ダンガンロンパメサイア   作:じゃん@論破

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(非)日常編3

 

 車のドアが開いた。艶のある革靴が血まみれの地面を踏み躙る。漂ってくる血と火薬の臭いに曲がりそうな鼻を、純白のハンカチで覆う。忙しなく動き回るスタッフたちを白い目で見つつ、案内された道をふんぞり返りながら進んだ。

 

 「ふんっ、(ごみくず)どもが。いったい、誰の金で装備を整えてっ」

 

 近くに転がった頭を蹴り飛ばす。

 

 「誰の金で訓練してっ」

 

 道を塞ぐ死体の足を踏み潰す。

 

 「誰の金で飯を食えていたと思っているんだっ!!」

 

 懐から取り出した拳銃でその辺の死体を撃ちまくった。近くにいたスタッフが流れ弾で死体の山に混じる。すぐさま次の弾薬が補給される。

 

 「恩知らずどもめ。たかが傘下の一組織ごときが何を調子に乗っているのか。親に歯向かう子など殺されて当然だ。“超高校級”とも呼ばれた男が堕ちたものだ」

 

 折り重なった死体の山の中心で、全身を血まみれにして元の装備の色さえ分からなくなった赤郷を見て言う。脳も目も心臓も全てを撃ち抜かれているのに、ヘルメットから覗く死に顔は、目の前の敵を殺さんとする気迫に満ちていた。それも、死んでいることが分かっていればどうということはない。

 

 「中は」

 「制圧済みです」

 「私は制圧された現場にしか来ない。掃除は済んでいるのか。私の仕事が始められるのか。“内部”はどうなっているのか。それを聞いてるに決まってるだろう。馬鹿が」

 「も、申し訳ありません」

 「申し訳ありませんではなく質問に答えろ」

 「た、建物内の掃除は未だ完了しておりませんが、代理に指揮いただく準備は整っております。“内部”の状況については、室内で別の者から報告を」

 「ん」

 

 恰幅のいい体を揺らしながら、壮絶な争いの痕跡がそのまま残った建物に入っていく。狭い廊下は血の海に沈み、積み上がった死体がただでさえ狭い廊下をより狭くさせる。

 ジャケットが血で汚れるのも気にせず、靴に染み込んだ血の重さを踏みしめ、充満した死の気配にも臆さず、その部屋まで到達した。中で作業をしていたスタッフたちは、その姿を見ると一斉に立ち上がり敬礼する。HHI (Humanity Hope Institute)日本支部統括官代理、福丸(ふくまる) 八雲(やくも)は、その戦場の中心地に仰々しく迎え入れられた。

 

 「直れ。直ったら報告。ほれっ」

 「報告します!現在……!」

 

 再び慌ただしく動き出した室内で、福丸は報告を聞く。今まで何が起きたか、ここで何があったか、今何が起きているか、何をすべきで何をしてはならないか、何を目指していて何が障害か。その全てを聞かされる。全てを託され、全権を委ねられる。

 その報告を聞く間、福丸は眉一つ動かさず、冷や汗ひとつかかず、黙って聞いていた。人が死ぬことは当然ではない。生きようと必死になっている人間が殺されるのは決して簡単に認めていいことではないし、況してや喜ばしいことなどでは断じてない。ただ、事実は事実だ。すでに起きた一切に感情を動かされることは、福丸にとって無駄なことでしかない。

 

 「ふぅん」

 

 大したものだ、と福丸は唸った。色々と言いたいことも聞きたいこともあったが、とにかくそれらは事実のようだ。細かく聞くよりも今は全体を把握するのが先だ。そして、次にすべきことも即座に理解し、考えた。

 

 「モノクマには引き続き決着に向けた準備を進めさせろ。内通者にはその二人を抑えさせ、イレギュラーにはこちらで対処しろ。後は手を出すな」

 「はっ!」

 「それから死体はさっさと片付けろ。血生臭くて気持ち悪くなってきた。消臭剤も持って来い!」

 「ははあっ!」

 

 福丸の指示で室内は一気に動き出した。モニターの光で室内が青白く照らされて明るくなる。倒れた死体を外に運び出し、代わりに大量の木炭が運び込まれる。福丸は室内でも一段と高い椅子に腰掛け、その様子を満足げに眺めた。

 

 「邪魔はさせんぞ、腰抜けのMHAめ。この世には絶望が必要なのだ」

 


 

 何やら慌ただしくなってきた。モノクマが真実の書かれた封筒を学園にばら撒くと宣言した真意はなんだろうか。学園中を効率的に探そうと思えば、個別に動かざるを得なくなる。個別に動けば、モノクマからの介入やコロシアイが発生しやすくなる。それが狙いか?本当にそれだけか?それとも狙いなんかなく、ただ本当に決着をつけるために動いているだけか?分からない。

