追放系お嬢様   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第8話 空気の読めない奴は追放ですわ

何故か登校初日からクラスのボスがいるという状況。あれ転生前は人付き合いが薄かったからわからなかったのですが、どうやらある程度のコミュニティに所属している方はわたくしとその取り巻きがヤベー奴という情報を仕入れることが出来るようですわね?

 

そのためか、自然と周囲から人が遠ざかる……嫌われているというよりは、単純に恐れられていますわね。まあこれから学園で虐めを行うことを考えると好都合ですわ。

 

この魔法学園の特徴として、貴族や王族が多くいるため、自然と学内には派閥というものが出来、抗争だとか権力争いをするそうですわよ。恐ろしくてたまりませんわ。一応教師には元軍人の厳しい方が多くて、教師の中にも貴族は多いですが、王国の第一後継者の王子相手とかだと野放しですわね。

 

だからあのリンデンとかいう馬鹿は殴り込みに来たんでしょうが……あれが野放しにされているとかこの学園の規律はどうなっているのでしょう?……あっ、生徒会メンバーのほとんどがリンデン派閥ですわ。あれで最大派閥……。

 

……まずは入学式が行われるので、主席であるわたくしは当然壇上に上がり挨拶を行いますわよ。そして長々とした、学園の用意した文章を読んでいると会場内に煙が充満してきましたけど……何故皆様はお気づきになられないのでしょうかね?

 

不思議に思っていると、唐突に立っていた新入生を含む全校生徒全員がバタンと倒れますけど……これこの後にエッチなことされるやつではありませんの?エッチなことされるやつですわよね?エッチなことされたいですわ。

 

耐えているのは、一部の人だけですわね。あ、ユースケとかいう無礼者も耐えてますわ。生意気ですわ。

 

さて、檀上の上に立っているわたくしは非常に目立つのですがどうしましょう?一先ず、眠るフリをしておきましょうか?

 

頭からズドンと床に倒れ込んで、檀上から下々の全校生徒を見渡す格好になると、数人苦しみながらも立っている人間がいますわね。ですがその残りの数人もどんどん倒れて……田舎者で臆病者なユースケと、貴族なのに魔力のないエイブラハムはそれでも立っている側ですか。まああの2人はなんかありそうだったので納得ではありますわね。

 

ウキウキで何が起こるか待っていたら、上空から裂け目が出来て、筋肉隆々な悪魔っぽい男が出てきましたわ。何故この手の悪魔って、裸でボクサーパンツ一丁なのでしょう?紫色の肌とはいえ、良い身体をしている上にボクサーパンツがやけにもっこりとしているのでちょーっと視線が釘付けになってしまいますわ。

 

思わず目を開いてしまいましたが、悪魔は私には目もくれず、立っている人に相対している感じですわね。ちょっとここからでは聞こえませんが、何やら面白い話をしている様子。

 

……うーん、微かに聞き取れる会話ではどうやら立っている人間を魔族領に連れ帰ろうとしているのかしら?それは私も連れ帰って貰って、あのビッグな○○○で犯して貰いたいですわ。人間離れした○○○を持つ悪魔達に輪姦されたいですわ。

 

そうこうしているうちに、エイブラハムが何やら手に剣を纏って悪魔へと攻撃しますし、ユースケは小さいながらもえげつなさそうな威力を持っている魔法で攻撃しますわ。

 

その上、何かもう一つの裂け目からオレンジ色のマフラーをした青髪の活発そうな女の子も登場しましたわ。あの額の紋章は、文献とかでよく見る勇者のマークですわね。そこから始まる魔法でのドンパチ。是非ともあの中央に混ざりたいですわ。

 

どうせなら、凄い火力と噂の勇者の攻撃を受けたい……と言っても、単純に悪魔側で参戦すると、この時点で私は破滅してしまいますわね。せっかく破壊されるための基盤作りに魔法学園まで来たのに、初日で終わらせてしまうのも少々勿体ないですわ。

 

それに自壊するのも良いのですが、やはり抗えない圧倒的な力により壊される方が断然魅力的ですわ。自身の力ではどうしようもない力に圧倒され、無様に壊されたいですわ。そしてその抗う時に、自分は自分の手を抜くということをしたくないですわ。

 

ですが、あの魔法の撃ち合いには参加したい……。……そうですわね。洗脳されていることにしましょう。

 

高いレベルで攻撃魔法を連続ぶっぱしている悪魔の方に、強い念波を送りますわ。

 

『今から貴方に洗脳されてあげますわ。味方として加担してあげますわ』

(は?)

 

その後、頑張って虚ろな目になって悪魔の前に跳んで行って、ユースケ、エイブラハム、女勇者の前に立ちますわ。この3人、本気になるとそこそこ戦えるようなので攻撃を受けてみたいですわね。

 

『早く話を合わせなさい。出力を上げて脳を殺しますわよ?』

(なっ……ひぃ!?)

「ククク……目的を果たすまでは、同士討ちでもして貰おうか」

「操っているのか!?卑怯者め!」

 

強い念波で悪魔の脳へ過剰な負荷をかけると、話を合わせてくれる悪魔は優しいですわね。どうやらこの学園に来た目的があるようなので、そっちに専念して貰った方がこちらとしてもボロが出なさそうで良いですわ。

 

女勇者は近くで見ると可愛いですわね。早速魔法で火の玉を作って攻撃すると、最小限の動きで躱して剣の側面部分で平打ちしてきますが、手加減されている攻撃は痛くとも何ともないですわね。……これはちょっと、本気になって貰わないといけないですわ。

 


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