エレベーターホールは冷たい光で照らされていた。無機質な蛍光灯がジリジリと不安な音をこぼしている。壁に投げかけられた私たちの影は、互いに交わらず重ならず、この期に及んでもどこか心の隔たりを感じさせる。私たちがホールに入ると、もう到着していた毛利さんと長島さんがこちらに視線を投げかけた。
「おや、3人とも仲良くまとめてやって来たネ。どこかで油を売ってたわけじゃないヨロシ?」
「油なんか売ってねェや。おめェらこそ、ちゃんと最後のギリギリまで捜査してたんだろうな?モノクマの封筒は見つけたんか」
「それはこの後の裁判でしっかり話す。漏れがあるかどうかは、モノクマにしか分からん。ここまで来たらあれこれ考えても仕方ない。あるもので勝負するしかないだろう」
「覚悟を、決めたのですね」
「決めるしかない……んだよね」
どこか張り詰めた空気の中で、私は自分の心臓の鼓動が脳からつま先まで貫くのを感じていた。今までの学級裁判と条件は同じはずだ。真相を暴けなければ待っているのは死。暴いたとしても、私たちには次の絶望が待っている。勝利なんてない、モノクマがいたずらに私たちを弄ぶだけの狂った遊び。
いや、ここから先に待っているのは、それとは少し違うんだろうか。もしきちんと推理をして、モノクマの求める答えを全て突きつけてやれば……それは私たちの勝利になるんだろうか。私たちはもう、絶望に悩まされることもないのだろうか。そう考えると、余計に緊張が高まる。
「で、5人とも揃ったのにモノクマは何やってるカ。いつもならとっとと出て来てエレベーターを動かすのにネ。おーい!出てこーい!」
「確かに、やけに時間がかかっているな。奴の方からアナウンスをしておいて、準備ができていないというわけでもあるまい」
「なんでェ。またいつかみてェにだんまり決め込むつもりか?」
「どうしたんだろ——」
「どらぁ!!観念しろぉ!!」
「アッーーー!!」
「わあ!?」
少しだけ不安が大きくなったエレベーターホールの微妙な雰囲気は、威勢のいい怒鳴り声でぶち破られた。現れたのは、今まさに話題に上がっていたモノクマだ。それから、私たちの中央に蹴り出されたそれは——まるでお白洲に突き出された罪人みたいに縛られてる——モノクマと同じ白と黒のツートンカラー。ダメクマだった。なんだか久しぶりに見た気がするけど、全然扱いが変わってない。
「くっ……!ううっ……!」
「こら!どこに行こうとしてる!こんにゃろ手こずらせやがって!大事な学級裁判の前だってのに往生際の悪い奴だなあもう!ボクがどれだけこの瞬間を待ち侘びたか分かってるのか!」
「だ、だめなんだ……!最後の学級裁判なんて……!それが始まったら……もう戻れなくなる!モノクマの思い通りになんか……!」
「あぁん?」
「みんな……!みんな間違ってるんだ!このままじゃダメなんだ!このままじゃ、どう足掻いてもモノクマの思い通りにしかならない!みんなが望む結末なんかありやしない!もう少し……もう少しのはずなんだ……!もう少しであお……!」
「ええい何をチピチピチャパチャパ言ってんだ!!いいから黙って縛られとけ!」
縛られたままの姿勢で、ダメクマはもぞもぞとまだエレベーターホールから学園に戻ろうとする。モノクマと違ってスペアの体もないから、あちこちの毛がほつれたり傷んだり汚れたりして、ぴかぴかふわふわのモノクマと並ぶとそのくたびれ具合がよく分かる。
そこまでして、一体ダメクマは何をしようとしているんだろう。みんなって、私たちのこと?