 

 「あ・ん・の・君」

 「うおおぅっ!?」

 「あや」

 

 ひとりだと思って考え事をしていたら、後ろから突かれて声をかけられた。思わず驚いて妙な声を出してしまった。こんな子供の悪戯のようなもので動揺してしまうとは、手前もまだまだ修行が足りないようだ。

 

 「ごめんね、驚かせちゃったみたい」

 「いえ……こちらこそ気付かず失礼しました。少し考え事をしていたもので」

 「庵野君はいつも難しい顔をしてるよね。それかニコニコしてる。どっちもいいと思うよ。庵野君らしくて」

 「はあ、恐縮です。甲斐さんは……もう大丈夫なのですか?先程はずいぶん疲れているように見えましたが」

 「うん、もう大丈夫。っていうことにした」

 「拭いきれないですねえ」

 「本当に大丈夫になるのには時間がかかるから。でも今は、それを待ってる場合じゃないでしょ」

 「なるほど……どうやら、彼の愛には応えられたようですね。ええ、それなら手前は何も言うますまい」

 

 完全に大丈夫と言い切ってしまわない正直さは、甲斐さんの良いところでもあり、心配なところでもある。コロシアイという互いを疑い合う環境でこの素直さはとても眩い力だ。しかしそれは危うさでもある。信頼関係の礎になることもあれば、疑心暗鬼を加速させる毒になることもある。甲斐さんがどう動くかで、手前どもがどう動くべきかは変わるだろう。それほど強い影響力を彼女は持っている。この人から目を離してはならない。そう感じさせる力がある。

 

 「それで、庵野君は何を考えてたの?」

 「いえ、大したことでは。甲斐さんが気にされるようなことではありませんよ」

 「気になるなあ。わざと気にさせるような言い方してない?」

 「そんなことは……甲斐さんの誰かを気遣う愛の力が気にさせているのでしょう」

 「それって、私が気にしすぎてるせいって聞こえなくもないけど」

 「むがんくっ……」

 「えへへっ、意地悪な言い方しちゃったね。ごめんごめん」

 

 そう言う甲斐さんの表情は、実にあどけないと言うか、屈託がないと言うか、年頃の少女らしい笑顔だった。吹っ切れたとは言うが、ここまで態度が急変するのは只事ではない。見たところ、本当に体調は良くなったようだ。となると、快復した勢いで少しハイになっている?モノクマとの決着を前にして緊張が裏返っている?それくらいならまだいいのだが……対応を誤れば今度は甲斐さんが暴走してしまうような事態になりかねない。それはまずい。とてもまずい。

 

 「この期に及んで隠し事をするのは……悪手ですね。それに悪いことでもありません。話してしまいましょう」

 「うん。話して話して」

 「実は……」

 

 手前は全て話してしまった。モノクマが何を考えているか分からない、真意を捉えかねている間は慎重になるべきだと考えること、それと甲斐さんの変わり身ぶりを本当に心配していることを。

 

 「余計なお世話とは存じますが……」

 「そんなこと思わないよ。まあ、確かにちょっと無理している部分はあるけど……でも、今はそんなこと言ってる場合じゃないしね。自分のことよりみんなのことだよ。うん」

 「甲斐さんの前でお名前を出すのも忍びないですが、どうも湖藤君や宿楽さんから影響を受けすぎてご自分を見失っているような気がしてならないのです。甲斐さんは元の甲斐さんのままで十分ご立派なんですよ」

 「……そうなのかな。分からないんだよね。なんだかその辺りのことが。私は、こうしなくちゃと思ってやってるんだけど、それが私自身の思ってることなのか、誰かに思わされてることなのか……。でもいいんだ。どっちだったとしても、これは間違った考えじゃないと思ってるから」

 「それは誰にとっての間違いですか?」

 「へえ?誰にとって……?」

 「甲斐さんが方々を回ってみなさんを励ましているのは、確かに間違いではありません。正しいことでしょう。モノクマと戦うのに手前どもの一致団結は必要不可欠です。しかし、それをするのは甲斐さんでなければいけないのでしょうか?少なくとも、今朝方までの状態を見ていてそれが正しいとは、手前には思えません」

 「そ、そうかな……でも、他にできる人がいないし」

 「モノクマは、今日から少しずつ封筒をばら撒くと言っていました。それはつまり決着の時まで猶予があるということです。甲斐さんが落ち着くまで体を休めてからでもいいのではないでしょうか」

 「そんな時間あるかなあ。確かにモノクマはそう言ってたけど、庵野君が言うみたいにモノクマの真意が分からないのに悠長にしてるのもどうかと思うんだけど」

 「まあ、手前も甲斐さんに強いる立場ではありません。ただ、あなたの身を案じている者がいるということは覚えていていただきたいのです」

 「ありがとう。優しいね、庵野君」

 

