0時0分に投稿した筈なんだけどなぁ…全文コピペして新しく作ったわ。
ゆるして
ハーメルンは許さない。
また時が流れ、依媛との激闘から三ヶ月が経った。
季節は夏を迎え、ホトトギスが夏の訪れを知らせんとばかりにけたたましく鳴いている。
人工的に植えられた草花は緑に生命溢るる輝きを放ち、さわさわと草の擦れる音を響かせて存在感を示している。
そんな爽やかな夏の風が靡く中、シン達はとある場所に佇んでいた。
それは古代ローマ帝国に存在したコロッセオのような巨大な円形の建物であり、喧騒を立てながら老若男女、様々な人がここに訪れている。
勿論コロッセオと同じように処刑を楽しむために足を運んでいる訳でなく、あるイベントを楽しみに来たのである。
シン達はここまで人が集まるものなのかと驚き、一人くらい食べてもバレないだろうという
◆◆
「いいか!お前らに知らせておくことがある!それはーーー」
それは突然のことだった。
弦楽が修行が終わり、クタクタになった門下生たちを呼び止めて言う。
面倒臭そうに振り向いた彼らは次の瞬間、歓声を上げることになった。
「一週間後に軍の編入兼実力テスト…
「うおおぉぉぉぉおおおお!!」
誰とも知らずに上げられた叫びは場を包み込み、皆疲れ果てているのにも関わらず元気に与太話を開始した。
やれ誰が勝つだの、やれ一位ならどうなるんだろう、としょうもない話を楽しそうに繰り広げていた。
誰が勝つかについては二人の名が上がった。
勿論、依姫とシンである。
<勝つのは俺達だ…ッ!今度こそ…今度こそ勝つぞ…ッ!>
(勿論だ…!玄楽の言っていたリベンジ、とはこのことを言っていたんだろうな…)
笑い声を他所にシンは静かな、それでいて業火ににも勝る闘志を燃やしていた。
その想いで胸を満たし、その場を去った。
それは依姫も例外ではない。
以前勝ち越しはしているものの、接戦に次ぐ接戦が続いている。
今度こそ負けてしまうかも知らない…しかし、だからと言って全力を尽くさないとシン達の想いに泥を塗ることとなる。
全力を超えて相手をする、そう心に誓い、依姫もシン達の後を追うように去った。
◆◆
あれから一週間、ついにその時が来た。
門下生の姿も多く見られ、他にも屈強な者や闘志を漲らせた顔をする者、緊張したようにビクビクとした者がと円形施設に入っていく。
勿論別の入り口に観戦を楽しむであろう一般客がゾロゾロと入り、人の行列を作るまでに押し寄せていた。
まるでオリンピックであり、実際この都市でも娯楽の一つとして楽しまれているのだろう。
シンは何故だか今になって緊張感が生まれ、深呼吸を挟んで歩き出した。
「さぁ、行くか!」
<やるからには一位だ!分かってるなッ!?」
「勿論…!薙ぎ倒していくぞ…ッ!」
激闘の予感に少しばかり興奮する。
一般用のパンフレットには
都市の未来を担う若者が大激突ッ!!軍来祭を決して見逃すなッ!!
と記載されており、今からあらゆる人に見られるのだと思うと少し気恥ずかしくも感じた。
ショートボブのいかにもOLのような案内人を通して迷路のような道を歩き、控室まで歩く。
余りにも長い道であり、退屈になったシンは歩いている途中に案内人と世間話をした。
「なぁアンタ、なんでこんな大衆にみせる必要があると思う?あれか?やっぱ娯楽的な物か?」
「あはは…勿論娯楽の意味もあると思いますけど、一番は神様が観たいと仰っているからなんですよ」
「神…?そんなのが本当に居るのか?」
神とは人が想像上で作り出した偶像のような物に過ぎず、祈ることしか出来ない人間が創ったモノだと、シンはこれまで思っていた。
しかしこの案内人から飛び出した言葉は、神が観たいから。
まるで本当に神が存在するような言い草で、思わず疑問を呈してしまう。
案内人は体を後ろに逸らして言った。
「知らないんですか?赤子でも知ってることですよ?」
「生憎会ったことも無いんでな」
「しょうがないですね…この都市には神様が居て、防壁を創り出し、妖怪の出す穢れを浄化する結界を張ってくださったんですよ、名前は
「ほぉ…月読命…」
月読命は記憶が正しければ、月を神格化した夜を統べる神であり、天照大御神と
妖怪とかいう摩訶不思議な生物が居るのだから、きっと神も居るのだろう。
そう断定し、同時に戦闘マニアと聞いて神の完全無欠のイメージが崩れた。
更に穢れという新事実や、黒い化け物…防壁を創り出したという腕前に興味を抱き、更に質問しようとした所、案内人が立ち止まった。
「さ、ここが控室です、モニターで観戦できるのでよかったらご利用ください、出場の時が来ましたら係のものが迎えに行きます、それでは」
「お、おぉありがとう…」