「なんだ、ダメクマではないですか。今更こんなのを相手にしてどうするというのです」
「へーんだっ!裏切者の裏切者となんか口きいてやんないよ!最後の学級裁判なんだから、この学園にいる全員が出廷するのが当たり前だろ!たとえおめーの席ねーから状態だったとしても、欠席なんてボクが許さないんだからね!でもせっかくの晴れ舞台だから、ダメなダメクマちゃんのためにちょっと良いロープとちょっといいねじ式フックで天井からぶら下げてやるよ!」
「くすん、乱暴しないでぇ!」
「気持ちが悪ィな」
「キモいアル」
「ひ、ひどい……!」
「そう言えばこの捜査時間中全く姿を見なかったなァ。モノクマは裁判の準備してたとしても、おめェはどこで何してやがったんでェ?そもそもおめェは一体……?」
「まあまあ王村さん。そのあたりのお話をするのも学級裁判でよろしいではありませんか。この異物の存在もまた、この世界の真相につながる手掛かりかも知れませんよ」
私はダメクマを見て、庵野君を見た後、一瞬だけ長島さんの顔色を伺った。彼女もまた、ダメクマの存在に疑念を抱いていた。もしかして、この学級裁判で倒すべき相手が“絶望”なんだったとしたら……モノクマが“絶望”でないなら、本当に私たちが倒すべきは……このダメクマなのかも知れない。
「いや〜、こいつを追いかけてたら思ったより時間がかかってね!ごめんごめん!お待たせお待たせ!そんじゃ、今からエレベーターを動かすから、オマエラもキリキリ乗り込むんだよ!ボクとこいつは先に裁判場に行ってるからね!オマエラの、この世界の運命が決まる、最後の最後の学級裁判の場に!うっぷっぷのぷーーー!!」
「イヤーッ!!ひいいいいいいいっ!!」
高笑いを残して、モノクマはダメクマを脇に抱えてエレベーターの隙間から地下に落下していった。モノクマはスペアがあるからいいけど、ダメクマはこれ即死レベルなんじゃ……。まあ、いつものことだから心配するだけ無駄なんだろうけど。それより今は、自分の気持ちを作ることに集中しないと。
甲高く軋む音とともに、エレベーターはその口を開く。洞窟の奥には魔物が潜んでいて、地下から吹き上げる風の唸りが私たちに身震いさせる。一歩そこに近づくごとに、私は猛烈に引き返したい衝動に駆られる。本当に大丈夫か、やり残したことはないか、まだ分かってないことがたくさんあるんじゃないか。考えても仕方ないことばかりだ。手元のカードでやるしかないんだって、さっき覚悟を決めたばかりじゃないか。
「甲斐」
「うっ……」
「期待している、とは言わない。私たちも同じだ。できることをやるだけだ。悔いの残らないようにな」
「バッキャロウ毛利!おめェやるだけやったら悔いが残らねェとでも思ってんのか!残るだろ!いきなりこんな訳のわからねェことに巻き込まれて、おいらにゃまだまだやりてェことも行きてェとこも会いてェ奴もいんだよ!おいらの人生まだまだ悔いだらけでェ!」
「い、いやそれはそうだが……言葉の綾というものだ。緊張しすぎても仕方がないだろう」
「やる前から負けることを考えてる奴に明日なんてないヨ。悔いを残さないなんて言葉、頭の中に負ける未来を描いてる証拠ネ。ただ勝つ、生き残る、相手を殺す、極限状態ではそれだけを考えてればいいアル」
「励ましてるだけなのにここまでボロカスに言われることがあるか?」
「皆さん不器用なだけですので……毛利さんのお心遣いはよく分かっていますから」
「……そうだよ。毛利さん」
毛利さんの言うとおりだ。でも、みんなの言う通りでもある。これから命を懸けた最後の学級裁判に挑むのに、心持ちの正解も間違いもない。ただひとつの正義だけがある。つまり、モノクマを倒す。それだけだ。そのためには……。
「できることだけじゃ足りないよ。できる以上のことをやるんだ。そうでないと、モノクマは倒せない」
みんながどういう表情をしているか、足元の視界は教えてくれない。私は冷たいエレベーターに乗り込んで、背後で日常が終わる音を聞いた。沈んでいく体、遠ざかっていく光、世界が闇に飲み込まれていく。無機質に感じていた蛍光灯の灯りさえ懐かしい。私たちは最後の裁判場へ有無を言わさず連れて行かれる。
エレベーターの中は痛いほどに無言だ。息が詰まりそうなほどの静寂だ。あれだけ頭の中に詰め込んでいた数々の情報は、無防備に開いた口から漏れ出して頭の上に溶けていくような気がした。何も考えられない。何も感じられない。ただ茫然としている自分の体の重みだけが、私がここに存在していることの証明だ。この暗黒の中では、自分が落下しているのか上昇しているのかすら分からなくなりそうで——。
「しっかりしてください」
——そんな声が聞こえた気がした。
はっと気が付くと、目の前には裁判場が広がっていた。いつの間に到着していたんだろう。みんながぎこちない足取りで円形の裁判場の、それぞれの証言台につく。並んだ15の遺影。みんなの視線が中央で交錯する。