 優しいと言うより、本当に何をしでかすか分からない甲斐さんから目を離せないだけなのだが……優しいと思われて損することもないだろうし、特に否定することはしない。これもまた甲斐さんからみなさんへの『愛』なのだから。

 

 「ところで、庵野君はモノクマの封筒って見つけた?みんな探して学園のあちこちに行ったって聞いたけど」

 「ええ。長島さんと尾田君が別々に探しに行ったようです。長島さんは1階から探すと言っておりました。尾田君は相変わらず手前どもには何も教えてくれず……どこに行ったのやら」

 「そっか。でも長島さんが1階に行ったんなら、上の方にいるかもね」

 「あのお二人にも声をかけるつもりですか?手前はあまりおすすめしませんが」

 「どうして?」

 「尾田君はやはり気が堅い方ですから、甲斐さんが真正面から行くと反発される可能性があります。必ず誰か信頼できる人と一緒に行かれた方がいいですよ」

 「でも、裁判のときは尾田君もちょっとは態度が軟化してたよ。一気に畳み掛ければオトせるんじゃないかな」

 「オトすって。尾田君をなんだと思っているんですか」

 「攻略対象?」

 「言い方気をつけてください。やっぱり不安ですから、少なくとも今は尾田君と話すのは控えた方が」

 「そうかなあ。じゃあ、長島さんは?」

 「彼女の意気込みを見るに、おそらく学園中を駆けずり回っているでしょうから、無理に追いかけると怪我をしかねません」

 「それはそうかも。怪我しちゃいけないもんね」

 

 呑気なのか冷静なのか、と言うより相手によって態度を変えているのか、甲斐さんは尾田君に話しかけるのを少し楽しみにしているようで、長島さんに話しかけるのはそんなに楽しみにしているようではない。様子がおかしいとは思っていたが、何やら考えが根底から変わってしまったような……いやでもモノクマへは立ち向かおうとしているので……なにがなんだか分からなくなってきた。

 

 「でも、私が庵野君を励ましてあげなくちゃいけないのに、なんだか庵野君に励まされちゃったみたい。うーん、私も何か庵野君を元気付けてあげたい!何か私にできることとかない?あ、封筒一緒に探そうか?」

 「それはいいですね。ひとりで探すのは見落としが怖いですし。二人いれば不意の事態にも対応できます。では、一緒に来ていただいてもよろしいですか」

 「うん。じゃあ尾田君か長島さんを見つけるまでの間だけど、よろしくね」

 「はいダメーーーーーッ!!!」

 「うわっ!?」

 

 差し伸べた手に甲斐さんの手が重なろうとしたその瞬間、横から白と黒の物体が飛び込んできた。危うく手を弾き飛ばされるというところでさっと引っ込めると、その弾丸は手前どもの横をすり抜けて壁に激突した。何事かと思えば、どうやらモノクマ——いや、額についたバツマークを見るに、これはダメクマのようだ。

 

 「危ないではないですか。いったいなんなんですか」

 「う〜ん、頭痛いぃ……ってこらこらこら!ダメだよ庵野君!こんなところで甲斐さんにセクハラしちゃ!」

 「セクハラって……握手しようとしただけだよ。こんなの普通でしょ」

 「普通なの!?いやいやいや、どんな理由があっても男子と女子が手を繋ぐのなんてフォークダンスのときだけでしょ!プリントを後ろに回すときにだって指が触れないように気を遣ってるのに!」

 「そこまで気を遣うのは逆に相手に失礼では?」

 「神経質すぎない?それに庵野君ばっかり怒るのは平等じゃないよ。いまは男女平等の時代なんだから、叱るなら私にも叱らなきゃ」

 「うるさいうるさいうるさい!とにかくダメなの!女の子は守られなくちゃいけないの!コンプラ違反になっちゃうから!」

 「一周回って前時代的だなあ」

 

 何事かと思えば、ダメクマは不自然なほど興奮して手前と甲斐さんの間に立ちはだかった。ただの握手に何をそこまで怒ることがあるのやら。

 

 「庵野君のことは僕が見張っておくから、甲斐さんは早く行った行った!二人っきりになんかなっちゃダメだからね!」

 「う〜ん……なんかダメクマなのにいつになく強引だなあ。これはよっぽどだよ」

 「困りましたね」

 「今は一旦離れることにするよ。じゃあね庵野君、後でね」

 「この後合流することを匂わせてる!ダメったらダメなんだからね!やい庵野君!甲斐さんに手を出したら僕が許さないぞう!」

 「はあ……なぜ甲斐さん個人を守ろうとするのか分かりませんが。女子全員を守るわけではないのですか」

 「守るべき人と守らなくても大丈夫な人がいるんだよ、世の中には。甲斐さんは守ってあげないといけないか弱い子だから守ってあげるの」

 「ずいぶん恣意的な基準に思えますが」

 

