ランドリーで気絶してたって!」

 「あ、あァ……知ってンのか。まだくらくらすっけど、こんなん慣れっこだからなァ。迎え酒で気付してやった!ガハハ!」

 「まさか普段から飲んだくれてるのが役に立つとは思わなかったな。その分、大きな反動がありそうだが」

 「界王拳みたい」

 「あっそうなんだ……元気ならいいけど……」

 

 ひとまずそれはよかった。危惧していたようなことは起きてなかったみたいだ。

 

 「甲斐さん、あなたは宿楽さんと一緒に空き教室で倒れていたのです。気を失っているようだったので我々で介抱して、先に宿楽さんが気がつかれたのです」

 「私が?倒れてた?どうして……?」

 「王村も宿楽も同じ症状だった。おそらく同じ方法で気絶させられたのだろう」

 「させられたって、誰に?」

 「それが分かってらァ苦労ねェやな」

 

 つまり、誰かわからないってことだ。何者かが、私たちを気絶させて回ったってこと?一体誰が?

 

 「ほ、ほかのみんなは?」

 「……直接話を聞きに行った方が早いだろう。立てるか?」

 「肩貸してあげる」

 

 ここにいないのは湖藤君と長島さんと尾田君だ。その3人ならよっぽど何があっても大丈夫だと思う。なんならその謎の人物の捜査を始めてるかも知れない。私は、すっかり元気になった風海ちゃんに肩を貸してもらって立ち上がった。教室で気絶してたって聞いてたけど、ここは保健室だ。倒れてるのを発見した庵野君が、風海ちゃんと私をいっぺんに移したらしい。運び方は……あんまり気にしないでおこう。

 歩いているうちに、なんとなく色んなことを思い出してきた。風海ちゃんを空き教室に移動させて、私は教室を飛び出すところだった。教室から出たところまでは覚えてる。気絶する前後は記憶が混濁するから、きっと眠らされたのはその辺りだ。私たちが空き教室に入るのを見られてたんだろうか。もし誰かに会ってたら印象に残ってるはずだ。それも分からなくなるくらい強い衝撃だったんだろうか。でも怪我はしてないみたいだ。ということは、何か薬を使われたのかな。

 

 「奉ちゃん?あんまりがんばりすぎないでよ?」

 「え?」

 「ずっとぶつぶつ推理してるから。気絶明けまもなくからそんなに色んなこと考えてたら頭パンクしちゃうよ」

 「こ、声に出てた?」

 「出てたよ」

 

 出てたとは。何度も推理をしてきたせいか、自分でも気付かないうちに推理モードに切り替わってたことに驚いた。こんなことに慣れたくなんてなかった。熱くなってきた頭を冷やすために一旦ぼーっとする。分からないことをいくら考えたって意味がない。それより、これからどうするかの方が重要だ。

 

 「着いたよ」

 

 私たちは寄宿舎の方にやってきた。人が集まると言ったら食堂だけど、そっちじゃないんだ。寄宿舎なんて、誰かの部屋にでも集まるのかな。

 

 「奉ちゃん。じ、実は……」

 「?」

 「百聞は一見に如かずです」

 「……そうだね」

 

 なんだか寄宿舎に近付くにつれて、みんなの口数が減ってきていたことに、私は気付くべきだった。考え事をしていたせいで気付けなかったんだ。みんなの顔が暗くなっていってることに気付くべきだった。気絶明けまもなくで、そんな些細な変化に気付く余裕がなかったんだ。そこが誰の部屋なのか気付くべきだった。それは私が見落としていたせい?それとも、気付かないふりをしてたせい?

 奉ちゃんに肩を借りたまま、私は部屋に足を踏み入れた。そこには、保健室にいなかった……2人と1人がいた。そこでようやく理解した。みんながどうしてあんなに私のことを心配していたのか。みんなが醸してる暗い雰囲気の理由も。この部屋の主人が、どうなってしまったのかということを。

 

 「……え」

 

 誰にも何も言われてないのに、私は自然にその手を取っていた。いつもしてたからかな。首の後ろに手を差し込んで、その体を起き上がらせようとした。その体は重たくて、何の温度(ちから)も感じられなくて……誤魔化しようもないくらいの違和感が肌から直に伝わってくる。

 

 「は…………あっ……うっ、ああっ………………!?」

 

 自分で自分が意識を失うのが分かった。視界から光が消えていくのをはっきりと感じていた。体の形が保てなくなって空間に溶けていくような感覚。床が抜けて奈落の底に落ちていくような不安感。

 

 

 

 湖藤君(私の希望)が、死んだ。

 ——これが、絶望。

 


 