とても静かだ。鏡のような水面に波紋を投げかけるように、玉座に腰掛けたモノクマが指を鳴らす。するするとスクリーンが降りて来た。これまでの学級裁判ではなかったことだ。いったい何が始まるのか、私たちの視線は自然とそちらに吸い寄せられる。明るい部屋の中でもはっきりと見えるくらい濃いプロジェクターの光が、そこにシンプルな文字列を表示した。
——ズバリ、このコロシアイの目的とは?——
そんな疑問文。そんなのこっちが聞きたい。だけどこれを映し出したということは、モノクマはそういうつもりなのだろう。
「さてオマエラ。見て分かるとおり、いよいよもって楽しい学級裁判も最後となってしまいました。寂しいですね」
「寂しかねェや」
「しかし、終わりよければ全て良し、終わり悪けりゃ全てカス!!という言葉もあるように、最後の最後こそ、流しでやってしまわず、うっかりやらかさないように気を付けるべきなのです」
「ずいぶん過激なことわざがあるネ」
「ないよ?」
「今までの学級裁判でのテーマは明確でした。誰が被害者を殺したクロか?それを議論してもらっていました。ですがここにクロはいません!オマエラは全員が仲間であり、全員でひとつの方向を向いています!あーなんて美しい友情なのでしょう!ボカァ涙が出てくるよ!こうヌルヌルと」
「それは涙ではないのでは?」
「何が言いたいのですか。いえ、言いたいことは分かります。何をもったいつけているのですか」
「わっかんないかなー。こういうのは情緒が大事なの。最後の最後、これでオマエラのコロシアイ生活も最後なんだよ?そう考えたら、こう、エモいだろ!エモエモのエモだろ!」
「親の面倒臭いときみたいだな」
最後の学級裁判を前にしてモノクマが何を口にするか。身構えて一言一句を聞き逃すまいとしていたけど、その覚悟は見事に肩透かしをくらった。こんなくだらない話を延々とされるとは思っていなかった。すでに私の集中力は途切れて、玉座の横にぶら下がっているダメクマがゆっくり回ってお尻を向けるのを眺めていた。
「まあまあオマエラの言うことも尤もだけど、一旦エモいだの尊いだのを安売りしてる奴ほど感受性が死んでるっていう話は横に置いといて」
「そんな話してねェよ」
「今回の学級裁判では何を議論するか?そのテーマを、ボクからオマエラに与えてあげます!それこそが、これ!うんうん!色々気になることはあるよね!これ以外にも色々と聞きたいことがあるだろうね!でもね、いいんだ。これだけで。何も足さない。何も引かない。オマエラがこの答えを見つけ出すとき、きっとオマエラの中の疑問は全部すべて何もかもまるっと氷解してることだろうよ!」
「コロシアイの目的……まあ、確かにそれが分かれば、おおよその答えは出ているだろうが。しかし、それが正しいかどうかを誰が判断する?まさか、お前が独断で決めるというのか。モノクマ」
「まっさかあ!とんでもないこと言うね毛利さん!ボクはいつだって真実の下でジャッジを下しているんだよ!オマエラが正しいクロを指摘したから、彼ら彼女らはおしおきされた!オマエラが今回も正しい真実をボクにぶつけてきたら、ボクはそれに相応しいものを返すよ!」
「まあ、そこは信じていいでしょう。モノクマはそういうものです。というより、それを信じずとも、手前どもに選択肢はないのでは?」
「確かに!それもそうアル!余計な心配ばっかりしてたら老けるヨ、
「……緊張感のない奴らめ」
毛利さんの心配は尤もだけど、私も今更そんなことを心配していても仕方ないと思う。それは、これまでだって同じだ。最初の裁判のとき、私は最後の最後まで、本当にこの中に益玉君と三沢さんを殺した犯人がいるなんて信じられなかった。モノクマが私たちを陥れるために、嘘の真相を用意してるんじゃないかって。それでも、私は必死に考えた。その先には……残酷だけど、確かな真実があった。
「でもよォ、モノクマは一度ならず二度までも、捏造しようとしたじゃねェか。理刈の件と尾田の件。不正をした奴は何度でもやるぜ」
「それはどちらも手前の存在が前提にありましたよ」
「ああもうオマエラったら疑り深いんだからなあもう!」
「どの口が言いますか」
「じゃあ分かった!オマエラがちゃんと真実を明らかにすることができたら、学級裁判に勝利したご褒美に加えてもう一つ、ボクになんでも命令できる権利をあげるよ!どうだ!これでやる気になったか!」
「なんでも命令?それに何の意味が……」
「うるさいうるさい!これがどんな大盤振る舞いなのか分からない奴はそれでもいいよ!でも一回だけだからね!ここにいるオマエラの誰かの命令を、一回だけなんでも聞いてあげる!そういう話!」
私にはそれがどれくらいモノクマにとって大胆な宣言なのかは分かりかねた。でもその興奮具合を見ると、はったりや適当で言ってるようなわけではないことは分かった。正直、モノクマのジャッジを疑う気持ちもあるけど、今はそれを論じても仕方がない。そもそもそんな不正をするつもりなら、こんな学級裁判は茶番でしかない。
「やるしかないんだね。どうあっても」
「そりゃそうネ。
「……くっそォ」
「やろう。これが最後だ。全力でやるんだ」