話に熱中するあまり周りが見えていなかったようだ、扉のネームプレートにはシン様、と書かれており、開かれた扉の奥からどことなく上品な雰囲気を漂わせている。
案内人は足早に来た道を戻り、その背中はあっという間に小さくなってしまった。
もう少し話を、もとい情報収集をしたかったが、居なくなったのでは仕方ない。
大人しく部屋に入った。
部屋はこぢんまりとしてあり、モニター用のテレビ、机、座布団と、無駄な物を全て剥ぎ取ったような様相を示していた。
少しの悪態を吐き、暇潰しにテレビを付ける。
テレビではニュース、バラエティ、ドキュメンタリーと一通りのジャンルが放送されており、その中でもあるニュースに目が向いた。
そのニュースでは都市伝説のような怪異な事件が放送され、被害者のインタビューへ移る途中であった。
被害者は目に海苔のような黒い車線が引かれているが、その顔にどこか見覚えがあった。
… 空色の髪をしたウサギ少女、あれ、おかしいな、どこかの路地裏で会った気がする。
『路地裏にで化け物に会った、と言うお話でしたが、一体どのような化け物に遭遇したのですか?』
『えぇ…あの時は近道で路地裏を使っていたんですが…突然空から大きな人型の黒い化け物が降っていて…ほんとに怖くてその場で腰が抜けてしまったんです…気付いた時にはもうソレが居なくて…でも大きなヒビ割れが地面に残っていたんです…』
『成程…!怖い記憶を思い出してまで情報を下さってありがとうございます!以上、インタビューでした!』
うさ耳をヨレヨレにしていくウサギ少女の言葉と共に、いつかにビルを疾走したシン達の記憶が蘇った。
隅々から一致していく事実に、全身から冷や汗が飛び出した。
「間違いねぇ…あれ、俺達だ…」
<もう有名人じゃねぇか、やったな!>
「いや良くねぇよ!」
案内人の与太話でも黒い化け物もひょっとしたらシン達のことだろう。
戦闘中は恐らくヴェノムを纏う、その時に黒い化け物と恐れられたら面倒だ…
そう苦渋に思っていると、テレビが切り替わり、ある女性を映し出した。
夜の闇を思わせる漆黒の髪とブルーの混じった瞳、着物を思わせる服を着用し、テレビ越しにでも分かる程の着物を押し上げる胸が存在感が強調されていた。
大方、開会式でも開くのだろう、それにしても番組ごと変えるとは、それほどの一大イベントのようだ。
そう考えながら視聴していると、女性がマイクに乗った驚くべき一言を放った。
「民よ、まずはこの場に集まってくれたことに感謝する…そして、この場を借りて宣誓する…吾、
マイクによって重々しく荘厳な一言で軍来祭の開催が宣言され、歓声が爆発したが、問題はそこではない。
自らを月読命と称したこの女性だ。
確かに神としての威厳があるー特に胸の大きさとかーしかし、神のイメージは空から舞い降りた半透明の髭親父や、顔を隠した女などと価値観が凝り固まっており、神のイメージが悉く粉砕された。
テレビは割れんばかりの喝采をする民衆の顔や、ドヤ顔を決める月読命を映しており、どれだけこの祭りに重大性があるのか示していた。
最も、神の娯楽目当ての祭りだそうだが。
更に闘技場の形状もほぼコロッセオと同じであり、円形のフィールド、さらに取り巻くように観客席が広がり、空には晴天が見てとれた。
映像では司会を取る男性がマイクをとり、口頭で月読命に感謝を示した後に祭りについて説明をするところに移り変わった。
『さあ!楽しみに祭りを待つ皆さん!ここでトーナメント表が発表されるようだ!選手の方も目をかっぽじって見てくれ!』
そして、巨大モニターにトーナメント表がブォンという独特な音と共に掲示された。
依姫とは別のブロックであり、順当に勝ち進めば、決勝で会えることを示している。
しかし、トーナメントが長い、合計七回ほど戦わなくてはならないようだ。
司会の男は続けて言う。
『負傷した者は賢者、八意様に診て貰えるから安心しな!では早速だが第一試合を始める!選手は前へッ!!』
歓声がひと回り大きくなり、屈強な肉体の選手が登場した。
二人は手を観客向けて振っており、観客もそれに応えるかのように歓声を大きくする。
シン達は月読命などのことは深くは考えず、今はこの試合を楽しむことに没頭し、自身の番を待った。
ご拝読、ありがとうございますなのぜ!
そして箱箱さん、☆10評価大変感謝いたしますのぜ!
えちちな小説も投稿したから見るのぜ!
見ろ(豹変)
登場人物紹介っている?
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やってくれ 必要だろ(いる)
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それは雑魚の思考だ(いらない)