 甲斐さんはダメクマに追っ払われて、手前とは反対側に歩いて行ってしまった。せっかく甲斐さんが気を持ち直してきたというところなのに邪魔されてしまうとは。やはりダメクマは手前どもの敵なのだろうか。

 

 「ダメクマ、あなたは一体何者なのですか。モノクマとはどういう関係なのですか」

 「うん?どうして僕なんかのことが気になるの。僕はただ乱れかけた風紀を正そうとしただけなんだからねっ」

 「あくまでその建前を押し通すつもりなのですね……まあいいでしょう。いずれあなたの化けの皮も剥がされてしまうのでしょう。そのときまで好きになさるといい」

 「……ふんっ」

 

 それだけ言うと、ダメクマはさっさと壁の向こうに消えてしまった。甲斐さんの姿はとっくにない。まんまと手前はダメクマに邪魔されてしまったということだ。甲斐さんがどこに行って誰と話したのかも気掛かりだ。尾田君や他の皆さんの動向も気になる。考えることは多い。行動するなら早いうちがいい。

 


 

 その日の捜索は、なんとなくみんなが食堂に集まって終わった。てっきり尾田君が一封や二封くらい見つけてるものだと思ったけど、食堂に集まったみんなはひとつも封筒なんか持ってない。誰も見つけられてないのか、見つけたけど隠してるのか。どっちの可能性も同じくらいあるから困る。みんな、互いに信頼して団結しなくちゃいけないのは分かってるけど、自分の知ってることを丸出しにするほど無防備でもない。微妙な均衡状態のまま、私たちは今日を終えた。

 

「封筒のひとつも見つけられねェたァどういう了見でェ!こんだけの人間がいてよォ!」

 「王王(ワンワン)だってその中のひとりなんだから人のこと言えないアル。酒ばっか飲んでないで働くヨロシ!」

 「あぶえっ」

 「しかし、だれひとり見つけられないというのは奇妙ですね。モノクマのことですから、偽物も交えて大量に寄越してくるもの思っていましたが」

 「それは……そうかも知れないが、ひとつも見つかってない段階から偽物を気にしている場合ではないと思うぞ」

 「ま、今日はみんな疲れてたんだからしょうがないよ。明日からまた頑張ろう!えいおっ!」

 「……なんなんですかそのテンション。変なものを食べた上に頭でもぶつけて何かに取り憑かれましたか」

 「人格破壊の欲張りセットか」

 「なんでもいいよ。私がいまこうすべきだと思ってるんだから。焦ったって慌てたって仕方ないでしょ」

 「本人がなんでもいいと言うならなんでもいいですが、迷惑だけはかけないでくださいよ」

 「もちろん!尾田君も無理しちゃダメだよ」

 「率直にキモいですね」

 

 前だったらそんな尾田君の軽口に本気で怒ってたけど、今はなんだか子供が意地を張ってるみたいで可愛く思えてきた。それを言ったらますますキモがられると思うから言わないけど。それにしても——。

 

 「モノクマはどういうつもりだろう」

 「なにがだ、甲斐」

 「いくら時間が短かったと言っても、6人の人が探して見つからないっておかしくない?そもそもあの封筒って、モノクマが私たちと決着をつけたいから、その準備のためにばら撒くものだよね。ひとつも見つからないんじゃ、その準備も整わないよ」

 「ほぼないようなチャンスを与えて、形だけフェアを気取るつもりヨ!汚い大人はそういうことするアル!」

 「そんな出来レースでモノクマは満足するのでしょうか?少なくとも、希望と絶望の決着をつけるという宣言に嘘は感じられませんでした。モノクマが手前どもに準備を整えさせようとしているのは本当なのではないのでしょうか」

 「じゃあなんでひとつも見つからないカ!あ!!!」

 「声でっけ」

 「もしかして、見つけたのに隠してるやつがいるんじゃないカ!劉劉(リュウリュウ)!」

 「ナニヲオッシャイマスヤラミツケテナンカイマセンヨ」

 「絶対見つけてるヨこの人!こんな露骨に隠してるの逆に隠してるうちに入らないアル!やい劉劉(リュウリュウ)!耳揃えて出すもん出すヨロシ!」

 

 尾田君が片言で反論すると、食堂はたちまちひっくり返った。尾田君に限って冗談を言うわけもないし、でも隠す気がないのに隠す態度をとるのもなんだか変だ。まあそれも、下手に隠すよりも正直に言ってしまった方がいいと判断したものの、正直に言うのが癪だからわざとひねた言い方をしてるだけだ。たぶん。面倒な人だ。