「手前も、皆さんの気が済むまで、どこまでもいつまでもお付き合いします」
どれだけ真剣な目つきで互いを見つめても、覚悟を決めて生唾を飲んでも、心臓の鼓動が裁判場全体を震わせても、15の物言わぬ影法師が醸し出す寂しさは晴れない。もしかしたら私たちは生き残ったんじゃないのかもしれない。取り残されたんだ。そう感じさせるような痛みだ。
裁判は静かにその幕を上げる。命懸けの議論、命懸けの追求、命懸けの推理、命懸けの選択、命懸けの発想、何か一つでも間違えれば待っているのは永遠の終わりだ。その恐怖を前にして、私の心は全く穏やかじゃなかった。でも、それでいい。
それを乗り越えてみせなければ、ここにいない
「今回の学級裁判は、最後の最後!ボクとオマエラとの大一番っていうことで、ちょっとだけいつもと勝利条件が違うよ!今回オマエラに議論してもらうのは、“このコロシアイの目的は何か?”という命題です!この裁判の最後に、オマエラ全員の総意としての考えを述べる役を誰に任せるか、それを投票してもらいます!その人の推理が答えとして適切であれば、オマエラの勝利!オマエラは晴れてこの学園から脱出し、本当の意味で新しい人生を歩み始めることができるのです!ただし、もしその推理が間違っていた場合は……分かってるよねえ?うっぷっぷっぷ!」
「な、なにィ!?ちょっと待て!最後の最後にこの中のひとりに全部任せるってのかよ!?そりゃ聞いてねェぞ!」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「手前も初耳ですね。まあ、皆さんの命運を担う大事な役割を手前が担わせてもらえるとは思えないですが、どうしてもそこは慎重にならざるを得ないですね。万が一、ということがありますので」
「この期に及んで疑心暗鬼を煽るようなルールを出してくるとは」
「それもモノクマの罠ってことネ。そんなのはいざその時になったら悩めばいいことアル。まだ話してもらう真実すらあやふやなままから、どうでもいいことに固執してる場合じゃないネ。いきなり弄ばれてどうするカ、
驚いた声が出そうになったのを、私はぐっと堪えた。王村さんが長島さんにポンポコテンにやられてるのを聞いて、堪えてよかったと思った。
でも私はそこで、一抹の不安がよぎった。たとえばもし庵野君に最後の推理を任せたら、きっと彼はめちゃくちゃな推理を話して、私たちを絶望の底に叩き落とすだろう。少なくとも“超高校級の絶望”というのはそういう人たちだというのが、私たちの共通認識だ。その考えを広げていけば……裁判の最後に何が起きるのかは明白だ。全員が全員、自分に話させろと主張する膠着状態。お互いの推理や考えのアラを突いて自分を正当化していき、やがて積み上げた推理の何が正しいか不安なまま、自滅する未来。
「そんなのダメだよ!」
「おっ……?ど、どうした甲斐?いきなり大声を出して」
「あっ、いやごめん……。ちょっと、先のことを考え過ぎただけ。うん。もう大丈夫。冷静になった」
「大丈夫かよホント……頼むぜ」
先のことを心配し過ぎてても仕方ない。さっき自分でそう言い聞かせたばっかりなのに、また私は不安に飲み込まれそうになった。いけないいけない。冷静に、目の前のことに集中していかないと。
「では、自由で闊達に議論しちゃってくださーい!」
「相変わらず突然丸投げしてくるんだな……。さて、どこから話す?命題は“コロシアイの目的”ということだが」
「ちょっと待て。今更こんなこと言うのもアレだと思われるかもしんねェし、自分でもどうかと思うんだけどよォ」
「枕詞は不要です。忌憚なく、どうぞ」
「そうか、じゃあ遠慮なく……尾田殺しの犯人ってマジにモノクマなのか?おいらにゃまだ、その辺がどうなってたか、いまいち曖昧で……」
「なんだそんなことカ!そりゃモノクマが犯人で決まりヨ!だって……
「いや、まあそりゃそうなんだが……前回の裁判って、なんか色々と段階をすっ飛ばして、いきなり庵野が暴露し始めたって感じだっただろ。そもそも、尾田を殺したのは内通者で、その正体が庵野なんじゃねェかって話をしてたはずなのに、いつの間にかモノクマが槍玉が挙げられて、しまいにゃ“絶望”がどうのこうのって……」
前回の裁判の終盤を思い出してみる。確か、私たちは織田君を殺害した犯人が内通者であるという意見で一致して、その正体を暴こうと考えていた。そこで私が、かつて内通者とモノクマが犯したミスを頼りに、その正体を庵野君だと指摘した。そうしたら……庵野君が朗々と自分の立場とモノクマの罪を宣ったんだった。
彼が内通者であることはほとんど確定的な事実だったから、その暴露にも説得力があって、それで私たちはなんとなく納得して、理解した風な感じになっていたけれど……そう言えば、細かいところはおざなりになっていたような気がする。ほぼ全て、庵野君の説明を鵜呑みにしていた。そのことに気付かされたとき、私は背筋が冷たくなった。
私たちは、内通者であると見破っていたはずの庵野君の言葉を、内通者の言葉であることを理解しながらそのまま受け入れていた。もし庵野君に悪意があって私たちを陥れようとしていたら……それがどれだけ危険なことか、今になって分かったのだ。