 「ううっ……?」

 

 頭が痛い。体が重い。寒い。身体中の血が抜けてしまったようだ。手足は痺れて自分の意思で動かせなくて、脳だけが覚醒している。

 

 「あ、起きた」

 

 隣で声が聞こえた。姿は見えないけど、声だけで分かる。この酔いどれた力のない声は、王村さんのものだ。

 

 「え……?な、なに……が?」

 「おめェまた気絶したんだよ。まァ、無理もねェと思うけどな」

 「きぜつ……?」

 

 気絶。えっと、確か、私は倒れた風海ちゃんを見つけて、空き教室に移動させたんだった。それで、誰か人を呼んでこようと思って……。

 

 「あっ、あ、あの……わ、私は……!風海ちゃんが……!」

 「あン?宿楽がどうした?」

 「風海ちゃんが……!倒れてて……!」

 「……おめェ、そりゃ空き教室での話か?」

 「そ、そうだ!王村さん、大丈夫!?ランドリーで気絶してたって!」

 「…………おいおい。マジかよ。いや……冗談でしねェよな?さすがにそんなこと」

 「冗談って、なにが?」

 「マジで覚えてねェのか?その……湖藤のこと」

 

 遠慮がちに王村さんの口から飛び出たその言葉で、私は心臓が握り潰されるような痛みを感じた。覚えてない、わけがない。忘れてただけだ。なんでか分からないけど、たった今、王村さんに言われるまで、そんなことは頭の片隅にだってなかった。でも今は、自分でそれを不思議に思うくらい強烈に頭の真ん中に刻み込まれているのを感じていた。

 

 「うっ!ううあああああああっ!!」

 「お、おい!落ち着け!叫んだってしょうがねェだろ!」

 「うそだ!!うそだうそだうそだうそだ!!湖藤君は死んでない!!あんなのはトリックだ!!湖藤君が死ぬはずない!!」

 「だわわっ!くそっ!聞き分けのねェやつだな!暴れんじゃねェよ!おめェ手も足も痛くねェのか!?」

 「いやだいやだいやだ!!信じない!!信じられない!!信じたくない!!そんなのおしまいだ!!なにもかもおしまいになっちゃう!!諦めちゃダメだ!!私たちはここから出るんだ!!」

 「であああっ!!うっせェんだよ!!これ飲んでだあってろ!!」

 「んぐむっ!?」

 

 口に異物を挿入される不快感。冷たくて、固くて、刺激臭が口の中から鼻に抜ける。喉が熱くなる。私は、これを知ってる。これは……!?

 

 「うぶっ……!?おべえええええっ!!?」

 「だああもったいねェ!!ってか落ち着いたかよコノヤロー!!いいか!おいらはガキだろうが女だろうが容赦しねェぞ!!なぜならおいらは体がちっこくてよわっちいからな!!気遣う側じゃなくて気遣われる側だ!!立派で何不自由ねェ体に産んでもらってわがまま言ってんじゃねェぞコラァ!!」

 「うあ……」

 「気持ちが分かるたァ言わねェよ。おいらにとっての湖藤とおめェにとっての湖藤はちげェし、同じくらい大切な人を亡くした経験もねェからな。けどな、信じたくねェっつって喚いたところで何が変わるんだ。参っちまうんだったらそのままぶっ倒れてろ。おめェが喚いたら毛利も宿楽も心配してこっち来やがる。生きようと必死になってるやつの邪魔だけはすんじゃねェぞ」

 「ふぁ」

 

 微睡んで形を失っていく世界の中で、王村さんの言葉だけが耳から入ってくる。その意味を理解するほどの理性は残ってない。でも、何が言いたいかはなんとなく分かった。その返事もできないまま、私はまた意識のない世界に落ちていった。

 

 「…………やべ、飲ませすぎた」

 


 

 次に目が覚めたとき、私は自分の体が人に動かされてるのに気付いた。ガタガタ揺れる振動が脳を直に揺らして気持ち悪い。ややあって、私は自分が座ったまま運ばれていることを知った。これは……車椅子だ。

 

 「あっ!起きた!ちょっとちょっと!勘弁してよ本当に!」

 

 目が覚めて最初に聞いたのは、もう二度と聞きたくなかったあの声だった。私の膝の上で、白と黒のふわふわが両手を振り回して怒っている。モノクマだ。なんでモノクマが私の膝の上に?それに、なんで私が車椅子に?車椅子は……湖藤君のもののはずなのに。

 