 

 「見つけたものを正直に共有するなんてことは言ってません。中身によります。しかもこの中には内通者がいるんですよ。情報の隠匿は相当なアドバンテージを産みます」

 「はァん?何言ってんだァ?」

 「その意味が分かるときになったら分かりますよ」

 「当たり前のこと言ってるだけじゃん!はぐらかすのも面倒になっちゃったの!?」

 「心底」

 

 前なら目線も合わさずに部屋に戻っちゃうところを、睨みつけながらその場に留まるようになってるだけでも進歩かな。少なくとも私たちとの会話を拒否してるわけじゃないし。

 それに尾田君が言うことも尤もだ。尾田君の言うことは頷かざるを得ないほど尤もか、到底受け入れられないくらい尤もじゃないことのどっちか、両極端だ。もしこの中の誰かが、見つけていないはずの封筒に書かれていることを口走ってしまったら、それはその人が内通者である可能性が高くなるっていうことだ。あるいはその前提を利用してカマをかけたりもできるかも知れない。でもそれだって、カマをかけてる本人が内通者じゃないっていう保証がないんじゃ、どこにも足の置き場がない。

 内通者を炙り出すのにはいい手段だけど、本当にそれが内通者かどうかをみんなに信じさせるには悪手だ。

 

 「せめてちょっとだけでも教えてくれない?尾田君のやりたいことは分かったから」

 「分かったのならそうすることで意味がなくなることも分かると思いますが」

 「私のことだけは信じてほしいのにな」

 「何を根拠に」

 「根拠って言われたらそりゃ難しいけど、私はリーダーなんですけど。公正な投票で選ばれたんだから、従うべきだと思うな」

 「90年ほど前にちょび髭のドイツ人も同じことを言ったそうですよ」

 「それじゃあどうしたら話してくれるの」

 「あなたが内通者でないという決定的な根拠を示してもらえたら考えますよ」

 「またそうやって無茶を言う……」

 「こうして見てると、劉劉(リュウリュウ)は駄々をこねてる子供みたいネ。生意気盛りの弟を思い出すヨ」

 「そうだな。おかんの甲斐に甘えてるガキんちょさながらだ」

 「お、おかん……!?」

 

 失礼な!私はお母さんになるとしても尾田君みたいな子には育てないんだから!そう抗議する前に王村さんは毛利さんにしばかれて折檻されていた。尾田君もなんだか不服そうだ。

 

 「劉劉(リュウリュウ)だって所詮は高校生アル。生意気なことを言う子ほど親や兄姉に甘えたがる年頃なのヨ」

 「好き勝手言ってくれますね。あなたはどの立場からものを言ってるんですか」

 「一家を養う大黒柱の立場からアル!えっへん!」

 「大黒柱?そういうのは親父が担う役割だろ。なんでおめェがそんなもんやってんだ?」

 「ワタシの家は大家族なうえに働き口が全然ないから普通のやり方じゃお金が稼げないアル。だからワタシが日本(こっち)で稼いでたくさんお金を送ってあげるのヨ」

 「長島さん、ほとんど同い年なのに、立派に家族を養ってるんだ!大変なんだね」

 「崇めてヨロシ」

 「すごいすごい!崇めはしないけど!」

 

 なるほど、長島さんのどこかシビアでお金にうるさいところって、そういうところから来てるんだ。確かに親も含めた家族を養おうと思ったら、そういう考え方にもなるかも知れない。もし私がその立場になったときに、同じように自分にできることを活かして稼いだお金を家族に送るなんてこと、できるだろうか。想像できない。っていうか、介護施設のお手伝いをしてたときも、ちょっとだけお金はもらってたけどお家に入れたりしてなかったなあ。

 

 「私もここ出たら親孝行しないと」

 「長島のしていることは親孝行というレベルではないと思うが……」

 「王村さんだって毛利さんだって、ここにいるのには少なからず家族のことが関わってるんだから。みんな、ここから出られたらまずは家族のところに行ってあげないとだね」

 「現実的なことを言えば警察かと」

 「もう!嫌な現実言わないでよ庵野君!そこはいつもの『愛』ですね、でしょ!」

 「相すみません」

 

 上手いこと返されちゃった。尾田君のせいでまた殺伐としそうだった食堂の空気が、なんとなく和やかになった気がする。考えてみれば意外でもないけど、みんな希望ヶ峰学園に入学するまでに、家族の影響があるんだ。私は特に変わったことはないけど、一体感を演出するためになんとなくそういうことにしておこう。庵野君も、希望ヶ峰学園に来る前に暮らしていた教会で、神父さんはお父さんみたいなもので、年下の子たちは弟みたいなものだって言ってた。広義で言えば家族だ。うん、家族だ。