「確かに……私たちが明らかにしたのって、内通者が庵野君だっていうことだけだ。その後の庵野君の話には、なんの裏付けもない」
「これはまたずいぶんと手厳しいお言葉ですね。手前はもはやモノクマを見限り、皆さんとともに彼奴を打ち倒そうと決めたというのに」
「我々にはその決意を裏付けるだけの根拠がないという話だろう?」
「手前の話を受けてモノクマがとった行動や反応からしても、手前の話が真実であることは揺るぎない事実なのでは?」
「そうだとしても、尾田君がどうやって殺されたのかが明らかにならないままじゃ、なんだか……彼が浮かばれないような気がして……」
「そんなのどうでもよくないカ?もう解決した事件をもう一回解き明かすなんて、時間の無駄ヨ」
「いや、そうでもない」
私たちに信用されていないことに肩を落とす庵野君。一見無駄に思えることをすることに難色を示す長島さん。だけどその二人に、毛利さんが真っ向から反論する。
「尾田の殺害について分からないことがあるままなのは、最後の推理に関わる可能性がある。私は……まだ、奴の死について納得いかないことがある」
「ずいぶん意味深なこと言うネ。何が納得いかないカ?」
「事件の全てを浚う中で明らかになればよし、そうでなければ……それはより難解な疑問であるということになる。それをはっきりさせるためにも、尾田殺しの事件について考えなければならない。私はそう思う」
「で、でもよォ。おいらから言い出しといてなんなんだが、そんなことダラダラしててモノクマが痺れを切らさねェか?」
「いいよ〜。これで最後だからね。ボクは待つよ」
「ふむ。ここは、毛利さんと甲斐さんにお付き合いする方が得策ではないでしょうか。議論するかどうかの議論ばかりしていても仕方ありません」
「じゃあ……いいんか?」
半ば強引にだけど、なんとか裁判の流れを尾田君の事件の振り返りに向かわせることができた。毛利さんが納得いかないことがなんなのかは知らないし、王村さんが疑問を口にしたのは偶然だけど、言われたら私もどんどん気になってきた。
「で、どこから振り返るカ?」
「まずは、前回の裁判で明らかになったことを順番に整理していこう。まず、尾田君を殺した犯人は——」
Q.尾田劉平を殺害した犯人は?
▶︎モノクマ
庵野宣道
ダメクマ
「モノクマ、だったよな。うん。それは分かった」
「尾田の腹に空いていた大きな刺し傷。あれが死因と見て間違いない。傷口の大きさからして、得物も同様に大きなものだ。我々の中でそんな武器を扱えるのはモノクマしかいない。ここに来た初日に、モノクマがカルロスを脅したときに見せた槍が証明だ」
「それじゃあ次に、内通者である庵野君は、この事件にどう関わっていたか——」
Q.庵野宣道の、この事件における役割は?
尾田の殺害
▶︎現場の偽装工作
被害者
「はい、現場の偽装工作を行いました。モノクマによる殺害の証拠を隠蔽し、あたかも手前が彼を殺害したかのように見せかける。そのような工作です」
「改めて聞いてもおめェ何やってくれてんだ?それやってもおめェごと全員死ぬだけだろ!」
「もちろんそれは承知でモノクマに手を貸していました。なぜならば、手前は“超高校級の絶望”、そして“絶望”の象徴たるモノクマは手前が信奉すべき存在。そう信じていたからです」
「でも実際は違ったのネ」
「ええ。これは“絶望”ではない皆様には理解しがたいかも知れませんが……モノクマの“絶望”にはなんというか、『愛』がないのですね」
「ですね、って言われても知らないけど。でも、確かに今回の事件でのモノクマは少しおかしい。だって今までのモノクマは私たちに動機を配ったりして揺さぶってくることはあっても、直接危害を加えることは絶対になかった。そんなモノクマが、どうして尾田君を殺害することを選んだのか——」
Q.モノクマの動機は?
庵野の裏切り
最後の学級裁判
▶︎真夜中の校則違反者
「奴が夜毎、意図的に校則違反をしてモノクマを挑発したからだな」
「ちょっと失礼。僭越ながら少々補足を。挑発というのはいささか正確さを欠く表現です。尾田君の意図としては、モノクマが校則違反を放置せざるを得ない状況を作ることで、モノクマの皆さんに対する支配の説得力を奪おうとしたわけです」
「その辺がよく分かってねェんだよなァ。校則違反したら問答無用で処刑じゃなかったのか?なんでモノクマはすぐに尾田を処刑しなかったんだよ。わざわざ殺人事件に仕立てあげてまで、こそこそ殺す必要があったんだ?」
「それは、校則違反を犯したのが尾田君じゃなかったからだよ」
「はァ?いや、尾田が校則違反したから殺されたんだろ?」
「うん。もちろん、普通に校則違反を犯しても自分が処刑されて終わりになる。尾田君だってそんなことは分かってた。だから彼は、自分が処刑されない方法で校則違反をすることにした。そのために使ったのが——」
Q.尾田が校則違反を犯すために使用したものは?