 「この短い時間に何回気を失うんだよ!不審者に眠らされて死体見て気絶してお酒飲んで酔い潰れてさあ!気の失い方コンプでも目指してんのか!」

 「はぇ……」

 「どきなよモノクマ。奉ちゃんはまだ何がなんだか分かってないんだから」

 「ふんっ!裁判までにちゃんと話しておけよ!なんも分からなくなったってボクしーらね!」

 

 なぜか不貞腐れて、モノクマは私の膝から飛び降りた。周りを見ると、他のみんなも一緒にどこかへ向かってるところみたいだった。

 

 「目覚めていきなりで悪いが、時間がない。端的に説明するぞ」

 

 ちょうど私の隣を歩いていた毛利さんが、私の方を見て言った。私の車椅子を押してるのは風海ちゃんだった。まるでボディーガードみたいに、みんなが私の車椅子の周りを囲っている。

 

 「お前が気を失っている間に、捜査時間が終わった。その……湖藤が死んだことはお前にとって相当辛いことだろうが、これから学級裁判がある。私たちも必死だ。証拠の共有だけはしておきたい。ここまでいいか?」

 「……湖藤、君」

 

 改めて冷たく告げられたその事実。また取り乱しそうになるけど、そうも言ってられない状況だってことも理解している。ざわつく胸をなんとか堪えた。

 

 「え……あ、あの、私、なんで気を……?」

 「事件のことを知って暴れたお前を落ち着かせるため、何を思ったか王村が酒を飲ませた。その点はしっかり庵野にこらしめてもらった」

 「こらしめました」

 「ずびばえんでじだ……」

 

 顔を真っ赤に腫らした王村さんが振り向いた。しっかり懲らしめられたみたいだ。

 

 「頭痛や吐き気があるだろうが、それを気遣っていられる余裕も私たちにはない。苦しいと思うが、話を聞いているだけでいい」

 「う、うん……」

 

 毛利さんがモノカラーを使って、捜査時間中に見つけた証拠品について説明してくれた。私はそれを見て聞いていたけど、なにひとつ頭の中には留まっていなかった。

 私が座っているこの車椅子。きっと気絶している私を裁判場に連れていくために使ってるんだろう。これは、湖藤君が使っていたものだ。いったいなんの皮肉だろうか。湖藤君が使わなくなった途端、今度は私のものになってしまったみたいだ。私はまだ、湖藤君の死を受け止めきれていない。手には彼の冷たくなった首の感触がはっきり残っている。もしこれが湖藤君じゃなければ、それだけで十分に死を確信する。

 でも、湖藤君だけは違うんだ。誰よりもか弱かったのに、誰よりも強かだった彼が、そんな簡単に死んでしまうなんて、信じられなかった。どうやって死んだのかさえ私は知らない。直接調べることもできなかった。こんな写真と文字だけで彼の死を突きつけられてしまうなんて……。

 

 「これで以上だ。ゆっくりでいいから、よく読んでおいてくれ」

 「……うん」

 

 私の生返事で、毛利さんは不安げに話を終わらせた。ゆっくりもなにも、学級裁判が終わるまでに事件があったことを受け入れることさえ、私には難しいかもしれない。今はまだ、何も考えられる状態にない。

 開かれた目と耳から入ってくる刺激は、私がエレベーターに乗って裁判場まで降りてきたことを知らせていた。モノクマが何か言ってる。風海ちゃんが何かを言ってる。私は自分の証言台の前まで運ばれてきた。ふと顔を上げれば、いつも腰の高さまでしかなかった柵が視界を覆っていて、まるで檻に入っているようだった。湖藤君はいつもこんな視界だったのかと、そこで気付いた。

 

 「ただでさえ人数減ってんのにひとりあんな感じで大丈夫なのかよオマエラ!腑抜けた裁判だけはやめてよね!?せめて楽しませて死んでくれよな!」

 「喪ったものは少なくないですが、支障ありません。僕たちはやらねばならないのです。今さら人が死んだことにショックを受けるような人は、覚悟がなかった。それだけのことです」

 「そ、そんなことないよ!奉ちゃんは……!」

 「よせ宿楽。今は何を言っても無駄だ。私たちがすべきなのは、この事件の犯人は誰かを暴くことだ」

 

 命懸けの信頼。命懸けの弁明。命懸けの追及。命懸けの偽証。命懸けの推理。

 

 でも、どれもなんだかどうでもいい。

 

 もう私たちに希望(湖藤君)はないんだから。

 

 たとえこの学級裁判を生き残ったって、何も残らない。

 

 だったらもう……これ以上なにをするって言うの。

 

 私は、どうしたらいいの。

 

 湖藤君……。




いつの間にかこんなところまで来ていました。
ずいぶん先まで書き溜めてますが、全然終わる気配がありません。
本当に終わんのかこれ。

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