 

 「なんだかバラバラだった気がするけど、ちょっと話したら分かったよ。こんな簡単なことだったんだね。私たちみんな、ちゃんと共通点があったんだ」

 「無理やりまとめようとしないでください。家族がいない人間の方が少ないです。そもそも希望ヶ峰学園に入学する段階である程度の選抜がかかりますから、家族の有無という重要な項目が判断材料にならないわけがありません。必然性のある事実を偶然と錯覚させるのは嘘つきの常套手段です」

 「またそういうこと言う。いいじゃん。家族のことを想う気持ちは尊いものでしょ」

 「論点のすり替えですね」

 「そういう尾田君はどうなの。尾田君って自分のこと全然話してくれないけど、家族はいるでしょ」

 「……家族」

 

 椅子に座ってふんぞりがえったままの尾田君は、私が話を振るとムッとしたまま黙ってしまった。学園に入学してる時点で家族がいるのは当たり前なんて自分で言ったくせに、話を振られたら困っちゃうの。それとも長島さんが言ってたみたいに、自分の家族の話をするのが恥ずかしいのかな。まったく、子供なんだから。

 

 「まあまあ甲斐さん。あなたのおっしゃることも分かりますが、家族の話はセンシティブになりやすくもあります。あまり無理に聞くのは尾田君に悪いですよ」

 「そうかなあ」

 「そういうものだぞ。察するに甲斐は幸せな家庭で育ったようだが、そういうわけではない家もたくさんある」

 「ワタシの家がそうネ!一歩間違えれば一家離散ヨ!危ないところだったネ!」

 「おめェがそうやって明るく話すから明るく受け取られちまうんじゃねェか?」

 

 家族の話になった途端、尾田君は明らかに機嫌が悪くなった。庵野君が止めに入ってくれたけど、確かに複雑な事情の家庭もあるし、ちょっとデリカシーがなかったかなって反省した。

 

 「ごめんね、尾田君。話したくなかったら無理にとは……」

 「……」

 

 憎まれ口の一つもきかず、嫌味や皮肉で返すわけでもなく、尾田君はただただ無口に私を睨み続けた。なんか、本当に地雷を踏んじゃったみたい。尾田君にとって家族の話題は、相当触れられたくないタブーみたいだ。私は改めて、深く頭を下げた。

 

 「ごめん!」

 「……幸せ者ですね、あなたは」

 「え」

 

 すっと立ち上がって、尾田君は私の横を通り抜けざまにそう呟いた。その言葉の意味を聞く間もなく、尾田君はさっさと食堂を出て行ってしまった。

 

 「なんでェあいつ。照れるにしたって怒ることねェやな」

 「お前は本当に鈍いな。いい年して照れて怒るわけがないだろう。あれはいわゆる、地雷というものだ」

 「奉奉(フェンフェン)!ドンマイドンマイ!そういうこともあるヨ!後で劉劉(リュウリュウ)が冷静になったときにもう一回謝ったら許してくれるアル。たぶん」

 「どうでしょう。あまり刺激しない方がいいかと思いますが……」

 「うぅん……まさかこの段階になってそんな地雷を踏んじゃうとは。でもなんだか、尾田君にもそういうところがあるんだなって思ったら、ちょっと親しみが湧いたかも」

 「メンタルつよっ」

 「強いと言うか……まあいいか。甲斐、落ち込まないのはいいことだが、あまりグイグイ行きすぎて尾田をこれ以上怒らせるなよ」

 「うん。みんな心配してくれてありがと!次はうまいことやるよ!」

 「大丈夫じゃなさそうだ」

 

 ちょっと話の振り方を間違えちゃっただけだ。尾田君を怒らせるのなんて今まで何回もあったし、いちいちくよくよしてたら尾田君と話なんかできない。いつもよりもちょっと本気で怒ってたみたいだから、長島さんが言うようにもう一回謝らなくちゃいけないとは思うけど、少し間を開けた方がいいかも。

 今日のところはもう夜も遅いし、また明日かな。

 


 

 予想はしていたことだ。ここに書かれていることは、自分たちを揺さぶるために用意されたものだ。モノクマのことだから、内容そのものに嘘はないのだろう。ゲームを根底から覆してしまうようなことはしないはずだ。しかしその書き振りの中に、誇張やミスリードを混ぜることはあり得る。意図的に誤解させ、勝手に勘違いした結論を信じ込ませ、正しい判断力を奪う。モノクマがやりそうなことだ。

 だが、ここに書かれていることをいくら読み直しても、一番否定したい事実は消えない。余計な飾りを剥ぎ取り、無駄な脇道を潰し、蛇足の主観を無視して文意を追う。どれだけ消しても、どれだけ否定しても、どれだけ考え直しても、信じがたい事実がそこには残る。