▶︎他人のモノカラー
尾田の日記帳
モノクマの封筒
「
「あの裁判のときに言っていた理由で納得してしまったが……あれさえブラフだったというわけか。まったく食えん奴だ」
「尾田君は狭山さんのモノカラーをロープに括って、立ち入り禁止エリアに放り投げては回収するというのを何回も繰り返した。こうすることで、モノクマの認識では校則違反をしているのは狭山さんということになっていた。でも同時に狭山さんはもう亡くなってることも分かってたから、校則違反者を処刑できない状態が続くことになった」
「彼は、狭山さんの死体を溶かした時点で、ここまでのことを考えていたのでしょうか」
「そこまでは分かんないけど、きっとモノクマに対する切り札になることは確信してたと思うよ」
「ふーん、まァ、2回も聞きゃァなんとなく分かったような気がすんなァ。結局、モノクマは尾田が邪魔だったから殺したってわけだ」
「……やはり、分からんな」
これで、前の裁判の内容は振り返った。犯人と共犯者、動機と凶器、被害者の行動。真相を理解するのに必要な情報は全て出揃っているように見える。だけど私も毛利さんはまだ納得しきっていない。“尾田君を殺害した犯人は誰か?”に対する答えとしてこれ以上のものはない。私たちの疑問は、それとは少し違うところにある。
「どうしたカ、
「ああ。まだ明らかになっていないことがある」
「必要なら手前が補足しますが」
「いや、庵野に分かることではない。だからこそ今一度全員で考え直す必要があるんだが——
なぜ尾田は殺されたんだ?」
「——は?」
毛利さんが口にする。根本的で未解決な疑問。事件の真相解明には必要なかったけど、事件を解決するためには決して避けて通れない疑問。すでに解決されているようで、まだ何も明らかになっていない疑問。それは、内通者である庵野君にも、彼を殺害したモノクマにも分からない疑問。私たちで解き明かすしかない疑問。
「なぜって……それはたったいま振り返ったとおり、彼がモノクマの支配を脅かそうとしたことが原因で……」
「そうだな。それは尾田を殺したモノクマ側の理由だ。私が聞きたいのは、尾田側の理由だ」
「
「考えてみろ。たとえ狭山のモノカラーを利用して、一時的にはモノクマの目を誤魔化して奴の支配を潜り抜けることができたとしても、毎晩のように同じことをしていればいつかはバレることが分かるだろう。おまけに私たちの中には内通者もいるのだから、監視の目は1つではない。それが分かっていて、なぜ尾田はそんな危険なことを、殺されるまで続けたんだ?奴ならもっと隠蔽工作や違う手段を使って撹乱するぐらいのことはしそうじゃないか」
「……そりゃ、言われてみりゃァそうだけどよォ。それってそんな重要なことか?校則違反っつったって、モノカラーひとつ使ってできることなんてそう多くねェし、モノクマと庵野の目を盗んでできるのが、あの時間のああいう行動くらいしかなかったんじゃねェか?」
「そうだとして、あの尾田が自分の身を危険に晒すようなことをするというのが、どうも疑問なんだ。益玉が私たちのために自己犠牲を申し出てきたとき、あいつは私たち全員の前で益玉の行動を完全否定していたんだぞ」
尾田君側の理由。殺す側の理由じゃなくて、殺される側の理由。なぜ殺されることが分かっていてそんなことをするのか。もしこれが尾田君じゃなくて他の人が殺されていたのなら、少しは考えやすくなる。きっと、私たちのために自分の身を犠牲にしてくれたんだと。あるいは、何かそうせざるを得ない理由があったんだと。
「尾田に限って、自己犠牲などあり得ない」
毛利さんは言い切った。断言するのはどうかと思うけど、私も毛利さんと同じ気持ちだ。もし尾田君が自分の死を受け入れることがあるとして、その理由は私たちのためなんかでは決してないだろう。
「なぜ
「だからこそみんなで議論が必要なんだ。それに……」
私はそこで言い淀んだ。彼の行動の理由が、何らかの考えに基づくものじゃない場合……つまり、彼がモノクマとの勝負を投げたのだとしたら、それは、私たちがいま、これ以上ない絶望的な状況に置かれていることを意味している。尾田君が勝てないと判断した相手に、私たちは無謀にも挑んでしまっているのだから。
続きの言葉が出てこない私を見かねたのか、それとも私の迷いを察したのか、庵野君が続けてくれた。
「毛利さんの疑問は尤もかと思います。しかし、彼の行動からその理由を推測することは困難です。自分が殺されることも含み置いた上で彼が行動していたのなら、その決断の理由は事件に関わる行動以前に存在するからです。それを推理するだけの十分な理由を、手前どもが持っているとは思えません」