 甘かった。この期に及んでモノクマが小細工をしてくるなんて舐めた考えを持つべきじゃなかった。少なくともそれに縋るべきじゃなかった。単純に、シンプルにこちら側の希望を抉ってくる情報をぶつけられるとは……。

 

 「くそっ……!」

 

 頭では理解した。疑えばキリがない。嘘がないと考えるなら最低限採用すべき点は理解した。受け入れもした。しかし同時に、それに思考を支配されてしまった。

 これが事実だとして、では自分は何をすべきか。いったいどうすれば……。

 


 

 けたたましく鳴り響くサイレンが不安と恐怖を煽る。モノクマの笑い声が学園中を覆い尽くして、深い眠りについていた私の意識を無理やり現実に引っ張り上げる。思わず部屋を飛び出すと、同じく慌てた様子の庵野君と鉢合わせた。

 

 「あ、庵野君!?なにこれ!?」

 「いえ、手前にも何がなにやら……!どうやら、誰かが“校則違反”を犯したようです!」

 「えっ……!?」

 

 “校則違反”、その言葉を聞いたとき、私は全身の血の気が引いていったのを感じた。こんなときじゃなければ、こんな場所じゃなければ、こんな状況じゃなければ、その言葉にそこまでの重みはなかっただろう。いったい誰が、どうして、何をしたのか。すぐに私は他のみんなの部屋の扉を叩く。とにかく全員の安否を確認しないと。

 

 「おらーーーっ!!何がどうなってんだコノヤローーーッ!!」

 「わっ!?モ、モノクマ!?」

 「まさかこんなタイミングで校則違反なんかするすっとぼけ野郎がいるとは思わなかったよ!どこのどいつだ!スペシャルなおしおきで骨の髄から反省させて出汁取ってラーメンにしてやる!」

 「な、なんでモノクマがここに……!?じゃあこの声は?」

 「録音です」

 「わざわざ録音してまでこんな不気味なものを作らなくても……」

 「あわ、あわわ……あわわわわ……」

 

 死角から急に飛び出してきたモノクマの頭突きを脇腹に受けてしまった。柔らかくて全然ダメージがないけど、なんだか怒ってるみたいだ。一緒に現れたダメクマも慌てふためいている。どうもこの状況に戸惑っているのは私と庵野君だけじゃない。モノクマたちでさえ、校則違反が起きたことに困惑してるみたいだ。私たちを縛るためのルールとはいえ、想定してるものじゃないの?

 

 「えーい!あわあわしてないでオマエラもとっとと校則違反したのが誰か探しに行かねーか!おらっ!」

 「うわあっ!蹴るなんてひどい!」

 「なんで私がそんなことを……いやでも、誰が何をしたのかは気になるし……」

 「いったい何をしているんですか。なんですかこのうるさい放送は」

 「!」

 

 2人と2匹で右往左往してると、サイレンの音の隙間を縫うように、鼓膜を引っ掻くような嫌な声が聞こえてきた。尾田君だ。夜遅いせいかイラついている様子だ。

 

 「お、尾田君!あ、えっと……だ、大丈夫?」

 「どういう意味ですか。安眠できているかどうかという意味なら、ご覧のとおりです」

 「校則違反者が出たようなのです。尾田君は違反者ではないのですか?」

 「なぜ僕がそんなことを。そもそもこうして五体満足であなたたちの前で話して見せているのに、違反者なわけないでしょう。今ごろ違反者は影も残さずこの世からおさらばしていることでしょうよ。そうですよね、モノクマ」

 「え?あ、うん……そう、かもね。うっぷっぷのぷ」

 

 尾田君の問いかけに、モノクマは気のない返事で応える。どうしたんだろう。私たちを処刑するのはモノクマが一番好きなことのはずだ。その違和感について考えたとき、私は尾田君の言いたいことを理解できた。

 モノクマが慌てて校則違反者を探しに行かせようとしてる。これって、ものすごくおかしな状況だ。このコロシアイの中で私たちの行動のすべては、首に取り付けられたモノカラーで管理されている。これは、捜査と裁判に使う便利グッズなだけじゃなく、モノクマが私たちを監視する意味で付けているものだ。

 だから誰かが校則違反をしたら、これで分かるはずなんだ。なのにモノクマは、なぜか校則違反者が誰かを分かってないみたいだ。つまり、まだ誰も処刑されてないってことだ。

 

 「尾田君!みんなを起こすのを手伝って!全員ここにいるのを確認しなくちゃ!」

 「……まあ、この状況では眠れないですからね」

 