「つまり、考えようがないと?」
「今はそうでしょうね。しかし同時に、こういう可能性も考えられます。彼は、手前どもよりも遥か先で斃れた、というものです」
「なに言ってんだおめェ」
「要するに、彼は手前どもがこれから進むべき道の中に、死ぬ意味を見出したのではないでしょうか。モノクマから封筒が配られ、真実の一端を彼は目にしました。尾田君の頭脳があれば、わずかな時間で様々な可能性を、俯瞰して考えることができるでしょう。そして……彼は至ってしまったのです」
「……それはそれで絶望的なんだけど」
私たちがこれから進む道の上で、尾田君はモノクマに殺された。この学級裁判で明らかにすべき真実の中に、尾田君が死を覚悟するほどの理由が存在する。私たちは今からそれを暴かなければならない。暴けなければ、モノクマに殺される。
「進む先、行くも戻るも地獄だぞ、ってことカ。昔の人は名句を残したネ」
「え?え?は?なんだ?どういうことだ?」
「……ま、まあ案ずることはない。気を強く持つことだ」
「声震えてんじゃねェか!説得力のカケラもねェ!」
一体、この先に何が待ち受けているというんだろう。尾田君が、モノクマとの勝負よりも死を選ぶような事実がこの裁判の先で待っていると思うと、勢い吹かせていた私の脳がどんどん萎びていくような気がしてくる。この先には進んではいけない。そんなアラートが猛烈に頭の中に響く。
「それでも、行かねばなりません」
私たちの中で唯一、そんな“絶望”に全く怖気付かない
「じゃあやっぱりモノクマの封筒にヒントがあるってことネ。みんな見つけたカ?」
「見つけたっちゃァ見つけたけどよォ……わけわかんねェぜこれ」
「ひとつの封筒だけ読んでも真相は分かりません。色々な面から考えていくことが必要です。差し当たっては……尾田君が読んだであろうものを優先していきましょうか。彼の死の理由はそこにあります」
「持ってきているよな、甲斐」
「う、うん。もちろんだよ。でも……本当にいきなりこれを読むの?」
私は庵野君に問いかけた。この封筒の中身を知った上で、庵野君は裁判の序盤にこれを話すようにディレクションする。それが果たしてみんなにとって正しい順番なのか、すでに知ってしまった私にはもう分からない。これを話してみんながどう感じるか……余計に混乱する結果にしかならないと思うけど。
でも、尾田君が死を決意した理由が、本当にこの封筒の中にあるのなら、そこから始めるのは正しい順序だと思う。私は、封筒を取り出した。
「じゃ、じゃあ……取りあえず読んでみるけど」
「ずいぶん後ろ向きだな。まあ、ろくなことが書かれているわけもないが」
「みんな、一回聞いただけじゃよく分かんないだろうから、資料を見たくなったら言ってね。えっと、じゃあタイトルから——」
『”絶望”の再来事件』。尾田君の部屋に隠された封筒に書かれている事件。希望ヶ峰学園で起きた、凄惨なテロ事件。自分で読み上げてみても、伏せ字が多すぎてやっぱりよく分からない。案の定、聞いているみんなも首を傾げていた。こんなのでどうやって推理なんかしろっていうんだろう。
「いくらなんでも不親切すぎないか。大事な部分がほとんど分からないぞ」
「文章ならまだ少しは読めるんだけど……」
「でも気になるところはあったネ。“絶望”との関係がどうのこうのっていうところがあったヨ。それってつまり……この状況だったらどう考えても
「な、なんだとオイ!庵野!どういうことだ説明しやがれ!おめェのことがなんでモノクマの封筒に書いてあるんだよ!」
「王村は取りあえず他人を追及することをやめろ。ややこしくなる」
「むぐ」
さすがに長島さんは大事なところを耳聡く拾い上げていた。このファイルの問題点は、希望ヶ峰学園で凄惨な事件が起きたことじゃなく、それに“絶望”が関わっていることだ。そして私たちの中では、“絶望”といえば庵野君という図式が出来上がっている。これは庵野君が“超高校級の絶望”であることをカミングアウトするより前に配られたものだから、私たちと庵野君の間に亀裂を生じさせるために仕込まれた情報じゃないことは明白だ。つまり、ここから分かることには、意味がある。
「そう急かさずともお話します。確かに手前はこの事件のことは覚えております。何を隠そう、この事件の実行犯は他ならぬ手前なのですから」
「実行犯?……詳しく聞こうか。“絶望”の再来事件とは一体なんだ?」
「……少し、突拍子もない話に感じられるかも知れません」
一拍おいて、庵野君は私たちの顔を見た。この話を私たちがどう受け止めるか、きちんと受け止められるか、値踏みするように。そんなことしたってしなくたって、みんなの答えはきっと変わらない。一度話を聞いただけですんなり受け止められるような話じゃない。
「“絶望”の再来事件——まず、再来という言葉ですが、これはかつて希望ヶ峰学園で起きた“希望ヶ峰学園史上最大最悪の絶望的事件”のことを指しています。“超高校級の絶望”の首魁たる江ノ島盾子様が、当時の希望ヶ峰学園生徒会を間接的に皆殺しにした事件です」
「いきなり耳を疑うしかねェんだが」
「まあ聞こう。今さらだ」
「”絶望”の再来事件は、その事件のように、希望ヶ峰学園で一度に大量の生徒が命を落とすことになったことを嘆いて、いつしかメディアが名付けたものです。無論、“絶望”とは“超高校級の絶望”ですね。つまり、この事件の実行犯が“超高校級の絶望”であることも周知の事実であるわけです」
「実行犯はお前だろう?つまり……お前が関与していることが既に明らかになっているわけか」
「ええ。色々と捜査の手が入ったのでしょう。“絶望”の再来事件とは、手前が起こした自爆テロです」
「……ん?」
自爆テロ、その言葉が実行犯の口から語られる。一瞬飲み込みかけたその言葉が喉を遡ってきて、私たちの頭の上に疑問符を咲かせる。
「自爆テロ……ならなんでお前はここにいるカ?自爆しても生きてるなんてポケットの中のモンスターくらいヨ」
「さて?」
「さてって」
「手前もはっきり覚えているのは、手前の教室で爆弾を起爆させたところまでです。その後は……まるで時間が吹き飛んだように、気付けばこの中のベッドに寝ておりました」
「いやいや待て!普通に爆弾とか言ってっけどおめェなにやってんだ!?そんなことしてなんになる!?自分から爆弾持って突っ込むとか頭イカレてんのか!?」
「ご理解いただけないでしょうね。手前は“絶望”ですので」
「なら聞くが、この黒塗りされているところには、どんな文章が入ると思う?」
「そうですね……。最後の部分は丸々黒塗りなので分かりませんが、それまでの部分には事件のことが書かれているでしょう。この書き振りから見るに、おそらく事件に巻き込まれた生徒は手前も含め全員死亡しているようですね」
「他人事みたいに言うネ。こんなのに巻き込まれてかわいそうアル」
「……他人事、みたいだよね。本当」
その言葉はまるで皮肉のように聞こえて。だけど口にした本人さえ気付いていなくて。なんだか笑えてしまった。本当に、この資料を読んでいる限りじゃ、まるで他人事だ。目の前に自爆テロの実行犯である庵野君がピンピンして立っているのも全然意味が分からないけど、私たちはもっと考えるべきなんだ。庵野君は、私たちにとってどういう人間か。
「何か言いたげだな、甲斐」
「……庵野君が自爆テロをしたのは、自分の教室なんだよね」
「ええ。少し朧げですが、全員が揃っていたかと思います。なるべく多くの人間を巻き込んでこそのテロですから、きちんと朝礼前の時間を狙いました」
「えげつねェことしやがる。で、なんでおめェは生きてんだ?」
「そればかりは。事件の真相を聞き出そうとしてどなたかが処置をしてくださったのでしょうか。火傷の痕ひとつないのは不可思議ですが」
「だからなんでそんな他人事なんだよ!おめェの体のことだろうが!」
「他人事なのは、庵野君だけじゃないよ」
私の言葉で場の空気がピリつく。嫌な予感が私たちを取り囲んだ。
「まだ話してないことがあるよね?庵野君」
「……」
「な、なんだ?なんの話してんだ?まだ話してねェことってのァどういうこってェ!」
「庵野君は自分の教室で自爆テロを起こした。ということは、その教室にいた人たち……このテロの犠牲になった人たちは、どういう人たちだと思う?」
「教室にいたということは、庵野のクラスメイトということになるな……クラスメイト?」
「は?……ああ、え?そ、そういうことカ?」
「クラスメイトっていやァ……うん?いやいや、いや?希望ヶ峰学園ってあれだよな?毎年スカウト入学だけで……は?」
困惑と動揺が染みていく。前提となる知識と目の前の事実が交わったときに生まれる結論が、どれほど疑わしいものであったとしても、今は信じるしかない。もしかしたら尾田君もこんなことを考えていたのかも知れない。もしそれが本当なんだとしたら……こんなに不気味なことはない。
「庵野君は私たちと同じ時期に入学した。つまり……そのとき犠牲になったクラスメイトっていうのは……
私たち自身のはずなんだ」
自分たちがなぜここにいるのか。理不尽への反抗だった切先が、唐突に自分の胸先に突きつけられたようだった。
昔から帽子が似合わないんですが、帽子を買いました。
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