 そう言って、尾田君は一番近くにあった王村さんの部屋のドアを思いっきり蹴り付けた。急いではいるけど雑すぎ。私は毛利さんの部屋を、庵野君は長島さんの部屋のドアを叩いて、必死に声をかけ続けた。

 するとほどなくして、眠そうに目を擦ったみんなが部屋の中から現れた。いつの間にかサイレンは止んでいた。意味がないと分かったモノクマが止めたんだろう。みんなサイレンで目を覚ましてはいたけど、状況が分からず慎重になって部屋の中にいたらしい。何も考えず飛び出した私が軽率だって長島さんに笑われちゃった。

 

 「しかし、これはどういうことだ?」

 

 全員が揃った廊下を見て、毛利さんが頭を掻いた。

 

 「さっきのサイレンは校則違反者が現れたことを意味するものだろう。校則違反者は処刑される、それがルールだったと思ったが……」

 「全員揃ってるアル!処刑はなしカ?ただの安眠妨害カ!」

 「うぬぅん……こ、これはその……」

 「毛利さんの言うとおり、校則違反者の処刑は、モノクマに与えられた権利であると同時にモノクマが執り行うべき義務でもあります。校則違反者が生じたのに、違反者を特定できず処刑もできず……これは、ゲームマスターとしていかがなものでしょうか」

 「ぐ、ぐぬぬぬ……!」

 「明らかに異常なことが起こっています。今は真夜中ですし、処刑が行われないのであれば、明朝に話した方がいいのでは?王村さんが今にも違反してしまいそうです」

 「うつらうつら」

 「面倒だからあなたは部屋にいてください」

 

 尾田君が、今にも眠りそうな王村さんの襟首を掴んで、そのまま部屋に放り込んだ。そんなゴミ捨てみたいに。

 

 「王王(ワンワン)個室(ゴール)にシュウウウウウウウウウッ!!!」

 

 なんで長島さんは真夜中に叩き起こされてこんなにテンション高いの。

 

 「くっ……ど、どうなってるんだ……!こんな馬鹿な……!」

 

 庵野君の意見でまとまったようで、モノクマは特に反論してこなかった。それよりも、違反者が誰か分からないことが相当不可解らしく、冷や汗を垂らしながらわなわな震えていた。こんなモノクマは初めて見た。私たちの中の誰かが、ここまでモノクマを追い詰めたのか。それとも、もっと別の何かがこの学園で起きている……?

 


 

 「なんだこの反応は?」

 「現在、調査中です。本来は起きるはずがないものです」

 「誤りだと思うなよ。何が起きるか分からないなら、何が起きてもおかしくないと思っておけ」

 

 福丸が指示を飛ばす。管制室はにわかに慌ただしくなり、鳴り響く警報音の正体を突き止めるため大勢の人間が画面を注視する。何かの間違いか、それとも反応は正しくて不明な何かが起きているのか。いきなりのイレギュラーに、福丸は改めてこのミッションが一筋縄ではいかないことを思い知らされた。

 

 「ひとまずどう対処しましょうか」

 「はい無能。どうすればじゃなくてお前の意見を言え。意見がないならあるやつを連れて来い」

 「も、申し訳——」

「謝る時間が無駄だ。いいからさっさとしろ」

 

 唖然とする部下を追っ払い、福丸は適当なスタッフに声をかけて対処法について意見を聞く。いまこの場で指揮官は自分だが、最も知識があるのは自分ではない。対処法の知識もなければノウハウもない。それがある者の意見を聞いて判断し、必要ならより良い方法を提示して責任を取るためにいる。それを理解せずただ指示を仰ぐだけの部下など、いる意味がないのだ。

 ある程度の聞き取りをした後、福丸はひとまず通常通りの対応をするよう指示した。誤りであるならば後からいくらでもカバーできる。誤りでなかった場合、何者かの陰謀が働いていたときに、誤りだと早合点して何もしないでいるのが一番良くないことだとわかっているからだ。

 

 「指揮官殿!通常の対処が完了しました!やはり該当者は見つけられず……」

 「そうか。ならエラーの可能性を検討してその辺のシステムをチェックしろ。それで何も見つからなければ、誰かが裏で動いているで確定でいい」

 「かしこまりました!」

 

 誰か、とは言うが、福丸はすでにおおよその答えを持っていた。報告を聞き、これまでの出来事から判断してこんなことをしでかす人物の心当たりはひとりしかいない。だが、それが正しいという保証もない。いまはまだ静観し、先入観を持たずニュートラルに構えておくべきだ。ただし警戒だけは怠らず。




これ書いたの11月末です。
いつも投稿すると決まって誤字報告をいただくのですが(とっても助かってます。ありがとうございます)、3ヶ月あっても人間は基本的な誤字チェックすらしないんです。人間は愚かなものです。特に私。

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